公認会計士・税理士の藤沼です。
日商簿記3級は、コスパの高い資格として有名です。
10年以上会計業界に身を置く私自身、強く実感しています。
では、具体的にどう活用できるのでしょうか?
今回はそんな簿記3級を使える転職先4選について、詳しく紹介します。
汎用性が高いからこそ、全ての選択肢を知った上で比較すべきです。
内容に自信あり。
ぜひ最後まで読んでください。
この記事で分かること
- 簿記3級を使うなら、「会計事務所」が一番手っ取り早い
- 未経験で経理に転職するなら、簿記2級が必要
- 近年はリモートワークOKの求人が増えてきた
- 転職の際は、必ず転職エージェントを使うべき
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簿記3級を使える転職先「4選」
簿記3級を使える転職先は、全4種あります。
それぞれ解説します。
会計事務所|最も簿記3級を活かしやすく求人数も非常に多い!
会計事務所 | |
---|---|
求人数 | 215件(多) |
年収 | 中 |
専門性 | 高 |
就職難易度 | 易 |
簿記3級の活かしやすさ | 高 |
会計事務所は、「簿記3級取得者」向けの求人数が最も多く、かつ就職難易度も最も低いオススメの職種です。
会計事務所では、簿記の知識をフル活用し、税務のスペシャリストとして働くことができます。
文字通り、会計税務の専門家として経験を積むことができるため、会計・税務への第一歩としてオススメの職種です。
会計事務所は日本国内に2万所以上あるため、自宅から徒歩圏内で通えるケースもあります。
そのため、主婦の方やパートを探している方にも、人気の職種です。
会計事務所での仕事内容について、詳しくは次の記事内で解説しています。
経理|簿記3級を活かしやすいが採用ハードルが高い
経理 | |
---|---|
求人数 | 120件(中) |
年収 | 高 |
専門性 | 高 |
就職難易度 | 中 |
簿記3級の活かしやすさ | 高 |
経理は、会計事務所に次いで求人数が多く、簿記3級を活かしやすい職種の1つです。
経理(一般企業)は組織規模が会計事務所よりも大きいため、人の多い職場で働きたい人にはオススメの職種です。
また、経理は会計事務所よりも残業が少ない傾向にあり、安定した働き方ができる点も魅力の1つです。
ただし、経理は(会計事務所に比べると)やや採用ハードルが高く、簿記2級まで求められるケースが多いです。
経理の仕事内容について、詳しくは次の記事内でわかりやすく解説しています。
税務会計コンサル|おすすめ度は低いがやりがい・年収とも高い
会計コンサル | |
---|---|
求人数 | 21件(少) |
年収 | 高 |
専門性 | 高 |
就職難易度 | 難 |
簿記3級の活かしやすさ | 低 |
税務会計コンサルは、正直あまりオススメの職種ではありません。
というのも、簿記3級を使って転職するのが難しく、仕事の難易度もかなり高いからです。
私は会計コンサル会社で働いていましたが、周囲は公認会計士・税理士がほとんどでした。
コンサル(人にアドバイスする)という仕事ですから、高い専門知識・経験が求められるのです。
特殊な経験・関連性のある経験がある方はチャレンジしても良いですが、それ以外の方にはあまりオススメしません。
監査法人
監査アシスタント | |
---|---|
求人数 | 7件(少) |
年収 | 高 |
専門性 | 中 |
就職難易度 | 中 |
簿記3級の活かしやすさ | 高 |
あまり知られていませんが、監査法人は超穴場でオススメです。
監査法人は、主に公認会計士で組成された組織であり、企業の会計監査を行います。
監査法人で働けるのは基本、公認会計士に限られますが、実は無資格者にも入る余地があります。
それが監査アシスタントというポジションです。
監査アシスタントは近年創設されたポジションであり、待遇が非常に良いにもかかわらず、知名度がさほど高くありません。
求められる業務内容もさほど難易度の高いものではなく、未経験者向けの求人が大半です。
監査アシスタントの仕事内容・メリット等について、詳しくは次の記事内で解説しています。
実務経験なしでも簿記3級を活かせる転職先【3選】
実務経験なしでも簿記3級を活かせるのは、次の職種です。
いずれもオススメの職種ですが、最も選択肢が多いのは「会計事務所」です。
会計事務所は、未経験者向けの求人数が多く、売り手市場ということもあり就職難易度も低くオススメです。
また、会計事務所には働きながら税理士を目指せるという大きなメリットがあり、その後大きくキャリアアップできる可能性を秘めています。
現に、会計事務所で働きながら税理士資格を取得し、独立開業される方はとても多いです。
独立を視野に入れられる職種は、会計事務所だけでしょう。
ただし1つ気を付けなければならないのが、ブラックな会計事務所の存在です。
会計事務所は組織規模が小さいため、所長によるパワハラが発生するケースが散見されます。
テキトーに事務所を選ぶと、このようなハズレの事務所に入社してしまう危険性があります。(私自身の経験談でもありますが…)
くれぐれもご注意を。
簿記3級・在宅OKの仕事はどのくらいある?
簿記3級取得者向けの求人のうち、「在宅OK」の求人を抽出し集計してみました。
在宅OK | 在宅不可 | 全体 | |
---|---|---|---|
会計事務所 | 85件 | 130件 | 215件 |
経理 | 44件 | 76件 | 120件 |
コンサル | 4件 | 17件 | 21件 |
監査法人 | 5件 | 2件 | 7件 |
上記のとおり、会計事務所・経理・監査法人では、在宅ワークを認めるケースがとても多いです。
特に、近年では「電子帳簿保存法」がスタートしたことから、紙の書類を保存する必要がなくなり、会社に出勤する必要性が低下してきました。
もちろん全ての会社で在宅ワークが認められるわけではありませんが、会計税務業界は、在宅ワークを認めやすい傾向にあります。
簿記3級を使って転職すると給料はいくらになる?
簿記3級を使って転職した場合の給料は、次のとおりです。
職種 | 地域 | 未経験OK | 経験者のみ |
---|---|---|---|
会計事務所 | 東京 | 429万円 | 555万円 |
その他 | 432万円 | 480万円 | |
全体 | 431万円 | 515万円 | |
経理 | 東京 | 431万円 | 553万円 |
その他 | 398万円 | 497万円 | |
全体 | 419万円 | 535万円 | |
コンサル | 東京 | 540万円 | 636万円 |
その他 | 388万円 | 534万円 | |
全体 | 438万円 | 591万円 | |
監査法人 | 東京 | 435万円 | 590万円 |
その他 | – | – | |
全体 | 435万円 | 590万円 |
地域・経験値によって給与水準が異なるため、上記のように細分化して集計しました。
経験値の有無によって、年収が大きく変わることが分かります。
裏を返せば、会計業界はとにかく経験さえ積めば年収を上げることのできる業界なのです。
なお、実務経験年数として求められやすい年数は「3年」です。
まずは簿記3級を使ってハードルの低い職場に転職し、3年経験を積んだら転職する、というのが最も効率よく年収を上げることのできる戦略です。
簿記3級を取っても意味ないの?→正しくもあり間違いでもある
極論ですが、たまに「簿記3級を取っても意味ないのでは?」という方がいます。
これは一方で正しく、一方で間違っています。
正確には、簿記3級は会計税務への転職なら意味があるけど、会計税務以外の転職では意味がないのです。
先述した4つの職種への転職・就職では、間違いなく簿記3級が有利に働きます。
私自身も会計事務所を経営していますが、簿記3級を持っている人と持っていない人が応募してきた場合、(他が全くの同条件であれば)簿記3級を持っている人を評価します。
一方、簿記3級で学習するのは「企業会計」に関する専門知識ですから、会計・税務とは関連のない職種ではスキルを活用するシチュエーションがありません。
そのため、会計税務以外の職種への転職では、簿記3級はまったく意味を成しません。
資格は単に取得すれば良いものではなく、目的意識をもって取得すべきです。
簿記3級を取れば40代でも就職できますか?
簿記3級を取れば、40代でも就職することは可能です。
ただし、職種・地域・実務経験の有無によって難易度が異なります。
実務経験があれば、もはや簿記3級というよりも今までの経験を使って転職することができます。
一方、実務経験がない場合は難易度がグッと上がります。
経理ならほぼ不可能という水準ですが、会計事務所なら可能性はあります。
また、簿記2級・簿記1級を取得すれば転職しやすくなるか?というとこれも微妙です。
会計税務業界では「実務経験」がモノを言いますので、未経験・40代の時点で弾かれる可能性が非常に高いです。
もし40代未経験で経理などのポジションを狙うのであれば、まずは入所しやすい会計事務所で経験を積み、その後経理に転職するというルートがおすすめです。
簿記3級を使った転職に関するよくある疑問
その他、簿記3級を活かせる仕事に関するよくある疑問をまとめました。
簿記3級はどのように活かすことができますか?
簿記3級は、会計系・税務系の業務に活かすことができます。
また、簿記3級は「簿記」の入門的な資格であり、簿記2級・簿記1級への入り口になります。
難易度は低いため、会計・税務系で専門性を磨きたい方がまず取り組むのが、この簿記3級資格です。
簿記三級はどのような仕事に役立ちますか?
簿記三級は、「仕訳の起票」「決算書の作成」といった仕事に役立てることができます。
そのため、「会計事務所」「経理」への就職・転職に役立ちます。
簿記を取ったらどういう職業につける?
簿記を取ると、会計・税務系の職業につけます。
具体的には、「会計事務所」「経理」「会計コンサル」「監査法人」です。
簿記3級で経理はできますか?
はい、可能です。
ただし、簿記3級では簿記の基礎しか学習しないため、経理実務の中で知識を吸収する必要があります。
また、大会社・上場会社の経理では簿記2級以上の資格を応募時の必須項目とするケースが多いです。
経理事務はしんどいですか?
未経験者の場合、しんどいと感じるケースがあります。
なぜなら、経理は専門性の高い職種であり、初めは慣れるまでに時間がかかるからです。
簿記3級の合格に必要な勉強時間は?
簿記3級の合格に必要な勉強時間は、100時間前後と言われます。
1日3時間の勉強を3ヶ月継続することで、取得できる計算です。
簿記3級は難易度の低い資格と言われるものの、相当程度の勉強時間をかけなければ、合格することはできません。
簿記3級で転職するのは厳しいですか?
職種によります。
会計事務所なら難易度は低いですが、経理になると難易度が高いです。
簿記3級をフル活用したい人におすすめの転職エージェント
ヒュープロ (Hupro) | MS-Japan | レックスアドバイザーズ | 人材ドラフト | ジャスネット キャリア | |
---|---|---|---|---|---|
総合評価 | ( 10/10 ) | ( 9/10 ) | ( 8/10 ) | ( 7/10 ) | ( 6/10 ) |
求人数 | |||||
対象年代 | 20代~50代 | 20代~50代 | 20代~30代 | 20代~50代 | 20代~30代 |
設立 | 2015年 | 1990年 | 2002年 | 2000年 | 1996年 |
資本金 | 2億2740万円 | 5億8600万円 | 6000万円 | 3400万円 | 3800万円 |
得意領域 | 経理 会計事務所 監査法人 | 経理 会計事務所 | 士業向け | 会計事務所 | 士業向け |
特徴 | 求人数No.1 | 管理部門に強い | 士業に強い | ややマイナー | 士業向け |
評判・口コミ | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる | 評判をみる |
利用料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
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簿記3級取得者なら、ヒュープロ1択です。
なぜならヒュープロは、会計税務に完全特化した大手エージェントであり、会計事務所・経理の求人数がNo.1だからです。
簿記3級を活かして転職するには、会計業界特有の専門知識が必要です。
ぜひ会計税務に強い転職エージェントを活用し、効率的に情報収集してください。
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