簿記2級を取ると、年収は「550万円」になります。【深掘りしてリサーチした結果】

簿記2級を取ると年収はいくらになる?【深掘りしてリサーチした結果】

簿記2級の求人を全て集計した結果、平均年収は550万円でした。

かなり高い水準ですがこれには理由があり、「職種」「地域」「実務経験の有無」によって異なります。

そこで今回は、簿記2級の年収を深掘りリサーチした結果を公開します。

これから簿記2級を取ろうか検討している方には、きっと役立つはず。

内容に自信あり。ぜひ最後までご覧ください。

簿記2級の年収サマリー

職種地域未経験OK経験者のみ
会計事務所東京404万円491万円
その他406万円437万円
経理東京425万円568万円
その他371万円490万円
コンサル東京560万円608万円
その他541万円526万円
経営企画東京596万円719万円
その他554万円
内部監査東京583万円
その他469万円
監査法人東京646万円
その他496万円
この記事を書いた人


目次

簿記2級を取ると、年収はいくらになる?

簿記2級の年収は次のとおりです。

職種平均年収求人件数
会計事務所499万円1,074件(47%)
経理587万円870件(38%)
コンサル608万円237件(10%)
経営企画709万円41件(2%)
内部監査615万円26件(1%)
監査法人650万円15件(1%)
合計平均550万円2,263件(100%)
(大手会計系転職エージェントHuproの「簿記2級」求人データを集計した。)

実際に大手転職エージェントの求人票を集計し、職種ごとに平均値を算出しました。

ただし、年収は地域にもよって異なるため、以下職種ごとに地域別の平均年収を紹介します。

会計事務所

地域平均年収求人件数
東京524万円398件
その他484万円676件
全体499万円1,074件

簿記2級・会計事務所の年収は、東京・東京以外で40万円の開きがありました。

都心部・地方の家賃等の差を考えると年収差は誤差と言え、地域格差はほぼないと言えるでしょう。

求人自体も全国に満遍なく存在し、また慢性的な人材不足であることから、非常に就職しやすい状況です。

経理

地域平均年収求人件数
東京615万円538件
その他541万円332件
全体587万円870件

簿記2級・経理の年収は、東京・東京以外で74万円の開きがありました。

東京都内は大手企業が集中しているため、年収水準もその分高くなる傾向にあるようです。

会計事務所ほどではありませんが、求人数も多く需要も大きいことから、こちらも非常におすすめの転職先です。

経理で経験を積むことで、ゆくゆくは上場会社の経理にキャリアアップするのが王道です。

コンサル

地域平均年収求人件数
東京649万円90件
その他583万円146件
全体608万円237件

簿記2級・コンサルの年収は、東京・東京以外で66万円の開きがありました。

コンサルと言っても様々ですが、簿記2級を活かせるコンサルティング業務は「会計コンサルタント」と呼ばれます。

コンサルティングは顧客に教える仕事であることから、基本、実務経験者が採用されます。

年収水準は比較的高いですが、激務の業界ですので覚悟が必要です。

経営企画

地域平均年収求人件数
東京766万円26件
その他608万円15件
全体709万円41件

簿記2級・経営企画の年収は、東京・東京以外で158万円の開きがありました。

※ ただし、そもそもの求人数が少ないためあくまで参考値です。

経営企画では簿記2級を活かすシチュエーションがあるものの、大半は簿記とは関連のない業務です。

簿記が好き・会計が好きという方にはあまりオススメできませんが、経営者の近くで会社を動かしたみたい!という方にはオススメできます。

内部監査

地域平均年収求人件数
東京637万円21件
その他523万円5件
全体615万円26件

簿記2級・内部監査の年収は、東京・東京以外で114万円の開きがありました。

内部監査についても未経験者の採用はなく、経験者のみOKの求人しか検出されませんでした。

確かに内部監査では企業会計のスキルを活用しますが、それ以上に専門的な「内部統制監査」の知識が求められることから、既に経理で働いている方が異動して内部監査に配属されるケースが多いです。

求人数自体が少なく、キャリアの幅も狭まる傾向にあることから、選択肢としてはあまりオススメしません。

監査法人

地域平均年収求人件数
東京597万円9件
その他550万円1件
全体593万円10件

簿記2級・監査法人の年収は、東京・東京以外で47万円の開きがありました。

監査法人での業務は、監査アシスタントと呼ばれる業務です。

この仕事、年収が高いわりに知名度が低いため、かなり穴場でオススメの職種です。

求人も全て「未経験者向け」のものです。

経験問わずでこの年収水準は凄いと思います。

監査アシスタントの仕事内容について、詳しくは次の記事内で解説しています。

簿記2級・実務経験なしで転職したときの年収は?

簿記2級・実務経験なしで転職したときの年収は、次のとおりです。

職種地域未経験OK経験者のみ
会計事務所東京458万円545万円
その他460万円491万円
経理東京479万円622万円
その他425万円544万円
コンサル東京614万円662万円
その他595万円580万円
経営企画東京650万円773万円
その他608万円
内部監査東京637万円
その他523万円
監査法人東京700万円
その他550万円

※ 参考に「経験者のみ」の年収も併記しています。

全体として、簿記2級を使って未経験職種に転職する場合、経験者よりも50万~100万年収が下がる傾向にあります。

経理に至っては平均年収に150万もの開きがあります。

簿記2級は、未経験職種への転職・取っ掛かりとしては非常にコストパフォーマンス優れた資格であり、その後経験値を積むことで更に大きく年収を上げることができます。

なお、簿記2級を使って実務経験なしで就職する手法について、詳しくは次の記事内で解説しています。

簿記2級を取れば年収600万を目指せる?

簿記2級資格があれば、年収600万を達成するのは比較的容易です。

もちろん経験年数を積む必要はありませんが、逆に言えばそれだけで年収600万に到達します。

例えば東京都内で会計事務所に未経験で就職した場合、10~15年以内に年収600万を達成できます。(昇給率2~3%で算定)

また、会計事務所で10年も勤めれば税理士科目もいくつか取得できるでしょうから、経験値+資格を武器に更なるキャリアアップも可能です。

簿記2級は、その入り口となる資格です。

簿記2級を取れば年収1000万を目指せる?

簿記2級のみで年収1,000万に到達するのは、相当ハードルが高いです。

優秀なコンサルタントであれば可能だと思いますが、簿記2級を使うというよりも本人の優秀さ次第です。

また、どんなに優秀であっても会計事務所・経理・内部監査ではほぼ不可能です。

一方で、簿記2級を足掛かりにして転職し、その後「公認会計士」の資格を取得できれば年収1,000万は可能です。

公認会計士になると、10年ほどの実務経験で年収1,000万を達成することが可能です。

私自身も公認会計士ですが、会社員時代、実務経験5年で年収900万円まで到達しました。

年収1,000万を目指したいのであれば、公認会計士の取得も選択肢の1つに入れると良いでしょう。

最近では社会人として働きながら公認会計士を目指せる環境が整ってきました。

羨ましいものです。

高卒で簿記2級を取ったら年収はいくらになる?

令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況 新規学卒者の学歴別にみた賃金

厚生労働省の調査によれば、高卒者の初任給は大卒者の初任給に比べて約45,000円低くなっています。(参照:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況 新規学卒者の学歴別にみた賃金」)

そのため、上記の年収から最大54万円(=45,000円×12ヶ月)低く見積もった金額が、高卒の方の年収であると推定されます。

以上を踏まえると、高卒の方(簿記2級取得)の職種ごとの年収は次のようになります。

職種地域未経験OK経験者のみ
会計事務所東京404万円491万円
その他406万円437万円
経理東京425万円568万円
その他371万円490万円
コンサル東京560万円608万円
その他541万円526万円
経営企画東京596万円719万円
その他554万円
内部監査東京583万円
その他469万円
監査法人東京646万円
その他496万円

上記はあくまで転職時の年収ですので、その後昇給します。

また簡易的な計算ですので、個々人の能力によっても年収は変わります。

あくまで目安としてご利用ください。

簿記2級の資格手当の相場はいくら?

簿記2級の資格手当の相場は、月額2,000円~5,000円です。

近年では資格手当を支給せず、そもそも取得を義務付ける企業も増えているため、簿記2級に対する資格手当はあまり期待できません。

ただし、簿記2級は非常に汎用性の高い資格であり、ご自身のキャリアを広げるという点ではとても有用な資格です。

もし社内で簿記2級の取得を推奨するような制度がある場合には、チャンスと考え、積極的に合格を目指すことを推奨します。

簿記2級を活かせる仕事はどんな仕事?

簿記2級を活かせる仕事は、次のとおりです。

  • 会計事務所
  • 経理
  • コンサル(会計税務系)
  • 経営企画
  • 内部監査
  • 監査法人

簿記2級では、基本的な「簿記」「企業会計」を学習します。

そのため、会計事務所・経理・監査法人においては簿記2級の知識をフル活用することができます。

一方、コンサル・経営企画・内部監査ではあまり簿記・企業会計のスキルを活かすことができません。

簿記2級を活かせる仕事について、詳しい仕事内容は次の記事で解説しています。

(参考)簿記1級の年収は?

簿記1級の職種別年収は、次のとおりです。

職種地域未経験OK
の平均年収
経験者のみ
の平均年収
会計事務所東京461万円561万円
その他445万円503万円
経理東京543万円674万円
その他436万円575万円
コンサル東京552万円686万円
その他689万円564万円
経営企画東京650万円829万円
その他550万円618万円
内部監査東京597万円
その他550万円
監査法人東京700万円
その他550万円
(参考:簿記1級を取ると年収はいくらになる?)

「会計事務所」「コンサル」「経営企画」「内部監査」「監査法人」はほぼ簿記2級の年収と変わりありません。

唯一、「経理」だけは全体の平均年収が約50万円上がっています。

この結果からも分かる通り、簿記1級資格は主に「経理」で必要とされる資格です。

特に上場会社では連結決算が必須となることから、連結会計について全般的に学習する簿記1級資格が高く評価されます。

もし、あなたが上場経理を目指したいのであれば、簿記1級の取得を目指すのも1つの選択肢になるでしょう。

簿記2級の年収に関するよくある疑問

その他、簿記2級の年収に関するよくある疑問をまとめました。


簿記2級を取れば食いっぱぐれないですか?

いいえ、簿記2級を取っただけでは食いっぱぐれる可能性が高いです。

会計・税務の業界では、実務経験がものを言います。

「資格の有無」は単なる知識の証明に過ぎず、(実務経験に比べれば)さほど評価されないのが実情です。

実務経験はそれほど重要なものであり、評価度合いが大きく異なります。

もちろん、簿記2級が転職の足掛かりになることは間違いありませんが、資格だけでどうにかなる世界ではありません。

全商簿記2級の年収は?

全商簿記2級は、就活市場では日商簿記3級と同等(またはそれ以下)として評価されますので、簿記3級の年収を示します。

  • 会計事務所:485万円
  • 経理   :539万円

こちらも実務経験の有無・地域によって年収は異なるため、あくまで目安としてください。

簿記二級で資格手当はつきますか?

はい。会社によっては資格手当が支給されます。

支給される場合、相場は月額2,000円~5,000円ほどです。

簿記2級は仕事に活かせる?

はい。簿記2級は広く会計・税務の仕事に活かせます。

一方、総務・人事・営業など、会計税務と関連性のない職種では簿記2級を活かすことができません。

よく大手企業が新入社員全員に簿記2級を取得させたりしていますが、経理などの関連部署でない限り、ほぼ意味を成さないでしょう。

簿記2級を取得すると何がすごいのか?

簿記2級の取得には平均3ヶ月~6ヶ月かかるため、その努力をしたことが「すごい」と言われます。

簿記2級は誰でも勉強すれば取得できる資格であり、頭の良さはあまり関係ありません。

しかし、その努力をできない方が大半であるため、すごいと言われるのでしょう。

20代で簿記2級を取れば未経験でも転職できますか?

はい。20代であれば(職場を選ばなければ)未経験でも簿記2級で転職できます。

ただし20代後半になると転職難易度が上がるため、エージェントを使った面接対策は必須です。

30代で簿記2級を取れば未経験でも転職できますか?

はい。難易度はかなり高いですが、30代でも簿記2級・未経験で転職は可能です。

ただし書類で落とされることが多く面接対策も必須であることから、エージェントを使った戦略的な面接対策は必須です。

40代で簿記2級を取れば未経験でも転職できますか?

会計事務所に限定されますが、可能です。

40代になると未経験者の採用はほとんどありません。(公認会計士などの高度な資格があれば別ですが)

会計事務所は慢性的な人手不足であることから転職可能性が残されていますが、その他の職種ではほぼ不可能と言っても過言ではないでしょう。

簿記2級を取った男性に未経験でおすすめの転職先はある?

会計事務所・経理・監査法人がおすすめです。

取り立てて「男性にオススメ」という意味ではなく、この3種であれば未経験でも転職しやすいからです。(もちろん年齢にもよりますが)

簿記1級を取れば年収1000万を目指せますか?

はい。目指せます。

簿記1級を取得して上場経理に就職した場合、約17年後に年収1,000万を達成できる見込みです。

(参考記事:簿記1級を取ると年収はいくらになる?


簿記2級を取っても就職できない人の特徴は?

簿記2級を取っても就職できない人の特徴は、次のとおりです。

  • 年齢が高すぎる
  • 高望みし過ぎている
  • 応募企業に対する理解が浅い
  • コミュニケーション能力が低い
  • 実務経験がない

簿記2級は難しい資格ですが、あくまで「ステップアップのための資格」と捉えるべきです。

簿記2級を武器に、いきなり未経験で上場経理を目指す!というのは相当ハードルが高いです。(ただし新卒採用を除く)

また、会計税務業界での転職にはコツ・攻略法というものがあります。

転職エージェント等を活用し、面接を正しく攻略しましょう。

会計事務所に強いオススメの転職エージェントについては、次の記事内で紹介しています。

\ 会計事務所の求人数No.1! /

/ かんたん1分で登録完了 \

外部サイト:簿記2級と就職・転職の相性は?|キャリアDD

目次