公認会計士・税理士の藤沼です。
初めて会計事務所への就職を検討される方は、「仕事についていけないのではないか」と不安を覚えるものです。
私自身も、初めて働く時は同じ気持ちでした。
そこで今回は、会計事務所を経営している私の目線から、様々な心配・不安に回答してみました。
少しでも、皆さんの参考になれば幸いです。
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会計事務所についていけないか心配な方向けに、8つの回答
「会計事務所でついていけるか心配」という方向けに、8つの回答を用意しました。
それぞれ解説します。
勉強がついていけるか心配
会計事務所は税金のプロであり、膨大な税金に関する知識を日々学習しなければなりません。
- 法人税法の知識
- 所得税法の知識
- 消費税法の知識
税法の学習についていくためのコツは、分からないことを放置せずその場で条文まで読むことです。
初めは覚えることが多く大変さを感じると思いますが、これを放置していると分からないことが積み重なり、いつまで経っても成長しません。
ポイントは「条文も読む」ということです。
初めのうちはこの作業が苦に感じるかもしれませんが、慣れるとどこに何が書いてあるのか分かるようになり、自然と記憶に定着します。
また、入社前に勉強の適正を確認したい方は「確定申告のやり方」などで検索し、確定申告の流れを確認してみると良いでしょう。
何となく仕事のイメージも付くようになるはずです。
仕事が覚えられるか心配
初めのうちは、仕事で覚える量が多く悪戦苦闘される方が多いです。
- 税法に関する知識
- 会計ソフトの使い方
- 顧問先の事業内容
- 会計事務所内での事務手続の流れ
未経験者の場合、初めの3ヶ月はかなり大変です。
しかし、一年目が終わると1年間の税務の流れが分かるようになるため、二年目以降少しずつ楽になってきます。
そして担当クライアントが固定されてくると、毎年同じ作業の繰り返しであることに気付き、頭を使わなくとも仕事が進むようになります。
その意味で、後々楽をするためにも初めのうちは気合を入れて知識を吸収すべきです。
なお会計事務所での仕事内容について、詳しくは次の記事でわかりやすく解説しています。
会計ソフトを扱えるか心配
パソコンに弱い方は、会計ソフトの扱いにも不安を覚えるかもしれません。
しかし、この点はさほど心配する必要がありません。
私は数多の未経験スタッフを見てきましたが、(もちろん初めは操作が不慣れですが)1年もすれば全員会計ソフトを使いこなせるようになっています。
そもそも会計ソフトは扱いやすくなければ普及しませんので、各社、より使いやすいインターフェイスを目指してソフトをバージョンアップしています。
そのため、PC操作に拒否反応を覚えるような方でない限り、心配する必要はありません。
ミスが多くて叱られないか心配
この点は、所長の性格により大きく左右されるでしょう。
所長の中には、パワハラ紛いの叱責をしている方も実際います。
会計事務所は組織規模が小さく閉鎖的であることから、未だにミスを怒鳴りつける所長がいるのです。
しかし全ての会計事務所がそうというわけではなく、一部のブラックな会計事務所に限った話です。
30代の若手所長の事務所や、従業員数が20名を超えるような(零細ではない)事務所であれば、ミスした程度で理不尽に責め立てられるようなことはないはずです。
ただし、あまりにもミスが多い方は要注意。
会計事務所ではクライアントのお金を計算するのが仕事ですから、細かい作業を苦手とする方にはそもそも向いていません。
顧客との会話ができるか心配
会計事務所では、お客様の会社に行きアドバイス等を行う「外回り」という仕事があります。
その際は税務の話だけでなく、広くビジネスの話を振られることがよくあります。
そのため、幅広い知識・コミュニケーション能力が要求されます。
もちろん過度に話し上手である必要はありませんし、私も(所長なのに)話下手です。
しかし、コミュニケーション能力は高い方が評価されます。
なお、顧客との対話に自信がない方は、内勤のみの会計事務所を選ぶのもアリです。
定年まで働けるか心配
会計事務所で定年まで働く人は少数です。
というのも、途中で税理士資格を取得し独立する方が多いからです。
もちろん、税理士を目指さずに税理士補助として働く方も一定数おり、そのキャリアも有りです。
しかし、どうせ仕事のために勉強するなら、そのまま税理士科目も取得してキャリアに繋げてしまうほうが一石二鳥です。
私自身も会計事務所を経営していますが、独立開業は本当に面白いです。
能力不足でついていけるか心配
「能力不足」というのはやや粗い表現なので、もう少し粒度を細かくして考えてみましょう。
会計事務所において想定される「能力不足」は、下記の3つに分解できます。
- 税法に関する知識の不足
- コミュニケーション能力の不足
- 体力の不足
税法に関する知識に不安のある方は、税理士科目(税法科目)を取得してから就職するという対応策があります。
コミュニケーション能力に不安のある方は、外回り(クライアントとの対話)のない会計事務所を選ぶと良いでしょう。
体力に不安のある方は、残業時間の比較的少ない会計事務所を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、会計事務所を早期に辞めてしまう方でよくあるのが「税法に関する知識不足」のケースです。
逆に言えば、知識さえあれば全てカバーできるので不安を感じる必要はありません。
職場の雰囲気に馴染めるか心配
失敗する可能性が最も高いのが、これです。
会計事務所は独特な空気があり、所長も変わった人が多い傾向にあります。(もちろん全員ではありません)
そのため、中には雰囲気の悪い会計事務所・会話が全くない会計事務所などが存在します。
このような会計事務所に入社してしまうと、すぐに辞めたくなったり、精神を病んでしまう方がおられます。
実際、私の周りにも沢山いましたし、私自身も…。
これを回避するためには、転職エージェントを使い、応募前に組織内の雰囲気を確認するしかありません。
なお、会計事務所に強い転職エージェントは次の記事で紹介しています。
会計事務所の仕事についていくためのポイントは3つ
会計事務所に限った話ではありませんが、仕事についていくには、当然本人の努力も必要になります。
しかし、それ以前に「ついていける環境選び」も重要です。
会計事務所の中にはブラックで危険な事務所も存在しますが、そのような環境で努力をしていても、報われないどころか精神を病む方さえいます。
- 応募前に年齢構成を確認する
- 応募前に離職率を確認する
- 会計税務に強い転職エージェントを使う
応募前に、上記だけは必ず押さえるべきです。
それぞれ解説します。
応募前に年齢構成を確認する
会計事務所での仕事についていくためには、直接教えてくれる先輩スタッフの存在が必要不可欠です。
会計事務所では(よほど大手でない限り)研修制度は皆無であり、OJTにより仕事をしながら教わることになります。
入社直後は、手とり足取り教わることになります。
この時、先輩スタッフとの年齢があまりにも離れすぎていると、話が噛み合わない・イライラされる等の弊害が起こり得るのです。
年齢がかけ離れすぎていると仲良くなることも難しく、いつまで経ってもギスギスした関係性で居心地の悪さを感じる方も少なくありません。
そのため、会計事務所へ応募する前に必ず「会計事務所内の平均年齢」「直属の先輩スタッフの年齢」くらいは確認しておくべきです。
応募前に離職率を確認する
良い会計事務所は、まず人が辞めません。
逆に、労働環境の悪い会計事務所では人がすぐ辞めていきます。
「離職率」は、その会計事務所での働きやすさを示す客観的な指標です。
活用しない手はありません。
ただし大半の会計事務所では、直接聞いても教えてもらえないでしょう。
そこで、転職エージェント経由で聞き出すことをオススメします。
会計事務所側としては、転職エージェントとの関係性が悪くなることは避けたいため、転職エージェント経由であれば簡単に回答してもらえるケースがあります。
また、平均離職率だけでなく直近に誰がどのような理由で辞めたのかも確認すると尚良いです。
後ろめたい理由のある会計事務所ではこれを濁す可能性が高く、そのような会計事務所は避けておくのが無難です。
会計事務所に強い転職エージェントを使う
転職エージェントを使う際は、必ず会計事務所に強い転職エージェントを使うべきです。
私自身も会計事務所への転職の際、転職エージェントを20社近く使いましたが、転職エージェントによって会計業界の知識が大きく異なりました。
中には、会計事務所業界の知識が浅いにもかかわらず、求人を紹介してくるような悪質なエージェントも存在しました。
くれぐれも質の低いエージェントを使わず、会計事務所に強い転職エージェントを使うべきです。
人生が決まるのですから。
会計事務所に強い転職エージェントは、本記事の最下段で紹介しています。
人が辞めていく会計事務所の特徴
人が辞めていく会計事務所には、具体的に次の特徴があります。
- 給料が安い
- 残業代が出ない
- 残業時間・休日出勤が多すぎる
- 所長によるパワハラ
- まともに教えてくれない
- 安さを売りにしている
- 雰囲気が悪い
いずれも、会計事務所業界のあるあるです。本当によく聞きます。
繰り返しですが、人が辞めていくような会計事務所はろくな事務所ではありません。
本当に仕方のない理由で退職が続くケースもありますが、ごく稀です。
職場選びは人生を左右すると言っても過言ではありませんから、このようなヤバい会計事務所はくれぐれも選ばないようご注意ください。
なお、人が辞めていく会計事務所の見極め方について、詳しくは次の記事内で具体的に解説しています。
会計事務所に向いている人の特徴
会計事務所に向いている人の特徴は、次のとおりです。
- 分からないことを自ら調べられる人
- コミュニケーション能力の高い人
- 細かい作業が好きな人
- 体力のある人
- 勉強が好き・向上心のある人
全てに当てはまる人は滅多にいませんので、上記のうち複数個当てはまれば「会計事務所に向いている」と言えます。
その他、会計事務所に向かない人の特徴など、詳しくは次の記事内で解説しています。
税理士事務所のパートって難しい?
税理士事務所のパートは、未経験の方にとっては難しいと感じるでしょう。
なぜなら、税理士事務所は税務のプロ集団であり、覚えるべきことが多いからです。
ただし、正社員よりも作業量が少ない(例えば客先へ行かされることは基本的にない)ため、会計事務所で働く取っ掛かりとしては良いかもしれません。
会計事務所でのパートの仕事について、詳しくは次の記事内で解説しています。
会計事務所に関するよくある疑問
その他、会計事務所に関するよくある疑問をまとめました。
会計事務所の平均月収はいくらですか?
地域・経験値・保有資格によっても変わりますが、仮に東京・未経験・簿記2級で会計事務所に転職した場合、平均月収は月30万円~35万円です。(残業代込み)
これにボーナスがあれば1ヶ月~3ヶ月分入り、平均年収は450万円になります。
会計事務所の年収について、詳しくは次の記事で解説しています。
会計事務所で一人前になるまで何年かかりますか?
会計事務所で一人前になるまでには、少なくとも3年はかかります。
なおここでの「一人前」の定義は、ほぼ質問をせずにアクシデントもなく1人で確定申告を終えることのできる水準とします。
ただし、新たな顧客への対応やイレギュラーな取引への対応の際には、税理士の助けが必要になります。
真の意味での一人前(税理士として独立できる水準)になるには、10年かかるでしょう。
税理士事務所に入ったばかりの新人の業務内容は?
税理士事務所に入ったばかりの新人は、まず1社~3社の担当を割り振られ、仕訳の記帳代行からスタートするのが一般的です。
未経験者がいきなり一人で客先に行かされることはなく、初めは先輩職員に同行し、慣れてきたら一人で担当の客先に行くようになります。
会計事務所で働きながら簿記・税理士などの資格を取ることは可能ですか?
はい、可能です。
簿記・税理士の予備校は数多くありますが、たとえばフォーサイトは通信講座の予備校として有名です。
働きながら「通学」で勉強する人は少なく、大半の方がが家・カフェなどで通信講座を受講しています。
会計事務所って40代・未経験でもパートで働けますか?
可能ですが、職場を選ぶことはほぼできないと思います。
パート職員には教育コストをかけることができないため、基本、実務経験者を採用するからです。
正社員ではないため年齢はそこまで問題ありませんが、簿記資格は取得しておくべきです。
会計事務所に研修制度はありますか?
いいえ、まずありません。
規模が比較的大きい会計事務所(感覚的には100名以上)であれば研修制度を用意しているケースもありますが、基本、この業界はOJTで仕事を進めます。
会計事務所におすすめの転職エージェント【比較表】
ヒュープロ (Hupro) | MS-Japan | 人材ドラフト | ジャスネット キャリア | マイナビ 税理士 | |
---|---|---|---|---|---|
総合評価 | ( 10/10 ) | ( 9/10 ) | ( 7/10 ) | ( 6/10 ) | ( 6/10 ) |
求人数 | 約 5,500 件 | 約 1,300 件 | 約 1,000 件 | 約 800 件 | 約 600 件 |
対象年代 | 20代~40代 | 20代~50代 | 20代~50代 | 20代~30代 | 20代~30代 |
設立 | 2015年 | 1990年 | 2000年 | 1996年 | 1973年 |
資本金 | 2億2740万円 | 5億8600万円 | 3400万円 | 3800万円 | 21億210万円 |
得意領域 | 会計事務所 税理士法人 | 経理 会計事務所 | 会計事務所 | 士業全般 | 税理士 |
特徴 | 求人数No.1 | 管理部門に強い | ややマイナー | 士業向け | 税理士向け |
利用料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
評判・口コミ | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる |
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会計事務所なら、ヒュープロ一択です。
ヒュープロは会計事務所に特化した唯一のエージェントであり、求人数も群を抜いています。
転職活動は、人生を左右する一大イベントです。
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