簿記2級を活かせる仕事「6選」の中から、おすすめの職種「厳選3選」を紹介します。

簿記2級を活かせる仕事「6選」を徹底的に解説する。【公認会計士・税理士監修】

公認会計士・税理士の藤沼です。

簿記2級を活かせる仕事は、全6種あります。

しかし、仕事内容はそれぞれ大きく異なり、人によって合う合わないがあります。

そこで本記事では、簿記2級を活かせる仕事をすべて紹介し、各職種の特徴もあわせて解説します。

私は会計事務所の採用官であり、企業経理の支援サービスも行っています。

採用官としての視点も交えて解説しますので、内容に自信あり。
必ず最後まで読んでほしいです。

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目次

簿記2級を活かせる仕事【6選】

簿記2級を活かせる仕事【6選】

簿記2級の資格を活かせる仕事は、全6種あります。

※ なお本記事でいう「簿記2級」は、「日商簿記検定2級」を指します。

以下、それぞれ解説します。

経理

経理
求人数1,328件(多)
年収
専門性
就職難易度
簿記2級の活かしやすさ
(大手転職エージェントヒュープロの「簿記2級取得者」求人データ)

簿記2級を活かせる仕事の中でも、最もオーソドックスな職種が「経理」です。

「経理」の目的は、大きく3つ挙げられます。

財務会計決算書を作成することで、投資家・ステークホルダーに対して財政状態・経営成績を明示することができます。
管理会計組織内での管理用の試算表(たとえば部門別・セグメント別の試算表)を作成することで、部門やセグメントの成績管理や、新たな投資への判断材料として活用できます。
税務申告財務会計目的で作成した決算データに税務調整を加えることで、税務申告書を作成します。

やや難しい表現ですが、日々の取引について仕訳を起票し試算表を作成することで、「決算書の作成」「内部管理」「税務申告書の作成」の3種の目的に活用することができるのです。

仕訳の起票には、裏付けとなる証票(請求書・納品書・契約書・入出金データなど)が必要不可欠であり、これらを全ての部署からかき集めることも経理マンの仕事の1つです。

そのため、他部署との連携を円滑行うコミュニケーション能力などが必要になります。

経理の仕事では簿記2級の「商業簿記」の知識をフル活用しますが、メーカー・工場などでは、「工業簿記」の知識を活用するケースもあります。

なお、経理での仕事内容については経理の仕事内容をわかりやすく解説します。の記事が参考になります。

会計事務所

会計事務所
求人数1,074件(多)
年収
専門性
就職難易度
簿記2級の活かしやすさ
(大手転職エージェントヒュープロの「簿記2級取得者」求人データ)

簿記2級を活かせる仕事の中で、経理に次ぐオーソドックスな職種が「会計事務所」です。

会計事務所の仕事は、企業の経理を代行するサービスというイメージであり、企業・個人から依頼を受け仕訳の起票~税務申告書の作成までを一連のサービスとして提供します。

会計事務所の目的は「税務申告書の作成」ですので、ひたすら日々の仕訳を切り、積み上げた仕訳を基に決算書・税務申告書を作成することになります。

経理部のように、自分で他部門から必要書類をかき集める等の必要がないため、より会計に特化して働くことができるとも言えるでしょう。(職人のようなイメージ)

また、企業経理とは異なり「税金」に触れる局面が非常に多いのも特徴です。

そして何より、経理よりも人手不足の状況にあり、未経験者であっても就職・転職しやすい職種です。

一方で、簿記2級では「税法」をほぼ学習しないため、入社後は税法に関する知識習得を求められます。

会計事務所での仕事内容について、詳しくは会計事務所での仕事内容を詳細解説します。の記事内で詳細解説しています。 会計事務所での働き方のイメージが湧かない方は、ぜひご参照ください。

会計コンサル

会計コンサル
求人数130件(少)
年収
専門性
就職難易度
簿記2級の活かしやすさ
(大手転職エージェントヒュープロの「簿記2級取得者」求人データ)

会計コンサルは、会計に関連するコンサルティングサービス全般を指します。

会計コンサルとしての仕事は多岐に渡りますが、一般的なサービスの例は次のとおりです。

M&Aアドバイザリー合併・買収におけるデューデリジェンス、企業価値・事業価値評価
財務報告の支援四半期や月次・年次決算をサポートすることで、正確な財務報告を支援
会計システムの導入・構築効率的で正確な会計処理のためのシステムを導入または改善
税務コンサルティング税務に関するアドバイスや、税制改正への対応を支援
IPO支援上場を目指す会社での上場準備支援
内部統制の構築支援決算に関連する内部統制の構築を支援
予算策定・分析予算作成を支援し、財務データの分析で業績改善を提案
会計スタッフへの教育会計スタッフに対する教育・トレーニング

業務のフィールドが非常に広いため、業務内容は千差万別であり、コンサル会社によって提供するサービスは様々です。

特徴としては、会計+αの知識・経験が求められることです。

未経験から会計コンサルを目指すのであれば、若さ・ポテンシャル・体力が求められます。

「簿記2級を活かす」というよりも、簿記の知識は大前提として、武器になるスキルが必要です。

20代の方や、コンサルタントとしてお客様の役に立ちたい、という方にはオススメの職種です。

経営企画

経営企画
求人数102件(少)
年収
専門性
就職難易度
簿記2級の活かしやすさ
(大手転職エージェントヒュープロの「簿記2級取得者」求人データ)

経営企画の仕事は、ざっくり言えば「企業の成長」と「戦略実行」を進める仕事です。

具体的に、経営企画の仕事には次のようなものがあります。

  1. 経営戦略の立案
  2. 事業計画の策定
  3. KPIの設定・進捗モニタリング
  4. 経営資源の最適化(コストダウン)
  5. リスク管理
  6. 内部コミュニケーションの強化
  7. M&Aや資本提携の検討
  8. 業務改善
  9. 経営実績データの分析・報告
  10. 投資判断の立案・支援
  11. 組織改革
  12. プロジェクトマネジメント 等

専門用語が多く分かりづらいかもしれませんが、いずれも基礎的な用語です。

組織経営の根幹に携わる業務であり、もはや「会計・税務」とはフィールドが異なります。

企業経営に興味のある方は選択肢に入れても良いですが、「簿記2級」の資格を直接的に活かすことはできず、求人数も少なめです。

内部監査

内部監査
求人数24件(少)
年収
専門性
就職難易度
簿記2級の活かしやすさ
(大手転職エージェントヒュープロの「簿記2級取得者」求人データ)

内部監査の仕事は、取引の発生から決算書作成までの一連の流れ(内部統制)をチェックする仕事です。

内部監査の目的は財務報告の信頼性を確保することであり、経理部ではないものの、決算書作成を縁の下からサポートする位置付けになります。

内部監査部門は上場企業での設置が義務付けられているため、原則、上場企業で働くことになります。

経理部ほど人員数が必要ではないものの、その会社のビジネス・取引・経理処理を理解している必要があるため、就職・転職の難易度は非常に高いです。

そのため、上場企業の経理で働いているベテラン職員が内部監査部門へ異動するようなケースも多く目にします。

監査アシスタント

監査アシスタント
求人数28件(少)
年収中~高
専門性
就職難易度
簿記2級の活かしやすさ
(大手転職エージェントヒュープロの「簿記2級取得者」求人データ)

監査アシスタントとは、監査法人において公認会計士の業務をサポートする仕事をいいます。

特にBIG4と呼ばれる大手監査法人では、未経験者であっても給与水準が比較的高く、様々な大手企業で仕事ができる点は醍醐味と言えるかもしれません。

私自身も大手監査法人出身であり、多くの監査アシスタントの方と共に働いていました。

正直、知名度が低いわりに労働環境が良く、監査法人で働けるという希少なキャリアを経験できるため穴場だと感じます。

「監査アシスタント」という仕事を知っているのは、おそらく監査法人で働いている公認会計士と一部の会計士受験生くらいではないでしょうか。

監査アシスタントについては、監査アシスタントの仕事内容・求人を探す方法の記事内で詳しく解説しています。
興味のある方はぜひ読んでください。

未経験でも簿記2級を活かせる仕事【厳選3選】

未経験でも簿記2級を活かせる仕事【厳選3選】

未経験者が簿記2級をフルに活かすのであれば、私は次の3つの職種をオススメします。

未経験でも簿記2級を活かせる仕事【厳選3選】
  1. 経理(中小企業)
  2. 会計事務所(中堅規模以上)
  3. 監査アシスタント

上記の職種は、いずれもその後の転職を見据えた職種であり、未経験者にとって将来性があります。

もちろん、いきなり大手企業の経理に就職できれば良いのですが、実際はかなり難しいためステップアップが必要です。

また、会計事務所での経験は「経理」に転職する際に実務経験として認められるケースがありますが、あまり小さすぎる会計事務所はリスクが高いのでオススメしません。

小さな会計事務所は教えてくれる職員が不在の可能性があり、スピード感のある成長が見込めないケースがあるのです。それどころか、中にはブラックな会計事務所さえ存在しますので、必ず注意してください。

そのため、未経験者の方のファーストキャリアとして、オーソドックスな職種では「中小企業の経理」「中堅規模以上(従業員数20名以上)の会計事務所」をおすすめします。

希少なキャリアに興味のある方には、監査アシスタントも良いかもしれません。

このほか、「簿記2級を取得して未経験分野への転職を考えている」という方には、簿記2級があれば実務経験なしでも就職できる職場の記事が大変参考になります。

簿記2級を使って転職した後のキャリアアップについて

簿記2級を使って転職した後のキャリアアップについて、特におすすめの3職種に関して解説します。

職種その後のキャリアアップ
経理組織内で経理部長を目指す

他社の経理に転職する
会計事務所税理士を目指す

会計事務所・経理に転職する
監査アシスタント他の監査法人に転職する

会計事務所・経理に転職する

簿記2級を活かしたキャリアアップのうち、最も特徴的なのが「会計事務所で税理士を目指せる」という点です。

会計事務所では「税務会計」に関する業務に従事するため、税理士試験との親和性が高く、仕事のための勉強がそのままキャリアアップに繋がります。

実際、初めは簿記2級資格しか持っていなかったスタッフが、働きながら税理士資格を取得しその後独立したというパターンをよく見かけます。

簿記2級には、それほどまでに大きなポテンシャルがあります。

働きながら税理士に合格できる職場選びについては、次の記事内で詳細解説しています。

簿記2級取得者の年収【職種別】

簿記2級取得者の年収はいくら?

先述のとおり、簿記2級を活かすことのできるフィールドは多いです。

ここでは、中でも簿記2級取得者の最もオーソドックスな「経理」「会計事務所」の2つの職種について、簿記2級取得者の平均年収を掲載します。

なお、その他の職種も含めた簿記2級の取得者の年収については、次の記事内で紹介しています。

経理(簿記2級取得者)の年収

地域平均年収求人数
全体
東京615万円538件
東京以外541万円332件
全体587万円870件
未経験者OK
東京479万円33件
東京以外425万円24件
全体460万円57件
経験者のみ
東京622万円505件
東京以外544万円308件
全体586万円813件
(ヒュープロ求人検索システムより抽出し集計した。)

(2024年5月1日現在)

会計系大手転職エージェントヒュープロの公開求人データを集計したところ、経理(簿記2級取得者)の平均年収は587万円でした。

「東京」と「東京以外」では年収に約70万円の開きがあり、また「経験者」と「未経験者」では約120万円もの開きがあります。

特に、求人数は経験者のみの求人が大半であり、未経験者が転職するには難易度がやや高い傾向にあることが分かります。

一方、次に紹介する「会計事務所」の方は就職難易度が低いため、未経験から経理を目指す方はまず会計事務所で経験を積み、その次のステップとして経理を目指すのが良いでしょう。

経理の年収について、詳しくは経理の平均年収をデータ分析をもとに徹底解説。の記事内で詳細解説しています。

会計事務所(簿記2級取得者)の年収

地域平均年収求人数
全体
東京524万円398件
東京以外484万円676件
全体499万円1,074件
未経験者OK
東京458万円181件
東京以外460万円280件
全体459万円461件
経験者のみ
東京545万円217件
東京以外491万円396件
全体515万円613件
(ヒュープロ求人検索システムより抽出し集計した。)

(2024年5月1日現在)

会計系大手転職エージェントヒュープロの公開求人データを集計したところ、会計事務所(簿記2級取得者)の平均年収は499万円でした。

「東京」と「東京以外」ではさほど年収に開きがなく、また「経験者」と「未経験者」の年収の開きは約55万円でした。

求人数を見ても明らかなとおり、会計事務所は未経験者向けの求人が多く、会計・税務のファーストキャリアとして非常にオススメです。

会計事務所は年収が低いと思われがちですが、市場全体としては、意外とそこまで年収は低くありません。

働きながら税理士試験の一部科目に合格することで、更に年収を高めていくことができるため、人気のある仕事です。

また、「経理に転職したいけど実務経験が足りず落とされた」という方にも、会計事務所はおすすめです。

会計事務所での実務経験は経理への転職時に評価されるケースがあるため、会計事務所から経理にキャリアアップするというルートがあります。

会計事務所での年収について、更に詳しくは会計事務所に転職すると、年収はいくらになる?【超徹底リサーチ】の記事内で詳細解説しています。

なぜ、「簿記2級を取っても意味ない」と言われるのか?

なぜ、「簿記2級を取っても意味ない」と言われるのか?

先に結論ですが、簿記2級には大きな価値があり、会計税務系のキャリアを積むなら取得はマストであると断言できます。

なぜなら、簿記2級は3ヶ月~6ヶ月程度で取得できるにも関わらず、年収の増加・書類通過率の向上など就活・キャリア形成において大きなメリットがあるからです。

日本に点在する全ての資格の中でも、非常にコストパフォーマンスに優れた資格であると感じます。

しかし、一方で「簿記2級を取っても意味がない」と言う人もおり、その理由は大きく4つ挙げられます。

「簿記2級を取っても意味がない」と言われる理由4選

理由説明
専門性簿記の知識は会計・税務に携わる仕事に有用である一方、その他の分野では直接的な活用が難しく、簿記2級を持っていても活かせない場合がある。
座学と実務の違い簿記2級は基本的な知識を証明するものだが、実際の現場ではもっと複雑な知識や技術が必要とされ、簿記2級だけでは即戦力にはならない。
就活での評価現代の企業はスキルや経験を重視し、資格を取得しただけで内定が取れるわけではない。
難易度簿記1級や税理士・公認会計士など、より高度な会計系資格と比較すると簿記2級は評価が低い。

いずれの理由も、合理的であり正しいと思います。

しかし、「取っても意味がない」という理由にはなり得ません。

会計・税務の業界では「簿記2級」の知識が仕事に直結しますし、特に未経験者の場合、基礎的なレベルの知識を証明できるため面接では有利に働きます。

私の会計事務所にもスタッフ志望の方から多くご応募頂いていますが、未経験で簿記2級を持っていない方は、書類の時点でほぼ不採用にしています。

会計・税務以外の職種ではあまり有利になりませんが、会計・税務系の職種では簿記2級は確実に役立ちます。

民間資格であるにも関わらず、ここまで評価に影響がある資格も珍しいと思います。

簿記2級を取っても就職できない人の特徴

簿記2級を取っても就職できない人の特徴

簿記2級を取っても就職でいない人の特徴は、大きく3つ挙げられます。

簿記2級を取っても就職できない人の特徴3選

特徴説明対策
親和性の低い
職種を選んでいる
簿記2級は会計・税務関連の職種への就職に有用だが、その他の分野では効果を発揮しづらい。先述の簿記2級を活かせる仕事【6選】の中から、自分に合った職種を選ぶ。
対人スキル不足職場ではコミュニケーション能力が非常に重要。対人スキルが不足していると、雇用される可能性が低くなる。前職などで発揮した協調性・コミュニケーション能力をアピールする。また面接対策を万全に行い、即答できるようにする。
自己PR不足面接や履歴書で自分の強みを上手くアピールできないと、採用される可能性が低くなる。面接の練習を行ったり、履歴書の書き方を学んで、自己PRのスキルを向上させる。

先述のとおり、簿記2級を活かせる職種は全6種であり、かつ特に需要があるのは「会計事務所」「経理」の2つです。

簿記2級と直接関連しない職種への就職・転職では、優位性を取ることができません。

また、結局のところ就職活動・転職活動は面接を上手く乗り切るゲームです。

少なくとも理路整然とした自己PRを話せるようにしておき、面接で即答できるような準備を行うことが最も大切です。

転職エージェントに登録しておくことで面接対策・書類対策を無料で受けられるため、特に会計・税務に強い転職エージェントを利用されることをオススメします。

簿記2級を活かせる仕事に関するよくある疑問

簿記2級を活かせる仕事に関するよくある疑問

その他、簿記2級を活かせる仕事に関するよくある疑問をまとめました。


新卒で簿記2級を活かせる仕事は?

新卒で簿記2級を活かせるのは、次の仕事です。

  • 経理
  • 会計事務所・税理士法人

簿記2級は新卒での就活時に「コスパの高い資格」と言われていますが、役立つ職場はかなり限定されます。

大手企業では特に有利になるとか言われますが、正直大学生でも少し勉強すれば取れるような資格ですから、(会計・税務とは関係のない職種の場合)さほど有利にはなりません。

一方、上記の職種なら会計・税務の素地があると判断され、また入社の意思が強いと判断されるため、就活で有利になるケースが多いです。

簿記2級を取れば就職に有利になりますか?

職種によります。

先述のとおり、経理・会計事務所などの「簿記」と親和性の高い職種では、大きく有利に働きます。

一方、営業・法務・マーケティングなど、簿記とは関連性の低い職種ではほぼ必要とされません。

簿記2級の市場価値はどのくらい高い?

簿記2級の市場価値は、「持っていれば転職市場で有利になるが、簿記2級があれば採用されるというわけではない」という程度の価値です。

先述しましたが、簿記2級は「経理」「会計事務所」「監査アシスタント」の3種の職種において、高い効果を発揮します。これは、簿記と仕事内容との親和性が非常に高いからです。

しかし、簿記2級だけで良い会社・事務所に入れるわけではありません。

面接対策が非常に重要ですから、特に会計系に強い転職エージェントを利用することで、面接でベストなパフォーマンスを発揮すべきです。

簿記2級は大学生が取れば、新卒の就職で使えますか?

大学生が簿記2級を取っただけで採用される、というケースはまずありませんが、間違いなく就職活動には有利に働きます。

なぜなら、「簿記」の知識はビジネスの基本であると定義されるケースが多く、社会人として働くための自助努力として認められやすいからです。

ただし、その場合は「簿記2級を武器にする」という積極的な活用は難しく、最低限の努力をしてきた証として消極的に活用しましょう。(アピールすると逆効果になる可能性あり)

一方、簿記2級を就職活動でより積極的に活用したいのであれば、会計事務所・経理・監査アシスタントなど、実務で簿記の知識をフル活用する仕事を選ぶべきです。

簿記2級が向いている人はどんな人?

簿記2級は、例えば次のような方に向いています。

簿記2級が向いている人の特徴(例)
  • 数値に強い(パズル的な感覚やデータ分析)
  • 細かな作業が得意
  • 継続的な学習意欲が高い(税法改正への対応、スキルアップ等)
  • 専門性の追求(更なる上位資格への挑戦)

実務では、数字への耐性や細やかさが求められます。

また、キャリア形成という視点では、学習意欲・専門性の向上意欲がある人に向いているでしょう。

簿記3級を活かせる仕事には、どんなものがある?

簿記3級が活かせるのは、「経理」「会計事務所」の2種のみです。

また、簿記3級は簿記2級ほど評価されず、正直あまり就職・転職に活かすことができません。

会計事務所での仕事の取っ掛かりとして簿記3級の知識を利用することはできますが、基本中の基本の知識であり、「活かす」という表現は適切ではありません。

簿記1級を取っても就職できないですか?

簿記1級は民間資格ですので、取っただけで直ちに就職できるわけではありません。

ただし、主に「経理」への就職・転職の際には、非常に効果を発揮します。

簿記1級は知名度が高く、難易度の高さは有名ですから、面接官も採用しやすい(=採用を通しても上長に説明しやすい)のです。

なお、簿記1級を取った後の転職先について、詳しくは簿記1級を活かせる仕事「全10種」を徹底解説の記事が参考になります。

経理と会計事務所は何が違うの?

それぞれの仕事内容は先述のとおりですが、「違い」という視点で、会計事務所と経理を比較してみました。

経理会計事務所
準拠する基準企業会計基準、または税法税法
目的日々の企業の財務活動の記録・報告税務に関する専門的なサービスの提供
(主に確定申告書の作成)
主な業務・取引の記録
・決算書の作成
・必要書類のとりまとめ
・予算管理
・取引の記録
・決算書の作成
・税務申告書の作成
位置付け企業内部の部門外部のサービス提供者
チーム規模1名~100名規模まで様々通常、2名~4名
作業の対象自社の経済活動クライアントの経済活動
知識・スキル・企業会計原則
・企業会計基準
・税法(主に消費税)
・税法(所得税・法人税・消費税など)
・複数の会計ソフトの操作スキル
・クライアントの業種業態に関する知識
報告対象・経営者
・株主
・社内の他部門
・クライアント
・税務署

「経理」は自社の会計を扱う一方、「会計事務所」は企業の経理の外部委託サービスという位置づけです。

また、経理では「税務申告」の目的だけでなく、自社の業績管理目的で報告を行いますが、会計事務所では「税務申告」のみにフォーカスしてサービスを提供します。

未経験でも簿記2級を活かせる「在宅」の仕事はある?

簿記2級を活かした仕事は専門性が高いため、未経験者がいきなり在宅(リモートワーク)で働ける仕事はほぼありません。

経理・会計事務所なら(求人数はかなり少ないですが)見つかる可能性はありますが、正社員での採用はかなり難しいでしょう。

パート採用であれば、見つかる可能性はあります。

女性が簿記2級を活かせるおすすめの仕事は?

女性が簿記2級を活かせるおすすめの仕事は、次のとおりです。

  • 経理(女性比率30~50%)
  • 会計事務所(女性比率40~60%)
  • 監査アシスタント(女性比率90~100%)

簿記資格を活用する仕事は、基本的に女性に向いています。

なぜなら、細かな作業を求められる傾向にあるからです。(逆に、男性は人によって向き不向きにムラがある印象)

簿記2級は独学で取得できますか?

はい。簿記2級は独学で取得できるため、必ずしも予備校を使う必要はありません。

ただし、予備校を活用したほうが応用力が身に付くため、実務には役立ちます。

40代でも簿記2級を活かして転職できますか?

できるとは思いますが、未経験ではかなり厳しいです。

会計・税務業界は常に人手不足ですが、かといって40代の未経験者を雇うほどの余裕もないからです。

ただし、英語力やITスキル等、会計・税務と多少親和性の高いスキルがある場合には、未経験でも採用される可能性があります。


簿記2級をフル活用したい人にオススメの転職エージェント

簿記2級取得者向けの転職エージェントを比較してみました。

簿記2級向けの転職エージェント【比較5社】

スクロールできます
ヒュープロ
(Hupro)
MS-Japanレックスアドバイザーズ人材ドラフトジャスネット
キャリア
ヒュープロMS-Japanレックスアドバイザーズロゴ人材ドラフトジャスネットキャリア
求人数約 4000 件約 2500 件約 1400 件約 1100 件約 800 件
対象年代20代~50代20代~50代20代~30代20代~50代20代~30代
設立2015年1990年2002年2000年1996年
資本金2億2740万円5億8600万円6000万円3400万円3800万円
得意領域経理   

会計事務所

監査法人 
経理   

会計事務所
士業会計事務所士業
特徴求人数No.1管理部門に強い士業に強いややマイナー士業向け
総合評価
評判・口コミ評判をみる評判をみる評判をみる評判をみる評判をみる
利用料金無料無料無料無料無料
公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

簿記2級取得者向けの求人数では、ヒュープロ(Hupro)が圧倒的多数を占めました。

ヒュープロは会計・税務に特化した大手転職エージェントであり、利用者の評判が非常に高いという特徴がありました。

会計事務所・経理・監査アシスタントの求人を求めるのであれば、ヒュープロ1択であると感じます。

転職エージェントの中には、質の低いエージェントも存在します。

上記の比較表を参考に、ご自身に合った転職エージェントを選んでください。

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