JICPAキャリアナビ利用時の注意点

JICPAキャリアナビ利用時の注意点

公認会計士・税理士の藤沼です。

日本公認会計士協会が提供する求人サービスに、「JICPA Career Navi」というサービスがあります。

無料で利用できる公式の求人サービスですが、利用時には注意点もありました。

そこで今回は、JICPAキャリアナビを転職活動で利用するメリットと、注意点について解説します。

この記事を書いた人

1986年生まれ(38歳)
公認会計士税理士

2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表


目次

JICPAキャリアナビとは?

JICPAキャリアナビiは、日本公認会計士協会無料職業紹介所(キャリアセンター) が運営する求人情報サイトです。

なお以前は日本公認会計士協会無料職業紹介所というサービス名で提供されていましたが、2010年に当該サービスは終了し、その後JICPAキャリアナビという名称でサービスがスタートしています。

利用者は「公認会計士」「公認会計士準会員」「公認会計士試験合格者(非準会員)」の三者に限定されています。

JICPAキャリアナビは「転職エージェント」ではないため、エージェントサービスを受けることはできず、自ら求人を探して応募することになります。

JICPAキャリアナビの求人数

JICPAキャリアナビの求人数

実際にJICPAキャリアナビを使用し、求人数を調べてみました。

JICPAキャリアナビの保有する求人数
  • 東京  :112件
  • 東京以外: 76件
  • 合計  :188件

(2024年4月1日現在のデータ)

また、求人の内訳は次のとおりです。

職種求人件数
経理42件
内部監査0件
経営企画0件
FAS コンサル4件
会計事務所・税理士法人3件
監査法人139件
金融・ファンド0件
その他0件
188件

(2024年4月1日現在のデータ)

JICPAキャリアナビが保有する求人数は、かなり少なめです。

監査法人の求人数は多く見えますが、同一の監査法人による複数の求人がカウントされているため、実態はもう少し少なめです。

公認会計士が転職する際、積極的に利用する必要はないと感じます。

協会が無料で提供するサービスのため、仕方ないともいえるでしょう。

ただし、利用するメリットもあります。

JICPAキャリアナビを利用するメリット

JICPAキャリアナビを利用するメリットは、3つあります。

JICPAキャリアナビを利用するメリット
  • 官公庁向けの求人がある
  • 構成員内訳・男女比が分かる
  • 業務の割合が分かる(監査・非監査)

それぞれ解説します。

① 官公庁向けの求人がある

JICPAキャリアナビでは、例えば

  • 財務省(関東・東海)
  • 東京国税局
  • 外務省

など、官公庁の求人がいくつか見られました。

日本公認会計士協会ならではの求人案件と言えるでしょう。

② 構成員内訳・男女比が分かる

JICPA Career Naviになら男女比が分かる

JICPAキャリアナビの求人には、会計士の割合や男女比率などが細かく記載されています。

「男女比率」を軽視される方が多いですが、特にワークライフバランスを気にされる方には重要な指標です。

なぜなら、女性比率の高い職場はワークライフバランスも整いやすい傾向にあるからです。(参照:ワークライフバランスが取れる会計士の転職先を、紹介します。【意外な選択肢あり】

また、女性にとっても同性職員の多さは気になると思います。

意外と「男女比」を載せている転職エージェントは少ないため、これもJICPAキャリアナビを利用するメリットの1つです。

③ 業務の割合が分かる(監査・非監査)

JICPA Career Naviなら、業務内容がイメージしやすい

特に、監査法人への転職時に役立つのが「業務の割合」です。

たとえば、FASも同時に経験するために「中小監査法人」への転職を考えた時、「どの程度FASに関与できるのか」は気にしなければなりません。

JICPAキャリアナビの求人には、これら業務の割合も表示されているため参考になります。(もちろんあくまで目安です)

また、クライアント数やクライアントの内訳も知ることで、「自分がどのようなチームに配属される可能性があるのか」を予測することができます。

こちらも「求人票」の段階で掲載している転職エージェントは少ないため、JICPAキャリアナビを利用する際のメリットになるでしょう。

JICPAキャリアナビを利用する際の注意点

JICPAキャリアナビを利用する際は、次の2点に注意が必要です。

JICPAキャリアナビを利用する際の注意点
  • 応募してみないと組織の雰囲気が分からない
  • 他の転職エージェントと求人が被る

それぞれ解説します。

① 応募してみないと組織の雰囲気が分からない

JICPAキャリアナビは、「求人サイト」です。

求人票にはある程度組織情報が記載されているものの、例えば

  • 実際にどんな人が働いているのか?
  • 残業はどの程度なのか?

などの組織の定性的情報は、実際に応募し面接を受けなければ分かりません。

この点「転職エージェント」であれば、担当コンサルタントが組織風土・労働環境などの定性情報をリサーチしている為、応募前に知ることができます。

② 他の転職エージェントと求人が被る

JICPAキャリアナビは、実は他の転職エージェントと提携しています。(下記参照)

JICPA Career Naviは他の転職エージェントと求人が被る

そもそも、JICPAキャリアナビは「公認会計士協会」が無償で運営しているため、マンパワーに限界があります。

そのため、他のエージェントの利用を促すことで、間接的に会計士の転職を支援しているようです。

つまり、基本的にJICPAキャリアナビに掲載されている求人は、他の転職エージェントにも同様に掲載されていることになります。

手軽に求人を検索できるメリットはありますが、実際に応募する際には、他の転職エージェントから応募した方がメリットは大きいでしょう。

JICPAキャリアナビを実際に利用した感想

私自身も、JICPAキャリアナビを利用した経験があります。

応募まではスムーズに進むのですが、実際に面接を受けてしまうと、「内定を断りづらい」と感じました。

通常の転職エージェントであれば、内定後に事態をしたい場合、エージェントに代理で断ってもらうことができます。

しかし、JICPAキャリアナビ経由での応募をすると全て自分で行わなければならず、内定辞退に煩わしさを感じました。

やはり 応募するなら転職エージェント経由のほうが良いな…と感じました。

JICPAキャリアナビに関するよくある疑問

その他、JICPAキャリアナビに関するよくある疑問をまとめてみました。


日本公認会計士協会無料職業紹介所とはなんですか?

2010年まで、公認会計士協会において提供されていた求人サービスです。

2010年にサービスは終了し、JICPAキャリアナビに切り替わりました。

ログインページはどこですか?

JICPAキャリアナビログインページからログインできます。

監査法人の求人はどこで見つかりますか?

全国の監査法人の求人情報は、中小監査法人の求人一覧を網羅・掲載してみた。でまとめています。

しかし、全200以上ある監査法人の求人の中から、マッチする求人を選ぶことは困難を極めます。

公認会計士に強い転職エージェントは、次の記事で紹介しています。

JICPAキャリアナビを利用する際に必要なものを教えてください。

公認会計士または公認会計士準会員の方は、「公認会計士研修登録番号」が必要になります。

公認会計士研修登録番号は、CPDカードを見れば確認できます。

公認会計士試験合格者(非準会員)の方は、「受験番号」及び「合格証書番号」の2点が必要になります。

JICPAキャリアナビのまとめ

以上です。

JICPAキャリアナビは無料ですぐに利用可能ですが、その反面、求人数がとても少ないというデメリットがありました。

転職活動をされる場合には、より多くの求人数・選択肢の中から選ばれることをおすすめします。

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