副業できる監査法人はどこ?公認会計士の私がやっていた副業も紹介【バレるリスクあり】

副業OKの監査法人と公認会計士に向いている副業を紹介【バレるリスクも解説】

公認会計士・税理士の藤沼です。

計3社の監査法人で働きましたが、うち2社では副業が認められていました。

そして実際に求人情報を調査してみたところ、BIG4は副業が原則禁止であるのに対し、中小監査法人では副業を認めている・むしろ推奨しているケースが散見されました。

本記事ではその調査結果と、実際に公認会計士の私がやっていた副業を紹介します。

監査法人は給与水準が比較的高いものの、副業ができない監査法人で働くと、副業を認めている一般企業の会社員よりも生涯年収が低くなる可能性があります。

インフレが進む日本において、もはや副業はマストとも言えます。

そのため、本業+副業での総所得を最大化するという戦略が大切です。

この記事で分かること


  • 副業をしたいなら中小監査法人1択
  • 中小監査法人なら投資を認めているケースがある
  • 公認会計士としての知見を最も活かせるのは株式投資・投資信託
  • 禁止されている副業をやった場合、バレるケース3選
  • 副業OKの監査法人を探すなら、監査法人に強い転職エージェントを使う
この記事を書いた人

1986年生まれ(39歳)
公認会計士税理士

2014年 EY新日本有限責任監査法人 入社
2018年 東京共同会計事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表取締役


目次

副業できる監査法人は大手が0社・中小が20社見つかった

副業OKの監査法人の求人をリサーチしました。

具体的には、大手転職エージェント4社の求人検索システムを利用し、副業OKの求人を抽出・集計しました。

副業を認めている監査法人の数

以下、それぞれ解説します。

4大監査法人(BIG4コンサル含む)では表向き副業を認めていない

BIG4(EY新日本監査法人、監査法人トーマツ、KPMGあずさ監査法人、PwCあらた監査法人)では、表向きは副業を認めていません。

副業OKの大手監査法人の求人

求人数
マイナビ会計士0件
レックスアドバイザーズ0件
MS-Japan0件
ジャスネットキャリア0件
(全エージェント求人検索システムより)

上記の通り、実際の求人データを見ても「副業OK」と謳っている法人・事業部は1件も検出されませんでした。

ただし、私もEYで働いていたので分かりますが、別に副業が禁止されているわけではありません。社内規定にもそんな記述はなかったと記憶しています。

ネットを眺めていると、「BIG4では副業を全面的に禁止している」とか嘘八百を書いているメディアを見かけますが、内情を知らずによくそんな事書けるな…と驚愕します。

実際、BIG4でも副業をしている公認会計士は多いですし、私の所属していたチームにもガッツリ不動産投資している人がいました。

ただし、株式投資に限っては原則禁止です。

BIG4はクライアント数が多く、監査法人の独立性規程に抵触する恐れが極めて高いからです。

なお監査人の独立性に関しては、監査人の独立性チェックリスト|日本公認会計士協会に細かな定義等が掲載されています。(解説するまでもないので詳細は割愛)

一方で、投資信託なら認められています。(ただし面倒な申請作業が必要)

そのため、NISA枠を利用したインデックス投資などは可能です。

中小監査法人は副業を推奨しているケースが散見された

一方、中小監査法人はBIG4とは環境が異なり、むしろ副業を推奨しているケースが散見されました。

副業OKの中小監査法人の求人リサーチ結果は、次のとおりです。

副業OKの中小監査法人の求人

求人数
マイナビ会計士20件
レックスアドバイザーズ10件
MS-Japan4件
ジャスネットキャリア0件
(全エージェント求人検索システムより)

BIG4でも実際は副業が認められるのですが、クライアントからの視線に配慮し、「副業がOK」ということを表立ってアピールしません。

クライアントからすれば、「副業なんかやらず本業に集中しろ!」というのが本音ですからね。

しかし、中小監査法人ではそもそもクライアントが少なく、また人手が不足しているため「副業OK」と謳うことで求職者にアピールする必要があるのです。

私が一時期働いていた中小監査法人においても、求人票に大きく「副業推奨」と記載されていましたし、実際に多くの会計士が副業をしていました。

驚きなのが、副業として会計事務所を経営することも認めるという法人が多いこと。

税理士登録して、副業で税務申告などを受けている会計士が多かったですね。もはやどちらが本業か分からないくらい。

もちろん、クライアントの株式を取得することはNGですが、それ以外は何でもOKでした。

中小監査法人は副業が広く認められやすく、また残業が少ない傾向にあるため、副業に注力しやすい環境です。

そのため、副業をしたい方には中小監査法人が一番おすすめです。

公認会計士の私が実際にやった副業体験談

私自身、会社員時代・独立後に副業にチャレンジしました。

具体的には以下の副業です。

以下、それぞれ解説します。

株式投資・投資信託|最も手軽でコストパフォーマンスが高い

私が唯一、今も続けているのが株式投資・投資信託の副業です。

色々試しましたが、これが一番楽に稼げます。

具体的には、NISA枠を使った投資信託へのインデックス投資です。

インデックス投資なら脳死で設定&放置なので、学習・運用に時間がかかりません。

参考までに、以下にNISAの簡易シミュレーションツールを置いておきます。

例えば「年利8%・毎月30万円」の積立でシミュレーションすると、26年~27年目あたりで資産額が1億円を超えます。

私たち公認会計士なら、1800万の限度まで投資できる資金力がありますから、複利の恩恵を最大限まで得やすいという利点もあります。

また、スポットでの株式投資もアリです。NISAの成長投資枠を、特定株式の購入に充てても良いでしょう。

財務諸表を読み、ファンダメンタルズ分析が容易にできる公認会計士にとっては「株式投資」「投資信託」が一番向いていると感じます。

仮想通貨・NFT|ビギナーズラックで儲かったが結果かなり損した

今でも思い出したくありませんが、仮想通貨・NFTもやりました。

仮想通貨には4年に1度の「半減期」というのがあり、その年に仮想通貨全体の価値が大きく高まりやすい、という傾向があります。

その半減期にあった2021年に私も仮想通貨を始め、初めて購入した銘柄の時価が1週間で4倍になりました。

これに味を占め、かなり多くの銘柄に投資しましたが、その後は思ったように価値が上がらず、むしろ10分の1くらいまで価値が減少してしまいました。

オルトコイン・草コインなど、有象無象の通過に投資したことが敗因でした。

逆に、ビットコイン・イーサリアムなどの有名銘柄であれば(長期で)価値が上がり続けているので、投資しても良いかもしれません。

私は苦い思いをしたので、もうやりませんが…。涙

講師業|準備に手間がかかるためコスパは悪いが集客にはなる

私は学生時代に塾講師をしていたこともあり、その経験を活かし、独立後に副業として講師業にもチャレンジしました。

会計士に向いている講師業(例)
  • セミナー講師
  • 学習塾の個別指導講師(簿記など)

セミナーとしては、たとえば経理実務の学校というサービスがあります。

セミナー開催に関する直接的な費用はかからず、参加料を収入にすることができますが、一方で資料作成コスト・準備に要する工数が必要になります。(これがかなり手間)

コストパフォーマンスはかなり悪いですが、将来独立した際の顧客探しにはなります。

また、その他の講師業としては「個別指導講師」もアリです。

たとえば大人の家庭教師というサービスがあり、これを利用することで、時給3000円くらいのアルバイトができます。

しかし、こちらも準備に時間を要するほか、校舎・生徒の最寄り駅への移動時間なども加味すると、コストパフォーマンスは低いです。

単価はかなり安いですが、教えるのが好きな私にとっては良いリフレッシュになり、楽しみながらやっていました。

一方で時給単価を重視する方は、本業で残業時間を増やした方が良いと思います。

執筆業|webライティング系は年々案件が減っておりリスクもある

私は事務所経営の一環で執筆業も受託しており、書籍の監修やwebメディアの監修も受けています。

例えば、マネーフォワードさんのコラムで記事を監修したり、

マネーフォワードクラウド会計監修記事
(執筆記事:MoneyForwardクラウド会計

ツテで書籍監修(一部)させて頂いたり、

など。その他、企業会計専門書籍の監修依頼もありました。

出版社やWebメディアとのつながりがある方限定にはなりますが、書き物が好きな人には良いかもしれません。

なお、Webメディアの記事執筆については、次のような条件が求められます。

  • SEOの知見
  • 実名・顔出しによる執筆

そして、最近ではAIを利用したライティングが増えており、そもそも外部に執筆を委託するケースが減っています。

今も一応ライティング・監修を受託していますが、依頼が激減しており、売上にして月1万円くらい。付き合いで受けていますが、正直割に合わないです。

また、執筆した情報は(消されない限り)未来永劫Web上に残り続けます。

事前に知らされないリスクも多いため、慎重にご判断ください。

会計事務所の経営でフリーランス会計士になるのもアリ

最後に、「副業で会計事務所を経営する」という選択肢について。

私自身はあくまで本業として事務所を経営していましたが、監査法人の中には、副業として「会計事務所の経営」を認めている法人もあります。

実際、私が非常勤で働いていた中小監査法人がそうでした。

もちろん税理士登録も認められており、(本業に支障をきたさない範囲で)会計事務所の開業・経営を認めています。

個人でクライアントと税務顧問・コンサルティングをしながら、監査法人職員として働くイメージです。

また、近年ではフリーランスの会計士が非常に増えており、監査法人で非常勤をしながら自分の会計事務所を経営する方が増えました。

もはやこうなると「どっちが副業?」という感じですが、最近はそんな働き方も増えてきましたね。

副業禁止の監査法人で副業をしたらバレるケース3選

副業禁止の監査法人で副業をした場合、次のようなケースでバレる可能性があります。

※ 本記事は、就業規則に違反した副業を推奨するものではありません。

以下、それぞれ解説します。

住民税の特別徴収による計算からバレる|確定申告する際に注意

給与計算を年末調整ではなく確定申告することで、「雑所得を自ら申告できるからバレない」と考える方もいそうですが、それは間違いです。

確かに「所得税」の確定申告ではバレませんが、住民税の算出(徴収・申告)においてバレる可能性があります。

まず基礎知識として、住民税の申告方法(徴収方法)には、2つのパターンがあります。

  • 普通徴収(自分で納付)
  • 特別徴収(監査法人側が源泉徴収し納付)

通常であれば、住民税は会社が源泉徴収し、従業員の代わりに納付します。(特別徴収)

そして住民税の納付額は、所得税の確定申告金額によって算出されます。

つまり、副業をしていると住民税の算定基礎となる金額が通常よりも増えるため、これに人事給与担当者が気付くと副業の存在がバレます。

このリスクを回避するための方法は、住民税の納付を「普通徴収」に切り替えることです。

住民税の徴収方法は任意で変更できますので、社内で申請すれば問題なく切り替えられるはずです。

ただし、普通徴収を選択すると住民税が源泉徴収されないため、自分で住民税を納付する必要が出てきます。

住民税の納付は金融機関窓口で行わなければならず、6月・8月・10月・翌年1月の年4回に分けて支払う必要があります。

私は独立後に住民税を普通徴収で納付していましたが、正直かなり面倒でした。

社会保険料の計算からバレる|副業でバイトをする際に注意

「社会保険料」の計算から副業がバレるパターンもあります。

具体的には、監査法人(正社員)とは別に副業でアルバイトを行い、そのアルバイト先においても社会保険に加入するとバレます。

なぜなら、2以上の事業所において社会保険に加入すると、年金事務所から「健康保険・厚生年金保険資格取得確認通知書」「二以上事業所勤務被保険者決定及び標準報酬決定通知書」という通知書面が監査法人に送付されるからです。

参照:複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き|日本年金機構

つまり、監査法人の給与計算担当者がこの書面を受け取った時点で、「この人、他社でバイトしてるじゃん」と気付くわけです。

そのため、もしバレないように副業をするなら、他の会社で社会保険に加入してはいけません。(つまり、他所で雇用契約を締結してはいけないということ)

ネット上での本人バレ|SNS・Webメディアでの実名顔出しは危険

SNSを使って副業の発信をしている場合や、Webメディアで記事の寄稿などをした場合、その発信を見た監査法人職員や第三者伝いに副業がバレる可能性があります。

実名・顔出しでSNSを運用している場合はもちろんのこと、投稿内容から本人を特定されるケースもよくあります。(実際に私の周りで同時案が発生しました)

そのため、万が一副業禁止の監査法人で副業をしている場合は、本人バレするリスクは徹底的に排除すべきです。(そもそもやるべきではありませんが)

最も稼げるのは中小監査法人で非常勤しながらNISAで積立投資すること

副業を含めた総所得金額を最大化したいなら、監査法人での非常勤をしながらNISA枠を使って積立投資するのが一番効率的です。

理由
  • 中小監査法人なら副業が推奨されやすい
  • 中小監査法人なら非常勤の時給単価が高い
  • 中小監査法人ならNISAの申請が楽

これなら、15年がっつり働けばFIREできると思います。

例えば時給単価1万円で非常勤職員として働いた場合、年間200日働けばそれだけで年収1,600万円です。(1日8時間勤務を想定)

15年働けば2億4,000万円の所得になります。

以下に非常勤の日当・年収計算ツールを置いたので、使ってみて下さい。

日当・年収計算ツール

もちろん残業すればもっと収入は増えますし、非常勤の中には「時給2万円」などの高額な求人もありますから、更に稼ぐことも可能です。

また、NISA枠を利用したインデックス商品(利回り10%)に月30万ずつ積立投資していけば、15年後には含み益が4,400万円になります。

よって、非常勤+NISAでの収入合計は以下のようになります。

15年間の収入合計
  • 15年間の労働収入:2億4,000万円
  • 15年間の投資収入:4,400万円
  • 15年間の収入合計:2億8,400万円

15年間で約3億円に到達し、一般的な生涯賃金を獲得できる計算です。

サクッと稼ぎ切って引退したい人には、結構オススメの戦略です。

もちろん、上記はあくまで15年までの収支です。NISAによる金融商品の利回りがプラスとなる前提ですが、その後も含み益は増加し続けます。

最近では、非常勤だけで生計を立てるフリーラスの公認会計士もかなり増えており、この戦略が当たり前になる日も近いんだろうなと思います。

なお非常勤をする際は、絶対にBIG4を選んではいけません。

BIG4はクオリティを求められ、残業時間が多いわりに時給単価が(相場よりも)かなり安いからです。

中小監査法人なら(良い意味で)ゆるい法人が多く、オススメです。

監査法人での公認会計士の副業に関してよくある質問・FAQ

その他、監査法人での会計士の副業に関してよくある疑問をまとめました。


そもそも公認会計士は副業禁止なのでは?

たまに、「公認会計士は副業禁止である」と謳っているサイトがありますが、それは間違いです。

根拠として「公認会計士法 第34条の14第1項(社員の競業の禁止)・会社法859条2項(協業取引規制)」を挙げているようですが、これは監査法人の社員(パートナー)に関する条文です。

内容はあくまで「他の監査法人の社員となってはならない」と記載されているのみであり、監査法人間の競業避止を定めたものに過ぎません。

つまり、監査法人で働く公認会計士であっても、(会計監査でなければ)副業は認められています。

監査法人での非常勤は掛け持ちできますか?

はい、可能です。

ただし、法人によっては掛け持ちを禁止しているケースもあります。

なお、掛け持ちありきで非常勤をすることにはリスクがありますので、注意が必要です。

監査法人での非常勤をずっと続けることは可能ですか?

可能ですが、私はおすすめしません。

というのも、10~15年を目途に一生の労働賃金を稼ぎ切る、という戦略の方がオススメだからです。

詳しくは以下の記事内で解説しています。

公認会計士が土日にできるおすすめの副業はありますか?

土日に副業をするなら、NISAで積立投資を行いながら講師業をすることをオススメします。

他にも不動産投資をしている会計士をたまに見かけますが、リスクが高いので私はあまりおすすめしません。

監査法人での副業としてYoutubeは向いてますか?

少なくとも、公認会計士には向いていないと思います。

公認会計士によるYoutubeチャンネルを色々見てみると分かりますが、大半は再生数が回りません。

これは、一般消費者からのニーズが少ないためです。

税理士のように「一般消費者」から需要のある知識を提供できれば良いですが、主たるクライアントが「法人」となる公認会計士に対しては、需要が少ないでしょう。

1再生辺りのアドセンス単価は0.3円~1円と言われており、アドセンス収入で稼ぐのは現実的ではありません。

ただし、バックエンドに高額なサービス・商品がある場合は別です。

例えば、自社会計事務所の顧問先を見つける広告手段として、Youtubeを活用するのはアリです。(もはや副業ではないですが)

【比較表】副業OKの監査法人に強い転職エージェント

副業OKの監査法人など、公認会計士に強い転職エージェントは次のとおりです。

【比較表】監査法人に強い転職エージェント

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総合評価
( 10/10 )

( 8/10 )

( 8/10 )

( 7/10 )

( 7/10 )
求人数約5,000件約1,500件約1,300件約1,000件約500件
対象年代20代~30代20代~30代20代~50代20代~30代20代~30代
対応エリア関東
近畿
愛知県
静岡県
全国全国全国全国
設立1973年1990年2015年2002年1996年
資本金21億210万円5億8600万円2億2740万円6000万円3800万円
特徴公認会計士限定管理部門に強い会計事務所に強い士業全般向け会計税務全般
得意領域公認会計士経理
監査法人
FAS
経理
会計事務所
会計・税務
コンサル
士業全般
評判口コミ評判を見る評判を見る評判を見る評判を見る評判を見る
利用料金無料無料無料無料無料
公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

監査法人への転職なら、マイナビ会計士1択です。

なぜなら、求人数が群を抜いてNo.1だからです。

先述のとおり、副業を認めている監査法人はまだまだ数が少ないです。

特に「副業OK」の求人を求めるニーズは年々強くなっており、求人募集枠がすぐに埋まります。

もし監査法人への転職を考えているなら、今すぐ転職エージェントに登録し、今すぐ動くことをオススメします。

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