所長の藤沼です。
税理士補助とは、税理士の業務をサポートする仕事をいいます。
税理士業務は「税理士の独占業務」とも呼ばれ、税理士資格を有していない人は直接関与することはできません。
しかし、税理士補助はあくまで「税理士業務のサポート」であり、補助的な業務なら資格は必要ありません。
本記事では、そんな税理士補助の仕事内容と、楽しいと感じる瞬間をお話しします。
内容に自信あり。ぜひ最後まで読んでください。
この記事で分かること
- 税理士補助は「税金のスペシャリスト」である
- 税理士補助の仕事には、パズルのような面白さがある
- クライアントからの感謝の声に、やりがいを感じる
- クライアント経営者との対話から、ビジネス視点が養われる
- 仕事がそのまま税理士受験の学習に役立つ
- 税理士を目指さなくとも、税理士補助になって良い
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税理士補助の仕事内容は大きく4種類ある!
税理士補助の主な仕事内容は、4種類あります。
税理士補助は税理士の監督の下、上記の業務を行います。
なお、上記以外にも雑多な事務作業が発生します。
会計事務所・税理士法人においても一般的な組織と同様「経理」「総務」「人事」といった仕事がありますが、こと「税理士補助」と表現した場合、それらの事務作業は(基本的には)含まれません。
税理士補助の主な仕事はいわゆるクライアントワークであり、1人10社~20社のクライアントを担当し、作業に従事します。
そのため、本記事では「事務作業(いわゆる一般事務)」は取り上げず、ここではクライアントワークとしての税理士補助について解説します。
ただし 会計事務所によっては、求人票に「税理士補助を募集」と書いてあっても、実際には事務作業も一緒に担当させるケースがありますから、この点は面接時に所長に直接確認するなどのケアが必須です。
少し話が逸れましたが、以下、税理士補助の仕事内容についてそれぞれ解説します。
記帳代行|税理士補助のメイン業務!クライアントの仕訳を入力する
記帳代行とは、クライアントが行った日々の取引について、会計ソフトに仕訳入力する作業(の代行作業)をいいます。
- クライアントから取引に関する証憑類(請求書・契約書など)を入手する
- 入手した証憑類を確認し、税法(主に法人税法)に基づき取引を会計ソフトに入力する
- 以下、この繰り返し
記帳代行は、会計事務所でのメインとなる仕事の1つであり、この作業だけに特化している会社もあります。
また 後述しますが、記帳代行をほぼ受けずに月次監査(クライアントに記帳してもらったものをチェックする仕事)をメインにする会計事務所もあります。
「記帳代行」自体は税理士資格を必要とせず、(専門知識さえあれば)誰でも従事することができます。
そのため 記帳代行を受けている会計事務所では、税理士補助スタッフが記帳代行業務を行い、できあがったものを税理士・所長がレビューするという形式が一般的です。
巡回監査(月次監査)|クライアントへの指導・アドバイス
巡回監査(月次監査)とは、クライアント企業(または個人事業主)が会計ソフトに入力した取引について、その正しさをチェックする業務をいいます。
会計ソフトへの入力をクライアント自身が行うため、先述の「記帳代行」は行わず、記帳された仕訳の確からしさを確認するのが仕事です。
- クライアント先に訪問し、仕訳処理の正しさを確認する
- 月次の試算表の正しさを確認する
- 領収書・請求書など証憑類の整理・確認
- クライアントからの税務相談対応
記帳代行とは違い、すでに入力された仕訳をチェックする作業がメインになるため、(記帳代行に比べれば)本質的な業務です。
なお、クライアント先へ訪問(オンラインのケースもありますが)するため、経営者から直接「税務」に関する相談を受けることがあります。
無資格者の方はその場で回答することができませんが、一般的な回答は必要になりますので、ある程度の税務知識が必要になります。
決算・税務申告|1年間の総仕上げ!確定申告書を作成して完了!
決算業務とは、税務申告書を作成する前段階の準備作業であり、1年間の取引・事象を整理し、決算書を作成する作業をいいます。
- 毎月の会計ソフトへの仕訳入力
- 年度末における特殊な仕訳(主に決算整理仕訳)の入力
- 仕訳をもとに残高試算表を作成し、決算書を出力
- 決算書をベースに確定申告書を作成
会計税務の世界では、日々の取引を会計ソフトに入力するだけではなく、年度末に発生する特殊な事象についても会計ソフトに入力する必要があります。
この点でも、簿記に関する知識が求められます。
また、決算業務においても、税理士補助スタッフがまず仕訳入力を行い、それを税理士・所長がレビューするというフローが通常です。
そして、できあがった決算書類をもとに確定申告書類を作成します。
確定申告書類は(上記の作業が適切に行われていれば)自動でできあがるケースは多く、決算業務と一体となって実施されます。
とはいえ、できあがった確定申告書類に以上値・エラーがある場合には修正が必要となることから、確定申告書類の確認作業も税理士補助スタッフの仕事です。
確認した確定申告書類を、上長・税理士・所長のレビューに回し、確定した税金をクライアントが納めることになります。
給与計算・年末調整|給料明細・源泉徴収票を作成する仕事も請け負う
会計事務所では、税務申告・会計ソフトへの入力等に付随して、クライアントの給与計算・年末調整も請け負います。
- クライアント従業員の給与情報を、給与計算ソフトに入力する
- 賞与があればそれも入力
- 社会保険料・住民税等に誤りがないか確認
- 源泉徴収票の作成
簡単に言えば、毎月の給与明細、年度末の源泉徴収票を作成する作業です。
こちらも基本的には税理士補助スタッフが資料作成を行い、上長・税理士がレビューするというフローが通常です。
以上まとめると、ほぼ全ての業務において、税理士補助が作業を行い→税理士・所長がレビューを行うというフローは共通しています。
税理士補助の仕事が「楽しい」と感じる瞬間【5選】
私の会計事務所の税理士補助スタッフたちに、この仕事が「楽しい」と感じた瞬間について、アンケート調査を実施しました。
結果、税理士補助の仕事が楽しいと感じるシチュエーションは、以下の5つに分けることができました。
以下、それぞれ解説します。
数値を合わせて決算書を仕上げていく行程の楽しさ|パズル感覚
税理士事務所には、1ヶ月ごとに顧問先から「領収書」や「カード利用明細書」、銀行口座の入出金明細書、買掛金・売掛金・売上の明細の写しなどの証憑類が届きます。
そして、この証憑類をもとに会計システムに入力し、問題がなければその月の試算表が完成します。
この毎月の行程が、税理士補助の仕事として楽しい部分です。
- 合計値が合わないとき、エクセルを駆使して原因を特定できた時の「合った!」という瞬間が最高に気持ちいい。
- 仕訳を一つずつ紐解いて、前年度からのズレを修正していく作業が楽しい。差額が0になった瞬間にパズル感覚の楽しさを感じる。
- 前任者の仕訳を整理し、長年の積み残しがスッキリ解消された時。大掃除を終えた後のような清々しさがある。
人によっては「細かい」と感じる作業かもしれませんが、パズルを完成させているような楽しさがあります。
毎月1つのパズルを完成させるような楽しさは、「仕事」を越え、私自身も半分「趣味」のような感覚に陥ることがあります。
顧問先の要望に応えられたときの喜び|やりがいを感じる瞬間
税理士事務所での仕事は、「顧問先」のある業種であり、仕事はいわば「クライアントワーク」です。
そのため、例えば経理のような社内の事務作業に比べ「やりがい」を感じるシチュエーションが増えます。
- クライアントから「今月の資金繰り改善のため、経費の内訳を見てほしい」と言われ、急遽分析したレポートを提出。「これなら対策が立てられる」と喜んでもらえた時はやりがいを感じた。
- 給与に掛かる税・保険料を整理してほしいと依頼され、エクセルで自動計算シートを作成。「これで毎月の作業が3時間は短縮できる」と言われたときは嬉しかった。
- 「インボイス制度の仕組みがイマイチ分からない」という社長に対し、図を使って丁寧に説明した。「初めて理解できた!」喜んでもらえた時には達成感があった。
税理士補助の仕事は、基本的には「仕訳の入力」がメインです。
しかし、時にはクライアントからの急な要望があり、それに応えるような機会があります。
イレギュラーな仕事は負担も大きいですが、その分クライアントも困っているため、応えることができると感謝されやすくやりがいも強く感じます。
顧問先とのコミュニケーションで信頼を得られたとき
顧問先とは基本メールでのやり取りですが、巡回監査や電話の際、顧問先の担当者・経営者と会話によるコミュニケーションの機会があります。
雑談により得られる信頼感や、雑談から仕事につながることもあり、税理士補助の仕事の面白さを感じます。
- 毎月の巡回で、経理担当の方と雑談を交えながら書類を確認していたところ、社内での(会計・税務以外での)悩み相談を受けるようになった。
- 「いつも丁寧に説明してくれるから」と、新規顧問先を紹介してくれた。単なる仕訳入力だけでなく、人と人との繋がりを実感できた瞬間だった。
- 家族経営の企業などは、経理担当が社長の奥様であることが多く、ご家族のことや趣味の話・休日の過ごし方などの雑談をしてくれ、信頼されていると感じる。
私の経験では、こうした「コミュニケーション」から新たな仕事につながるケースが多く、実は「雑談」は会計事務所の売上に繋がっていたりします。
事務所がチーム一丸となる高揚感|忙しい反面楽しさも感じる
税理士事務所での仕事は、チームで進めます。
このチームプレイは、特に事務所が忙しくなってきたタイミングで発揮されます。
- 新人の自分が複雑な仕訳で悩んでいたら、先輩が自分の仕事を置いてまで丁寧に教えてくれた。後日、同じような場面で後輩に教えられた時、事務所の温かな技術継承を実感した。
- 忙しくなるほど結束力が高まり、遅くまで残業したときに皆で食べたピザが最高に美味しかった。
- 決算がギリギリになると、誰も何も言わなくても自然と協力する流れになり、チームワークの凄さを感じた。
年末調整や法定調書、確定申告など年間の行事はたくさんありますが、そのたびに事務所がチーム一丸となって乗り越えていく楽しさがあります。
もちろん忙しく疲れはありますが、それ以上に達成感も感じます。
知識の習得・簿記学習の面白さ|会計・税務に詳しくなれる
税理士補助の仕事は専門職であり、具体的には「簿記」「税法」の知識を活用します。
学習したことがそのまま仕事に役立つため、ここに楽しさを感じる方は多いです。
- 簿記自体がパズルのようで面白いが、これを実務でそのまま活用できるのが楽しい。税理士試験のための勉強にも役立つし一石二鳥。
- 法改正の勉強会で、所長が実例を交えて説明してくれる。教科書だけでは分からない実務的な判断基準を学ぶことができ、税務の奥深さに面白みを感じる。
また、実務・勉強で得た経験はそのまま他の職場(会計事務所・経理など)で活用できるため、スキルが無駄になりません。
税理士事務所で働くメリットとは?
税理士補助として、税理士事務所で働くメリットは次のとおりです。
- 税理士を目指しやすい
- 税務のスペシャリストになれる
- 将来のキャリアの選択肢が増える
- 保有資格が給与に反映される
- 自宅から近い職場を選べる
- 組織経営を知ることができる
最も大きなメリットと言えるのが、税理士を目指しやすい環境という点です。
税理士資格があると、もちろん転職市場で有利になりますが、新たに「独立開業」という選択肢が生まれます。
私自身も税理士資格を有して独立開業していますが、10年前は、自分が開業するとは夢にも思っていませんでした。
また 税理士試験は1科目ずつ段階的に取得できるため、科目合格が給与に反映されることで、モチベーションの維持にも繋がります。
ただし、税理士事務所での仕事にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
詳しくは、次の記事内ですべて解説しています。
税理士補助の未経験者が「きつい」と感じるシチュエーションとは?
税理士補助の仕事は、特に未経験の方は「きつい」と感じるシチュエーションが幾つかあります。
というのも、税理士補助の仕事には次の特徴があるからです。
- 初めは覚えることが非常に多い
- 繁忙期がある
- 仕事がクライアントのお金に直結する
税理士補助は「単なる税理士のサポート」ではなく、実際に自分が仕訳を起票・起票された仕訳をチェック・決算処理等を行います。
そのため、税法の知識は必須であり、初めは会計ソフトの操作方法から覚えることが盛りだくさんです。
また、特に12月~3月・5月は繁忙期であり、中途入社の方の中には「入社してすぐに忙しくなった…」という方も多いでしょう。
そして、税理士補助の仕事はクライアントの税額を計算する仕事ですから、金額を誤ると、クライアントの支払うべき税額を誤ってしまう可能性があります。(後の税務調査で公になる恐れがあります)
もちろん、慣れてしまえばストレスは感じないのですが、慣れない未経験の方は「きつい」と感じるシチュエーションがあります。
税理士補助に向いてる人ってどんな人?
特に未経験者の方は、「自分が税理士補助に向いているかどうか」を知っておく必要があるでしょう。
税理士補助に向いている人は、次のようなタイプの人です。(やや私の主観が入ります)
- 税理士を目指している人
- 協調性のある人
- 細やかな性格の人
- ルーティンワークの得意な人
- 使命感・責任感のある人
税理士を目指している人は、「税理士補助が向いている」というよりも、税理士補助で働くべきと言えます。
これは、間近で税理士の働き方・所長による会計事務所の経営を見ることができ、将来税理士になったときに非常に役立つからです。
また、税理士補助に向いている人の性格としては、細やかで協調性があり・使命感をもってルーティンワークにも取り組める人が理想的です。
もちろん 全てに当てはまる人は珍しいため、当てはまるものが多い人ほど向いていると言えるでしょう。
また逆に、税理士補助が向いていない人の特徴もあります。
詳しくは、税理士補助に向いてる人の特徴は?【税理士所長が解説】の記事内で紹介していますので、適性診断としてご利用ください。
税理士を目指さないけど税理士補助になっても良い?
必ずしも、税理士補助になった後に税理士を目指さなければならないわけではありません。
税理士補助に転職した後、税理士を目指さないことによるメリットは次のとおりです。(一例)
- 会計事務所によっては、歓迎されるケースがある
- 事務所からの期待値を上げずに働ける
- オフの時間を自由に使える 等
「税理士を目指していない」と公言することで、(採用者目線からすると)将来独立されてしまうリスクが無いため、雇用されやすくなるケースがあります。
また、必要以上に期待値を上げることもなく、休みの日は受験勉強に時間を充てる必要が無く、オフの時間を自由に使えるようになります。
そのため、「税理士補助になったら絶対に税理士を目指さなければならない」というわけではありません。
ただし、働きながら税理士を目指すメリットも大きいです。
詳しくは、税理士を目指さないけど、税理士補助になるってアリ?の記事をご参考ください。
税理士補助の平均年収は400万円~500万円です
税理士補助の平均年収は、400万円~500万円です。
これは私の主観ではなく、求人データを集計すると明らかです。
税理士補助の平均年収(資格別)
地域 | 簿記3級 | 簿記2級 | 無資格者 |
---|---|---|---|
全体 | |||
東京 | 492万円 | 509万円 | 575万円 |
東京以外 | 439万円 | 470万円 | 505万円 |
全体 | 463万円 | 485万円 | 535万円 |
未経験者OK | |||
東京 | 405万円 | 450万円 | 500万円 |
東京以外 | 411万円 | 448万円 | 488万円 |
全体 | 409万円 | 449万円 | 493万円 |
経験者のみ | |||
東京 | 526万円 | 527万円 | 587万円 |
東京以外 | 459万円 | 476万円 | 508万円 |
全体 | 492万円 | 495万円 | 542万円 |
※「無資格者」の年収がやや高めに算出されているのは、英語力やITスキルなど、プラスアルファとなる専門知識を有している方向けの求人が多いためです。
上記の集計表から分かるとおり、未経験者であれば平均年収は400万~500万、経験者であれば平均年収450万~500万のレンジに入ります。
なお、上記はあくまで「平均年収」であり、会計事務所によって下限・上限にバラツキがあります。
税理士補助の年収について、詳しくは会計事務所に転職すると、年収はいくらになる?で細かくお見せしています。
税理士補助になるために必要な「資格」は?
無資格でも税理士補助になれますが、実際問題、資格があったほうが就活・転職では有利です。
具体的には、次のような資格があると良いです。
- 税理士試験の一部科目合格(簿記論・法人税法・消費税法)
- 日商簿記検定2級
- 日商簿記検定3級
※ 難易度の高い順で並べています。
上記の資格は、税理士補助としての実務に直結する資格です。
資格試験で学習した内容がそのまま実務で活かせるため、就活・転職時に確実に有利に働きます。
中でも最もコストパフォーマンスに優れているのが、日商簿記検定2級です。
日商簿記検定2級があれば応募できる求人数がグッと増え、採用時の給与水準も大きく上がります。
一方、税理士試験の科目があるとさらに内定率は上がりますが、難易度が非常に高く1科目につき1年程度を要します。
もし未経験から税理士補助として働くのでしたら、まずは簿記2級の取得を目指されることをオススメします。
税理士補助の求人例
税理士補助の求人をいくつかピックアップし、紹介します。
フルリモートOKの税理士補助の求人

いずれも好条件であることが分かるでしょう。
このように、一見大変そうな「税理士補助」の仕事ですが、税理士事務所によっては「残業なし」「フルリモートOK」「未経験OK」といった求人があるのです。
税理士補助の仕事内容に関するよくある疑問
その他、税理士補助の仕事内容に関するよくある疑問をまとめてみました。
税理士補助のパートは仕事は難しいですか?
「難しさ」の感じ方は人によるため断言できませんが、パートとしての税理士補助の仕事内容は、どちらかというと総務的な仕事(電話対応・コピー取り・書類整理)の比率が増えやすいです。
これはパート勤務の性質上、外回り・クライアント訪問がしづらく、内勤が増えやすい為と言えるでしょう。
総務的な仕事を苦に感じない方には、税理士補助のパートはさほど難しくないと感じるかもしれません。
未経験・資格なしでも税理士補助になれますか?
はい。未経験・資格なしでも税理士補助になることは可能です。
ただし、どうしても日商簿記検定等の有資格者・実務経験者よりも求人数は少なく、採用のハードルは上がります。
そのため、就職するためにはコツが要ります。
未経験・資格なしで税理士補助になるためのコツは、次の記事内で解説しています。
税理士補助に応募するための志望動機を教えてほしいです。
未経験から税理士補助に応募する際は、次の点を意識して志望動機を作成すると良いです。
- 「税理士を目指している」ことをアピール
- 「専門性を身に着けたい」ことをアピール
- 「バイタリティ」をアピール
- 「コミュニケーション能力」をアピール
全てをアピールする必要はなく、いずれか1~2つにフォーカスすると良いです。
具体的な志望動機の書き方については、下記の記事内で例文付きで詳細解説しています。
なぜ「税理士補助はやめとけ」と言われるのでしょうか?
一番多い理由は、精神的ストレスでしょう。
税理士補助はいわゆる「会計事務所」での仕事ですが、会計事務所は組織規模が小さく閉鎖的です。
閉鎖的な環境では外部の目が行き届かないため、(一部の悪質な会計事務所では)パワハラ等が発生します。
やめとけと言われる具体的要因について、詳しくは次の記事内で解説しています。
税理士補助をしている女性の割合は?
「税理士補助」という職業の男女比は公開されていませんが、実際に会計事務所で働いていた実体験としては、女性と男性は大体半々くらいの比率のイメージです。
こと「税理士」に関しては男性が8割以上を占めるものの、税理士補助にはパートさんも多いため、正社員・パートを合わせると、男女比は同程度(事務職を含めれば女性の方が若干多い?)が一般的であると感じます。
税理士補助に必要なスキルは?
税理士補助には、主に次のようなスキルが求められます。
- 「簿記」に関するスキル
- 「税法」に関するスキル
- PC操作スキル
税理士補助の仕事では会計ソフトへの入力作業が主となるため、PCスキルは必須です。
プログラミング等の技術は不要ですが、PC操作に慣れていることや、簡単なExcelの操作スキルが必要不可欠です。
また、会計ソフトへの入力に際しては「簿記」(帳簿記入)という会計の基礎的な知識が求められます。(簿記2級~簿記3級の知識で十分です)
そして最も重要なのが、「税法」に関する知識です。
特に求められるのは、法人税法・所得税法・消費税法に関する知識です。
これら税法の知識は簿記検定では培われないため、未経験者の方は(初めは)必要ありませんが、仕事をしながら理解・暗記を求められる知識です。
税理士補助の仕事が将来なくなるというのは本当?
未来のことは不確定ですが、私は税理士補助が「なくなる」とは思いません。
ただし、(会計事務所に限らず)機械的な仕事はAIによって淘汰されていくとは思いますので、より高い専門性の求められる業務が残り続けると感じます。
また、AIの参入で騒がれている昨今ですが、近々(少なくとも先3~5年)で税理士補助の仕事がなくなるとは到底思えません。
AIという概念は素晴らしいと思いますが、実務で実用化されるにはまだまだ時間がかかると思います。
新卒で税理士補助を目指しても良い?
全く問題はないと思います。
ただし、新卒で税理士補助になるのであれば、私は税理士を目指すことを強く推奨します。
なぜなら、若いうちは頭が柔らかく素直であり、記憶力・集中力・体力もあるため、税理士試験への早期合格が見込めるからです。
税理士を目指しながら税理士補助として働くことで、仕事へのモチベーションも高く維持できるでしょう。
税理士補助と経理の違いは何?
税理士補助と経理の大きな違いは、次のとおりです。
税理士補助 | 経理 | |
---|---|---|
クライアントの有無 | 〇 | × |
主に準拠する基準 | 税法 | 税法 or 会計基準 |
入社のしやすさ | 易 | 普 |
組織規模 | 小~中 | 中~大 |
大きな違いは、クライアントの有無でしょう。
税理士補助では、1人あたり10社~20社のクライアントを担当し、各クライアントの経理業務に関して決算・確定申告書類の作成を行います。
一方、経理では「クライアント」がおらず、自社の経理業務を行います。
高卒でも税理士になれる?
はい。高卒でも税理士にはなれますし、実際に高卒で税理士になり開業している仲間もいます。
ただし、税理士試験には「受験資格」が定められている点に注意が必要です。
具体的には、税理士試験には①会計学に属する試験科目(簿記論・財務諸表論)と、②税法に属する試験科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)の2種類の科目があります。
上記のうち、①会計学に属する試験科目の2科目については、受験資格が定められていないため、誰でも受験することが可能です。
一方、②税法に属する試験科目については、「実務要件」が定められており、2年間以上の会計事務所等での実務経験を積んだことの証明が必要になります。
そのため、最もオススメなのは、会計事務所で実務経験を積みながら簿記論・財務諸表論の合格を目指し、実務要件を満たしたときに税法科目の受験をスタートするという戦略です。
これなら、実務要件を充足しながら受験勉強を進めることが可能です。
なお、受験資格の詳細は国税庁HP税理士試験受験資格の概要からも確認できます。
税理士補助でできないことは?
税理士補助では「税理士業務」を提供することができません。
その代表的な例として、「税務申告の代理」が挙げられます。
税理士には、法人・個人事業主の確定申告を代行する権限があり、実際の申告の際には実名のサインがなされます。
しかし、税理士補助には「税理士」の資格がないため、この税務申告の代理を行うことができません。
ただし、提出するための申告書類の作成を行うことは可能です。
【比較表】税理士補助の求人に強い転職エージェント
ヒュープロ (Hupro) | MS-Japan | 人材ドラフト | ジャスネット キャリア | マイナビ 税理士 | |
---|---|---|---|---|---|
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | |
総合評価 | ( 10/10 ) | ( 9/10 ) | ( 7/10 ) | ( 6/10 ) | ( 6/10 ) |
求人数 | 約 5,500 件 | 約 1,300 件 | 約 1,000 件 | 約 800 件 | 約 600 件 |
対象年代 | 20代~40代 | 20代~50代 | 20代~50代 | 20代~30代 | 20代~30代 |
設立 | 2015年 | 1990年 | 2000年 | 1996年 | 1973年 |
資本金 | 2億2740万円 | 5億8600万円 | 3400万円 | 3800万円 | 21億210万円 |
得意領域 | 会計事務所 税理士法人 | 経理 会計事務所 | 会計事務所 | 士業全般 | 税理士 |
特徴 | 求人数No.1 | 管理部門に強い | ややマイナー | 士業向け | 税理士向け |
利用料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
評判・口コミ | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
上記のとおりですが、税理士補助の求人数が最も多いのはヒュープロ(Hupro)です。
ヒュープロは「会計事務所・税理士法人」に特化した大手エージェントであり、利用者の評判も非常に良いのが特徴です。
会計事務所は、組織によって大きく雰囲気が異なり、(残念なことに)ブラックな会計事務所も存在します。
質の低い転職エージェントを選んでしまうと、内部情報が分からないまま、労働環境の悪い会計事務所に転職してしまう恐れがあります。
転職は人生を大きく左右する大切なイベントです。
ぜひ、ご自身に合った転職エージェントを選び、失敗を避けることをオススメします。
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