公認会計士・税理士の藤沼です。
転職失敗を避けるために、エージェントを20社ほど使った結果、会計業界のキャリアに詳しくなりました。
現在は1人法人の経営をしながら自分で経理業務を行っていますが、そろそろ経理スタッフを雇用しようかな…というフェーズです。
さて今回は、私が利用して転職活動をしていた頃に「良い」と感じた転職エージェントを紹介します。
もちろん私の主観だけではなく、「公開されている求人数」や「その他の利用者の評判」も加味した結果を掲載しています。
特に、経理未経験の方にはオススメの内容ですので、必ず参考にしてほしいです。
2010年 日商簿記検定1級 取得
2013年 公認会計士試験(論文式) 合格
2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅会計事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント㈱ 設立
経理支援サービス会社を経営しています。
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経理におすすめの転職エージェント【上位5社】
経理向けの求人を扱う転職エージェントは、全20社以上あります。
ここでは、その中でも非常にオススメできると感じた5社を紹介します。
- ヒュープロ |専門特化・都内の経理に強い
- MS-Japan |専門特化・全国の経理に強い
- レックスアドバイザーズ |専門特化・士業向け
- ジャスネットキャリア |専門特化・士業向け
- リクルートエージェント |総合型
(参考:当サイトの運営ポリシー)
それでは、1位から見てみましょう。
【1位】ヒュープロ |専門特化・都内経理に強い
公式サイト:https://hupro-job.com/
- 求人数 :(9/10)
- 情報の詳細さ :( 9/10)
- サポート力 :(10/10)
- 対応スピード :(10/10)
- 評判・口コミ :(10/10)
- 総合評価 :(10/10)
Huproは、会計・税務に特化した大手転職エージェントです。
東京都内における経理の求人数が非常に多いのが特徴であり、都内での転職を考える方は必ず利用すべきエージェントです。
利用可能な年齢層も20代~50代と非常に幅広く、第二新卒者向けの求人も多く公開されています。
経理の他にも、「会計事務所」「税理士法人」など会計系職種が全て揃っており、豊富な選択肢を得ることができます。
一方、東京都以外の経理求人は数が少ないため、東京都以外で転職を考えている方にはオススメできません。
東京都以外で経理への転職を考えている方は、2位で紹介するMS-Japanの方がオススメです。
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【2位】MS-Japan |専門特化・全国の経理に強い
公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/
- 求人数 :( 9/10)
- 情報の詳細さ :(10/10)
- サポート力 :(10/10)
- 対応スピード :(10/10)
- 評判・口コミ :( 9/10)
- 総合評価 :( 9/10)
MS-Japanは、管理部門に特化した大手転職エージェントです。
全国の経理の求人数が非常に多いのが特徴であり、経理の求人を探す方におすすめの転職エージェントです。
こちらもHupro同様、利用可能な年齢層は20代~50代と幅広く、既卒・第二新卒向けの経理求人が非常に多く掲載されています。
私も転職活動の際に利用しましたが、キャリアプランの提示がとても上手く、じっくり考えながら転職活動を進めることができました。
特に、会計系特化型エージェントの中では運営実績が30年と非常に長く、豊富な経験が蓄積されています。
利用者の評判も軒並み好評であることから、各コンサルタントの品質も安定して高いことが分かります。
ただし、「東京都内の経理求人数」に限っては、先述のヒュープロの方が多く検出されました。
東京都だけでなく全国での経理求人を探している方は、MS-Japanがオススメです。
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【3位】レックスアドバイザーズ |専門特化・士業に強い
公式サイト:https://www.career-adv.jp/
- 求人数 :( 8/10)
- 情報の詳細さ :( 9/10)
- サポート力 :( 9/10)
- 対応スピード :(10/10)
- 評判・口コミ :( 9/10)
- 総合評価 :( 8/10)
レックスアドバイザーズは、会計系に特化した大手転職エージェントです。
主に「有資格者」向けの求人が多いのが特徴です。
私も転職で利用しましたが、キャリアカウンセリングがとても上手く、会計業界への理解度が非常に高いと感じました。
公認会計士・税理士からの評判も高く、有資格者の方には非常にオススメの転職エージェントです。
ただし、士業以外の方向けの求人数は少ないため、士業以外の方は利用にはオススメしません。
【4位】ジャスネットキャリア |専門特化・士業に強い
公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/
- 求人数 :( 7/10)
- 情報の詳細さ :( 9/10)
- サポート力 :(10/10)
- 対応スピード :( 9/10)
- 評判・口コミ :( 8/10)
- 総合評価 :( 7/10)
ジャスネットキャリアは、会計コンサル系に強い転職エージェントです。
どちらかというとコンサル求人が多いため、会計系・コンサル系への転職を考える方にはオススメです。
私も転職で利用しましたが、転職者のロールモデルの提示がとても上手く、分かりやすいと感じました。
ジャスネットキャリアは(会計系のエージェントの中では)大手であり、ロールモデルを数多く蓄積しています。
「周りの人はどんなキャリアを歩んでいるのか?」が気になる方は、利用してみると良いでしょう。
ただし、こちらも士業系の求人をメインに取り扱っている為、士業以外の方にはあまりオススメできません。
【5位】リクルートエージェント |総合型
公式サイト:https://www.r-agent.com/
- 求人数 :(10/10)
- 情報の詳細さ :( 6/10)
- サポート力 :( 7/10)
- 対応スピード :(10/10)
- 評判・口コミ :( 6/10)
- 総合評価 :( 6/10)
リクルートエージェントは、ご存じ転職大手リクルートの運営する「総合系転職エージェント」です。
経理専門のエージェントではありませんが、高い市場シェアを獲得しており、経理の求人数は最多です。
しかしながら、やはり総合系エージェントは業界に特化していないため、特定の専門職に対する理解度が低く、情報量も少ないという欠点があります。
総合系の中では最も経理の求人数が多かったため、5位でご紹介します。
「経理の求人を網羅した上で、応募企業を選びたい」という方にはオススメです。
「経理未経験者」におすすめの転職エージェント【上位3社】
上記のランキングは、あくまで「経理経験者」におすすめの転職エージェントです。
ここでは、経理未経験者向けの転職エージェントをランキング形式で3社紹介します。
- MS-Japan |経理未経験者向け求人数No.1
- ヒュープロ |経理未経験者向け求人数No.2
- リクルートエージェント |総合型
(参考:当サイトの運営ポリシー)
それぞれ解説します。
【1位】MS-Japan |経理未経験者向け求人数No.1
公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/
- 求人数 :(10/10)
- 情報の詳細さ :(10/10)
- サポート力 :(10/10)
- 対応スピード :(10/10)
- 評判・口コミ :( 9/10)
- 総合評価 :(10/10)
MS-Japanの「未経験OK」経理・財務の求人数は、約300件検出されました。(2024年9月1日現在)
経理の求人数全体ではリクルートエージェントよりも少なかったMS-Japanですが、「未経験者向け」の求人数では最も多い結果となりました。
また、使用感としてMS-Japanはキャリアカウンセリングが非常に上手いため、サービス面でも特に未経験者向けであると感じました。
MS-Japanは経理に特化した転職エージェントの中では、最大手かつ評判の高いエージェントです。
経理未経験の方は必ず利用すべき転職エージェントです。
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【2位】Hupro |経理未経験者向け求人数No.2
公式サイト:https://hupro-job.com/
Huproの「未経験OK」経理・財務の求人数は、約200件検出されました。(2024年9月1日現在)
経理経験者向けの転職エージェントとしては1位だったヒュープロですが、「未経験者」向けの求人数はやや少なくなるため、こちらでは2位に順位を下げています。
とはいえ、Huproは会計税務に完全特化した転職エージェントであり、サービスの質は非常に高いです。
また、求人数を「東京都内」「経理未経験」に限定すると、全エージェントの中で最多の求人数になりました。
東京都内において未経験から経理を目指される方には、非常にオススメの転職エージェントです。
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【3位】リクルートエージェント |総合型
公式サイト:https://www.r-agent.com/
- 求人数 :( 8/10)
- 情報の詳細さ :( 6/10)
- サポート力 :( 7/10)
- 対応スピード :(10/10)
- 評判・口コミ :( 6/10)
- 総合評価 :( 6/10)
リクルートエージェントの「未経験OK」経理・財務の求人数は、約150件検出されました。(2024年9月1日現在)
リクルートエージェントは経理に特別強いというわけではないものの、求人数がそれなりに多いため、3位に掲載しています。(ただし、扱っているのは「正社員」の求人のみです)
たとえば、Hupro+MS-Japanを利用した上で、納得のいく求人が見つからなかった場合にリクルートエージェントを補足で使う、といった使い方がオススメです。
また、転職大手であることからコミュニケーションのスピードには問題がなく、ストレスを感じることはありませんでした。
上位2社を利用してみて、万が一納得できなかった場合にはリクルートエージェントを利用してみると良いでしょう。
【ランク外】その他の転職エージェント・転職サイト
上記のほか、ランキング外となった「経理向け」の転職エージェント・転職サイトは、下記のとおりです。
いずれも経理の求人を取り扱っているも転職エージェントですが、「求人数が少ない」「税務系がメイン」「評判が悪い」など、複数のデメリットが散見されました。
原則、先述のランキング上位2~3社を選べば問題ありませんが、「他にも網羅的に転職エージェントを使いたい」という方は、上記ランキング外の転職エージェント・転職サイトもご参照ください。
【比較表】経理におすすめの転職エージェントを比較!
長くなったので、経理にオススメの転職エージェント3社を比較表としてまとめました。
長くなったので、経理にオススメの転職エージェント5社を比較表としてまとめました。
ヒュープロ (Hupro) | MS-Japan | レックスアドバイザーズ | |
---|---|---|---|
求人数 (経験者) | 約2,000件 | 約2,500件 | 約1,000件 |
求人数 (未経験者) | 約200件 | 約300件 | – |
対象年代 | 20代~50代 | 20代~50代 | 20代~30代 |
対応エリア | 東京都内 | 全国 | 全国 |
設立 | 2015年 | 1990年 | 2002年 |
資本金 | 2億2740万円 | 5億8600万円 | 1億1360万円 |
得意領域 | 経理 会計事務所 | 経理 内部監査 経営企画 | 公認会計士 税理士 |
特徴 | 東京の経理に強い | 全国の経理に強い | 士業に強い |
情報詳細度 | |||
サポート力 | |||
スピード | |||
口コミ | |||
総合評価 | (10/10) | ( 9/10) | ( 8/10) |
評判口コミ | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一番のおすすめはヒュープロですが、未経験での転職ならMS-Japanの方がおすすめです。
上記の比較表をご参考いただき、ご自身に合った転職エージェントを選んでください。
おすすめの経理求人の探し方・選び方ポイント
経理求人の探し方としては、次の軸を目安にすると良いでしょう。
それぞれ、簡単に解説します。
年収
各求人の年収は、転職エージェントの各求人ページに掲載されています。
転職時に年収を一度下げてしまうと、戻すまでに何年も要してしまうケースがありますから、できる限り従来よりも年収を上げるような転職が望ましいです。
業種
業種選びも非常に重要です。
なぜなら、業種によって求められる会計・税務の知識が異なり、また何より「自分が興味を持てるビジネス」に携わることが、やりがい・モチベーション維持に繋がるからです。
経理は専門職として自らの専門性を探求することが面白味の1つですが、ルーティンワークもあり、飽きてしまうケースがあるのも事実です。
そのため、できる限り自分が興味をもてるかという視点を交えることをオススメします。
組織規模
「組織規模」で求人を探す視点も大切です。 といっても、単純な従業員数というわけではありません。
たとえば、次のような大手企業には、それぞれ法律上の制限が加わります。
要件 | 義務(一例) | |
---|---|---|
大会社 | 決算書上の資本金が5億円以上、または負債の額が200億円以上ある会社 | 会社法上、公認会計士等の監査を受けなければならない。 |
上場会社 | 証券取引所に株式上場している会社 | 金商法上、四半期決算および公認会計士等の監査を受けなければならない。 また、内部統制(J-SOX)構築義務が課される。 |
「大会社」であれば、四半期決算は必要とされないものの、公認会計士による外部監査を受ける義務があるため、経理書類の作成は(中小企業に比べて)より精緻・厳格になります。
また「上場会社」であれば、四半期に一度の決算作業が加わるため大会社よりも忙しい時期が増えますが、あるべき会計処理・内部統制を知ることができるため、成長機会が多いでしょう。
一方、組織規模が大きくなるほど、担当する勘定科目の数が減るため、会社の歯車になりやすい傾向があります。(もちろん全てがそうではありません)
また、IPO準備会社(近々上場を控えている会社)の経理は、四半期決算に加えて上場準備のためのブラッシュアップがめまぐるしく、非常に忙しくなります。
組織規模は一概に「大きければ良い」「小さいほうが良い」など言えませんが、少なくとも、上記の傾向は知っておくべきです。
残業時間
残業時間は、公開されている求人票には掲載されず、転職エージェント登録後に知らされます。
残業時間は「年間を通じた月次平均残業時間」を提示されるのが一般的ですが、できれば「繁忙期」「閑散期」それぞれの残業時間を聞いた方が良いでしょう。
極端に残業時間が多いような場合には、教育体制が整っていない可能性や、パワハラなど組織環境に問題がある可能性がありますから、念のためなぜ残業時間が多いのかは確認すべきです。
離職率
良い会社なら、人は辞めません。 多くの会社を見てきてこれだけは断言できます。
離職率をあまり気にしない方もいるようですが、「働きやすさ」を求めるなら絶対に離職率は確認すべきです。
離職率についても求人票には掲載されないため、個別に転職エージェント担当者からヒアリングしましょう。
また、その際は「組織全体の離職率」ではなく「経理部の離職率」を聞くようにしてください。
全体としては離職率が低くとも、経理部の離職率が非常に高いケースがあるからです。
ポジション・経理部員の人数
募集しているポジションを知ることも重要です。
マネジメントポジションとしての採用なのか、作業者としての採用かを知っておくことで、自らに課される役割を予め想定できるからです。
また、経理部の人員数を確認しておくことで、(経験者の方は)ある程度作業の分担状況が理解できるでしょう。
入社後(直後)の仕事内容
入社後、どのような仕事を任されるのかは必ず確認すべきです。
経理での一般的な仕事内容は「会計ソフトへの入力」などですが、具体的な仕事内容は企業によって大きく変わります。
これを確認せずに求人を選んでしまうと、入社後のアンマッチに繋がる可能性があります。
欲しいスキルが身に付くかどうか
最後に、その経理部において「自分が欲しいスキルが身に付くかどうか」も視野に入れ、求人を選ぶべきです。
「上場企業での経理経験を積みたい」「英語を用いた経理スキルを身に付けたい」など、人によって目的は異なるはずです。
特に目的がないという方もいるかもしれませんが、何かしらの目標を作ることが長期的なキャリア形成に役立ちます。
未経験者におすすめの経理の特徴
経理未経験者の方にとっては、「どのような求人が良いのか分からない」という方も多いでしょう。
そこで、未経験者の方におすすめの経理求人の特徴を紹介します。
それぞれ解説します。
大企業の経理
未経験者の方は、できる限り大きな組織を選ぶべきです。
大企業であれば、経理処理がマニュアル化されているケースが多く、また教育のできる上司が存在するケースが多いからです。
また逆に、ベンチャー企業の経理は未経験者にきついのでオススメしません。
小さな組織では経理以外にも総務・人事なども任される可能性があり、またあるべき処理が分からなくなり、経理マンとしての専門性を高めることが難しくなるからです。
離職率が低い
経理未経験者の方は、絶対に離職率の低い経理部を選ぶべきです。
離職率の低い組織は、必ず何かしらの理由があります。(例:人間関係が悪い、仕事がハードすぎる、教える人がいない、パワハラ・セクハラがある、等)
未経験者はまず経理部員としての基礎固めが必要になりますが、短期間での転職を繰り返すと、いつまでも基礎力のないまま時が過ぎてしまいます。
また、よく「経理が辞める会社はやばい」と言われますが、これは本当にその通りだと思います。
経理部員であれば、自社の財務状況はすぐに分かります。その経理部員が多く辞めるということは…つまりそういう可能性があるということです。(もちろん全てではありませんが)
リモートワークではない
「会社に出社せず家で仕事をしたい」という方も多いと思いますが、経理未経験者の方は、できればリモートワーク(在宅)は避けたほうが良いと思います。
なぜなら、慣れない仕事・慣れない組織ではコミュニケーションが少なくなりやすく、成長速度が遅くなるケースが多いからです。
これは、私がいた大手監査法人でも同様でした。コロナ禍に入りリモートワークが恒常化した結果、新入社員の会計士たちが「サボる」「先輩職員から放置される」といったケースが散見されるようになりました。
もちろん、全員がサボったりするようになるわけではありませんが、やはり出社して間近で仕事をしていたほうが、気軽に質問できるでしょう。
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未経験者が経理に転職する際のポイント
未経験者が経理に転職する際は、やや難易度が上がります。
しかし、下記のポイントを実践することで内定率を高めることができます。
それぞれ解説します。
簿記2級を取得しておく
経理は、(新卒者を除けば)未経験者が就職するにはやや難易度の上がる職種です。
そのため、できれば「日商簿記2級」を取得することをオススメします。
これは私の主観ではなく、実際に転職エージェントの求人を調査してみると、「簿記2級取得者」の求人数は「無資格者」の求人数の2倍以上の求人募集が見つかります。
未経験者向け求人 | 求人数 |
---|---|
無資格者 | 121件 |
日商簿記2級取得者 | 261件 |
当然、求人数が多ければ選択できるパイが増えますから、より自分の条件に合った経理を選ぶことができますし、内定可能性も上がります。
日商簿記2級は(知識ゼロの状態からだと)取得までに4ヶ月~6ヶ月程度かかります。
しかし、その期間を要してでも取得する価値は十分にあると思います。(上記のとおり、市場価値がグンと上がります)
面接対策は万全に準備しておく
当たり前に思われるかもしれませんが、特に、経理では面接対策が重要です。
なぜなら、経理ではコミュニケーション能力が求められるため、面接時の応対をよく観察されるからです。
そして面接対策を行う際は、一般的な問答ではなく、その企業に特化した面接対策を行うべきです。
企業ごとに聞かれやすい質問は、転職エージェントが握っているため、必ず聞き出すようにしましょう。
面接でいかにスムーズな回答ができるかが、勝敗を分けると言っても過言ではありません。
いくら人柄が良くても、回答が的を得ていなかったりすると、「自分の下では使いたくない」と思われてしまうケースもあるでしょう。
くどいようですが、絶対に企業ごとに面接対策をしておきましょう。
会計事務所も視野に入れる
希望の経理職から中々内定が出ない…という方は、「会計事務所」への転職も視野に入れるべきです。
なぜなら、会計事務所での経験を一定年数(一般には3年)以上積むことで、経理への転職の際に「実務経験」として認められるケースがあるからです。
ただし、会社法上の大会社および上場会社は、実務経験と認められないケースが多いです。これは、会計処理を行う上で準拠する基準が異なるケースが多いからです。(会計事務所では税法基準に準拠しますが、大会社・上場会社では企業会計基準に準拠します)
そのため、例えば次のようなキャリアアップが想定できます。
- まず会計事務所に転職し、3年の経験を積む
- 次に非上場会社の経理に転職し、数年の経験を積む
- 上場経理に転職する
いきなり②をすっ飛ばして上場経理に転職できている方も見かけますが、上記のステップが基本だと思います。
上場経理を目標に見据えている方は、ぜひ参考にしてください。
経理に強い転職エージェントを使う
未経験の方にとって最も重要なのが、経理に強い転職エージェントを使うことです。
なぜなら、経理は専門性の高い職業であり、業界・求人企業での働き方・キャリアなど、エージェント自身にも高い専門知識が求められるからです。
私も転職した際にエージェントを20社近く使いましたが、エージェント毎に、知識の有無が歴然と分かりました。
それも踏まえた上で、上記のおすすめエージェントランキングを作成しています。
業界に疎いエージェントを使ってしまうと、企業への誤った理解のまま転職してしまい、転職に失敗する可能性さえあります。
未経験の方は必ず、経理に強い転職エージェントを使うべきです。
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経理に転職して後悔してしまった代表例3選
「現状を好転させたい」
皆さんそう考えて転職するはずです。しかし、残念ながら転職したことで逆に「後悔」してしまうケースがあります。
ここでは、特に経理に転職して後悔した代表例を3つ紹介します。
- 転職先の人間関係が非常に悪かった
- 転職先の業種を軽視していた
- 想像していた仕事内容と違った
いずれも、本当によくあります。(私自身も…)
経理は社内のコミュニケーションが求められるため、社風・経理部内の人間関係でストレスを感じるケースが多いです。特に、激務の会社ではストレスが増えることから、経理部内の雰囲気が悪いケースが多いです。
また、「業種」も重要です。特定の業種に属する企業の経理を担当するため、知識はその企業の業種に関連する会計基準・税法に触れやすく、知識が偏りやすいでしょう。
その後の転職などキャリアアップを考えた場合には、それらの知識を活かすべく同業種での転職を検討しますが、そもそもその業界に興味がないような場合、全く異なる業種の経理にキャリアチェンジしなければなりません。
そのため、できる限り自分の興味ある業界・企業を選ぶべきです。(後から気付いても取り返しがつかなくなる可能性があります)
最後に、未経験者に多いのが「仕事内容」を未然に理解できていないケースです。
経理の仕事内容は、一般的には「仕訳の起票」とか「他部署からの資料集め」と言われますが、これは単なる一般論です。
例えば大企業の経理への転職になると、担当する勘定科目が細分化され、極端なケースでは「一生、固定資産のみを担当する」ようなケースもあります。
このようなケースでは、企業会計の全体像がずっと分からぬまま経験を積むことになるため、他社で汎用できるスキルが身に付きづらいでしょう。
そのため、必ず応募前に「具体的な仕事内容」「入社後1年目の仕事内容」を細かく聞くべきです。
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経理への転職に関するよくある疑問
その他、経理への転職に際してよくある疑問をまとめてみました。
「経理は転職しやすい」というのは本当ですか?
はい。経理は非常に転職しやすく、潰しの効く職業です。
なぜなら、経理では企業会計基準・税法基準に準拠した手続きが求められるからです。
つまり、法律的なルールがあり、どんな企業でもこのルールに従って手続きを進めるため、他の会社でも同様のスキルを求められるのです。
そのため、経理では「経験者」が非常に優遇されます。=即戦力になるため。
一方、未経験者の方は簿記2級の取得がほぼ必須です。(ただし、20代前半の方は必ずしも必要ありません。)
一度経験してしまえば、その後のキャリアアップは比較的容易なのが経理の大きな魅力です。
経理はなぜ人気なのですか?
経理ポジションが人気な理由は、次のとおりです。
- どのような会社にも必須のポジションであり、需要が安定している
- 専門知識が求められるため、スキルを極めることができる
- 高めた専門性は、他社でも活用することができる
- 経理経験は、人事・経営企画・コンサルなど、他業種にも活用できる
特に、3つ目の「他社でも活用できる」というのが、大きな理由でしょう。
経理マンとして培う「企業会計基準」「税法」に関する知識は、全ての企業で活用することができます。
経理スキルは汎用性が高いため、非常に人気のある職種です。
「経理だけはやめとけ」と言われましたが、なぜですか?
確かに、一部で経理以外の職種を勧める方がいるようです。
その理由として、最も大きな理由は「AIによって仕事がなくなる可能性」でしょう。
しかし、結論としては(少なくとも20年先は)経理の仕事がなくなることはありません。
というのも、AIだけでは解決できない問題があまりに多いからです。
- 各書類のフォームは企業によって様々
- AIによる識別結果をヒトがレビューする必要性
- 社内・社外への説明責任をAIに負わせることは不可能
- そもそもAI技術の進化が遅い
私は実務家として企業会計・税務に携わっていますが、現場レベルにおいて、AIに仕事を奪われる実感は全く湧きません。
経理人材がいなくなることは、有り得ないでしょう。
経理の派遣に強い転職エージェントはありますか?
経理の派遣なら、ヒュープロが最もオススメです。
ヒュープロは、経理の派遣・人材紹介に特化したサービスであり、経理派遣の求人数が群を抜いて多いです。
経理経験1年で転職するのは危険ですか?
大した理由もなく1年で経理を辞めてしまうのは、非常にリスクが高いです。(特に新卒入社の方)
なぜなら、「すぐ諦める人」というレッテルが貼られやすく、また経理は1年働いただけでは実務経験として十分に評価されないからです。(経理という専門性の高い仕事は、1年で一人前になることはできません)
ただし、次のような理由がある場合には、例外的に経験が浅くともマイナス要因にならないケースがあります。
- パワハラ・セクハラを受けたことでの転職
- 家庭の事情による転職
- キャリアの大幅な方向転換による転職
パワハラ・セクハラを受けたような場合や、家庭の事情(配偶者が転勤、両親が病気など)がある場合には、採用者側としても十分に理解しやすいでしょう。むしろこれでマイナス評価を下すような会社には、転職する必要がないと思います。
また、キャリアの大幅な方向転換がある場合には、できるかぎりロジカルに説得できるよう、十分な面接対策を行っておく必要があります。
まとめると、「周囲の環境要因」で転職する場合には比較的問題なく転職できるケースが多く、「自信の意向が要因」で転職する場合には、しっかりと相手を説得できるように準備しておく必要があります。
40代でも未経験で経理に転職できますか?
残念ながら、突出したスキル・知識・経験などがない限り、未経験で経理に転職することは難しいです。
なお、突出したスキル・知識・経験とは、例えば次のようなものを指します。
- 公認会計士(監査経験3年以上)
- USCPA(監査・コンサル経験3年以上)
- 税理士(税務経験5年以上)
- 銀行員としての経験5年以上・マネジメント経験あり
経理は非常に専門性の高い知識を要求される仕事であり、また(簿記などの座学だけでなく)実務を通じて身に付くスキル・経験が多いです。
また、40代以降ではそれらの経理部員をまとめるマネジメントスキルも求められます。
そのため、40代の方が全くの未経験から経理に転職することは、難易度が非常に高いです。
40代未経験者が会計系の専門職として働きたい場合には、会計事務所への転職のほうがオススメです。
経理未経験者を採用する場合、不安要素はありますか?
私が未経験者の経理スタッフを採用する場合、先ず次の要素を見ます。
- 細かいことまで分からないことを全て質問できるか
- 全て聞くわけではなく、適切な情報源を探し、自分で考えた上で質問ができるか
- 時間管理・スケジュール管理が徹底しているか
- 経理部内や他部門の職員と円滑なコミュニケーションができるか
経理未経験者が「簿記」「税務」に関する知識を持っていない事は初めから分かっているため、この点に不安要素は感じません。
しかし、適切に調べた上で質問できるか、チーム内や他の部署としっかりコミュニケーションできるか、といった面はしっかり見ます。
なぜなら、経理にはコミュニケーション能力が必須であり、いかに人と良好な関係を築けるかがパフォーマンスに影響するからです。
また、月次決算・年度決算など、経理の仕事は締め日のある仕事ですから、スケジュール管理しながら複数のタスクを進めることのできる能力(マルチタスク)も見ます。
もしこれから未経験で経理に就職される方は、これらの能力向上に努めると良いでしょう。
新卒におすすめの企業経理はありますか?
新卒で経理に転職する場合には、大企業の経理をおすすめします。
なぜなら、企業規模が大きくなるほど教育体制が整いやすく、経理マニュアルも細かく作成されやすいからです。
また、上場企業では外部監査・内部監査の設置が義務付けられているため、あるべき経理処理を学ぶことができます。
上場企業では、四半期決算が必須であることから非上場企業に比べて(比較的)忙しくなりやすい反面、若くバイタリティのある時期に多くの知識を吸収しておくことで、その後のキャリアアップに役立てることができると思います。
経理への転職相談をしたいのですが、誰に聞けば良いですか?
社内であれば信頼のおける同僚、社外であれば信頼のおける友人や、転職エージェントのアドバイザーがおすすめです。
社内の同僚であれば、似た経歴の方が多く、その後のキャリアプランが参考にになるはずです。(ただし、先輩や上司への相談は、引き止めにあう可能性が高いのでやめておくのが無難です)
また、あなたをよく理解している友人からの客観的アドバイスも参考になるでしょう。経理職ではなかったとしても、全く異なるキャリアの視点も交えて、アドバイスが貰えるはずです。
そして最もおすすめなのが、転職エージェントのアドバイザーに相談することです。
特に経理に強い転職エージェントであれば、多様な成功事例を見ているため、自分に最も合うキャリアプランを考えてもらうことができます。
経理は売り手市場と聞きますが、誰でも就職できますか?
確かに経理は売り手市場ですが、誰でも就職できるわけではありません。
未経験であっても30代までであれば経理に転職できるため、その意味では売り手市場です。
特に、経理業界で希少性の高いスキルを高めた方は、経理業界では引く手あまたでしょう。
しかし、さすがに40代以降になると未経験での転職は非常に難しいです。
いま経理で働いていますが、ミスばかりで向いていないのでは?と感じます…
ミスの多さにもよりますが、ミスはわりと誰にでもあります。
私も公認会計士として10年働いていますが、未だにミスは生じます。
向いているかいないかで言えば、「ミスをした時に素直に報告できない人」は経理に向いていないと思います。
経理でのミスを隠すといずれバレますし、自らの評価を下げることにるからです。
また、初めの1~2年目は誰しもミスが多く発生します。
まだ経理経験の浅い方は、報連相などコミュニケーションの面で改善ができると、社内評価も変わるのではないでしょうか。
経理におすすめの転職エージェントまとめ
以上、経理方におすすめの転職エージェントを紹介しました。
最後に、経理に強い転職エージェント比較表を再掲します。
ヒュープロ (Hupro) | MS-Japan | レックス アドバイザーズ | |
---|---|---|---|
求人数 | 約2,000件 | 約2,500件 | 約1,000件 |
対象年代 | 20代~50代 | 20代~50代 | 20代~30代 |
対応エリア | 東京都内 | 全国 | 全国 |
設立 | 2015年 | 1990年 | 2002年 |
得意領域 | 経理 会計事務所 | 経理 内部監査 経営企画 | 公認会計士 税理士 |
特徴 | 東京の経理に強い | 全国の経理に強い | 士業に強い |
総合評価 | ( 10/10 ) | ( 9/10 ) | ( 8/10 ) |
評判口コミ | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
ヒュープロ (Hupro) | MS-Japan | レックス アドバイザーズ | ジャスネット キャリア | リクルート エージェント | |
---|---|---|---|---|---|
求人数 | 約2,000件 | 約2,500件 | 約1,000件 | 約1,000件 | 約4,000件 |
対象年代 | 20代~50代 | 20代~50代 | 20代~30代 | 20代~30代 | 20代~50代 |
対応エリア | 東京都内 | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 |
設立 | 2015年 | 1990年 | 2002年 | 1996年 | 1977年 |
得意領域 | 経理 会計事務所 | 経理 内部監査 経営企画 | 公認会計士 税理士 | 士業 | 全般 |
特徴 | 東京の経理に強い | 全国の経理に強い | 士業に強い | 補完的 | 補完的 |
総合評価 | (10/10) | (9/10) | (8/10) | (7/10) | (6/10) |
評判口コミ | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る | – |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
上記の比較表をご参考いただき、ご自身に合った転職エージェントを選んでください。
経理への転職を考えている方の参考になれば幸いです。
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1988年生まれ(36歳)
公認会計士・税理士
2012年 日商簿記1級 合格
2013年 公認会計士試験(論文式) 合格
2014年 EY新日本監査法人 入社
2021年 ニューラルグループ株式会社 入社
2024年 ARMS会計株式会社 代表取締役
前職では上場会社の経理部長として勤務し、現在は経理・財務支援サービス会社を経営しています。