未経験でも監査法人に転職できる6つの手法!【BIG4出身の公認会計士が解説】

公認会計士・税理士の藤沼です。

未経験でも監査法人に転職できます。しかも、そのポジションは6つあります。

もちろん、公認会計士でなくても転職できますし、何なら資格なしでも転職できます。

本記事では、意外と知られていない未経験で監査法人に転職する6つの方法を紹介します。

内容に自信あり。

ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

1986年生まれ(38歳)
公認会計士税理士

2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表

目次

未経験でも転職できる監査法人の6つのポジション

未経験でも転職できる監査法人のポジションは、下記の6つです。

未経験でも転職できる監査法人の5つのポジション

それぞれ解説します。

公認会計士 |就職難易度1

就職の難易度( 1/5 )
資格の難易度( 5/5 )
未経験者割合就職するほとんどの公認会計士が業界未経験者。
求められる能力一般的なレベルのコミュニケーション能力。
年齢30代までならBIG4に就職しやすい。
40代になると業界未経験ではほぼ採用されない。

公認会計士試験の合格者は、全体の80%が監査法人に就職できます。

30代までならBIG4に就職できる可能性が高いため、大学卒業後も無職で公認会計士試験受験に専念する方や、社会人として働きながら公認会計士を目指す方も多いです。

ただし、いくら公認会計士試験に合格できたとしても、未経験かつ40代以降になると就職ハードルはかなり上がります。

USCPA |就職難易度4

就職の難易度( 4/5 )
資格の難易度( 3/5 )
未経験者割合7~8割が会計系の実務経験者という印象。
経理・アドバイザリー経験者が多い。
求められる能力USCPAの資格だけでなく、英語力が求められる。
年齢会計系の経験が全く無い場合、30代後半ではほぼ採用されない。

USCPA(米国公認会計士)資格があれば、監査法人のアシュアランス部門(監査部門)で採用される可能性があります。

USCPAの取得を目指す方の大半が会計系の実務経験者ということもあり、相対的に未経験者の採用数は少ないです。

ただし絶対に採用されないというわけではなく、高い英語力・コミュニケーション能力があれば30代前半までは未経験者でも採用されています。

日本の公認会計士資格よりもかなり難易度が低いため取得を目指す方は多い一方で、日本の公認会計士よりも転職難易度は高いと言えます。

新卒アドバイザリー職 |就職難易度5

就職の難易度( 5/5 )
資格の難易度
未経験者割合新卒採用のため、全員が未経験者。
求められる能力バイタリティ・コミュニケーション能力が多く求められる。
年齢大卒

※「転職」ではないため含めるべきか悩みましたが、参考に掲載しています。

新卒で監査法人に就職する手段として、アドバイザリー職を狙うという方法があります。

監査法人のアドバイザリー職とは、アシュアランス部門(会計監査部門)とは異なり、財務・会計に関するコンサルティングサービスを提供するポジションです。

具体的には、M&AアドバイザリーやITシステム・内部統制構築支援・IPOコンサルなどの仕事があります。

監査法人のアドバイザリー職は資格が求められないものの(もちろんあった方が有利ですが)、未経験者の就職難易度は非常に高く、新卒採用が大半です。

全ポジションの中でも最も激務であることから、バイタリティも必要とされます。

事務職 |就職難易度3

就職の難易度( 3/5 )
資格の難易度
未経験者割合部署にもよるが、監査部門では未経験者が大半。
求められる能力コミュニケーション能力、その他特殊スキルが求められやすい。
年齢一般的な事務職と同様、40代以降になると採用されにくい傾向あり。

監査法人も一般的な事業会社と同じく「組織」ですので、一般事務というポジションがあります。

例えば「経理部」「人事部」「総務部」などがあり、仕事内容は一般的な会社とほぼ変わりません。

ただし、特にBIG4では「監査部門」での事務職ポジションがあり、ここでの仕事はやや特殊です。

監査部門の事務職では、監査法人スタッフ(公認会計士たち)のアサイン管理、確認状と呼ばれる監査書類の手配など、監査法人ならではのデスクワークが多く発生します。

そのため、監査部門では未経験者の採用割合がとても高いです。

ただし、ルーティンワーク以外の突発的業務が発生しやすいため、臨機応変さが求められる傾向にあり、就職難易度はやや高いです。

監査トレーニー |就職難易度3

就職の難易度( 3/5 )
資格の難易度
未経験者割合ほぼ全ての監査トレーニーが業界未経験者。
求められる能力地頭(公認会計士試験に合格できるか)・コミュニケーション能力が求められる。
年齢原則20代までだが、30代前半でも採用されるケースがある。

監査トレーニーとは、監査法人で働きながら公認会計士を目指せる制度・ポジションをいいます。

具体的には、監査トレーニーとして採用されると予備校費用・受験料の補助を受けることができ、また監査実務に従事しながら公認会計士を目指せるなど、非常に多くのメリットを得ることができます。

監査トレーニーは、公認会計士受験生なら誰でも応募することができます。

ただし、受験生にとって非常にメリットが大きい制度であることから、特にBIG4の採用倍率はかなり高いです。

監査トレーニーを目指すのであれば、中小監査法人への応募をオススメします。

監査トレーニー制度について、詳しくは次の記事で全てまとめています。

監査アシスタント |就職難易度1

就職の難易度( 1/5 )
資格の難易度
未経験者割合就職するほとんどの監査アシスタントが業界未経験者。
事務作業の経験は多少求められる傾向にある。
求められる能力一般的なレベルのコミュニケーション能力。
年齢一般的な事務職と同様、40代以降になると採用されにくい傾向あり。

未経験者が監査法人に最も転職しやすいポジションが、監査アシスタントです。

監査アシスタントは公認会計士の仕事をサポートする業務であり、事務職です。

そのため、採用倍率・就職難易度はごく一般的な事務職とあまり変わりません。(むしろ、規模で言えば就職しやすいほどです)

また、監査法人は利益率の高いビジネスモデルであることから、年収水準も高いという特徴があります。

ただし、監査アシスタントは他のポジションとは異なり、あくまでアシスタント職です。

自分で監査手続きを考えたり、営業をかけたりといった仕事はありません。

なお、資格は簿記2級まで取得していると就職に有利です。

監査アシスタントについて、詳しくは次の記事で全てまとめています。興味のある方は、どうぞご参考に。

資格なしで監査法人に転職する方法【3選】

未経験・資格なしで監査法人に転職するなら、次の3つのいずれかのポジションに応募しましょう。

資格なしで監査法人に転職する方法【3選】
  • 監査トレーニー(公認会計士受験生向け)
  • 事務職
  • 監査アシスタント

このうち、公認会計士を目指す方は「監査トレーニー」1択です。

監査アシスタントでは監査実務を経験できませんので、ご注意を。

一方、公認会計士を目指しているわけではない方には、「監査アシスタント」をオススメします。

なぜなら、上記の中で最も採用倍率が低いからです。

BIG4監査法人は、未経験者には転職難易度が高い?

BIG4監査法人(大手四大監査法人)は確かに人気ですが、一概に「未経験者にとって転職難易度が高い」とも言い切れません。

なぜなら、採用されるポジションによって難易度が異なるからです。

監査法人未経験者の転職難易度

BIG4監査法人中小監査法人
公認会計士
USCPA
アドバイザリー
事務職
監査トレーニー
監査アシスタント

転職を考えている方は、上記表をご参考ください。

なお念のため補足ですが、BIG4監査法人とは次の大手監査法人4社をいいます。

  • EY新日本有限責任監査法人
  • KPMGあずさ有限責任監査法人
  • 有限責任監査法人トーマツ
  • PwCあらた有限責任監査法人

未経験で監査法人に転職したときの年収【ポジション別】

未経験で監査法人に転職したときの年収(1年目)は、次の通りです。

1年目の年収
公認会計士400~450万円
USCPA350~450万円
事務職250~350万円
監査トレーニー200~300万円
監査アシスタント250~350万円

全て残業代・ボーナス込みの数値です。

監査法人によって給与テーブルは異なりますが、おおよそ上記の範囲に入ります。

また、監査トレーニーには「予備校代の補助」が出るケースが多いため、体感としてはもう少し年収が高いと感じるでしょう。

なお、監査法人では家賃補助などの福利厚生がほぼありません。

未経験者が監査法人を選ぶ際に見るべきポイント

未経験者が監査法人を選ぶ際に見るべきポイントは、次のとおりです。

離職率「働きやすさ」に直結する重要なポイント。
激務な監査法人ほど、離職率が高い。
配属予定チーム配属予定のチームを聞いておくことで、その後のキャリアの方向性が多少分かる。
副業の可否監査法人によっては、副業を禁止している法人もある。
逆に、副業を推奨している監査法人もある。
リモートの可否法人規模が大きいほど、リモートワークは多い傾向。
中小法人では往査が増える傾向にある。
未経験者の有無未経験者が実際に働いているかを確認することで、未経験者への教育体制がある程度分かる。
未経験者がほぼいない場合、避けるのが無難。
女性比率女性の場合は、予め確認すべき項目。
中小監査法人の中には、ほぼ100%男性という法人も存在します。

BIG4はどこも似たようなものですが、中小監査法人は組織によって環境・条件が大きく異なります。

これから監査法人の求人を探す方は、上記の視点を重視して求人情報を見てください。

未経験者が中途採用で監査法人に入社するまでのフロー

中途採用で監査法人に入社するまでのフローは、次のとおりです。


STEP
転職エージェントに登録する

監査法人の求人を多く扱っている転職エージェントに登録します。

なお、既に応募したい監査法人があったとしても、直接応募せずに監査法人経由で応募したほうが良いです。

STEP
面談

転職エージェントに登録すると、担当者から連絡があるため、面談の予約を行います。

対面またはZoomによる面談が主流ですが、電話で面談ができるケースもあります。

面談ではキャリアに関する相談を行い、担当者と一緒にどのような監査法人が自分に合うのか、擦り合わせを行います。

STEP
求人の紹介・応募

キャリア面談が終わると、自分に合った求人が紹介してもらえます。

事前に応募したい監査法人を見繕っていた場合には、申し出ることで求人を紹介してもらえる可能性があります。

※ すでに募集が終了している場合や、そもそも転職エージェントで扱っていない場合には紹介してもらえません。

紹介された求人の中から、職場環境・ワークライフバランス・働き方など、好みの条件で求人をピックアップし応募します。

STEP
面接

監査法人の面接は、通常2回行われます。

BIG4の場合は人事マネージャー等による面接+事業部パートナーによる面接がセットのケースが多いです。

STEP
内定&入社

内定が出ると、転職活動は終了です。


監査法人に強い!おすすめの転職エージェント【比較表】

監査法人を扱っている転職エージェントは計20社以上ありますが、中でも強いのは下記の5社です。

監査法人に強い!おすすめの転職エージェント

スクロールできます
マイナビ
会計士
ヒュープロ
(Hupro)
MS-Japanジャスネット
キャリア
人材ドラフト
マイナビ会計士ヒュープロロゴMS-Japanジャスネットキャリア人材ドラフト
総合評価
( 10/10 )

( 9/10 )

( 8/10 )

( 7/10 )

( 7/10 )
公認会計士
求人数
USCPA
求人数
トレーニー
求人数
アシスタント
求人数
対応エリア・関東 
・近畿 
・愛知県
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得意領域公認会計士・会計事務所
・経理   
・監査法人 
・経理   
・FAS   
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士業全般会計事務所
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利用料金無料無料無料無料無料
公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

まとめると、

  • 公認会計士なら、マイナビ会計士
  • USCPAなら、MS-Japan
  • 監査トレーニー・アシスタント・事務なら、ヒュープロ

がオススメです。

転職エージェントは各社特徴が異なりますから、上記比較表をご参考に、ご自身に合った転職エージェントを活用してください。

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