会計事務所に向いている人の特徴5選【所長税理士が解説します。】

会計事務所に向いている人の特徴5選【所長が解説】

税理士の藤沼です。

会計事務所未経験の方にとって、会計事務所への適性は気になるでしょう。

それもそのはず。
会計事務所業界は「専門職」であり、向き・不向きが顕著に表れるからです。

そこで今回は、会計事務所に向いている人・向いていない人の特徴を5つずつ紹介します。

私自身は所長として多くのスタッフの方・応募者の方と接してきましたので、採用官・所長目線での感想も踏まえてお話します。

はじめの一歩は大切です。 まずは自分の適性を大まかに把握しておきましょう。

この記事を書いた人

1986年生まれ(37歳)
税理士・公認会計士

2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅会計事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント㈱ 代表取締役


目次

会計事務所に向いている人の特徴5選

会計事務所に向いている人の特徴5選

会計事務所に向いている人の特徴は、次のとおりです。

それぞれ解説します。

分からないことを自ら調べられる人

分からないことを自ら調べられる人

会計事務所での仕事は、基本的に「税法」に基づいて行われます。(関連記事:会計事務所での仕事内容を詳細解説します。

つまり 一般的な組織内での事務とは異なり、処理のルールが税法として一般公開されていますので、基本的な処理はすべて税法を読めば分かるようになっています。

そのため、基本的にはまず「自分で調べる」という姿勢が求められます。

しかしこの税法、読んでみるとかなり複雑であり、初めは全く理解できない方が大半です。

これをいかに自分なりに調べ、読み解き、解釈できるかという努力が求められます。

簿記税理士試験科目の学習経験のある方は、どの条文に何が書いてあるのか、ある程度アタリを付けて調べることができますから、実務でその知識が役に立ちます。

コミュニケーション能力の高い人

コミュニケーション能力の高い人

会計事務所での仕事は、決して一人だけでこなすことはできず、チームプレイが求められます。

先述のとおり、基本的な作業は自分で調べて進める必要がありますが、全てが税法・手順書に書いてあるわけではないため、適宜、先輩・所長などに質問をすることが求められます。

しかし、実際に会計事務所で働いてみると分かりますが、(特に未経験者の方は)先輩スタッフや税理士・所長との知識の差を歴然と感じるため、人によっては「質問しづらい…」と感じる方もいるでしょう。

こんな時、臆せず質問をしなければならず、ここでコミュニケーション能力が必要になります。

また、コミュニケーションは所内だけでなく対顧客でも求められます。

会計事務所での仕事は顧客あっての仕事ですから、通常の事務的なやり取りに加え、税・会計に関する専門的な質問に対しても回答する必要があります。

顧客に不信感を与えてしまうと、(最悪の場合)契約を打ち切られるケースもあります。

意外かもしれませんが、会計事務所ではコミュニケーション能力が求められやすいのです。

細かい作業が好きな人

細かい作業が好きな人

「好きこそ物の上手なれ」と言いますが、これは会計事務所での作業にも当てはまると感じます。

会計事務所での作業にはすべて税法等の裏付けがあり、かつ金額を1円単位で合わせることが求められます。

「たかが1円…」と思うかもしれませんが、数値が合わないという事実は異常事態であり、たとえば複数の金額誤りが相殺された結果1円の相違が生じている可能性があり、原因を調べてみると大事になっているケースがあります。

そのため、数値をしっかり合わせにいく細やかさが求められます。

また、近年はIT化・システム化が進んでいるとはいえ、まだまだ証憑類(レシート等)は紙で出力されますから、それらに表示されている金額を目視で会計ソフトに入力する必要があります。

また、基本的にはルーティンワーク(同じような作業の連続)になります。

会計ソフトへの入力だけでなく、様々なシチュエーションで細やかさが求められますから、「細かい作業が好き」という方には会計事務所の仕事が向いています。

体力のある人

体力のある人

会計事務所での仕事には、繁忙期・閑散期があります。

事務所の方針によって繁忙期の時期は異なりますが、通常、12月~3月・5月が繁忙期になります。(個人事業主の確定申告時期だからです)

多くの会計事務所では人手が不足しており、繁忙期は残業時間が多くなるケースが一般的です。(月40時間~60時間程度が目安)

そのため、忙しい繁忙期を乗り切れるだけの体力・バイタリティのある方には、会計事務所が向いていると思います。

もちろん、全ての会計事務所が激務になるわけではなく、中にはホワイトな会計事務所もありますが。

勉強が好き・向上心のある人

勉強が好き・向上心のある人

会計事務所での仕事には、例えば「簿記」などの勉強・座学がそのまま活かせます。

自己学習をすればするほど、仕事の効率も上がり、事務所内での評価も高まることから、勉強が好きな方にはオススメの仕事です。

また、会計事務所で働いていると、例えば「税理士」といった国家資格に興味がでてくる方も多いでしょう。

税理士資格を取得できれば、所内での評価・年収が上がるだけでなく、独立し所長として活躍のフィールドを広げることができるようになります。

そのため、勉強が好きな方や向上心のある方には、会計事務所が向いていると言えます。

ちなみに、会計事務所は「働きながら税理士を目指すための職場」としては最適の環境です。(関連記事:無理なく働きながら税理士に合格できる「職場」の選び方

会計事務所に向かない人の特徴5選

会計事務所に向かない人の特徴5選

次のような方は、会計事務所に向いていないと感じます。

それぞれ解説します。

コミュニケーション能力が極端に低い人

コミュニケーション能力が極端に低い人

先述のとおり、会計事務所での仕事では「チーム内」「対クライアント」でコミュニケーション能力が求められます。

また、会計事務所は一般的に規模の小さい組織であるため、村社会になりやすい環境です。

極端な話ですが、あまり仕事ができない人でも、人間関係さえ良ければ何とかやれてしまうのが会計事務所です。

実は、私自身もコミュニケーションが得意ではないので、「本当は自分もこの仕事向いていないんだろうなぁ…」と思いながら書いていたりします。(過去複数回、人間関係で悩んだ経験あり…)

私だけでなく、周囲の職員等の話を聞いてみると、やはり「会計事務所を辞めたい」と思った理由の多くが「人間関係での悩み」でした。(関連記事:私たちが「会計事務所を辞めたい」と思った理由と、その後。

そのため、コミュニケーションを極端に苦手とする方には、会計事務所は向いていないと思います。

何でもすぐに質問してしまう人

何でもすぐに質問してしまう人

何でもすぐに質問してしまう人は、会計事務所に向いていないと言えるでしょう。

先述のとおり、会計事務所での仕事は税法や通則・通達等に処理方法が記載されていますから、税法等の条文を読めば(基本的には)答えが載っています。

もちろん読み込むのは難しいですが、かといって読まずに質問をしたのでは、先輩職員・所長の時間を奪うことになります。

慣れるまでは時間がかかりますが、ルールブック等をしっかりと読み、調べても分からないことだけを質問するという姿勢がとても大切です。

私自身も(滅多に怒らない性格ですが)明らかに調べていないだろうという質問をされ、イラっとした経験があります。(自戒)

ケアレスミスの多い人

ケアレスミスの多い人

ケアレスミスの多い人も、会計事務所には向いていないと思います。

会計事務所での仕事は、「クライアントの税金額を計算する」という重要な仕事です。

最終的に算出する税額は、全てが1つ1つの取引の積み上げにより出来上がっています。

そのため、ケアレスミスが多くなると、算出される支払税額の誤りも大きくなってしまいます。

たった1ヶ所だけのミスであれば問題は小さいのですが、小さなミスを繰り返すと影響は大きくなり、またレビュアー(先輩や所長)の労力も増えてしまいます。

ミスの多さが原因で、職員との関係性・雰囲気が悪くなってしまう…ということもあるでしょう。

そのため、細やかな作業にストレスを感じたり、ケアレスミスが多い人には会計事務所は向いていないと言えるでしょう。

もちろん、新人にはミスがつきものであり、慣れるまでは仕方のないことなので、気にし過ぎも良くありませんが。

大雑把な性格の人

大雑把な性格の人

上記にも少し関連しますが、1つ1つの作業の根拠・背景などをあまり気にしない人は、会計事務所は向いていないと思います。

先述のとおり、会計事務所での作業には、1つ1つ意味があります。

意味を理解しながら作業を進めなければならないため、それを面倒と思う方もいるでしょう。

しかし、意味を理解せずに仕訳処理などをしていると、ほぼ確実に上司・所長にバレます。(そして詰められる)

私もこの業界に身を置いて10年以上経ちますが、後輩スタッフの知識度・理解度は、手に取るように分かります。

そのため、考えながら作業をすることが苦手な方には、会計事務所は向いていないと思います。

仕事を抱え込んでしまう人

仕事を抱え込んでしまう人

責任感が強すぎるあまり、仕事を抱え込んでしまう人も会計事務所は向いていないと感じます。

先述のとおり、会計事務所での仕事は顧客の支払税額を計算する重要な仕事です。

職員もプロ意識のある人が多く、税理士・公認会計士などの専門家も多いです。

しかし、かといって誰にも質問できず、自分一人で抱え込んでしまうのもいけません。

自分で調べるべきことは自分で調べ、それでも分からないことは先輩・所長に確認を取る、というバランスが大切です。

※ 偉そうに語っていますが、私自身もバランス感覚がなく、仕事を抱え込みやすいタイプだったため、その経験(反省)からも書かせていただきました。

「会計事務所は雰囲気が悪い」ってホント?

「会計事務所は雰囲気が悪い」ってホント?

これは、半分ホント・半分ウソが混じっていると思います。

というのも、結局「雰囲気」というのは会計事務所によるからです。

明るい人もいれば、怒りっぽい人もいます。 人が違えば、組織も変わります。

ただし、会計事務所は組織として雰囲気が悪くなりやすいというのはあると思います。

なぜなら、会計事務所には次の3つの特性(傾向)があるからです。

会計事務所の雰囲気が悪くなりやすい特性
  1. 組織規模が比較的小さい
  2. 業務の専門性が高い
  3. 所長の権限が強すぎる
  4. 繁忙期にピリピリ・ギスギスする

会計事務所は組織規模が(比較的)小さく、簡単にいえば村社会化しやすいのです。

大手企業のような従業員同士の監視の目が働かないことから、従業員によるパワハラ・いじめが起きやすいと言えます。

また、会計事務所の業務は専門性が高いため、スタッフ間の知識度・経験値の差が激しく、一人の人に仕事量が偏ってしまうことからストレスが溜まるケースがあります。

そして、会計事務所では所長の権限が強すぎるケースがあり、経営方針・人員配置などに口出しがしづらく、それも雰囲気の悪さを醸成すると考えられます。

特に、給与面での所内格差(所長・税理士・無資格者)もあることから、これも雰囲気を悪くする要因であると考えられます。

いずれも、会計事務所で働いたことのある方なら「あるある」と感じるでしょう。

もちろん、上記はあくまで一般論であり、全てが全ての事務所に当てはまるわけではありません。

実際、私は超ブラックな会計事務所でも働いたことがありますし、逆に超ホワイトな会計事務所で働いたこともあります。

ブラックな会計事務所の見分け方については、次の記事で詳しく・具体的に解説しています。

未経験者が会計事務所への転職時に見るべきポイント

未経験者が会計事務所への転職時に見るべきポイント

あなたが業界未経験者なら、最も重視すべきは成長できる環境かどうかです。

なぜなら、会計事務所での仕事は専門性が高く、「教えてくれる良い先輩」「学習体制が整っている環境」が必須だからです。

もちろん、簿記関連の資格を持っていれば多少は仕事が楽になりますが、それはスタート地点での話であり、良い先輩・良い環境がなければ成長スピードが大きく減少します。

これは私自身も強く感じますが、なぜかあまり重視されていないように感じます。

重要なので何度も言いますが、「人・環境が全てである」と言えるくらい重要です。

一社目でブラックな会計事務所を引いてしまうと、今後の成長速度に悪影響を及ぼすため、本当に注意して下さい。

ブラックな会計事務所の見分け方については、下記の記事内で詳細解説しています。

会計事務所の求人を探すときにおすすめの転職サイト

会計事務所の求人を探すときにおすすめの転職サイト

以上、会計事務所に向いている人・向いていない人の特徴を紹介しました。

本記事で紹介したのは、あくまで一般論であり、絶対的なものではありません。

結局のところ、会計事務所によって特徴は異なりますから、実際に求人を見たり、エージェントから内情を聞く必要があります。

特に、会計事務所の求人はホワイトな求人から応募枠が埋まる傾向にあるため、早いうちから求人を入手しておく必要があります。

会計事務所の求人を入手するなら、次の転職サイトの中から選ぶことをオススメします。

会計事務所に強い転職サイト【TOP3】

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設立2015年1990年2000年1996年1973年
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