公認会計士・税理士の藤沼です。
実務経験なしでも、簿記2級さえあれば就職できる職場は多くあります。
ただし、人によって向き不向きがあり、また年齢によって選べる選択肢も異なります。
そこで今回は、未経験者の方が簿記2級を活かして就職できる職場と、職場選びの際の注意点を解説します。
私自身も会計税務の業界には早10年身を置いており、自分の体験談も踏まえてお話したいと思います。
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簿記2級があれば実務経験なしでも就職できる職場【全6種】
ここでは、会計税務系の大手転職エージェントヒュープロの掲載求人を参照し、「簿記2級」「未経験」で応募可能な求人を集計してみました。
結果は次のとおりです。
「簿記2級・未経験」で応募可能な求人・職種
職種 | 求人件数 | 割合 |
---|---|---|
会計事務所 | 788 件 | 57% |
経理 | 399 件 | 29% |
会計コンサル | 90 件 | 7% |
経営企画 | 70 件 | 5% |
内部監査 | 17 件 | 1% |
監査法人 | 17 件 | 1% |
(計) | 1,381 件 | 100% |
各職種をタップすると、各解説項目にジャンプします。
もちろん時期によって求人数は異なりますが、概ね上記のような傾向でしょう。
次に、各職種についてそれぞれ解説します。
会計事務所|未経験者向けの求人数No1!税理士も目指せる
最も求人数が多かったのが、「会計事務所」でした。
会計事務所に就職するメリットは、次のとおりです。
- 会計税務のスペシャリストとして、キャリアを積める
- 会計事務所業界であれば、その後転職しやすい
- 黙々と作業することができる
- 税理士を目指す環境として最適
会計事務所では、主として「企業の経理業務の代行」というサービスに関与しますので、「簿記」の基礎的知識がそのまま役立ちます。
ただし、仕訳の起票において準拠するルールが(簿記検定で学習してきた)「企業会計基準」ではなく、「税法」に準拠するケースが大半ですので、就職後は税金に関する知識を身に付ける必要があります。
ここでは「会計」と「税務」の具体的な違いについては割愛しますが、概念は似たようなものであり、細かな取り扱いが変わるくらいのイメージで十分でしょう。
そして、特に「将来的に税理士を目指せる」というのも大きなメリットでしょう。
なお 会計事務所は、実務経験がなくとも簿記2級があれば応募のハードルをクリアしやすく、非常に就職しやすいという特徴があります。
会計事務所での具体的な仕事内容・メリット・デメリットについては、会計事務所での仕事内容を詳細解説します。の記事で具体的に記述しています。
経理|未経験者向けの求人数は多いが人気職種のため倍率も高い
「会計事務所」に次ぎ、2番目にオーソドックスな就職先が「経理」です。
経理に就職するメリットは、次のとおりです。
- 他の職種に比べ、比較的残業が少ない
- キャリアの汎用性が高く、潰しが効く
- 会計事務所よりも、組織が安定している傾向
経理という仕事は、会社内では必ず必要となるポジションであり、潰しが効きます。
また、会計事務所よりも組織規模が大きいケースが多く、安定した環境で働くことができるというメリットがあります。
そして、(これは企業にもよりますが)残業が比較的少ない傾向にあることから、特にライフイベントを考え始める30代以降の方には人気の職種です。
私たち公認会計士の中にも、30代で監査法人を退職し、経理に転職する方は多いです。
会計事務所に比べるとやや就職難易度が上がりますから、事前に転職エージェント担当者とともに「面接対策」を行っておくと良いでしょう。
経理の仕事内容については、経理の仕事内容をわかりやすく解説します。の記事で未経験者向けに分かりやすく解説しています。
会計コンサル|年収が高くおすすめだが職歴を重視されやすい
会計コンサルとは、「会計」に関する全般的なコンサルティングを指します。(かなり広い概念です)
会計コンサル会社(通称FAS)は、1つの分野に特化した会社もあれば、広く全般的にサービス提供する会社もあります。
具体的には、次のようなサービスに関与するケースが多いです。
- M&Aに係る会計コンサルティング
- 会計ソフト導入支援
- IFRS導入支援
- IPO支援
上記を見ても「あまりよく分からない」という方も多いでしょう。それもそのはずで、上記サービスは簿記2級で学習する範囲を飛び越えており、非常に専門的な知識が求められます。
そのため、一応「就職できる職場」としては挙げましたが、簿記2級があるからと言って就職できるわけではなく、過去のコンサル経験などの職歴・ポテンシャル等を見られます。
コンサル業界は原則激務の業界ですから、もし興味のある方は、若いうちに挑戦されるべきだと思います。
経営企画|簿記資格を活用するケースは限定的で倍率も高い
「簿記2級・未経験OK」の求人の中には、経営企画部での採用も見受けられました。
経営企画では、組織の中長期事業計画や、市場リサーチなど、深く経営に関与する業務に携わります。
そのため、経理や会計事務所のように、簿記2級の知識をフルに活用するような業務ではありません。(事業計画・予算策定などの際に、プロジェクト・部門ごとの決算書・予算書を作ったりするケースはあります)
経営企画部はかなり就職のハードルが高く、簿記2級を取っただけで入社することは難しいです。
今までの経歴やポテンシャル、ロジカル、コミュニケーション能力など、総合的な判断が行われるでしょう。
会計・税務系のキャリアからは遠ざかるため、「簿記2級をフルに活かしたい」という方にはあまりオススメできない職種です。
内部監査|決算書が作成される流れをチェックする仕事
内部監査部門は、主に上場会社で設置される部門であり、社内の業務監査を行います。
内部監査では、「内部統制監査基準」というルールに準拠し、決算書作成までの一連のプロセスが正しいものかどうかを確認します。
従事したことのある方でなければ中々イメージしづらい業務ですが、要は正しく決算書が作成されているか、深掘りしてチェックする仕事です。
決算書までの繋がりを見るため、経理部と連携をするものの、実際に会計処理を行うわけではないため、簿記2級の知識をフルに使うわけではありません。
また、内部監査というポジションは専門性が高いものの、やや汎用性が低いため、若手の方にはあまりオススメしません。
監査法人
監査法人は原則、公認会計士のみが働ける職場ですが、近年では監査アシスタントという立場で簿記2級取得者を採用する監査法人が増えています。
監査アシスタント職の採用はまだ歴史が浅いため、業界経験者が少なく、基本的には「業界未経験」で採用されます。
監査アシスタントの仕事内容は、端的に言えば「監査法人内での公認会計士の補助」です。
ただし、監査法人での「会計監査」という仕事は、公認会計士のみに許された独占業務であることから、「判断」を要するような作業はできず、事務ワークが基本になります。
給与水準も悪くないため、興味のある方は監査アシスタントの仕事内容・求人の探し方の記事をご参照ください。きっと役立つはずです。
なお、監査アシスタントは「男性」よりも圧倒的に「女性」の方が多いので、女性の方にオススメといえます。
簿記2級をフルに活かせるオススメの仕事は?
簿記2級を活かせる仕事は計6種ありますが、未経験者が簿記2級をフルに活かすなら「経理」または「会計事務所」がおすすめです。
ここでは、日商簿記2級検定の試験科目である「商業簿記」及び「工業簿記」にフォーカスし、具体的にどのようなシチュエーションで簿記2級の知識を活用するのか解説します。
商業簿記|大会社・上場企業の経理なら知識をフル活用できる
商業簿記では、一般に公正妥当と認められた企業会計の基準(企業会計原則や金融商品取引法など)に基づく仕訳の方法・決算書作成方法を学習します。
このスキルを最も活用できるのは、「会社法上の大会社・上場会社の経理」です。
※ 会社法上の大会社とは、資本金5億円以上または負債200億円以上の会社をいいます。(参照:会社法2条6号)
なぜなら、これらの組織では「一般に公正妥当と認められた企業会計の基準」に準拠した会計処理が行われるからです。
一方、ごく小さな会社では、会計処理を「税法」に準拠するケースが大半です。(任意で企業会計基準を適用している会社もありますが)
簿記2級では税法をほぼ全く学習しませんから、会社法上の大会社・上場会社の経理のいずれかが最もオススメと言えるかもしれません。
ただし、準拠する基準が「税法」に変わったとしても、基本的なルールは同じであり、また税法と会計基準との間にズレがないケース(取引)もあるため、いずれにせよ経理であれば簿記2級の知識は活用できます。
なお、これは会計事務所も同じです。
会計事務所ではあくまで税務基準で仕訳を起票・決算書を作成しますが、基本的ルールは同じですので、会計事務所においても簿記2級は高く評価されます。
工業簿記|メーカーや工場経理なら知識を活用できる
工業簿記をフルに活用できるケースはかなり限定されており、「工場経理」が最もオーソドックスです。
工場経理とは、文字通り工場で働く経理をいいます。(本社で工場の経理を実施するケースもありますが、工場に常駐して経理業務を行うケースが一般的)
工場経理では、工業簿記で学習した原価計算の流れに関する知識をそのまま使います。(材料・賃金・経費から仕掛品・製品になるまでの一連の流れ)
原価計算が好きな方には、工場経理がオススメかもしれません。
ただし 工場経理を選んだ場合、キャリアの選択肢が狭まってしまう点には注意が必要です。
なぜなら、工場経理のキャリアは工場に限定され、通常の経理に比べて選択肢が少ないからです。
なお、メーカー本社経理の一部担当者は、工業簿記(原価計算)に関与するケースがあります。
その他の経理・会計事務所では、工業簿記に触れるシチュエーションはまずありません。
「簿記2級・未経験OK・在宅ワークOK」の仕事をリサーチしてみた
簿記2級を使って転職・就活される方の中には、在宅ワークを希望する方も多いでしょう。
そこで、先述の6つの職種について、「簿記2級・未経験OK・在宅ワークOK」の求人も探してみました。
「簿記2級・未経験OK・在宅ワークOK」の求人
職種 | 求人数 |
---|---|
会計事務所 | 113 件 |
経理 | 47 件 |
会計コンサル | 0 件 |
経営企画 | 0 件 |
内部監査 | 0 件 |
監査法人 | 0 件 |
(計) | 160 件 |
見てのとおりですが、会計事務所・経理以外に、「簿記2級・未経験OK・在宅ワークOK」の求人は見つかりませんでした。
もちろん、求人票が掲載される時期によってはその他の職種でも在宅OKの求人は出てくるかもしれませんが、あまり期待できないと思います。
会計事務所・経理ともに、規模の小さな組織では在宅ワーク体制が整備されず、規模が大きくなるほど在宅ワークが認められる傾向にありました。
また、求人票上は「在宅OK」と記載があったとしても、週に1度は出社など在宅回数が限定されるケースもあり、フルリモートの可能な求人は更に少ないです。
【年齢別】簿記2級・未経験者の方におすすめの転職先
選ぶべき転職先は、ご年齢によっても変わってきます。
そこで、参考として20代~50代の年代別にオススメの転職先を紹介します。
20代|実務経験なし(簿記2級あり)
20代の方には、内部監査以外の転職先(つまり、会計事務所・経理・会計コンサル・経営企画・監査法人)がおすすめです。
というのも、内部監査は専門性が尖りすぎており、その後のキャリアが狭まってしまうからです。
20代若手の方は将来性を広げるようなキャリアを選択すべきでしょう。
例えば、職種ごとに次のような傾向がありますのでご参考ください。
- 会計事務所 :税理士を目指したい人におすすめ
- 経理 :企業経理として安定して働きたい人におすすめ
- 会計コンサル:希少価値を高めたい人におすすめ
- 経営企画 :組織経営に携わりたい人におすすめ
- 監査法人 :会計士のアシスタントに興味ある人におすすめ
30代|実務経験なし(簿記2級あり)
30代の方には、(特に希望がなければ)経理をオススメします。
経理は全体として残業時間が少ない傾向にあり、様々なライフイベントに対応しやすい職種だからです。
ただし、ベンチャー企業の経理や、一部の大手上場企業はおすすめしません。(逆に残業が非常に多いケースがあります)
また、逆にバリバリ働きたい方には、「会計コンサル」「経営コンサル」も良いでしょう。ただし、ややキャリアの幅が狭くなるため、その後何をしたいのかをしっかりと考え、逆算して転職先を選ぶべきです。
将来税理士として開業したい方には会計事務所もおすすめですが、税理士科目全てに合格するまでに10年かかってしまう方もいますので、こちらも慎重に検討してください。
40代|実務経験なし(簿記2級あり)
40代になると、簿記2級・未経験OKの求人はかなり減ってきます。
正直、「経理」「会計事務所」以外の選択肢がほぼなくなるでしょう。(もちろん、タイミングによってはその他の職種も求人は出てくると思いますが)
その中から選ぶ場合、私は経理を強くオススメします。
会計事務所は繁忙期が比較的長く、小さな会計事務所に就職してしまうと、誰かが退職したときに担当業務が残りのスタッフに割り当てられ、非常に忙しくなります。
体力的な面を考えると、私は安定した企業の経理をオススメします。(ただし、ベンチャーなど残業時間の多い企業もあるので注意)
50代|実務経験なし(簿記2級あり)
50代の方の場合、簿記2級を取ったとしても未経験で入れる就職先は限られています。
経理に就職することができれば良いですが、大半は、会計事務所の中から求人を選ぶことになるでしょう。
会計事務所の求人選びのポイントとしては、年齢層の高めの会計事務所の中から選ぶと良いかもしれません。
「簿記2級・実務経験なし」で転職する際の注意点
簿記2級を取得したとしても、実務経験がない場合、転職では次の点に注意が必要です。
それぞれ解説します。
組織ごとの業務の違いを知っておく|どこも同じではない!
会計税務への転職での失敗で、非常に多いのが「イメージしていた業務と違った」という失敗です。
「経理なら大体どこも同じ」「会計事務所なら大体どこも同じ」そう思っていませんか? もしそう思っているなら、危険です。
確かに、会計事務所での仕事は汎用性が高く似たような仕事が多いですが、それは他の職種に比べた場合の話であり、組織によって必要な作業は異なります。
また、経理も組織によって求められる業務・必要となるスキルが大きく異なります。
応募する際には、必ずその組織でどのような業務が求められるのかをしっかりと聞き出しておきましょう。求人票には大雑把な業務内容しか記載されていないケースが大半です。
大まかでも良いので就職後のキャリアも考えておく|ゴールから逆算
業界未経験で会計税務への転職をする場合、その後のキャリア(その後の転職)についてもある程度考えておくべきです。
というのも、会計税務のファーストキャリアは、その後のキャリアの方向性を決定づけると言っても過言ではなく、初めの一歩がその後を大きく左右するのです。
例えば、不動産系の経理に就職した場合、不動産業特有の会計処理・実務慣行に触れるケースが多く、不動産業界の会計税務に詳しくなります。
すると、その後転職をする際は自然と「不動産業」「建設業」など、同業界へのキャリアを考えるようになります。(その方が即戦力になるため)
しかし、ファーストステップであまり興味がない・将来性のない業界を選んでしまうと、その後転職する際に全く知らない業界へ転職することになり、それまでの経験をフルに活かすことができません。
そのため、(難しいとは思いますが)できる限り将来的なキャリアを見据えた上で、ファーストステップとなる転職先を選ぶべきです。
ちなみに、これは私の反省でもあります。。
必ず転職エージェントを利用する|求人サイトは非効率
最後に重要なのが、必ず転職エージェントを利用するということです。
会計税務の業界は、専門性が高く、未経験者が一人で情報収集するには限界があります。(具体的な話は専門用語が多く用いられるため、未経験者にはよく分からないことも多いでしょう)
そこで使えるのが、転職エージェントです。
転職エージェントを利用することで、担当者に業界情報をリサーチさせることができ、情報収集ツールとして非常に有用です。
ただし1つ注意点としては、必ず会計税務業界に精通した転職エージェントを使いましょう。
リクルートやdodaなど、一般的な総合系転職エージェントでも経理・会計事務所の求人は扱われていますが、正直私は質があまり良くないと感じました。
彼らは会計税務を専門に扱っているわけではないため、業界の知識がやや浅いのでしょう。
転職エージェントを使う際は、必ず会計税務に精通した特化型転職エージェントを利用すべきです。
簿記2級・実務経験なしの求人例
下記は、「簿記2級取得」かつ「実務経験なし」の方向けの求人例です。
第二新卒向けの「経理」求人
上記は、いずれも「簿記2級資格」さえあれば応募できる「未経験者OK」の求人です。
見れば分かりますが、いずれも非常に好待遇です。
そう。
実は簿記2級さえあれば、実務経験なしでも好待遇で採用されます。
簿記2級・未経験で転職する際のよくある疑問
その他、簿記2級・未経験で転職する際のよくある疑問をまとめてみました。
- 簿記1級を取った場合に実務経験なしでどこに就職できる?
-
簿記1級取得者(未経験者)の方には、次の転職先がおすすめです。
未経験者が簿記1級を活かせる転職先- 上場経理
- ベンチャー経理
- 会計事務所(所長が公認会計士)
上場経理での経験は汎用性が高く、様々なキャリアにシフトすることが可能です。
いきなり目指すことは(年齢によっては)難しいですが、ステップアップのゴールとして上場経理を見据えると良いでしょう。
- 簿記2級の取得に必要な勉強時間は?
-
簿記2級の取得には、一般に300時間~500時間かかると言われています。
たとえば1日あたり3時間勉強した場合、3ヶ月~6ヶ月ほどかかる計算です。
日商簿記2級は、独学でも合格可能な資格ですが、予備校を利用したほうが勉強時間は短縮できます。
- 簿記2級を利用できるバイトは何がある?
-
簿記2級を活用できるアルバイトは、ほぼ「会計事務所」1択です。
「経理」では自社の内部資料を閲覧することになり、経営者としてはアルバイト従業員に自社の契約書・事業計画などを見られたくないという気持ちがはたらき、経理求人は少ないようです。
- 経理未経験で簿記2級をとっても就活では意味がないですか?
-
いいえ、全くそんなことはありません。
むしろ、未経験で経理に就職するのであれば簿記2級は必須です。
なぜなら、会計税務系の職種の中では「経理」は人気の職種であり、実務経験がなく簿記2級資格すらないと書類で落とされるケースが多いからです。
まずはスタートラインに立つためにも、簿記2級は必ずとるべきだと思います。
なお、「簿記3級」は難易度が易しすぎるため、正直取っても効果が薄いです。
- 簿記2級があれば実務経験なしでもパートで働けますか?
-
かなり難しいでしょう。
パート職員に期待する役割によって異なりますが、会計事務所・経理での一般的な仕事を任せるのであれば、即戦力となる「実務経験あり」のパート職員を採用するからです。
パート職員は(組織側からすると)いつでも辞められてしまう可能性があるため、できる限り教育コストをかけたくないという感情が働き、経験者を採用したい組織の方が圧倒的に多いはずです。
そのため、将来的にパートで働くのであれば、まずは正社員として経験値を積む必要があるでしょう。
ただし、一般的な「事務」を任される場合には、未経験でもパート職員として働けるケースはあります。
- 簿記2級を取ると年収はどのくらいになりますか?
-
簿記2級があると、(無資格者と比べて)年収が50万円程度上がります。
これは、「簿記2級があるから」というわけではなく、「簿記2級取得者の業務の難易度が上がるから」です。
簿記2級を取得したとしても、難易度の低い仕事・職場では、高い年収は期待できません。
- 簿記2級は難しいですか?
-
未経験者にとっては、難しいと感じる方も多いはずです。
私は今でこそ公認会計士・税理士資格を有していますが、初めて簿記2級試験を受験したときは、1度不合格になっています。
会計士試験をパスできる素養のある人でも落ちてしまう試験ですので、決して簡単な試験ではないと言えるでしょう。
合格には300時間~500時間程度(1日3時間の学習を3ヶ月~6ヶ月続ける)の学習が必要ですが、努力が実りやすい性質の試験であり、しっかりと勉強すれば誰でも合格できる試験です。
- 簿記2級は就活に有利ですか?
-
はい。簿記2級は就活で確実に有利に働きます。
ただし、有利になる職種は限られます。
「経理」「会計事務所」など、簿記・会計の知識を必要とする職種でのみ、就活で有利になります。
- 簿記2級は新卒の就職で有利になりますか?
-
はい。新卒の就職で簿記2級があると、「志望動機の裏付け」という点では有利になります。
具体的には、「経理部」や「会計事務所」を志望する際、志望動機の裏付けとして「簿記2級の取得」という事実が評価されます。
一方、経理・会計事務所以外の職種(つまり、簿記・会計が全く関与しない職種)では、簿記2級の取得はほとんど評価されません。
なぜなら、経理・会計事務所以外の職種では簿記のスキルを用いることがほとんどなく、取得しても志望動機に繋がらないからです。
簿記2級資格はたまに「新卒の就活でコスパが良い」と言われますが、私は全くそうは思いません。
- 簿記2級を取得した男性におすすめの未経験OKの転職先は?
-
取得した年齢にもよりますが、「経理」または「会計事務所」がおすすめです。
30代前半までは未経験でも経理に転職可能ですが、それ以降になるとかなり厳しいでしょう。
また、将来税理士になり独立も視野に入れている方には、会計事務所の方がおすすめです。
簿記2級取得者にオススメの転職エージェント
最後に、簿記2級取得者向けの転職エージェントを比較してみました。
簿記2級向けの転職エージェント【比較5社】
ヒュープロ (Hupro) | MS-Japan | レックスアドバイザーズ | 人材ドラフト | ジャスネット キャリア | |
---|---|---|---|---|---|
総合評価 | ( 10/10 ) | ( 9/10 ) | ( 8/10 ) | ( 7/10 ) | ( 6/10 ) |
求人数 | 約 4000 件 | 約 2500 件 | 約 1400 件 | 約 1100 件 | 約 800 件 |
対象年代 | 20代~50代 | 20代~50代 | 20代~30代 | 20代~50代 | 20代~30代 |
設立 | 2015年 | 1990年 | 2002年 | 2000年 | 1996年 |
資本金 | 2億2740万円 | 5億8600万円 | 6000万円 | 3400万円 | 3800万円 |
得意領域 | 経理 会計事務所 監査法人 | 経理 会計事務所 | 士業向け | 会計事務所 | 士業向け |
特徴 | 求人数No.1 | 管理部門に強い | 士業に強い | ややマイナー | 士業向け |
評判・口コミ | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる |
利用料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
簿記2級取得者向けの求人数では、ヒュープロ(Hupro)が圧倒的多数を占めました。
ヒュープロは会計・税務に特化した大手転職エージェントであり、利用者の評判が非常に高いという特徴がありました。
会計事務所・経理・監査アシスタントの求人を求めるのであれば、ヒュープロ1択であると感じます。
転職エージェントの中には、質の低いエージェントも存在します。
上記の比較表を参考に、ご自身に合った転職エージェントを選んでください。
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