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公認会計士が非常勤をずっと続けるコツとリスクを解説【独立8年目の会計士が解説】

公認会計士・税理士の藤沼です。

フリーランス会計士にとって、非常勤はかなり稼げます。

可能なことなら、ずっと続けたい!と思っている方も多いはずです。正社員よりも楽に稼げますからね。

一方で、非常勤をいつまで続けられるのか?という問題があります。

結論、非常勤に年齢制限のようなものはありません。むしろ実務経験が評価される業界であり、60歳を超えて非常勤として働いている会計士もいます。

ただし、リスクはありますし、続けるためのコツも少しあります。

本記事では、非常勤をずっと続けたい会計士向けに、筆者の経験談も交えながら解説します。

この記事の執筆者
藤沼 寛夫

公認会計士・税理士

藤沼 寛夫›

藤沼会計事務所 所長
アカウントエージェント株式会社 代表取締役

2013年に公認会計士論文式試験に合格し、2014年にEY新日本有限責任監査法人に入所。上場会社・学校法人・上場準備会社の会計監査業務に従事し、2018年に東京共同会計事務所に転職。広くFASに関与し、2019年に藤沼会計事務所を独立開業。翌2020年にはアカウントエージェント株式会社を設立し、会計税務コンサルティング及び会計税務に関する転職支援サービスを提供している。

目次

公認会計士が非常勤をずっと続けるためのコツ

公認会計士が非常勤をずっと続けるためのコツは、次のとおりです。

公認会計士が非常勤を「ずっと続ける」ためのコツ

以下、それぞれ解説します。

契約年数の定めがない監査法人を選ぶ

監査法人の中には、非常勤職員との継続契約年数に縛りを設けているケースがあります。

その背景には、金融庁レビューへの対応が考えられます。

例えば平成30年5月には監査法人アヴァンティアが、令和元年7月には清流監査法人がそれぞれ行政処分を受けており、品質管理・業務管理の不備として「非常勤職員の多さ」を指摘されています。

このようなリスクへの対応として、監査法人では非常勤職員の比率を下げるべく、非常勤契約の年数に制限を設けるケースがあります。

そのため、監査法人での非常勤をできる限り長く・ずっと続けるためには、契約年数に縛りのない監査法人を選ぶべきです。

契約年数に定めのない監査法人であれば、余程の理由がない限り、1年で契約を終了させられることはありません。

なお、アカウントエージェント株式会社が実施した「監査法人の非常勤に関するアンケート調査」によれば、契約を更新されなかった経験があると答えた方のうち、理由が「契約年数の上限に達したから」と回答した方は一人もいませんでした。

つまり、実質的に契約年数の縛りによって契約終了となるケースは極めて限定的と考えられます。

掛け持ち可能な監査法人を選ぶ

監査法人の中には、非常勤の掛け持ちを認めている法人があります。

非常勤としてずっと働きたいのであれば、このような掛け持ちOKの監査法人を選びましょう。

というのも、監査法人1社だけでは十分な勤務日数(アサイン日数)を確保できない可能性があるからです。

私たち会計士の非常勤の時給・日給はかなり高いですが、これを主たる収入源とするためには、ある程度の勤務日数が必要です。

例えば日給8万円でも、年間60日しか勤務できなければ年間500万円弱の収入にしかなりません。

理想的なのは、年間100日程度の契約の監査法人を2社掛け持ちすることでしょう。これなら仮に時給1万円で契約できれば、年収1,400~1,600万円以上は稼げる計算です。

また、1社に依存していると契約が終了した場合に収入が途絶えるため、そのリスクヘッジにもなります。

監査法人非常勤の掛け持ちについて、詳しくは次の記事内で解説しています。

なお、アサイン日数は面接時に擦り合わせることが多いので、契約前に勤務日数の目安を把握することができます。

公認会計士が非常勤をずっと続けることのリスク・デメリット

最近では、非常勤だけで生活するフリーランスの公認会計士がとても増えました。

しかし、公認会計士が非常勤をずっと続けることにはリスクが1つあります。

それは、業界全体として人手不足が解消されるリスクです。

非常勤契約は基本的に1年更新のため、人手不足が解消されることで契約が終了する可能性があります。

こればかりは市場全体の話ですから、管理不能です。

このリスクを回避する手段は2つあります。

1つ目が、売り手市場が飽和したと感じたタイミングで正社員に戻ることです。

非常勤職員は最初に契約を切られる対象であることから、早めに正社員に戻る意思決定が重要になります。

公認会計士の転職市場の動向は、転職エージェントに登録し、担当者とコンタクトを取り続けることでタイムリーに知ることができます。

そして2つ目が、「ずっと続けないこと」です。

公認会計士が人手余りになるリスクはゼロにできない為、ある程度は事前に予見しておき、ずっと続けないための戦略を立てることが重要になります。

公認会計士が非常勤を「ずっと続けない」ための戦略

先述のとおり、非常勤のリスクはゼロにできないため、実は「ずっと続けない」という戦略も必要です。

そこでオススメなのが、非常勤で一気に稼ぎ切って早期リタイアを目指すという戦略です。

早い話、できる限り早期に大きく稼ぎ、それを早い段階で投資信託等に回すことで、強い入金力&複利効果の最大化を目指すという戦略です。

これなら、非常勤をずっと続けずに早期に引退することができます。

なお、この戦略には私の趣向が入るため、全員に推奨するわけではありません。

公認会計士としてのキャリアに興味がなく、収入面だけを最大化させたいという方だけご参考ください。

それぞれ解説します。

時給単価と勤務日数を重視して監査法人を選ぶ

まずは入金力が必要ですので、収入面だけで監査法人を選びます。

選定基準
  • 時給単価の高さ
  • 勤務日数の多さ
  • 掛け持ちの可否

監査法人での非常勤の時給相場は約8,200円です。

目安としては、監査経験4~5年なら時給8,000円、8~10年なら10,000円程度の求人を狙うと良いでしょう。

契約後に時給単価が昇給するケースはありますが、契約時の単価がベースになるため、極力初期値を高めにしておくべきです。

また、契約日数も重要です。せっかく高い単価で契約できたとしても、年間30日程度では投資に回せるだけの資金が貯まりません。

そして最後に、掛け持ちの可否も重要です。

筆者の経験則ですが、監査法人での非常勤契約は、凡そ年間120日間を上限とするケースが多いように感じます。(そもそも上限を設定していない法人も多いですが)

そのため、1社のみでは十分な稼ぎになりません。積極的に監査法人の掛け持ちをすることで、入金力を高めましょう。

監査法人での非常勤としての働き方はストレスフリーですが、早期に入金することが「非常勤をずっと続けないためのコツ」ですので、多少キツくても多く働いた方が後々得です。

NISA等の投資がしやすい中小監査法人を選ぶ

ご存じのとおり、BIG4では自由な投資がしづらいです。

一方、中小監査法人はステークホルダーが少ないため、独立性に抵触せず比較的自由に投資を行うことができます。

また、中小監査法人の方が(BIG4に比べて)非常勤の時給単価が高い傾向にあります。

このため、非常勤+投資を前提にした場合、選ぶ法人は中小監査法人一択になるはずです。

得た資金を極力早めにインデックス投資に回す

高い入金力を得たら、極力早めに資金をインデックス投資に回しましょう。NISA枠を使い切るのは当然のこと、特定口座枠も積極的に使います。

インデックス投資では「早く&多く」が基本ですので、私は多少無理をしてでも早い段階から多くの資金を入金していました。

筆者は月100万円以上の資金をインデックス投資に回していますが、仮に月100万円&年間利回り10%で運用した場合、10年後に投資資産の評価額は2億円を超えます。(簿価は1億2000万円)

以下に積立シミュレーターを配置したので、どうぞ計算してみてください。

積立投資シミュレーション

色付きの欄に数値を入力してください

毎月の積立額万円
想定利回り(年率)%
積立元本運用収益
経過年数積立元本(円)評価額(円)

※ 毎月末に一定額を積み立て、年率÷12の月複利で運用した場合の概算です。税金・手数料は考慮していません。

10年で2億円を超えれば、非常勤での勤務日数を徐々に減らしても問題ないはずです。(ちなみに10年後に積立投資を停止した場合でも、20年後には複利効果で評価額が5億円を超えます。)

また、以下の追加投資&節税策もオススメです。

  • 小規模企業共済への掛け金拠出&借入
  • マイクロ法人の設立
  • 役員社宅の活用

独立したら、小規模企業共済は絶対にやるべきです。月7万円を限度として年間84万円の所得控除ができ、運用により利益も出る上に、拠出した掛け金の7割程度を低金利(1%)で借り入れることができるため、その資金を更にインデックス投資へ回すことができます。

マイクロ法人は法人としての事業がある方限定にはなりますが、社会保険料の面で有利になるケースが多いです。

また、賃貸している自宅を法人契約することで役員社宅として扱い、あとは(略

とまぁ、こんな感じで会計士としての知見をフル活用しましょう。

もちろん投資は自己責任でお願いします。

公認会計士が非常勤をずっと続けるメリット

公認会計士が非常勤をずっと続けるメリットは、次のとおりです。

公認会計士が非常勤をずっと続けるメリット

それぞれ解説します。

仕事での精神的ストレスが減る

私は独立直後から中小監査法人で非常勤をしていましたが、大手監査法人で正社員をしていた頃よりも、圧倒的にストレスが減りました。

監査という仕事に対してネガティブなイメージを持っていましたが、「楽しい」と感じるようになりました。

これは非常勤だからというよりも「中小監査法人だから」なのかもしれませんが、大手よりも本質的な作業に集中できたため、やりがいさえ感じました。

また、非常勤職員は正社員に比べて任される業務の難易度が低いため、その意味でもストレスは減ります。

作業はスタッフ業務が中心であり、監査計画の策定・経営者ディスカッションなどインチャージに求められる業務は基本的に発生しません。

早期リタイアが可能になる

特に、中小監査法人では非常勤の時給単価が高い傾向にあります。

そのため、早期リタイアという選択が可能になります。

仮に時給10,000円の監査法人で1日8時間・年間200日働いた場合、それだけで年収1,600万です。

これに加え、先述した積立投資を組み合わせることで、更に早めのリタイアが可能になるでしょう。

もちろん仕事を辞める必要はありませんが、いつでも仕事を辞められるという状況は精神的にもだいぶ楽ですし、だからこそずっと続けることが可能になるとも言えます。

【比較表】監査法人の非常勤に強いエージェント3選

監査法人の非常勤求人を多く扱う主要なエージェントは、以下の3社です。

スクロールできます
レックスアドバイザーズマイナビ転職会計士CPASSキャリア
レックスアドバイザーズマイナビ転職会計士CPASSキャリア
総合評価 ※1
4.50 / 5.00

4.51 / 5.00

3.91 / 5.00
求人数 ※2多やや多めやや多め
得意領域公認会計士/監査法人公認会計士公認会計士/USCPA
強み求人数が多い公認会計士特化–
対象年齢20代~50代20代~40代20代~50代
対象エリア全国全国全国
利用料金無料無料無料
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公式サイト公式HP公式HP公式HP

非常勤は、時給単価が命と言っても過言ではありません。

レックス+マイナビの2社を利用しておけば、現時点での非常勤求人はほぼ網羅できるでしょう。

この記事の監修者
岡田 和樹

公認会計士・税理士

岡田 和樹›

岡田和樹公認会計士事務所 代表
株式会社On ESTコンサルティング 代表取締役
株式会社アセンディア・パートナーズ 取締役

2016年公認会計士試験合格。EY新日本有限責任監査法人にて金融機関の監査業務および内部統制の構築・高度化支援に従事後、株式会社AGSコンサルティングを経て2023年11月に岡田和樹公認会計士事務所を独立開業。2025年1月には株式会社On ESTコンサルティングを設立し、現在に至る。

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