税理士補助はこんなに楽しい!仕事内容を所長がすべて解説します。

税理士補助の仕事内容を解説します。【税理士所長による監修】

所長の藤沼です。

税理士補助とは、税理士の業務をサポートする仕事をいいます。

税理士業務は「税理士の独占業務」とも呼ばれ、税理士資格を有していない人は直接関与することはできません。

しかし、税理士補助はあくまで「税理士業務のサポート」であり、補助的な業務なら資格は必要ありません。

本記事では、そんな税理士補助の仕事内容と、楽しいと感じる瞬間をお話しします。

内容に自信あり。ぜひ最後まで読んでください。

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目次

税理士補助の仕事内容は、大きく4種類ある。

税理士補助の仕事内容は、大きく4種類ある。

税理士補助の主な仕事内容は、4種類あります。

税理士補助は税理士の監督の下、上記の業務を行います。

なお、上記以外にも雑多な事務作業が発生します。

会計事務所・税理士法人においても一般的な組織と同様「経理」「総務」「人事」といった仕事がありますが、こと「税理士補助」と表現した場合、それらの事務作業は(基本的には)含まれません。

税理士補助の主な仕事はいわゆるクライアントワークであり、1人10社~20社のクライアントを担当し、作業に従事します。

そのため、本記事では「事務作業(いわゆる一般事務)」は取り上げず、ここではクライアントワークとしての税理士補助について解説します。

ただし 会計事務所によっては、求人票に「税理士補助を募集」と書いてあっても、実際には事務作業も一緒に担当させるケースがありますから、この点は面接時に所長に直接確認するなどのケアが必須です。

少し話が逸れましたが、以下、税理士補助の仕事内容についてそれぞれ解説します。

記帳代行

記帳代行とは、クライアントが行った日々の取引について、会計ソフトに仕訳入力する作業(の代行作業)をいいます。

記帳代行は、会計事務所でのメインとなる仕事の1つであり、この作業だけに特化している会社もあります。

また 後述しますが、記帳代行をほぼ受けずに月次監査(クライアントに記帳してもらったものをチェックする仕事)をメインにする会計事務所もあります。

「記帳代行」自体は税理士資格を必要とせず、(専門知識さえあれば)誰でも従事することができます。

そのため 記帳代行を受けている会計事務所では、税理士補助スタッフが記帳代行業務を行い、できあがったものを税理士・所長がレビューするという形式が一般的です。

巡回監査(月次監査)

巡回監査(月次監査)とは、クライアント企業(または個人事業主)が会計ソフトに入力した取引について、その正しさをチェックする業務をいいます。

記帳代行と異なるのは、会計ソフトへの入力作業が不要になる点、そして取引を証明するエビデンス(領収書・契約書など)をクライアント側が整理している点が大きな違いと言えるでしょう。

そのため、巡回監査(月次監査)では比較的本質的な専門的業務に関与できる、と言えるかもしれません。(会計ソフトへの入力やエビデンスのとりまとめは単純作業になりやすい)

月次監査(巡回監査)についても、特に税理士資格などは必要とされないため、税理士補助が確認したものを税理士・所長がレビューするという業務フローが一般的です。

また、クライアント先に実際に訪問(月1で訪問)するケースもあり、この場合は経営者から税務に関する質問を直接受ける可能性があります。

そのため、事務所内で完結しやすい「記帳代行」よりも(税理士補助の方にとっては)やや敷居が高くなる、と言えるでしょう。

決算業務・税務申告業務

決算業務とは、税務申告書を作成する前段階の準備作業であり、1年間の取引・事象を整理し、決算書を作成する作業をいいます。

流れとしては、①(毎月)会計ソフトへの仕訳入力→②(年度末)決算業務として特殊な仕訳の入力→③(翌月)まとめた仕訳をもとに確定申告書の作成、というイメージです。

会計税務の世界では、日々の取引を会計ソフトに入力するだけではなく、年度末に発生する特殊な事象についても会計ソフトに入力する必要があります。

この点でも、簿記に関する知識が求められます。

また、決算業務においても、税理士補助スタッフがまず仕訳入力を行い、それを税理士・所長がレビューするというフローが一般的です。

そして、できあがった決算書類をもとに確定申告書類を作成します。

確定申告書類は(上記の作業が適切に行われていれば)自動でできあがるケースは多く、決算業務と一体となって実施されます。

とはいえ、できあがった確定申告書類に以上値・エラーがある場合には修正が必要となることから、確定申告書類の確認作業も税理士補助スタッフの仕事になります。

確認した確定申告書類を、上長・税理士・所長のレビューに回し、確定した税金をクライアントが納めることになります。

給与計算・年末調整

会計事務所では、税務申告・会計ソフトへの入力等に付随して、クライアントの給与計算・年末調整も請け負います。

簡単に言えば、毎月の給与明細、年度末の源泉徴収票を作成する作業です。

こちらも基本的には税理士補助スタッフが資料作成を行い、上長・税理士がレビューするといったフローが一般的です。

以上まとめると、ほぼ全ての業務において、税理士補助が作業を行い→税理士・所長がレビューを行うというフローは共通しています。

税理士補助の仕事が「楽しい」と感じる瞬間。

私自身も、税理士補助として働いた経験があります。

具体的には、次のシチュエーションで「税理士補助の仕事が楽しい」と感じました。

それぞれ、体験談をもとに具体的に紹介します。

数値を合わせて決算書を仕上げていく行程の楽しさ

税理士事務所には、1ヶ月ごとに顧問先から「領収書」や「カード利用明細書」、銀行口座の入出金明細書、買掛金・売掛金・売上の明細の写しなどの証憑類が届きます。

そして、この証憑類をもとに会計システムに入力し、問題がなければその月の試算表が完成します。

この毎月の行程が、税理士補助の仕事として楽しい部分です。

人によっては「細かい」と感じる作業かもしれませんが、パズルを完成させているような楽しさがあります。

毎月1つのパズルを完成させるような楽しさは、「仕事」を越えて半分「趣味」のような感覚に陥ることもありました。

顧問先の要望に応えられたときの喜び

税理士事務所は季節労働的な要素が大きく、3月の確定申告の時期になると事務所をあげて忙しくなります。

しかしそんな時でも、毎月きちんと送ってきてくれる企業の試算表はできるだけ完成させておくようにします。

顧問先から現在の状態はどうかという質問が突然やってくることがあるのですが、そういう時にでもすぐに応えられるよう準備しておくのです。毎月きちんと資料を送ってくれる誠実な顧問先にはできるだけ誠意でお返ししたい気持ちもありました。

顧問先としてもすぐに試算表を準備することができれば、取引先との信頼にも繋がります。

しかし毎月きちんと送ってくれる顧問先は実は珍しく、何カ月もまとめて送ってくる顧問先がほとんどです。そしてそういうところは、すぐに試算表を作って欲しいと言われることが多いため非常に大変です。

それでも集中して入力をして、ミスなく試算表を仕上げた時の満足感はなんとも言えないいい気分となります。

顧問先とのコミュニケーションで信頼を得られたとき

何度か顧問先の経理担当者とやりとりをしてやっと仕上がった試算表を送付する際などに、電話で色んな話をするのがとても楽しいです。

家族経営の企業などは、経理担当が社長の奥様であることが多くご家族のことや趣味の話、休日の過ごし方などの雑談をしてくださいます。

そんな時心を許してくださっている様子から、信頼を得られたと実感することができてとても嬉しいのです。

雑談をするようになると、社内でトラブルが起こっていることがわかることがあります。すぐに税理士に報告したことで、様々な提案や今後の会社経営などの方針などにも繋がったことがあり、あとで奥様から感謝されたことがありました。

様々な職種に触れ、会計を通じて内情を知ることができたとき

私は不動産関係の企業を担当することが多かったのですが、今の不動産事情など資料を観察すればいろいろ見えてきて面白いと思いました。また社長によっては様々な事業にチャレンジされていて、まるで私も社長と共にその仕事を実践しているような臨場感があってとても楽しかったのを覚えています。毎月の試算表作成が楽しみでなりませんでした。

家族経営の飲食店グループの経理の担当もしていたのですが、多くの複雑な事情を家族内で抱えておられて、その中でうまく中立の立場を保ちながら架け橋のような役目を担っていました。それぞれに重宝していただき、まるで自分もその家族の一員となったような気分にさせてもらいました。年末調整や確定申告で個人への提案などもさせていただき、とても感謝されたりもしました。

事務所がチーム一丸となる高揚感

年末調整や法定調書、確定申告など年間の行事はたくさんありますが、そのたびに事務所がチーム一丸となって乗り越えていく楽しさがあります。

忙くなるほど結束力が高まり、例えば残業してみんなで食べたピザは最高に美味しかったです。

また、顧問先の資料がなかなか揃わずに決算がぎりぎりになったときなどは、みんなで力を合わせて一斉に決算書の作成に取りかかります。

誰も何も言わなくても自然と協力する流れになっていく点で、チームワークの凄さ感じます。

終わった時の達成感は、何事にも代えがたいものがあります。

新しい知識を仲間と共有し学ぶことの面白さ

税制改正などが発表されたりすると、事務所内でこまめな勉強会が行われます。

常に最新の情報を得ることができ、わからないこともすぐに解決できる盤石な体制が整っていました。

特にベタベタと仲良しの関係ではありませんでしたが、必要なことをスムーズに共有できる場でした。

「税」という専門的な分野を税理士たちと一緒に共有できるのは、とても楽しく面白みがあります。

税理士事務所で働くメリットとは?

税理士事務所で働くメリット

税理士補助として、税理士事務所で働くメリットは次のとおりです。

税理士事務所で働くメリット
  • 税理士を目指しやすい
  • 税務のスペシャリストになれる
  • 将来のキャリアの選択肢が増える
  • 保有資格が給与に反映される
  • 自宅から近い職場を選べる
  • 組織経営を知ることができる

最も大きなメリットと言えるのが、税理士を目指しやすい環境という点です。

税理士資格があると、もちろん転職市場で有利になりますが、新たに「独立開業」という選択肢が生まれます。

私自身も税理士資格を有して独立開業していますが、10年前は、自分が開業するとは夢にも思っていませんでした。

また 税理士試験は1科目ずつ段階的に取得できるため、科目合格が給与に反映されることで、モチベーションの維持にも繋がります。

ただし、税理士事務所での仕事にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

詳しくは、税理士事務所で働くメリットは何? デメリットは?の記事内で詳細解説しています。

税理士補助の未経験者が「きつい」と感じるシチュエーションとは?

税理士補助の未経験者が「きつい」と感じるシチュエーションとは?

税理士補助の仕事は、特に未経験の方は「きつい」と感じるシチュエーションが幾つかあります。

というのも、税理士補助の仕事には次の特徴があるからです。

税理士補助の仕事の特徴
  • 初めは覚えることが非常に多い
  • 繁忙期がある
  • 仕事がクライアントのお金に直結する

税理士補助は「単なる税理士のサポート」ではなく、実際に自分が仕訳を起票・起票された仕訳をチェック・決算処理等を行います。

そのため、税法の知識は必須であり、初めは会計ソフトの操作方法から覚えることが盛りだくさんです。

また、特に12月~3月・5月は繁忙期であり、中途入社の方の中には「入社してすぐに忙しくなった…」という方も多いでしょう。

そして、税理士補助の仕事はクライアントの税額を計算する仕事ですから、金額を誤ると、クライアントの支払うべき税額を誤ってしまう可能性があります。(後の税務調査で公になる恐れがあります)

もちろん、慣れてしまえばストレスは感じないのですが、慣れない未経験の方は「きつい」と感じるシチュエーションがあります。

税理士補助に向いてる人ってどんな人?

税理士補助に向いてる人ってどんな人?

特に未経験者の方は、「自分が税理士補助に向いているかどうか」を知っておく必要があるでしょう。

税理士補助に向いている人は、次のようなタイプの人です。(やや私の主観が入ります)

税理士補助に向いてる人のタイプ
  • 税理士を目指している人
  • 協調性のある人
  • 細やかな性格の人
  • ルーティンワークの得意な人
  • 使命感・責任感のある人

税理士を目指している人は、「税理士補助が向いている」というよりも、税理士補助で働くべきと言えます。

これは、間近で税理士の働き方・所長による会計事務所の経営を見ることができ、将来税理士になったときに非常に役立つからです。

また、税理士補助に向いている人の性格としては、細やかで協調性があり・使命感をもってルーティンワークにも取り組める人が理想的です。

もちろん 全てに当てはまる人は珍しいため、当てはまるものが多い人ほど向いていると言えるでしょう。

また逆に、税理士補助が向いていない人の特徴もあります。

詳しくは、税理士補助に向いてる人の特徴は?【税理士所長が解説】の記事内で紹介していますので、適性診断としてご利用ください。

税理士を目指さないけど税理士補助になっても良い?

必ずしも、税理士補助になった後に税理士を目指さなければならないわけではありません。

税理士補助に転職した後、税理士を目指さないことによるメリットは次のとおりです。(一例)

税理士を目指さないことによるメリット(例)
  • 会計事務所によっては、歓迎されるケースがある
  • 事務所からの期待値を上げずに働ける
  • オフの時間を自由に使える 等

「税理士を目指していない」と公言することで、(採用者目線からすると)将来独立されてしまうリスクが無いため、雇用されやすくなるケースがあります。

また、必要以上に期待値を上げることもなく、休みの日は受験勉強に時間を充てる必要が無く、オフの時間を自由に使えるようになります。

そのため、「税理士補助になったら絶対に税理士を目指さなければならない」というわけではありません。

ただし、働きながら税理士を目指すメリットも大きいです。

詳しくは、税理士を目指さないけど、税理士補助になるってアリ?の記事をご参考ください。

税理士補助の平均年収は、400万円~500万円です。

税理士補助の年収は、400万円~500万円が相場

税理士補助の平均年収は、400万円~500万円です。

これは私の主観ではなく、求人データを集計すると明らかです。

税理士補助の平均年収(資格別)

地域簿記3級簿記2級無資格者
全体
東京492万円509万円575万円
東京以外439万円470万円505万円
全体463万円485万円535万円
未経験者OK
東京405万円450万円500万円
東京以外411万円448万円488万円
全体409万円449万円493万円
経験者のみ
東京526万円527万円587万円
東京以外459万円476万円508万円
全体492万円495万円542万円
(ヒュープロ求人検索システムより抽出し集計した。)

※「無資格者」の年収がやや高めに算出されているのは、英語力やITスキルなど、プラスアルファとなる専門知識を有している方向けの求人が多いためです。

上記の集計表から分かるとおり、未経験者であれば平均年収は400万~500万、経験者であれば平均年収450万~500万のレンジに入ります。

なお、上記はあくまで「平均年収」であり、会計事務所によって下限・上限にバラツキがあります。

税理士補助の年収について、詳しくは会計事務所に転職すると、年収はいくらになる?で細かくお見せしています。

税理士補助になるために必要な「資格」は?

無資格でも税理士補助になれますが、実際問題、資格があったほうが就活・転職では有利です。

具体的には、次のような資格があると良いです。

  1. 税理士試験の一部科目合格(簿記論・法人税法・消費税法)
  2. 日商簿記検定2級
  3. 日商簿記検定3級

※ 難易度の高い順で並べています。

上記の資格は、税理士補助としての実務に直結する資格です。

資格試験で学習した内容がそのまま実務で活かせるため、就活・転職時に確実に有利に働きます。

中でも最もコストパフォーマンスに優れているのが、日商簿記検定2級です。

日商簿記検定2級があれば応募できる求人数がグッと増え、採用時の給与水準も大きく上がります。

一方、税理士試験の科目があるとさらに内定率は上がりますが、難易度が非常に高く1科目につき1年程度を要します。

もし未経験から税理士補助として働くのでしたら、まずは簿記2級の取得を目指されることをオススメします。

税理士補助の求人例

税理士補助の求人をいくつかピックアップし、紹介します。

フルリモートOKの税理士補助の求人

フルリモートOKの税理士補助の求人

いずれも好条件であることが分かるでしょう。

このように、一見大変そうな「税理士補助」の仕事ですが、税理士事務所によっては「残業なし」「フルリモートOK」「未経験OK」といった求人があるのです。

税理士補助の仕事内容に関するよくある疑問

その他、税理士補助の仕事内容に関するよくある疑問をまとめてみました。


税理士補助のパートは仕事は難しいですか?

「難しさ」の感じ方は人によるため断言できませんが、パートとしての税理士補助の仕事内容は、どちらかというと総務的な仕事(電話対応・コピー取り・書類整理)の比率が増えやすいです。

これはパート勤務の性質上、外回り・クライアント訪問がしづらく、内勤が増えやすい為と言えるでしょう。

総務的な仕事を苦に感じない方には、税理士補助のパートはさほど難しくないと感じるかもしれません。

未経験・資格なしでも税理士補助になれますか?

はい。未経験・資格なしでも税理士補助になることは可能です。

ただし、どうしても日商簿記検定等の有資格者・実務経験者よりも求人数は少なく、採用のハードルは上がります。

そのため、就職するためにはコツが要ります。

未経験・資格なしで税理士補助になるためのコツは、次の記事内で解説しています。

税理士補助に応募するための志望動機を教えてほしいです。

未経験から税理士補助に応募する際は、次の点を意識して志望動機を作成すると良いです。

  • 「税理士を目指している」ことをアピール
  • 「専門性を身に着けたい」ことをアピール
  • 「バイタリティ」をアピール
  • 「コミュニケーション能力」をアピール

全てをアピールする必要はなく、いずれか1~2つにフォーカスすると良いです。

具体的な志望動機の書き方については、下記の記事内で例文付きで詳細解説しています。

なぜ、「税理士補助はやめとけ」と言われるのでしょうか?

一番多い理由は、精神的ストレスでしょう。

税理士補助はいわゆる「会計事務所」での仕事ですが、会計事務所は組織規模が小さく閉鎖的です。

閉鎖的な環境では外部の目が行き届かないため、(一部の悪質な会計事務所では)パワハラ等が発生します。

やめとけと言われる具体的要因について、詳しくは次の記事内で解説しています。

税理士補助をしている女性の割合は?

「税理士補助」という職業の男女比は公開されていませんが、実際に会計事務所で働いていた実体験としては、女性と男性は大体半々くらいの比率のイメージです。

こと「税理士」に関しては男性が8割以上を占めるものの、税理士補助にはパートさんも多いため、正社員・パートを合わせると、男女比は同程度(事務職を含めれば女性の方が若干多い?)が一般的であると感じます。

税理士補助に必要なスキルは?

税理士補助には、主に次のようなスキルが求められます。

  • 「簿記」に関するスキル
  • 「税法」に関するスキル
  • PC操作スキル

税理士補助の仕事では会計ソフトへの入力作業が主となるため、PCスキルは必須です。

プログラミング等の技術は不要ですが、PC操作に慣れていることや、簡単なExcelの操作スキルが必要不可欠です。

また、会計ソフトへの入力に際しては「簿記」(帳簿記入)という会計の基礎的な知識が求められます。(簿記2級~簿記3級の知識で十分です)

そして最も重要なのが、「税法」に関する知識です。

特に求められるのは、法人税法・所得税法・消費税法に関する知識です。

これら税法の知識は簿記検定では培われないため、未経験者の方は(初めは)必要ありませんが、仕事をしながら理解・暗記を求められる知識です。

税理士補助の仕事が将来なくなるというのは本当?

未来のことは不確定ですが、私は税理士補助が「なくなる」とは思いません。

ただし、(会計事務所に限らず)機械的な仕事はAIによって淘汰されていくとは思いますので、より高い専門性の求められる業務が残り続けると感じます。

また、AIの参入で騒がれている昨今ですが、近々(少なくとも先3~5年)で税理士補助の仕事がなくなるとは到底思えません。

AIという概念は素晴らしいと思いますが、実務で実用化されるにはまだまだ時間がかかると思います。

新卒で税理士補助を目指しても良い?

全く問題はないと思います。

ただし、新卒で税理士補助になるのであれば、私は税理士を目指すことを強く推奨します。

なぜなら、若いうちは頭が柔らかく素直であり、記憶力・集中力・体力もあるため、税理士試験への早期合格が見込めるからです。

税理士を目指しながら税理士補助として働くことで、仕事へのモチベーションも高く維持できるでしょう。

税理士補助と経理の違いは何?

税理士補助と経理の大きな違いは、次のとおりです。

税理士補助経理
クライアントの有無×
主に準拠する基準税法税法
or
会計基準
入社のしやすさ
組織規模小~中中~大

大きな違いは、クライアントの有無でしょう。

税理士補助では、1人あたり10社~20社のクライアントを担当し、各クライアントの経理業務に関して決算・確定申告書類の作成を行います。

一方、経理では「クライアント」がおらず、自社の経理業務を行います。

高卒でも税理士になれる?

はい。高卒でも税理士にはなれますし、実際に高卒で税理士になり開業している仲間もいます。

ただし、税理士試験には「受験資格」が定められている点に注意が必要です。

具体的には、税理士試験には①会計学に属する試験科目(簿記論・財務諸表論)と、②税法に属する試験科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)の2種類の科目があります。

上記のうち、①会計学に属する試験科目の2科目については、受験資格が定められていないため、誰でも受験することが可能です。

一方、②税法に属する試験科目については、「実務要件」が定められており、2年間以上の会計事務所等での実務経験を積んだことの証明が必要になります。

そのため、最もオススメなのは、会計事務所で実務経験を積みながら簿記論・財務諸表論の合格を目指し、実務要件を満たしたときに税法科目の受験をスタートするという戦略です。

これなら、実務要件を充足しながら受験勉強を進めることが可能です。

なお、受験資格の詳細は国税庁HP税理士試験受験資格の概要からも確認できます。

税理士補助でできないことは?

税理士補助では「税理士業務」を提供することができません。

その代表的な例として、「税務申告の代理」が挙げられます。

税理士には、法人・個人事業主の確定申告を代行する権限があり、実際の申告の際には実名のサインがなされます。

しかし、税理士補助には「税理士」の資格がないため、この税務申告の代理を行うことができません。

ただし、提出するための申告書類の作成を行うことは可能です。


税理士補助の求人が最も多い転職エージェントは?

税理士補助に強い転職エージェント【Best5】

スクロールできます
ヒュープロ
(Hupro)
MS-Japan人材ドラフトジャスネット
キャリア
マイナビ
税理士
ヒュープロMS-Japan人材ドラフトジャスネットキャリアマイナビ税理士
総合評価
( 10/10 )

( 9/10 )

( 7/10 )

( 6/10 )

( 6/10 )
求人数約 5,500 件約 1,300 件約 1,000 件約 800 件約 600 件
対象年代20代~40代20代~50代20代~50代20代~30代20代~30代
設立2015年1990年2000年1996年1973年
資本金2億2740万円5億8600万円3400万円3800万円21億210万円
得意領域・会計事務所
・税理士法人
・経理   
・会計事務所
会計事務所士業全般税理士
特徴求人数No.1管理部門に強いややマイナー士業向け税理士向け
利用料金無料無料無料無料無料
評判・口コミ評判をみる評判をみる評判をみる評判をみる評判をみる
公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

上記のとおりですが、税理士補助の求人数が最も多いのはヒュープロ(Hupro)です。

ヒュープロは「会計事務所・税理士法人」に特化した大手エージェントであり、利用者の評判も非常に良いのが特徴です。

会計事務所は、組織によって大きく雰囲気が異なり、(残念なことに)ブラックな会計事務所も存在します。

質の低い転職エージェントを選んでしまうと、内部情報が分からないまま、労働環境の悪い会計事務所に転職してしまう恐れがあります。

転職は人生を大きく左右する大切なイベントです。

ぜひ、ご自身に合った転職エージェントを選び、失敗を避けることをオススメします。

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