公認会計士の藤沼です。
私が独立して間もない頃、監査法人での非常勤バイトで生活費を稼いでいました。
理論上、非常勤だけで年収2,000万円に到達することは可能です。
ただし、非常勤には「アサイン日数」というボトルネックがあり、1社だけでこの水準を達成することは難しい。
そこで本記事では、監査法人非常勤の掛け持ちについて解説します。
最近はフリーランスとして独立した公認会計士が、非常勤だけで生活しているケースもかなり増えてきました。
ぶっちゃけ正社員よりも稼げますからね。
2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表
監査法人非常勤の掛け持ちが美味しい「理由」
監査法人の非常勤の時給は平均7,000円/時、中には時給20,000円の法人もあります。(参考記事:公認会計士の非常勤、小さなデメリット vs 大きすぎるメリット【独立5年経過】)
たとえば時給10,000円で1日8時間・年間200日働いた場合、年収は16,000,000円です。
かんたんな計算ツールを作ったので、使ってみて下さい。↓
非常勤の日当・年収計算ツール
シニアスタッフクラスでも達成可能ですので、非常勤に切り替えた途端、年収が2倍になった方も多いでしょう。
しかし、非常勤職員には日数の制約があります。
あくまで非常勤としての契約であるため、人手が足りている時期では、アサインされないケースがあるからです。(まぁ現状の監査法人業界を見れば分かるとおり、通年で人手不足の法人が多いですが)
そのような制約を解消できるのが、監査法人の掛け持ちです。
監査法人非常勤の掛け持ちの「やり方」
監査法人の非常勤は、掛け持ちすることで大きく稼ぐことが可能です。
やり方は簡単ですが、ポイントがあります。
ポイント:「掛け持ちOK」の監査法人に絞る。(ここでかなり絞られる)
非常勤の面接は簡素なケースが多いため、内定は出やすいです。
監査法人の中には、非常勤の掛け持ちを認めていない監査法人もあります。
そのため、必ず応募前に掛け持ちOKの監査法人に絞った上で応募してください。
また、もし法人に内緒で非常勤の掛け持ちをした場合は、競業避止義務違反や独立性に違反する恐れがあります。
掛け持ちする方は、必ず気を付けて下さい。
なお余談ですが、「正社員+非常勤」の掛け持ちは事実上不可能です。(”副業としての監査”は認めない法人が殆どです。)
非常勤に強い転職エージェントは、監査法人の非常勤に強い転職エージェントとは?の項目で紹介します。
ポイント① 繁忙期のズレている法人を選ぶ
監査法人の掛け持ちをする場合には、繁忙期が異なる法人を選ぶべきです。
なぜなら、繁忙期が被っているとアサインの調整が難しく、合計の勤務日数が減ってしまう可能性があるからです。
例えば3月決算がメインの監査法人2社で掛け持ちすると、お互いの繁忙期が被ってしまい、上手くアサインできない”面倒な人”になるおそれがあります。
変則決算の多い法人などを利用し、上手く繁忙期をずらすと、勤務日数も多く獲得できるようになります。
ポイント② 人当たりの良い法人を選ぶ
これは実際に面接をしなければ分かりませんが、面接での印象として「人当たりが良さそう」「ゆるそう」な監査法人を選ぶと良いです。
当然っちゃ当然ですが、ゆるく色々と配慮してくれる監査法人ほど非常勤の掛け持ちのハードルは低いです。
私は5社ほど中小監査法人の面接を受けたので分かりますが、法人によって印象がかなり違います。
めちゃくちゃ厳しそうな法人・パワハラ気質のありそうな法人もあれば、本当に人を大切にしているんだなと伝わってくる法人もあります。
非常勤は面接を受ければほぼ100%内定が出るので、実際に面接を受けて吟味したほうが良いです。
監査法人を掛け持ちすることのメリット
監査法人の非常勤を掛け持ちするメリットは、次のとおりです。
- 失業リスクの分散
- 人脈の拡大
- 気分転換になる
それぞれ解説します。
失業リスクの分散
非常勤職員は原則1年更新の契約であり、人手不足が解消された際に契約を切られる可能性があります。
監査法人1社のみで契約をしていた場合、急に職を失ってしまう可能性もゼロではありません。
しかし、非常勤先を掛け持ちしておくことで失業リスクを分散することができます。
まぁ、現状では契約を切られることはまずありませんが。(私は今まで一人も見たことがありません)
業界全体が人手不足ですからね。
人脈の拡大
監査法人で非常勤をすることの大きなメリットの1つに、人脈を広げることができるというメリットがあります。
非常勤として人脈を広げると、例えば次のようなメリットを享受できます。
- 個別に仕事をもらえる機会が増える
- 起業仲間に出会う機会が増える
- その他、多方面での情報収集
非常勤職員を積極的に採用している監査法人では、私たちと同じように、独立開業している会計士が多く在籍しているため、同業の会計士から個別に仕事をもらえるケースがあります。
実際、私自身も同僚の会計士にお仕事をいくつか渡しています。
また、所属の監査法人から小さな仕事を依頼されるケースもあります。
そして、開業している会計士とのコミュニティができることから、独立・起業に関する相談もできます。(正社員の方がいる前では中々話題にできませんが)
監査法人を掛け持ちすることで、この機会が倍になります。
個人的に、これが一番のメリットであると感じました。
気分転換になる
副次的なメリットですが、複数の組織に所属することで気分転換にもなります。
新鮮な気持ちで仕事ができるため、気楽さがあります。
監査法人を掛け持ちすることのデメリット
一方で、非常勤の掛け持ちにはデメリットが1つあります。
チーム・クライアントの知見が蓄積されにくい
1社あたりの関与時間が減るため、熟練度が上がりづらい欠点があります。
ただし、そもそも非常勤職員に対しては大きな責任等が求められづらい傾向にあるため、実質的には大したデメリットにはなりません。
監査法人の非常勤に強い転職エージェントとは?
監査法人の非常勤に強いエージェント【比較表】
掛け持ちの可否は、法人公式HPや求人サイトには絶対に公開されません。
なぜなら、掛け持ちOKを公表すると「やる気のない人が多く集まる」「クライアントからの心証が悪くなる」といったリスクが生まれるからです。
そのため、転職エージェントなどの仲介業者から求人を入手し、まとめて掛け持ちの可否を確認するのが最も効率的です。
なお、非常勤求人を探すならマイナビ会計士1択です。
なぜなら、求人数がNo.1だったからです。
マイナビ会計士には時給10,000円の非常勤求人もチラホラ見かけたので、時給を重視される方にはオススメです。
掛け持ちを認めている監査法人は少いため、枠がすぐに埋まってしまいます。
早めに登録しておいた方が良いですよ。
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