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フリーランス歴8年目の公認会計士のリアル【年商推移も公開】

公認会計士の藤沼です。

2019年に一人で独立し、現在フリーランス歴8年目に突入しました。

法人化したり業務委託で同僚会計士・税理士と協業していたりしますが、法律上もフリーランスだそうです。

EYで4年半働いて会計事務所に転職しましたが、「あ、俺って会社員に向いてないんだ!」と気付き、半年で辞めて独立しました。

当初は長続きしないと思っていました。なぜこんなに続いたかというと、控えめに言って最高な働き方だからです。

私が独立した当初は、まだフリーランス会計士なんてほとんど見かけませんでした。

でも、私がこのブログで発信をし始めてから現在に至るまでに、だいぶフリーランス会計士が増えてきたと実感しています。

皆さんも徐々にフリーランス会計士の魅力に気付き始めたのでしょう。

別に正社員を辞めろとまでは言いませんが、転職以外の選択肢の1つに加えても良い程度にはメリットが大きいです。

この記事の執筆者
藤沼 寛夫

公認会計士・税理士

藤沼 寛夫›

藤沼会計事務所 所長
アカウントエージェント株式会社 代表取締役

2013年に公認会計士論文式試験に合格し、2014年にEY新日本有限責任監査法人に入所。上場会社・学校法人・上場準備会社の会計監査業務に従事し、2018年に東京共同会計事務所に転職。広くFASに関与し、2019年に藤沼会計事務所を独立開業。翌2020年にはアカウントエージェント株式会社を設立し、会計税務コンサルティング及び会計税務に関する転職支援サービスを提供している。

目次

フリーランス歴8年目の公認会計士のリアル

まず簡単に私の経歴を紹介します。

筆者の経歴
  • 2014年2月:EY新日本有限責任監査法人 入所
  • 2018年7月:東京共同会計事務所 入所
  • 2019年2月:藤沼会計事務所 開業
  • 2020年10月:アカウントエージェント株式会社 設立

そして現在に至る。(独立8年目)

法人化はノリです。

節税額の計算など細かいことはせず、「せっかく独立したんだから自分の会社作りたいな」と思って法人設立しました。

筆者の売上推移(途中まで公開)

40万円
850万円
1,600万円
2,000万円
4,900万円
7,100万円

1年目

2年目

3年目

4年目

5年目

6年目

皆さんが一番気になるであろう「売上」を公開します。

以前この記事では4年目くらいまで公開していましたが、6年目まで公開することにしました。

筆者の売上推移
  • 1年目:年商40万円
  • 2年目:年商850万円
  • 3年目:年商1,600万円
  • 4年目:年商2,000万円
  • 5年目:年商4,900万円
  • 6年目:年商7,100万円
  • 7年目:非公開
  • 8年目:非公開

7年目以降は伏せます。推移からご想像ください。

1年目は非常勤にも手を出さず、ひたすら戦略を練る1年でした。今振り返ってみても、この時期の経験がその後の成長に大きく役立ったと感じます。(ただし、少ない貯金を切り崩す毎日だったので精神的ストレスはヤバかった。)

それから我々のビジネスモデルの構造上、余剰資金がめちゃめちゃ貯まるので法人でも証券投資を行っていますが、その収益は上記に含まれていません。

筆者のような凡人でも、一人で年商1億程度なら達成できることは分かりました。
(業務委託で仕事を手伝ってもらっている会計士がいますので、経費もかかっています。)

1年目にやったこと

1年目は、自分がこれから戦う領域の選定をしました。

最初にやった選定
  • 自分が好きなこと
  • 自分がやってみたい(興味がある)こと
  • 自分が得意なこと

まずは上記をひたすらリストアップしました。

筆者の特性として、好きなことしかできないという特性があります。このため、まずは自分が好きなことを最優先にしました。

また、好きなことだけでは領域の選定が狭まる恐れがあるため、興味があること・得意なことも含めました。

そしてこれら全ての条件を満たす事業が、私が実行してハイパフォーマンスを得られる事業です。

私の場合は自分が好きなことしかできない性格のため、市場分析の前にこうしたプロセスを入れました。
同じような性格の方は、真似してみると良いかもしれません。

ここまで来たら、あとは市場分析&スモールスタート&PDCAを回すだけです。

このPDCAを回し始める段階で悩む方が多い気がします。私から言えることは「とりあえずやってみろ」です。動かなければ何も始まりません。

独立された会計士の方でお悩みの方は、お問い合わせ頂ければご相談に乗ることも可能です。(もちろんお金は頂きません)

と、こんな感じの作業を基本毎日繰り返します。

筆者の場合、主軸が決まったのは1年以上経ってからでした。

ちなみに、こうした経営的思考をする日と、目の前にある仕事をこなす日は、それぞれ別日にしていました。両方を同じ日にやると仕事が進んだ気がせず、また脳の消費が激しいと感じました。

どんな働き方なのか?

基本、平日・土日祝日問わず毎日仕事をしています。といっても1日8時間くらいしか働きません。

疲れたら休みますが、基本休みません。平均すると週に50~55時間くらいの労働時間だと思います。

会社員で「週50~55時間」はかなり疲れると思いますが、フリーランスになると疲れません。
自分が好きなことを誰にも指示されずにやるので、ストレスゼロで働くことができます。

会計士はPCさえあればどこでも仕事ができますから、私の場合はオフィスに行かずカフェで仕事をすることが多いです。

たまたま一緒に仕事をしている会計士が近くに住んでいるので、たまに会ってスタバで飲みながら打ち合わせしたり、MTGのつもりがゲームやスポーツの話になっていたりなど…オンとオフの境界線はあまり無いです。

2年目後半になると主軸が固まり、ある程度の時給が出せるようになったため、単価の安い仕事を断り始めました。

現在は、知的好奇心でやりたい仕事をやったり、受ける余裕のない仕事は知人に回したりと、自由さしか感じません。

筆者の1日のスケジュール

フリーランス会計士(筆者)の1日のスケジュール

筆者の1日のスケジュールは、上図のような感じです。

毎日がこのルーティンです。平日・土日・祝日問わず、(イベント事がない限り)このスケジュールで動きます。

筆者は東京都日本橋にオフィスを構えていますが、基本、オフィスには行かず自宅近くのカフェで仕事をしています。気分転換で月に1~2回オフィスに行って仕事をします。

銀行や役所に行く必要がある場合は、13時~15時の間に行くようにしています。個人的に買い物に出かけたい時も、平日の日中に行きます。

「仕事の日」と「休みの日」を分けていないので、個人的にやりたいことがあれば仕事の時間を削ります。

誰に監視されるわけでもないので、なんでもありです。

独立したての頃は遊ぶ暇もありませんでしたが、ここ5年くらいはこんな感じの毎日です。

公認会計士がフリーランスになった際の年収

「フリーランスになっても稼げるのか?」

これが皆さんの一番の関心事でしょう。

アカウントエージェント株式会社が実施した「独立開業した公認会計士へのアンケート調査」によれば、独立1年目の会計士の年収分布は以下のとおりです。(n=48)

Q4. 独立1年目の年収(税引前の所得)はいくらでしたか

年収選択者数割合
300万円未満510%
300~500万円817%
500~700万円1327%
700~1,000万円1123%
1,000~1,500万円715%
1,500~2,000万円48%
2,000~3,000万円00%
3,000万円以上00%
(全体)48100%
出典:独立開業した公認会計士へのアンケート調査

平均すると、独立1年目の年収は約767万円です。

上位層(1,000万円以上/全体の23%)が平均を押し上げているとはいえ、平均年収はかなり高め。

非常勤という大きな収入源が、この水準を達成できているものと考えられます。

収入のベースは非常勤|時給8,000円以上が全体の約45%

稼ぎに自信のある方でない限り、初めのうちは監査法人での非常勤をするのがベストプラクティスかと思います。

監査法人での非常勤の時給は、平均8,200円です。(n=53のアンケート調査結果)

Q8. 非常勤としての時給単価はいくらですか?

時給選択者数割合
4,000円未満24%
4,000~6,000円917%
6,000~8,000円1834%
8,000円~10,000円1426%
10,000円~15,000円815%
15,000円以上24%
(全体)53100%
出典:監査法人の非常勤に関するアンケート調査

たとえば、時給8,200円 × 1日8時間 × 年間100日働いた場合、それだけで年収は650万円を超えます。

もちろん、この単価を上回る案件を持っている方や、もっと大きな構想のある方は非常勤の日数をもっと減らすべきでしょう。

いずれにせよ、セーフティラインとしてこの水準の年収が保証されているのは大きいです。

本業として多いのは税理士業務と財務DDなどのアドバイザリー業務

非常勤以外に本業を持つ方は、以下の2種類の業務で回す方が多いです。

フリーランス会計士の個別案件2種
  • 税理士業務(一般税務)
  • 財務DD

税理士業務(一般税務)

税理士資格を取得し、税理士業務(一般税務)をする会計士は多いです。

以下は、一般税務での報酬相場表です。

税理士業務(一般税務)の報酬相場

スクロールできます
クライアントの年商顧問料(月)決算時年間合計
〜1,000万円2.0万円10〜15万円34〜39万円
1,000万〜3,000万円2.5〜3.0万円15〜20万円45~56万円
3,000万〜5,000万円3.0〜3.5万円20〜25万円56~67万円
5,000万〜1億円4.0〜5.0万円25〜35万円73~95万円
アカウントエージェント株式会社による独自調査

税理士業務については、以前は単価が安いため敢えて公認会計士が手を出すべき領域ではない、といった風潮もありました。

しかし、最近はAIを活用した確定申告が非常に効率的になってきており、AI活用を前提として多くの顧問先を獲得するという手法も選択肢に入っています。

財務DD

財務DDについては、タイムチャージ方式が一般的です。

若手会計士であっても時給単価は2万円が相場であり、マネージャーレベルであれば時給3~5万円が相場です。

また、プロジェクト単位(譲渡価額ベース)での報酬と納期の目安は、以下のとおりです。

財務DDの報酬相場

譲渡価額報酬納期(目安)
〜5,000万円30万〜60万円2週間
5,000万〜1億円50万〜100万円2~3週間
1億〜3億円100万〜200万円3~4週間
3億〜10億円200万〜4週間~
アカウントエージェント株式会社による独自調査

財務DDについてもAIの活用が非常に効く領域のため、今後はより一層コストパフォーマンスを高めることができるものと予想しています。

1年目で年商1,000万円を達成するために必要な稼働イメージ

非常勤と本業の配分は人それぞれの好みになりますが、例えば以下のような配分でちょうど年商1,000万を達成できるイメージです。

年商1,000万円の業務配分イメージ
  • 非常勤:512万円…時給8,000円 × 80日 × 1日8時間
  • 本業 :488万円…(月3万円 × 12ヶ月 + 決算25万円) × 8社

1年目の非常勤は、年間80日~100日程度が適正であると感じます。

非常勤+本業で稼ぐのであれば、120日は結構キツい印象です。

なお、非常勤だけで稼ぐのであれば、年間160日働くだけで達成できます。(=週3日勤務)

また、本業のほうは税理士業務で稼ぐモデルを例にしました。

年商5,000万規模の法人クライアントを1社あたり月3万円(決算25万円)で8社顧問すれば、ちょうど年間488万円の収入になり、これで合計1,000万円の年商です。

このプランは、かなり余裕をもって達成できる水準です。

まだ稼働にも余裕があるため、合間で財務DDなどのアドバイザリー業務を入れることでさらに稼げます。

ちなみに、財務DDなどのアドバイザリーで年間数百万稼げるようになったら、法人化されることをオススメします。
役員社宅の活用による節税+少額役員報酬による社保削減になり、法人化した方がメリットが大きくなります。

1年目は自分自身の適性を確認する必要があるため、個人的には、色々な領域にチャレンジされることをオススメします。

公認会計士がフリーランスになって案件を獲得する5つの手法

フリーランスの公認会計士が案件を獲得する方法は、次のとおりです。

このうち、私が最短で効果を感じた(そして直接売上に繋がった)のは、「監査法人の非常勤」でした。

もちろん非常勤それ自体も稼げますが、その監査法人内で仕事を紹介されるケースがとても多かったからです。

以下、それぞれ解説します。

前職からの紹介|1年目の王道パターン!その後は口コミを増やすべし

開業直後は、前職(経理、会計事務所やコンサル会社)から仕事を紹介してもらうケースがあります。

紹介での仕事には、以下のようなメリットがあります。

紹介での仕事のメリット
  • その業界の需要やサービスのレベル感が把握できる
  • その分野への自身の適性が分かる
  • 信頼を得ることで口コミが広がる可能性がある
  • 丸投げにはなりづらいため、安心感がある

プロジェクト単位での依頼が大半ですので、紹介だけに頼り続けることはできません。

そのため、紹介での仕事それ自体で稼ぐというよりも、「その後どのように自分の仕事を展開していくか」その判断材料として使うという思考が大切です。

もちろん、貰った仕事に全力で打ち込むことで信頼を積み上げ、別の仕事を貰うケースもあります。しかし、それだけでは周囲の環境に依存することになるため、紹介された仕事をどう自らの血肉にするかという能動的な思考が大切です。

税理士会(支部)から紹介してもらう|安定収入にはなるがバランスも大切

公認会計士業界とは違い、税理士業界では横の繋がりが強いです。

そのため、税理士登録すると所属の支部会から仕事を紹介されたり、その他税理士たちとの勉強会・懇親会・部活動などコミュニケーションの機会が多くあります。(参加は自由)

筆者自身も定期的に顧問先を紹介されますし、知人会計士も最近はまとめて20社ほどの顧問先を紹介されていました。

税理士会に所属すると分かりますが、高齢の税理士が非常に多いです。
そこで事業承継的に顧客を紹介される、という特殊ルートがあります。

「一般税務は儲からない」という風潮もありますが、AIのテクノロジーが進化してきた昨今、大量の顧客を一人で受注して捌くという新たなビジネスモデルもできつつあり、選択肢の1つに入れた方が良いです。

なお、税理士登録には登録費用として15万円以上かかるほか、年会費も年間10万円~15万円ほどかかります。

開業したての会計士には負担になるため、所属地域の税理士から話を聞いてみるなど、リサーチから始めてみるのも良いかもしれません。

セミナーを開いて認知度・信用度を高める|意外と敷居は低いがコスパを考える必要あり

セミナーを開くことで認知度を向上させると共に、直接クライアントを獲得するという方法もあります。

たとえば経理実務の学校というサイトでは、常にセミナー講師を募集しています。

講義内容は自由に指定でき、得意かつ需要のあるジャンルで講義を行います。

セミナー講師はそれ自体で稼ぐというよりも、認知度・信用度の向上が目的です。

自身の専門分野・得意領域が決まったら、その分野でセミナー講師を担当すると、当該分野での認知度・信用度だけを高めることができるため効率的です。

また、そのセミナーに来る方はその分野に興味のある方々ですから、受講生から直接クライアントを獲得することもあります。

なお、資料作成など講義の準備はすべて自分で行う必要があるため、結構手間がかかります。

ホームページを作成して集客する|現在は素人でもそれなりのサイトが作れる

効果は高くありませんが、ホームページを作るのはおすすめです。

今は誰でもAIでサクッと自社サイトが作れますから、絶対にやった方が良いです。名刺にも書けますしね。

ホームページ経由でのお問い合わせを狙う手法には、2つのパターンがあります。

ホームページ経由でのお問い合わせを狙う手法2パターン
  • SEO集客(自然検索流入を狙う方法)
  • リスティング集客(検索広告での流入を狙う方法)

ホームページを作っただけでもGoogle検索には載りますが、より検索上位を獲得し流入を増やすためには、SEOという知識が必要になります。

SEOを理解するには多くの時間が必要であり、また期間もそれなりに必要です。(なお、現在はGoogle検索を使わずAIで調べる方が増えているため、今からSEOを学習するのは非効率です。)

一方、リスティング広告による集客は即効性があります。広告費を支払うことで露出が増え、いくらかお問い合わせに繋がります。

ただし、リスティング広告では予算効率を考える必要があるため、広告費が売上を上回り、赤字となるリスクがあります。

私はこの辺りの知見に強いので、もし知りたい方はご連絡ください。
お互いにメリットのある形で情報交換しましょう。(お問い合わせ)

監査法人で非常勤として働く|人脈形成・仕事紹介など収入以外の利点が多い

フリーランスになるなら、非常勤は必須だと思います。

もちろん非常勤自体が稼げますが、そこで得られる人脈やコミュニティは、その後の会計士人生にとって大きく役立つことになります。

特に中小監査法人には、本業で会計事務所を経営している会計士が働いているケースが多く、互いに仕事を紹介し合うことがあります。

筆者自身も、顧問とタイムチャージの仕事を紹介してもらったことがあります。

非常勤は時間が拘束される反面、高い報酬と人脈が得られる良いツールです。

また余談ですが、最近は私の事務所でも抱えきれないほどの数で案件を依頼されており、主に監査/AUPのお仕事ができる方を探しています。

手数料などは取らず案件を無償でお渡ししていますので、興味ある方はお問い合わせください。

公認会計士がフリーランスになるメリット

公認会計士がフリーランスになるメリットは、主に次の5つです。

一言でいえば、ストレスゼロで稼げるようになりました。

以下、それぞれ詳しく解説します。

人間関係でのストレスがなくなる|最強・最大のメリット

私がフリーランスになって一番強く感じたメリットが、人間関係でのストレスがゼロになったことです。

組織に所属しないため、上下関係はありません。誰から何を言われることもなく、全て自分で自由に決める事ができます。

これは私1人の感覚ではなく、アカウントエージェント株式会社の実施した「独立開業した公認会計士へのアンケート調査」においても同様の傾向を示していることが分かります。

Q10. 勤務していた時期と比べて、仕事のストレスは変わりましたか?

選択者数割合
大幅に減った1838%
減った1633%
ほとんど変わらない817%
増えた510%
大幅に増えた12%
(全体)48100%
出典:独立開業した公認会計士へのアンケート調査

よく人間関係で悩んで転職される方がいますが、人間関係でのストレスをゼロにするなら組織を辞めるのが一番です。

筆者がフリーランスになった理由も、この人間関係での悩みでした。

また、ストレスが消えることで全てが好転するため、公私ともにパフォーマンスが向上しました。

ちなみに、ストレスがゼロになった弊害として「銭湯に行って汗をかく」「お酒を飲む」などのストレス解消行動をしても爽快感を感じなくなりました。
初めのうちは、なぜだろう?と不思議に思っていましたが、すぐ理由に気付きました。解消する対象となる「ストレス」が無いのです。
人間、少しはストレスを感じた方が人生楽しいのかもしれません。

受ける仕事を自分で自由に選べる|合わなければ断れば良い

フリーランスになると、受けたい仕事はすべて自分で自由に選べます。

組織にいた頃は、担当するクライアントも業務内容も上から降ってきました。相性が悪くても、採算が合わなくても、決まった以上は最後までやり切るしかありません。

フリーランスになると、依頼が来た時点でそれを受けるか自分で判断します。私の場合、次のような案件はお断りしています。

筆者が受けないことにしている仕事
  • 作業量に対して報酬が見合わないもの
  • 連絡が中々取れず、こちらの進行が止まるもの
  • 専門外で、他の会計士・税理士が対応したほうが品質の高いもの
  • 高圧的な態度を取られるもの

契約後であっても、更新のタイミングで契約を終了できます。

会社員のときは我慢するしかなかった相手と、これからも付き合い続ける必要はありません。

ただし、フリーランスになった直後から仕事を選べるわけではありません。

1年目は依頼そのものが少ないことは勿論のこと、色々と経験した方がその後のキャリアの方向性を決める一助になるため、最初は多少ストレスを感じても挑戦してみた方が良いと思います。

筆者の場合は、2年目の後半~3年目に差し掛かる辺りから、依頼を断るようになりました。

自分の方向性が決まったら、選択と集中により専門性を高め、どんどんサービスの質を尖らせていくと良いです。

やりたくない業務を削るほど、稼ぐ効率が上がっていく仕組みです。

時間に拘束されないため自由に休んで自由に働ける

フリーランスになると、時間を全て自分でコントロールできます。

その結果、次のようなメリットが得られました。

時間をコントロールできるようになった結果
  • いつでも休める
  • 平日、昼まで寝れる
  • 平日、夜更かしできる
  • 平日、役所・銀行に行ける
  • 平日、遊びに出かけられる
  • パジャマで仕事ができる
  • どこでも仕事ができる
  • 昼食後、すぐに歯磨きできる
  • 移動時間が減る

時間的拘束がなく、好きな時に好きなことができるため、仕事のパフォーマンスが上がります。

そして、家族との時間も増えます。

QOLは極めて良好になりました。

正社員時代よりも稼げるようになる

先述のとおり、フリーランスの会計士には「非常勤」という大きな武器があります。

この収入だけで、正社員時代より稼げます。

時給10,000円で1日8時間働いた際の年収は、以下のとおりです。

勤務日数年収
60日480万円
80日640万円
100日800万円
120日960万円
160日1,280万円
200日1,600万円

これが残業ほぼなしで達成でき、空き時間での本業の稼ぎも追加されます。

感覚的には、年収2,000万円くらいまでは誰でもすぐに達成できるかと思います。

なお、監査法人1社で200日勤務することは難しいため、多くの日数を非常勤で稼ぎたい場合には監査法人の掛け持ちの必要性が出てきます。

とにかく何でもアリ|副業も投資も法人化もすべて自分の自由意志でできる

フリーランスになると、もはや何でもアリです。

副業も投資も法人化も、誰にも制限されません。自分が力を入れたいことに集中できます。

新しいアイデアを思い付いたら、すぐ自分で試すことができます。試してみて「ちょっと違うな」と感じたら、すぐ辞めれば良いだけです。

誰かに承認を得る必要もなければ、失敗して誰かに謝る必要もありません。

身軽になって何にでもチャレンジできるというのが、フリーランスの醍醐味です。

一度きりの人生ですから、一度、やりたいことを思いっきりやってみても良いと思います。

合わなかったら、会社員に戻れば良いだけです。

公認会計士がフリーランスになるデメリット

公認会計士がフリーランスになるメリットは非常に多いです。

しかし、デメリットもあります。

以下、それぞれ解説します。

人との交流が減る|能動的に人脈を広げた方が良い

メリットの裏返しですが、フリーランスになると仕事上での人との関係が浅くなるため、交流の機会が減ります。

これにより、以下のようなデメリットが生じます。

人との交流が減ることによるデメリット(例)
  • 横のつながりがなくなることで、業界情報の収集機会が減る
  • 会話の機会が減るため、コミュニケーション能力が落ちる
  • 孤独を感じやすくなる

BIG4のような巨大組織にいると、会計・監査業界の情報は待っていても自動的に耳に入ってきます。

しかし、フリーランスになると全ての情報を自ら能動的に取得しに行く必要が出てきます。

また、シンプルに人と接する機会が減るため、コミュニケーション能力が落ちます。(筆者も1年目でこれを強く感じました。)

そして、会社員ではなくなるため孤独を感じる機会が増えます。

フリーランスになると会社員とは視点がかなり変わるため、会社員時代の知人とも少しずつ話が合わなくなります。

このデメリットを解消するためには、同じような境遇の仲間を積極的に増やすことが必要になります。

その意味でも、監査法人での非常勤は良い人脈形成の場になっていました。

1年目は本業の収入が安定しづらい

非常勤というアドバンテージがある会計士ですが、本業の方は自ら顧客を獲得する必要があるため、初めのうちは収入が安定しづらいというデメリットがあります。

ただ、筆者のように完全ノープランで独立しても2年目から安定し始めたので、皆さん遅くとも2年目くらいには本業が安定し始めると思います。

一方で、非常勤だけで稼ぐプランであれば、1年目からかなり安定して稼げます。

現在はフリーランスとしての働き方もだいぶ一般化してきており、監査法人の非常勤をずっと続けるという選択肢もあります。

ただし、非常勤だけをやり続けることにはリスクがありますから、きちんと対策しておく必要があります。

社会保険・年金が全額自己負担になる|任意継続か会計法人の設立で解決

監査法人と非常勤契約をした場合であっても、社会保険は加入できず、国民年金・健康保険に加入する必要が出てきます。

ご存じのとおり、独立開業直後の国民年金・健康保険料は負担が重くなりやすいです。(前年度の所得計算に基づくため)

しかし、この点は2つの解決策があります。

社保負担の解決策
  • 会社員時代の社会保険を任意継続する
  • 会計法人を設立する

1つ目は、任意継続です。

会社を辞めてから2年間の間は、手続きを経ることで、会社員時代の社会保険を任意継続できます。

保険料は会社負担分も含めて全額自己負担になりますが、保険料の計算に使う標準報酬月額には上限があるため、(公認会計士の場合は)これで健康保険料の負担を軽くできるケースが大半です。

2つ目は、会計法人の設立です。

一般にはマイクロ法人とも呼ばれますが、法人を設立してそこで記帳代行・アドバイザリーなどを受注し、役員報酬の額を引き下げることで社会保険料を小さくすることができます。

法人設立は他にもかなりメリットがあるため、個人的には、年収800万辺りから法人設立しても良いと感じています。

この辺りのノウハウはかなり持ち合わせていますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
会計士仲間として情報交換しましょう。

賃貸物件の審査に落ちる可能性がある|引っ越すなら独立前がおすすめ

フリーランスになると、賃貸物件の審査に落ちる可能性があります。

オーナーや不動産会社の方針にも依りますが、フリーランスの場合は直近の決算書提出を求められる場合があり、独立直後はこれが提出できません。

もちろん提出不要なケースも多くありますが、引っ越しをするのであれば、会社員の時点で済ませておくと安心です。

運動不足になりやすい|時間的な余裕を利用して散歩&ジムで解消する

フリーランスになると、監査以外で外に出る機会が減り、運動不足になりやすいです。

この点、フリーランスになると時間的な余裕が増えるため、スキマ時間に散歩をしたりジムに行くことで解消できます。

私の場合は、24時間営業のフィットネスジムに加入し、仕事の合間に30分ほど運動して気分転換&運動不足解消をしています。

また、昇降デスクを購入し、家でも座りっぱなしになる時間を減らしています。

【比較表】監査法人の非常勤に強いエージェント3選

監査法人の非常勤求人を多く扱うエージェントは、以下の3社です。

スクロールできます
レックスアドバイザーズマイナビ転職会計士CPASSキャリア
レックスアドバイザーズマイナビ転職会計士CPASSキャリア
総合評価 ※1
4.50 / 5.00

4.51 / 5.00

3.91 / 5.00
求人数 ※2多やや多めやや多め
得意領域公認会計士/監査法人公認会計士公認会計士/USCPA
強み求人数が多い公認会計士特化–
対象年齢20代~50代20代~40代20代~50代
対象エリア全国全国全国
利用料金無料無料無料
評判・口コミ評判・口コミ >評判・口コミ >評判・口コミ >
公式サイト公式HP公式HP公式HP

非常勤は、時給単価が命と言っても過言ではありません。

レックス+マイナビの2社を利用しておけば、現時点での非常勤求人はほぼ網羅できるでしょう。

この記事の監修者
中野 貴章

公認会計士・税理士

中野 貴章›

中野貴章公認会計士・税理士事務所 代表

2016年京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。翌2017年にあずさ監査法人に入所。2023年に株式会社ユナイテッドアドバイザリー・監査法人ユナイテッドグループに入社し、PEファンドの買収対象会社のPMI業務(税務会計から制度会計への移管業務等)や、ファンド関連の監査業務等を担当。その後税理士法人松井会計での業務委託経験等を経てフリーランスの公認会計士・税理士として独立開業し、現在に至る。

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