公認会計士の転職先を全13種紹介します【監査法人からその先へ】

公認会計士の転職先を全て見せます。【監査法人から、その先へ】

公認会計士・税理士の藤沼です。

公認会計士の転職先は、以下の全13種あります。

公認会計士の転職先【全13種】

職種概要
経理最もオーソドックスな転職先。WLBが良く、年収も比較的高い
内部監査年収は高いが求人は少なく、キャリアの幅は狭まる
経営企画会計税務の知識を活用する場面が少なく、経営の視点が必要
ベンチャーCFO非常に激務だが、SOによる一攫千金が望める
大手監査法人(監査部門)スキルが会計監査に偏りがち。良くも悪くも一般的なキャリア
大手監査法人(アドバイザリー)特定のアドバイザリー領域に特化した、最先端の知見が得られる
中小監査法人BIG4に比べると圧倒的に働きやすく、今人気の選択肢
FASコンサル志望の若手会計士に一番おすすめの職種
戦略コンサル最も激務な職種。企業会計の知識はほぼ使わなくなる
会計事務所独立志望の会計士にはおすすめだが、年収は下がる
税理士法人特定の税務分野に特化したい会計士にはおすすめ
投資銀行やりがいはあるが激務。英語力は必須
PEファンド年収が非常に高い。金融系のゴールと言えるポジション

上記のとおり、私たち会計士のキャリアは選択肢が豊富です。

本記事では、そんな私たち会計士の転職先全種を比較して紹介し、併せて転職先選びの軸も解説します。

私自身の体験談も交えて解説していますので、内容に自信あり。

かなりボリュームが多いですが、内容も非常に濃いので、ぜひ何度も目を通してご参考ください。

この記事で分かること


  • 全13種ある会計士の転職先のうち、王道は7種ある
  • 帰属意識が強い人には、経理または中小監査法人がおすすめ
  • ワークライフバランスを求めるなら、経理または中小監査法人がおすすめ
  • やりがいを求めるなら、ベンチャーCFOまたはFASがおすすめ
  • 独立開業をめざしているなら、会計事務所または税理士法人がおすすめ
  • 20~30代の若手会計士ほぼ全ての職種が選択肢に挙がるため、キャリアカウンセリングで慎重に将来を考えた方が良い
この記事を書いた人

1986年生まれ(38歳)
公認会計士税理士

2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表


目次

公認会計士の転職先は全13種ある【比較表】

下記は、会計士の転職先(全13種)ごとの簡単な比較表です。

※ 職種名をクリックすると、解説項目にジャンプします。

※ 職種名をタップすると、解説項目にジャンプします。

会計士の転職先13種【簡易比較表】

職種求人年収WLB内定
事業会社
経理
内部監査
経営企画
ベンチャーCFO
監査法人
大手監査法人 (監査部門)
大手監査法人 (アドバイザリー)
中小監査法人
コンサル
FAS
戦略コンサル
税務
会計事務所
税理士法人
金融
投資銀行
PEファンド
(マイナビ会計士の公開する「求人票」を抽出し分類・集計した。)

公認会計士のキャリアはとても幅広く、需要も非常に多いです。

これが公認会計士が転職市場で最強と言われる所以です。

しかし、転職先が多すぎるが故に悩む方も多いでしょう。

私たち会計士の転職先は全13種に分けられ、全体の約97%の会計士がいずれかの職種に転職しています。

以下、それぞれ転職先ごとの内容を解説します。

経理

経理

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

事業会社の経理は、「監査法人出身者に最も人気の転職先」といっても過言ではないでしょう。

なぜなら、求人数が非常に多く、また未経験でも参入できる職種だからです。

その他、経理には次のような特徴があります。

会計士が経理へ転職した際の特徴
  • 監査経験を活かせる
  • 残業が少なく、私生活のスケジュールを立てやすい
  • 汎用性の高いスキルが得られる
  • 内定が出やすい

上場企業では「監査対応」を求められることから、会計士は重宝されます。

また、M&Aを頻繁に繰り返すような上場会社(いわゆるメガベンチャー)では、ファイナンスの知見も得られる反面、一般的な経理業務から外れる可能性がありますので、応募前に必ず業務内容を確認しましょう。

経理に転職した会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

内部監査

内部監査

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

上場直後の上場会社では、内部監査部門のキーマンとして  公認会計士を採用するケースがあります。

J-SOXは経営者にとって馴染みが薄いことから、IPO後のJ-SOX監査猶予期間が近づくにつれ、ニーズが非常に高まるようです。

ただし、基本的には生え抜きの社員が配属される傾向にあるため、求人数が少なく、競争率はやや高めです。

また、スキルの汎用性が低いため、キャリアの幅を狭めてしまう可能性には要注意です。

会計士が内部監査に転職する場合の注意点
  • 生え抜きが多く、経理に比べると採用倍率が高い
  • 得られるスキルの汎用性が低く、キャリアの幅が狭くなる
  • ただし希少価値が高いため、年収も高い

一方でワークライフバランスは取りやすいため、内部監査は40代以降の会計士にオススメの転職歳と言えるでしょう。

内部監査に転職した会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

経営企画

経営企画

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

特定業種・業界への知見を活かし、経営企画に転職するという選択肢もあります。

経営企画では、主に次のようなスキルを評価されます。

経営企画で評価されやすいポイント
  • 特定業種・業界のビジネスへの理解
  • M&Aに関する会計・税務のスキル
  • 予算組みに関するスキル

通常、経営企画ではさほど企業会計のスキルを求められません。

しかし、敢えて会計士を採用したいという企業では、予算・M&Aなど会計に近いポジションを用意しているケースが多いです。

会計・監査から、キャリアを「企業経営」にシフトさせたい方にはオススメの転職先と言えます。

経営企画に転職した会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

ベンチャーCFO

ベンチャーCFO

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

CFOポジション(又は候補者)として、若手会計士を採用するベンチャー企業は多いです。

なぜなら、組織の平均年齢が若く、優秀な若手人材を求めるケースが多いからです。

会計士がベンチャーCFOに転職するメリットは、次のとおりです。

ベンチャーCFOに転職するメリット
  • 経営に関与できる
  • IPOの知見を活かせる
  • 組織を動かす面白さがある
  • ストックオプションにより、多額の報酬を手にする可能性がある

企業会計に加え、ファイナンス・経営などのキャリアを積むことができるため、若手会計士にとって大きな成長につながる転職先です。

ベンチャーCFOに転職した会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

大手監査法人(アシュアランス)

大手監査法人(アシュアランス)

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

BIG4(あずさ監査法人・EY新日本監査法人・監査法人トーマツ・PwCあらた監査法人)の監査部門は、ほぼ説明不要でしょう。

1つだけ解説するとすれば、「キャリアの幅広さ」です。

BIG4でのキャリアは、多くの転職先で評価されます。

実際に転職エージェントに登録すると、自らの市場価値の高さにすぐ気付くでしょう。

大手監査法人(アシュアランス)の良い点
  • 得られるスキルの汎用性が抜群に高く、ほとんどの職種でスキルを活用できる
  • 中小監査法人でも経験が高く評価される
  • 残業の多さ・ストレス耐性が身に付く

大手監査法人(アドバイザリー)

大手監査法人(アドバイザリー)

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

独立系FASのほかに、FAサービスを提供する組織として「BIG4のアドバイザリー」という選択肢があります。

独立系FASとの相違点は、次のとおりです。

監査法人アドバイザリー vs 国内系FAS

アドバイザリーFAS
プロジェクト小~中
組織規模小~中
給料高いピンキリ
品質高いピンキリ
忙しさ忙しいピンキリ
関与するサービス限定的幅広い

監査法人のアドバイザリーは、ネームバリューがあるため、クライアント規模が大きく報酬(給与)も安定して高い傾向にあります。

しかし、プロジェクトの規模が大きいため、関与できる業務がサービスラインで区切られます。

例えば、バリュエーション+不正調査など、複数のサービスラインを跨ぐことは原則ありません。

大手監査法人(アドバイザリー)の特徴
  • サービスラインが縦割りなので、やりたい事が決まっている人は選びやすい
  • 監査部門と同等またはそれ以上に忙しい
  • ずっと働くような環境ではなく、将来を見据えた踏み台として使われるケースが多い

一方でサービス品質は非常に高いため、まずBIG4で経験を積み、その後FASに転職しスキルを活かす、といったキャリア形成をする方も多いです。

監査法人アドバイザリーのキャリアついて、詳しくは次の記事で紹介しています。

中小監査法人

中小監査法人

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

最近、中小監査法人に転職する会計士がとても増えています。

というのも、中小監査法人はBIG4よりも年収が高く、かつワークライフバランスが充実しやすい傾向にあるからです。

私はとある中小監査法人でリクルートの顧問をしていましたが、特にBIG4所属の会計士から、かなり多くの問い合わせがありました。

中小監査法人に転職するメリットには、例えば次のようなものがあります。

中小監査法人に転職するメリット(例)
  • 残業が少なく、ワークライフバランスが充実しやすい
  • 本質的な業務の割合が多い
  • パートナーに昇格しやすい
  • BIG4よりも年収が高い
  • BIG4のようなピリピリ感がない

中小監査法人は、BIG4のような大手グローバルファームと提携していないため、監査手続については監査チームに多くの裁量がゆだねられます。

そのため、ある種ムダとも思えるような大量の文書化・バウチング・調書整理などの作業が求められず、本質的な作業に集中できます。

監査=つまらないというイメージを抱きやすいですが、中小監査法人での仕事には一定の面白さを感じました。

働いてみて(良い意味で)カルチャーショックを受けたので、個人的にはオススメの転職先です。

中小監査法人での働き方について、詳しくは次の記事で紹介しています。

FAS

FAS

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

FASとは、ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス(Finansial Advisory Services)の略称です。

FASに明確な定義はありませんが、会計面から提供するコンサルサービス全般を指すことが多いです。

具体的には、例えば次のサービスがFASに含まれます。

FAサービスの代表例
  • 財務DD
  • バリュエーション
  • PMI
  • 企業再生・事業再生
  • その他FA(PPA、のれん減損など)
  • 不正調査

少しややこしいですが、「FAS」はサービスを指すこともあれば、職種を指す場合もあります。

上記のうち、最もオーソドックスなのが「財務DD・バリュエーション」などのM&A関連のFASです。

独立系FASは、BIG4のアドバイザリー部門と比較するとクライアント規模が小さいため、数多くのプロジェクトに関与します。

そのため、大きな「やりがい」を得られる転職先として、若手会計士に人気の転職先です。

私自身もコンサルとしてのやりがいを求め、独立系FASに転職しました。

監査経験を活かしやすいフィールドでもあることから、転職難易度も低めです。

FASに転職した会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

戦略コンサル

戦略コンサル

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

「コンサル」と言えば、戦略コンサルをイメージされる方も多いでしょう。

しかし、転職先として戦略コンサルを選ぶ会計士は少数派です。

なぜなら、企業会計・監査のスキルを使うシチュエーションが非常に限定的だからです。

戦略コンサルの特徴
  • 地頭・体力ともに高い人材が選ぶ選択肢
  • その後のキャリアは「企業会計」から遠ざかる

一方で、戦略コンサルはクライアントの経営成績の向上に直結するサービスであることから、得られるやりがいは大きいです。

全職種の中でも最も激務であることから、もし選ぶのであれば、30代前半までに転職されることをお勧めします。

戦略コンサルで働く会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

会計事務所

会計事務所

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

会計事務所での仕事内容は、代表者が「公認会計士」なのか「税理士」なのかによって 少し異なります。

代表が「税理士」の場合は税務のみに従事し、代表が「公認会計士」の場合はFAS・監査にも従事する可能性があります。

会計事務所の特徴

会計事務所
身に付くスキル法人税

住民税

事業税

所得税

消費税

相続税 (*1)

法人設立関連
携わる業務仕訳の記帳代行

確定申告

税務顧問

監査 (*2)

FAS (*2)
組織の規模5名~500名まで様々
クライアント規模小~中 (個人のクライアントも有)
年収ピンキリ
繁忙期1月~3月

(*1)  一部の役職者のみが対応するケースが多い。
(*2)  代表が会計士である事務所に限定される。

業務の割合として最も多いのが、記帳代行です。

クライアントの取引を、会計ソフト(弥生会計やFreee等)に仕訳入力することが日々のルーティンとなります。

規模の小さな会計事務所であれば、1人で30社~40社ほど担当することもあり、幅広い税務のスキルが身に付きます。

会計士が会計事務所に転職するメリット・デメリット
  • 所長の経営手法を間近で見れるため、独立に必要な知識が身に付く
  • 税理士業務に携わることで、税務実務のスキルが身に付く
  • キャリアが「税務」に振れるため、「企業会計」からは少し遠ざかる

なお、組織の規模によって業務内容は大きく変わります。

規模が大きくなるほど、「監査」や「コンサル」サービスも提供する傾向にあり、監査経験を活かすこともできます。

クライアント規模が小さいことから、特に将来独立を考えている会計士にはオススメの転職先です。

会計事務所に転職した会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

税理士法人

税理士法人

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

「会計事務所」と似ていますが、事業領域の異なる部分があります。

会計事務所(公認会計士が所長の場合)は、FASを事業領域とするケースがありますが、税理士法人でFASを扱うことはありません。

そのため、税理士法人では「税務に特化できる」という点が大きな特徴です。

なお、税理士法人で取り扱う税務領域は、主に次のとおりです。

税理士法人の事業領域
  • 法人税・事業税
  • 住民税
  • 消費税
  • 相続税
  • その他、法人設立や税務コンサルなど

法人ごとに得意ジャンルは異なりますので、「どの領域でスキルアップを図るか」が1つの(法人選びの)基準になります。

また、大手税理士法人(BIG4)の場合、外資系クライアントを担当する可能性が高く、多少の英語力を求められるケースが多いです。

税理士法人に転職した会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

投資銀行

投資銀行

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

投資銀行では、主にM&Aに関連するアドバイザリーサービスに従事します。

業務内容は、(M&A系の)FASに近いとも言えますが、以下の相違点があります。

独立系FASとの違い
  • 「資金調達」も含めた総合的な提案が可能
  • ビッグクライアントが多い傾向
  • 英語力は必須
  • FAの品質が高い
  • 年収が高水準
  • UP or OUTの文化がある
  • 超激務

自社での貸付提案も可能な点が、大きな相違点と言えるでしょう。

年収が高いものの激務であり、昇格できなければ契約の更新ができない、という点も大きな特徴です。

一方で、投資銀行での経験は「ファイナンス」分野のキャリアでは高く評価されます。

金融系へのキャリアを考えている方、年収を高めたい方にはオススメの選択肢です。

ただしバイタリティが要求されますので、20代後半~30代前半までに転職しておくことをオススメします。

金融に関して素地のある方には、オススメの転職先です。

投資銀行に転職した会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

PEファンド

PEファンド

※ 各矢印の下の灰色線は、BIG4(監査部門)の水準を示した線です。

PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)では、自己資本を投下し、対象企業の成長後に株式を売却することで利益を得ます。

PEファンドは、大きく「バイアウトファンド」と「VC(ベンチャーキャピタル)」に分けられますが、いずれも成長性のある企業に投資を行い、売却益を得ることでプロジェクトを成功させるという目的は共通しています。

PEファンドは金融系の職種である一方で、経営的視点も求められることから、この点で大きなやりがいを感じるでしょう。

投資銀行・戦略コンサルがクライアントワークであるのに対し、PEファンドでは自己資本を投下することが目的となることから、裁量が多く責任も問わる職種と言えます。

金融系キャリアのゴールとも言えるため、投資銀行やFAS等で経験を積み、最終的にPEファンドを狙っている方も多いでしょう。

PEファンドに転職した会計士のキャリアについて、詳しくは次の記事で紹介しています。

公認会計士の転職先ごとの年収【全職種】

公認会計士が転職した時の【職種別】年収平均は、次のとおりです。

(年収平均を降順で表示)

職種年収平均件数
PEファンド934万14 件
戦略コンサル926万22 件
経営企画801万26 件
BIG4(アドバイザリー)783万15 件
FAS766万223 件
投資銀行764万9 件
ベンチャーCFO756万21 件
中小監査法人716万112 件
内部監査700万15 件
経理689万253 件
BIG4(監査部門)648万31 件
税理士法人619万114 件
会計事務所609万328 件
(全体)689万1,183 件
(会計系転職エージェントから求人データを抽出し作成)

(2024年12月1日現在のデータ)

なお、ここでは各職種の年収算出にあたり、情報ソースとして大手転職エージェントマイナビ会計士の公開する求人データを参照します。

全体感として、ファイナンス・経営系ほど年収が高く、税務系は年収が低い傾向にあります。

多くの会計士がBIG4の監査部門に在籍していると思いますが、会計士が転職をするとほとんどのケースで年収は上がります。

また上記には示していませんが、東京都内では年収が100万~150万程度高い結果になりました。

さらに細かな年収データについては、会計士が転職すると、年収はいくらになる?【全職種調べてみた】で公開しています。

大手監査法人から転職した場合の年収
  • 大手監査法人から転職すると、ほとんどの職種で年収は上がる
  • 会計事務所・税理士法人だけは下がりやすい(ただし、その後の昇給率は高い)
  • 事業会社は、上記に加えて福利厚生もある

公認会計士による転職先の選び方【全6種】

転職が初めての場合、「転職先の選び方(基準・軸)が分からない」という方も多いでしょう。

特に、私たち会計士の選択肢は非常に多く、良い意味で悩みどころが多いはずです。

そこで、転職先を選ぶ際の基準(選び方)を紹介します。

人によって重視する基準は異なりますが、基準の例としてご参考ください。

※ それぞれタップすると、該当の見出しにジャンプします。

では、それぞれ具体的に解説します。

年収で選ぶ|賞与・福利厚生・副業の可否も確認する

求人を見て「高い年収の企業」を選ぶのも良いですが、その後のキャリア(つまり生涯年収)も見据えておくと良いでしょう。

私たち会計士の年収は「希少価値」に比例する傾向にあります。

例えば、会計監査のスキルだけでは(会計士の中では)希少価値が低く、大幅な年収アップが難しいでしょう。

しかし、これに英語力・ITスキル・M&Aの知識などが加わることで希少価値が生まれ、需要が生まれ、年収を高めることができます。

年収のゴールを見据え、「ゴールに繋がるキャリアを経験する」という視点があると、生涯年収を増やすことができるはずです。

年収を重視する際の注意点
  • 賞与の支給回数・計算方法についても確認する
  • 福利厚生も確認する
  • 副業の可否を確認する

忘れがちなのが「副業の可否」です。

2024年から始まった新NISAを利用し、年利8%のインデックス商品に毎月30万投資し続けると、20年で評価額は1億円を超えます。(投資額1,800万円・総利益額8,200万円)

BIG4にいると投資の制約からNISAを考えない会計士も多いですが、かなり損しています。

また余談ですが、求人への応募時には「転職エージェント経由で応募」することをオススメします。

なぜなら、内定後の条件交渉において、年収交渉を代行してもらえるからです。

私自身も、内定後に年収を50万ほど上げることができました。

小ワザですが、覚えておくと便利です。

転職後のキャリアを見据える|できればゴールを決めて逆算する

転職活動をする際には、転職後のキャリアも考えておくことも大切です。

なぜなら、長期的な目標から今回の転職先を逆算することで、近視眼的な選択を回避できるからです。

また、職種によっては段階を踏まなければ(他の職種を経験しなければ)内定を取れないケースもあります。

上手にキャリアアップするためには、まずゴールを見据え、最短距離でステップアップを重ねると良いでしょう。

会計士のキャリアアップの流れ、道筋などは、公認会計士のキャリアパス大全で詳細解説しています。

公認会計士による転職後のキャリアの見据え方
  • 将来独立したいか?
  • 40代以降で何をしたいか?
  • 10年後を見据えるのか、今やりたいことを優先するのか?
  • 家族との時間をどのくらい作るか?
  • 老後までにいくら貯める? 等

ワークライフバランスで選ぶ|残業時間・女性比率を確認

30代に入ると、ワークライフバランスを重視する方が増えます。

私もたまに会計士の方から転職相談のお問い合わせを受けますが、「残業の少ない組織を紹介してほしい」という声は非常に多いです。

比較的、ワークライフバランスが整う傾向にある転職先は、次のとおりです。

ワークライフバランスが整いやすい転職先

もちろん、企業によって残業時間は異なりますから、あくまで職種を絞る際の参考にしてください。

また、ワークライフバランスを見る際は、次のような定量的情報を参考にすると良いでしょう。

  • 残業時間
  • 時短勤務をしている従業員の割合
  • 女性比率
  • 離職率

最も一般的なのが「残業時間」でしょう。 まず第一に思い浮かぶはずです。

ただし、これには注意が必要です。

なぜなら、恣意的に時間数をいじることができ、また入社後に忙しくなるケースもあるからです。(過去情報に過ぎない)

ワークライフバランスを売りにしている企業は、求職者から残業時間を聞かれることを想定していますから、求職者が望むような時間数を出してくる可能性があります。

しかし「時短勤務者の割合」・「女性比率」・「離職率」については確認する人が少なく、また恣意的にいじることが難しいため、ワークライフバランスを確認しやすいデータと言えます。

もちろんこれが全てではありませんが、見るべき視点は多いほうが良いはずです。

なお、ワークライフバランスを重視している方は、ワークライフバランスが取れる会計士の転職先を、紹介します。 の記事が参考になるはずです。

やりがいで選ぶ|自己分析も大切!「本当にやりたい事」を考える

監査法人でのルーティンワークに飽き、やりがいを求めてコンサルに転職する会計士は多いです。

しかし「何にやりがいを感じるか」は、個々人により大きく異なるため、必ずしも「コンサル」がその人にとってのやりがいに繋がるとは限りません。

例えばやりがいを感じるシチュエーションとして、次のような場面があります。

やりがいを感じる場面(例)
  • 社内からの評価された・昇進できた(評価)
  • 社会的に評価された(公益性・社会貢献)
  • 年収が上がった(年収・報酬)
  • 人の役に立った・感謝された(人助け)
  • 自分の力で困難なプロジェクトを成功させた(達成感)
  • 作業自体が好き・面白い(好き・得意)
  • チームを指揮しプロジェクトを推進した(チームワーク)
  • メンバー・クライアントから頼りにされた(信頼感)
  • 新しい知識・スキルが身についた(探求心・成長)

「自分がどんな時に、何に対して、なぜやりがいを感じたのか」を深掘りすることで、本当に自分がやりたかった仕事を発掘することができるでしょう。

また、やりがいを感じるポイントを知るには、過去の社会人としての経験だけでなく、幼少期・学生時代まで遡ることで、自分自身を更に深掘りすることができます。

ぜひ、上記例も参考にしてください。

なお、自己の深掘り作業は、両親や友人または第三者と一緒に進めるとより効果を発揮します。

両親・友人に相談するのが恥ずかしい方は、転職エージェントを利用すると良いでしょう。

優秀なコンサルタントのキャリアカウンセリングは、軽く感動を覚えます。

専門性を高める|極めることで希少価値・市場での評価を上げる

好きな専門分野・極めたいスキルがある方は、それを追求することで希少価値を高めるのも良いでしょう。

専門性の例としては、例えば次のようなフィールドが挙げられます。

会計系の専門的スキルの例示

上記はかなり大きな括りです。

まずは大きな括りで極めたいフィールドを見定め、徐々に細かく(追及できそうな分野を)詰めていくと良いでしょう。

ちなみに、「税務」という選択肢もあると思いますが…オススメはしません。

税務は税理士の主戦場であり、私たち会計士が後発で参入するのが難しく、また一般税務は単価が低く給与水準も低いからです。(ただし独立志向の方にはオススメです。)

働きやすさ・居心地の良さで選ぶ|良い組織は人が辞めない!

転職活動が進むと、最終的に2社~3社程度に絞り、それぞれ内定を獲得できるでしょう。

やりたいことや条件が同じ場合、最終的には「働きやすいかどうか」で決める人が多いようです。

私が転職活動をした際も、3社の内定カードを並べ、一番自分にとって居心地が良さそうな組織を選びました。

しかし、働きやすさ・居心地の良さというのは定性的であり、いまいち見るべき視点がボヤけています。

そこで1つ活用できるのが「離職率」という情報です。

定量的・客観的な数値は、他社と比較する際に利用できるでしょう。

また結局のところ、離職率が低い組織は働きやすいです。なぜなら、良い組織は人が辞めないからです。

たとえば、面接時の雰囲気が良かったとしても、それが組織全体の雰囲気であるとは限りません。

私自身の失敗談でもありますが、面接での雰囲気で決めて入社したものの、いざ働き始めてみると非常にギスギスした組織でガッカリしました。

余談ですが、大手監査法人の若手の離職率は9%~12%であり、この点も職場環境の悪さが表れている点と言えるかもしれません。

なお「離職率」は、求人票にはまず掲載されていません。

聞きたい場合には、転職エージェント経由で依頼をしてください。

離職率の算出に抵抗を示すような場合は、少し注意したほうが良いかもしれません。

公認会計士が未経験でも転職しやすい職種【全6選】

「今回が初めての転職」という方も多いでしょう。

そこで、未経験(ただし監査経験は必要)でも参入しやすい転職先を紹介します。

公認会計士が未経験でも転職しやすい職種【全6種】

※ それぞれタップすると、該当の見出しにジャンプします。

それぞれ解説します。

なお、同業種となる「監査法人」は説明不要なので割愛します。

経理|ほぼ全ての会計士が即戦力として重宝される

転職が初めての会計士にとって、最もオーソドックスな転職先が「経理」でしょう。

経理では、次のような経験値が評価されます。

経理で評価される経験
  • 上場エンゲージメントでの会計監査の経験
  • 企業会計の知識
  • 業種特有の会計処理に関する知識

上場経理では、日常的な仕訳のレビューだけでなく、「監査対応」が求められます。

企業にとって、監査法人での監査メソッドを知っている会計士は、頼りになる存在です。

また、企業によっては「IFRS」「M&A」などの専門的スキルも高く評価されます。

BIG4から転職した会計士であれば、日経225に入るような超大企業であっても、比較的容易に内定が出ます。

内部監査|コミュニケーション能力は必須!キャリアは狭くなる

内部監査は経理に比べて求人数が少ないため、オーソドックスな転職先ではありません。

しかし、未経験での転職は比較的容易です。

内部監査で評価される経験
  • 上場エンゲージメントでの内部統制監査の経験
  • IPOエンゲージメントでの内部統制支援の経験

ただし、敢えて内部監査部門で会計士を採用するような企業では、事業を大きく拡大するケースが多いです。

そのため、J-SOXにおける評価範囲の変更などが生じやすく、IPOエンゲージメントでの経験があったほうが入社後に活躍しやすいでしょう。

なお、内部監査はキャリアを狭めてしまう可能性が高いため、40代以降で選ぶことをオススメします。

ベンチャーCFO|部門をハンドリングする力・体力が必要

ベンチャーCFOも、未経験の会計士が選びやすい転職先の1つです。

ベンチャーCFOで評価される経験
  • IPOエンゲージメントでの主査経験
  • 監査法人でのマネージャー経験

ただし「経理」とは異なり、バイタリティ・組織のハンドリングが求められます。

未経験でも選べる転職先ではありますが、組織との相性なども重要ですので、良い求人に飛びつくのは要注意です。

FAS|やりがい重視・コンサル志望の会計士におすすめの選択肢

監査からコンサルにシフトをしたい会計士にとって、人気なのがFASです。

私自身も、EYで4年半の経験を積んだ後、独立系FASに転職しました。

FASで評価される経験
  • 監査法人内での一般的な監査経験
  • 監査法人内での主査経験

FASでは、そこまで高い経験値が求められません。

たとえば、財務DDは業務内容が会計監査に近く、またバリュエーションは会計士受験での知識(経営学)がそのまま活用できます。

M&A業界では、必ずしも公認会計士資格が必要ではありませんが、対外的なアピールに利用することができるため、会計士へのニーズが強いです。

内定も出やすく、コンサルにキャリアチェンジしたい会計士にはオススメの転職先です。

BIG4アドバイザリー|将来を見据えたキャリアとしておすすめ

BIG4のアドバイザリー部門は、BIG4経験者であれば転職しやすい職種です。

BIG4アドバイザリーで評価される経験

監査法人内でのM&Aに係る監査経験

アドバイザリー部門にも種類はいくつかありますが、M&Aに関するアドバイザリーが最も転職しやすいでしょう。

こちらもFASと同様に、監査経験・受験時代の知識が活用できるからです。

BIG4はどこも似たような空気感があるため、BIG4出身者の方が馴染みやすいでしょう。

なお、アドバイザリーの中でも「フォレンジック」「事業再生」などは転職難易度が高いため、未経験者にはオススメできません。

M&Aに関連するアドバイザリーを選んだほうが、キャリアの幅も広がりやすいためオススメです。

ただし、BIG4のアドバイザリーは残業が非常に多いため、できれば30代前半までに経験されることをオススメします。

会計事務所・税理士法人|独立志向の会計士にはおすすめだが…

会計事務所・税理士法人も、未経験の会計士が参入しやすい転職先の1つです。

会計事務所・税理士法人で評価される経験

監査法人内での一般的な監査経験

ただし、要注意です。

上記のとおり、そもそも監査法人での経験はあまり評価されないため、年収は下がる傾向にあります。

税務は業界全体として人不足の傾向が強く、経験値の低い会計士であってもすぐに内定が出るでしょう。

未経験であっても転職はしやすいものの、こちらは正直あまりオススメしません。(独立志向のある方は別ですが)

【年齢別】公認会計士におすすめの転職先

年齢・年代によっても選ぶ転職先は異なります。

ここでは年齢別に、公認会計士にオススメの転職先を紹介します。

20代の会計士におすすめの転職先

20代会計士におすすめの転職先は、次のとおりです。

若いうちは選べる職種がとても多いですが、バイタリティの必要とされる転職先を特にオススメします。

私ももう40代に差し掛かっていますが、30代に入ってから体力・集中力の低下を強く感じます。

おっさん臭いことを言いますが、若いうちは苦労したほうが絶対に得です。

若手時代に様々な経験をした会計士は、本当にその後の成長が目まぐるしいです。

20代会計士の転職について、詳しくは次の記事で解説しています。

30代の会計士におすすめの転職先

30代会計士におすすめの転職先は、次のとおりです。

30代に差し掛かると、様々なライフイベントを意識するようになります。

また、30代中盤に入ると体力の衰えを感じ始め方も多く、残業が少なくワークライフバランスの整いやすい企業への転職を考える方が多いです。

一方で、まだまだ働き盛りでもあるためキャリアアップを重視したい方も多いでしょう。(私もそうでした)

「転職したいけど何がやりたいのか分からない」とう方は、上記職種の中から選ぶことをオススメします。

30代会計士の転職について、詳しくは次の記事で解説しています。

40代の会計士におすすめの転職先

40代会計士におすすめの転職先は、次のとおりです。

あくまで未経験職種への転職に限定していますが、40代会計士におすすめの転職先は上記のとおりです。

40代になると、残念ながら20代~30代までのような大きなキャリアアップは見込めません。

同業種内であればまだまだキャリアアップできるものの、異業種・未経験職種になるとかなり選択肢は絞られます。

安定を望むなら、経理または中小監査法人の2択です。

中小監査法人は、大手監査法人よりもゆるく働くことのできるケースが多く、経理も残業時間は(全体として)少ないです。

ただし、企業によって風土が大きく異なるため、応募前の綿密なリサーチは必須です。

監査法人での非常勤という選択肢もアリ

私たち会計士のキャリアには、「転職」以外にもう1つ「監査法人での非常勤バイト」という選択肢があります。

これがかなり美味しく、時給単価の平均は7,000円、法人によっては時給10,000円という超高単価の求人もあります。

時給10,000円(残業なし)で週5日働けば月収140万円です。

正社員としての年収の倍近く稼げる計算ですから、早期リタイアすることも可能です。

非常勤のメリット(代表例)
  • 給与水準が非常に高い
  • 主査を任されない
  • 残業時間が短い
  • 人間関係のストレスが少ない
  • 人脈が広がる

私自身も中小監査法人で非常勤職員として働いていましたが、とても素晴らしい環境でした。

ただし、非常勤にはリスクがあります。

監査法人での非常勤について、詳細は次の記事で解説しています。

近年は非常勤にシフトする会計士も増えているようですが、おそらく、この働き方に気付く人が増えたのでしょう。

特に中小監査法人はとても働きやすく、私も良い意味でカルチャーショックを受けました。

公認会計士の転職失敗事例の多くは「事前のリサーチ不足」が原因

転職は、人生における一大イベントです。

できる限り失敗を避け、リスクを回避すべきでしょう。

そこで、先人たちの転職失敗事例をまとめてみました。

会計士の転職失敗事例(代表例)
  • 想定外に残業時間が多かった
  • 想定通りの経験が積めなかった
  • 教育制度が無かった
  • 監査よりもつまらなかった
  • 組織の雰囲気が合わなかった
  • 転職後、自分の目指すべきキャリアでないことに気付いた

全てに共通するのは、事前のリサーチ不足です。

思えば私たちは、BIG4という特殊な環境での勤務経験しかなく、他業種の知識が明らかに不足しています。

また、転職活動は働きながら進める必要があるため、時間的な制約も生じます。

いかに効果的・効率的に情報を収集できるかがカギ、と言っても過言ではないでしょう。

そのためには転職エージェントを活用し、常に情報を入手し続けることが重要です。

1人きりで転職を成功させることは、至難の業でしょう。

なお、公認会計士の失敗事例とその対応策について、詳しくは次の記事内で紹介しています。

公認会計士の転職先に関するよくある疑問

その他、会計士の転職先に関するよくある疑問をまとめてみました。


独立開業も見据えた会計士におすすめの転職先は?

会計事務所の開業を見据えているのであれば、次の転職先がおすすめです。

おそらく、多くの会計士が上記の2択になるでしょう。

つまり、税務またはアドバイザリーを経験すべきということです。

また、所長が公認会計士の会計事務所であれば、税務+アドバイザリーを経験できる可能性があるのでオススメです。


女性会計士におすすめの転職先は?

出産・育児などを想定した女性会計士におすすめの転職先は、次のとおりです。

また、上記のようなライフイベントを想定した場合、「職場復帰のしやすさ」「地理的な近さ」「時短勤務の可否」を確認する必要があります。

そのためには、育休制度が整備されているかだけでなく、育休制度が実際に運用され職場復帰した女性会計士がいるかどうか も確認する必要があるでしょう。


リモートワーク・在宅勤務の多い会計士の転職先は?

会計士の転職先として、リモートワークが多いのは次の転職先です。

コロナ禍に入り、リモートワークを推進する企業は非常に増えました。

一方、小規模な組織ではリモートワークの体制が整備されておらず、またコンサル系の職種ではクライアント先に出向く必要があるため、リモートが難しいようです。

会計士が英語力を活用しやすい転職先は?

英語力を活用しやすい転職先は、次のとおりです。

前提として、英語力(スピーキング)を活かすには、外部ステークホルダーとの関りが必要です。

なぜなら、外資系企業でない限り、社内で英語を活用するシチュエーションは限定的だからです。(社内公用語が英語の日系企業は例外)

そのため、外部とのコミュニケーションが求められやすいコンサル・金融系において、英語力を活用するシチュエーションが多い傾向にあります。


公認会計士に人気の就職先は?

公認会計士に特に人気のある就職先は、次のとおりです。

このうち、経理・中小監査法人・FAS・会計事務所は、求人数が非常に多く転職難易度も低めです。

一方、内部監査・CFOは需要に対して供給量が少なく、転職難易度は比較的高いと考えられます。

この他にも転職先はありますが、ロールモデルが少ないため、キャリアをイメージすることがやや難しいでしょう。


会計士試験合格者におすすめの転職先は?

修了考査合格前ということであれば、次の転職先がおすすめです。

最もオススメは中小監査法人ですが、それ以外なら上場経理・会計事務所が良いでしょう。

いずれもかなり求人数は多いです。

ただし、上場経理・会計事務所を選ぶ場合には、公認会計士が所属しているかどうかを確認すべきです。

なぜなら、会計士への理解が得られやすく、試験休暇を取得しやすいと想定できるからです。(もちろん、応募前には必ず確認すべきですが)


監査法人を1年~2年で辞める場合の留意点は?

監査法人を1年~2年で辞め、監査法人以外の職種に転職する場合、やや悪い条件で雇用される可能性に注意が必要です。

これは、(試験休暇が必要というハードルもありますが)一般に「組織を1年~2年で辞めた」という経歴はマイナスに働く傾向にあるからです。

監査法人は離職率が高く、同じ監査法人業界であれば理解は得られやすいですが、それ以外の業界では十分に理解してもらえない可能性があります。

また、一度妥協して年収を下げてしまうと、その後年収を戻すのに時間がかかります。

年収などの雇用条件の面で「いかに自分の要望を通すか」という努力も必要です。


他の会計士はどんな理由で転職する?

会計士の転職理由については、JICPAが過去に公認会計士に向けたアンケート調査・口コミサイトへの投稿が参考になります。

中でも主要な転職理由は、次のとおりです。

  • 他の業界への興味
  • 監査は形式的な作業が多い・つまらない
  • 監査だけで生きていくことへの不安
  • 監査法人は激務・プレッシャーが強い
  • BIG4内で昇格できる可能性が低い

転職理由の多くが、監査法人への不満によるものでした。

その他、会計士が転職する理由については、【なぜ?】会計士が転職する理由アンケート結果【実態調査と分析】で全て紹介しています。


どのタイミングで転職するのがベストですか?

実務経験年数として、最も需要が高まるのは「3年以上」です。

これは私の主観ではなく、JICPAによるアンケート結果によるものです。

また、主査経験は「マネジメント経験」として評価されるため、できれば主査を経験してから転職すべきです。

そのため、監査法人で3年間経験を積み、主査を経験したタイミングで監査法人を辞めるのが最も効率的です。


公認会計士におすすめの転職エージェント

スクロールできます
マイナビ
会計士
ヒュープロ
(Hupro)
MS-Japanレックスアド
バイザーズ
人材ドラフト
マイナビ会計士ヒュープロロゴMS-Japanロゴレックスアドバイザーズ人材ドラフト
総合評価
( 10/10 )

( 9/10 )

( 8/10 )

( 7/10 )

( 7/10 )
求人数約5,000件約2,000件約1,500件約1,500件約500件
対象年代20代~30代20代~50代20代~30代20代~30代20代~50代
対応エリア関東
近畿
愛知県
静岡県
全国全国全国全国
設立1973年2015年1990年2002年2000年
資本金21億210万円2億2740万円5億8600万円6000万円3400万円
対象者公認会計士限定会計・税務管理部門全般会計系全般会計事務所
得意領域公認会計士経理
会計事務所
監査法人
コンサル
FAS
監査法人
会計
税務
コンサル
会計事務所
評判口コミ評判を見る評判を見る評判を見る評判を見る評判を見る
利用料金無料無料無料無料無料
公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト
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バイザーズ
人材ドラフト
マイナビ会計士ヒュープロロゴMS-Japanロゴレックスアドバイザーズ人材ドラフト
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求人数約5,000件約2,000件約1,500件約1,500件約500件
対象年代20代~30代20代~50代20代~30代20代~30代20代~50代
対応エリア関東
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静岡県
全国全国全国全国
設立1973年2015年1990年2002年2000年
資本金21億210万円2億2740万円5億8600万円6000万円3400万円
対象者公認会計士限定会計・税務管理部門全般会計系全般会計事務所
得意領域公認会計士経理
会計事務所
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会計士の転職先に関する情報について、大枠を紹介しました。

しかし、本記事で紹介した情報はほんの一部です。

転職先は更に細かく分類でき、企業ごとに特色も異なります。

もっと詳細を知りたい方は、必ず転職エージェントを活用しましょう。

ネット上で情報を集めるよりも、短時間で濃密な情報を得られます。

なお、会計士として転職するなら、マイナビ会計士1択です。

なぜなら、唯一の会計士専門大手エージェントであり、求人数も群を抜いているからです。

企業の求人は、良いものから順番に消えていきます。

まず転職エージェントに登録しておき、良い求人を自動的に送ってもらえる体制を整えることをオススメします。

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