公認会計士の藤沼です。
私の法人では常に経理事務スタッフを募集しており、よく未経験の方からもご応募いただいています。
しかし、経理未経験の方々がご応募される際の「志望動機」を見ると、どれもイマイチ。
なぜなら、未経験者の方々は実務を知らないため、的外れな志望動機を書いてしまっているケースが多いのです。
そこで本記事では、業界歴10年以上、今は代表として採用を行っている私の視点で「未経験者向けの志望動機」を例文付きで紹介します。
正直このまま使って問題ありませんが、ご自身の状況に合わせてアレンジすることで、更に良い志望動機が作れます。
この記事で分かること
- 経理未経験者の志望動機「例文」が分かる&そのままパクれる
- 経理未経験者が志望動機を考える際のポイントが分かる
- 【業種別】他の業種から経理に転職する際の志望動機「例文」が分かる
- 経理未経験者は、必ず経理に強い転職エージェントを利用すべき
2010年 日商簿記検定1級 取得
2013年 公認会計士試験(論文式) 合格
2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅会計事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント㈱ 設立
経理支援サービス会社を経営しています。
【未経験者向け】経理の志望動機「例文」4パターン【丸パクりOK】
未経験者向けの経理の志望動機「例文」は、以下のとおりです。
なお、ここでは前職のある方(経理未経験者)を前提にしています。
以下、それぞれ解説します。
【例文1】簿記が好き+処理の正確さに自信がある
- 私は10年にわたる社会人経験を通じて、経理を始めとする数字による管理の重要性を実感していました。
- そこで、以前から数字を扱うことが好きだったこともあり、前職時代に働きながら独学で日商簿記2級を取得しました。
- そして簿記の勉強をする中で仕訳・決算書の作成に面白みを感じ、この分野でのキャリアチェンジを決意しました。
- また、前職で培った細部への注意力とミスなく正確に事務処理を行う能力は、経理業務に適していると感じました。
- 未経験ではありますが、企業会計に関する知識習得を行いながら、向上心を持って業務に取り組みたいと考えています。
- 信頼される経理担当者として貴社の発展に貢献したいという思いから、今回応募いたしました。
項目 | 解説 |
---|---|
1.経理の大切さ | 2の「簿記を取得した理由」に繋げるために、まず経理の大切さ・経理に興味をもった理由を話す。 |
2.簿記の取得理由 | 簿記取得の理由を話し、また「独学で2級を取得した」というアピールも同時にできる。 |
3.経理志望の理由 | 「簿記の面白味に気付いた」という理由から、経理にキャリアチェンジした理由・志望動機を伝える。 |
4.経理への適性 | 経理への適性について「事務処理が正確にできる」という面からアピールする。 |
5.熱意のアピール | 未経験というネガティブ要因を補うために、「熱意」を持っていることをアピールする。 |
6.志望動機まとめ | 志望動機のまとめ。 |
ポイントは、2つの志望動機を組み合わせることです。
経理未経験者が志望動機を考える際のポイントでも解説していますが、2つ以上の動機を組み合わせることで話に深みが生まれ、ストーリー性に説得力が出ます。
そのため、ここでの志望動機例文に限らず、以降の例文においても全て2つの動機を組み合わせて1つの志望動機を示しています。
また、経理の仕事では「細やかさ」が求められるため、正確に事務処理ができるという点も大きなアピールになります。
経理はお金を扱う大切な部署ですから、真面目さ・正確さが重視されるのです。
【例文2】簿記が得意+チームで連携するのが好き
- 私はチームでの仕事が好きで経理に興味をもち、御社の経理部門を志望しました。
- 前職では他部署との連携が多く求められる仕事をしており、その中で人と人との調整やコミュニケーションが好きであると強く感じておりました。
- また、仕事の中で数字に触れる機会があったことから、簿記に興味をもち独学で簿記2級の勉強をスタートしました。
- 4ヶ月の独学で簿記2級に合格することができ、92点をマークできたことから簿記が得意であると感じました。
- 御社では、簿記の知識を活かし、経理として部署間との調整を上手く図ることで貢献したいと考えています。
項目 | 解説 |
---|---|
1.経理に興味をもった理由 | 経理に興味をもった理由を端的に示す。 |
2.チームでの仕事が好きな旨 | 上記1の理由を説明する。なお経理ではコミュニケーションが必須になるため、コミュニケーション能力のアピールは有効。 |
3.簿記に興味をもった理由 | 「チームでの仕事が好き」だけでは、経理を志望する理由にはならない(チーム単位での仕事は経理以外にもあるから)ので、他の理由もセットで示す。ここでは「簿記が得意」という理由を挙げた。 |
4.簿記が得意である旨 | 「簿記が得意」というのも志望動機になる。また、「独学4ヶ月で2級に合格」という実績は強いアピールになる。 |
5.志望動機まとめ | 志望動機のまとめ。簿記の活用&部署間の調整という点に触れてまとめる。 |
経理部では、経理部内・部署間・社外とのコミュニケーションが必要とされます。
そのため、「調整機能」や「コミュニケーション能力」はアピールできる要素になります。
ただし、あまりにコミュニケーション能力を推しすぎるのもNGです。
なぜなら、本当にコミュニケーション能力のある方はわざわざアピールするのではなく、面接での対話の中で自然とコミュニケーション能力の高さが伝わるからです。
また、ここでも「簿記が得意」という2つ目の理由を使い、組み合わせることで1つの志望動機を完成させています。
【例文3】簿記が得意+この会社に貢献したい
- 私は御社商品に憧れがあり、経理として御社の経営を下支えしたいと思い応募しました。
- 以前から御社商品のファンであり、10年以上の間御社商品を使い続けてきました。そして、いつしか「この会社で働いてみたい」と思うようになりました。
- 前職は経理ではないものの、幼少期から数字を扱った仕事には興味があり、働きながら日商簿記検定2級に合格しました。
- 独学で一発合格できたこともあり、簿記は得意と感じ、現在は日商簿記検定1級の勉強もしております。
- 御社では連結会計を導入していることもあり、簿記1級の勉強が御社の役に立てると感じております。
- 御社商品には兼ねてより興味・関心があるため、ぜひ経理として経営判断に貢献したいと思っております。
項目 | 解説 |
---|---|
1.この会社への貢献意欲 | 「あなたの会社に入社したい」という視点でアピールする。なお、経理としては「経営の下支え」「経営判断への貢献」という理由を挙げると良い。 |
2.貢献意欲の理由 | なぜこの会社?という観点で理由を説明。具体的なエピソード・背景が説明できると良い。(深く聞かれやすいポイント) |
3.簿記2級取得の旨 | 数字が好き&簿記2級を取得した旨を説明。 |
4.簿記が得意である旨 | 簿記が得意であるという話に繋げる。「現在はより高い難易度の資格に挑戦している」という旨を説明することで、学習意欲のアピールにも繋がる。 |
5.会社の役に立てる理由 | 簿記1級がなぜその会社の役に立つのか?という観点で説明。簿記1級では主に「連結会計」を学習するため、連結決算を導入している企業(主に大企業・上場企業)では有効なアピール。 |
6.志望動機まとめ | 志望動機のまとめ。 |
ここでは、主に「あなたの会社に魅力があります」というアプローチから志望動機を示しています。
相手を褒めるアプローチなので、面接官としても悪い気はしない一方、「口だけでは?」「嘘のエピソードでは?」と勘繰られる可能性も高いです。
そのため、嘘はつかず、実際にあったエピソード・感情を具体的に話せるようにしておく必要があります。
ただし、それだけではその会社の「経理」を志した理由にはなりません。
ここでは、併せて「簿記が得意だから経理で働きたい」というアプローチを追加しています。
【例文4】業界での経験がある+経営判断に貢献したい
- 前職は御社と同様の業界で働いており、飲食業界での実務を御社で活かしたいと思い応募しました。
- 御社の名前はよく存じており、本社でも頻繁に名前の挙がる優良企業でした。
- また「経営層への貢献」に以前から興味があり、前職では経理や経営企画への異動を申し出ていましたが、配置の都合上適うことがありませんでした。
- そんな中、御社が求人を募集していることを知り、この上ないチャンスであると感じ応募いたしました。
- 現在は簿記資格の勉強中ですが、経理へ配属された際には、同業界・現場での経験をフル活用したいと考えております。
項目 | 解説 |
---|---|
1.同業界で働いていた旨 | 同業界で働いていた旨を示す。経理ではなくとも、同業界の現場や本部で働いていた経験は、経理において活かせるシチュエーションがある。 |
2.会社を知った背景 | その会社を知った経緯・背景を説明。「優良企業である」「よく名前が挙がっていた」等、相手を持ち上げることで応募理由に繋げることができる。 |
3.転職理由 | 転職した理由を明らかにする。本来ネガティブな理由は明かさないほうが良いが、同時に「経理を志望する理由」にもなるため、ここでは敢えてネガティブな転職理由を示している。 |
4.応募した背景 | 求人に応募した経緯・背景を伝える。どの会社でも求人は定期的に募集しているが、この場合は「以前から知っていた」「経理に転職したかった」という背景を既に伝えてあるため、このタイミングで応募する動機になる。 |
5.志望動機まとめ | 志望動機まとめ。簿記資格がない場合は、必ず「勉強中である」旨を明示すること。 |
「業界での実務経験を活かしたい」という点に軸を置いた志望動機です。
やや経理の志望動機から遠ざかりやすいため、「簿記を勉強中である」「経理として働いて経営判断に貢献したい」等、なぜ経理を志望しているのか?の理由もしっかりと添える必要があります。
一方で、同業種の現場経験者(経理ではなく)へのニーズもあるため、採用企業側のニーズとマッチした場合は内定率が高くなります。
【未経験者向け】経理への志望動機の書き方・考え方
経理未経験者が志望動機を考える際は、書き方として以下の点を意識すると良いです。
以下、それぞれ解説します。
志望動機を2つ組み合わせる|1つだけだと追及されてボロが出やすい
経理の志望動機を考える際は、「2つの志望動機」を組み合わせることをオススメします。
- 簿記が好き
- 簿記が得意
- 企業会計の世界への興味
- 処理の正確さに自信がある
- 事務処理が好き
- 経営判断に貢献したい
- この会社に貢献したい
- チームで連携するのが好き
- チームで連携するのが得意
- その業界が好き
- その業界での実務経験がある
先述した志望動機の例文でも、これらを組み合わせて1つの志望動機にしています。
動機が1つだけだとその1つを細かく追及されやすく、ボロが出やすいのでオススメしません。
また、3つ以上の動機を組み合わせても全く問題ありませんが、それぞれのエピソードが薄くなりすぎないよう注意が必要です。
なお「簿記が好き」「簿記が得意」という理由は、一見すると安易な理由に見えるかもしれませんが、面接官からは好印象な志望理由です。
なぜなら、経理で働く人の大半が簿記への興味から始まっていますし、簿記が得意な人ほど経理実務の現場でも応用が効くからです。
そのため、簿記が好き・得意な方は積極的にアピールすると良いです。(もちろん、それだけをアピールするのは絶対NG。必ず他の理由とセットでアピールすること。)
好き+得意の両面でアピールする|志望動機に深みが生まれる
志望動機を作る際は、「好き」と「得意」の2つをアピールできるとなお良いです。
項目 | 解説 |
---|---|
好き | 熱意が伝わる。「好きこそものの上手なれ」と言うように、「好き」がその後「得意」になるケースもあるため、ポテンシャルを評価されるケースもある。 |
得意 | 自らのスキルを事実として伝えることができる。ただし、「口だけ」にならないように根拠となるエピソードや証拠となる事実も伝える必要がある。 (例)簿記が得意→3ヶ月独学で2級を受験し、92点で合格した 等 |
好き・得意の両面でアピールすることで、志望動機が強固になります。
単に「好き」なだけでは、「仕事が続かないのでは…?」と思われる可能性があります。
また、単に「得意」なだけでは、「この仕事に飽きてしまうのでは…?」と思われる可能性があります。
好き+得意をバランスよく伝えることで、志望動機に深みが生まれ、面接官により好印象を残すことができます。
自分を客観視する|面接は第三者から評価される場
自分の経験・好き・得意を洗い出すには、自分を客観視することが大切です。
なぜなら、面接とは第三者が自分を評価する場であり、他社と比べて客観的に「好き」「得意」と言える必要があるからです。
なお、自分を客観視するには、転職エージェントを活用するのが最も有効です。
転職エージェントでは、面談時に「キャリアカウンセリング」が実施されます。
キャリアカウンセリングでは、カウンセラーとの雑談を通じて自分が本当に好きな事・得意な事を見出してもらうことができます。
私は転職の際にキャリアカウンセリングを受けたことで、自分で気付いていなかった大きな強みに気付き、最善の転職先を見つけることができました。
経理で内定を獲得するためにも、転職エージェントの活用は必須です。
異業種から経理に転職する場合の志望動機の書き方
ここでは、異業種から経理に転職する際の志望動機・書き方・考え方を紹介します。(主要業種3つ)
以下、解説します。
営業から経理への志望動機の例
営業から経理への転職時の志望動機は、次のパターンがおすすめです。
営業から経理への志望動機(例)
志望動機 | 具体的な内容 |
---|---|
他分野で活用したい | 営業で得た前線での知識・経験を、経理としての視点で活用したい。 営業で培った市場分析スキルを財務分析に活かしたい。 |
コミュ力を活用したい | 営業で磨いたコミュニケーション力を、部門間の橋渡し役として活かしたい。 |
数字への興味が湧いた | 営業での数値目標を意識するうちに、その目標設定や数値管理に興味が湧いた。 |
いずれも王道の理由ですが、面接官を納得させることのできる理由です。
あくまで「なぜ営業から経理に応募したのか」という志望動機でしかないので、上記に加えて簿記資格の勉強中であるなど、転職の意思を裏付ける根拠を用意しておくと良いです。
なお、営業職から経理へ転職する際は、同業種(例:不動産営業→不動産経理など)への転職なら採用されやすいです。
接客業から経理への志望動機の例
接客業から経理への転職時の志望動機は、次のパターンがおすすめです。
接客業から経理への志望動機(例)
志望動機 | 具体的な内容 |
---|---|
数字への興味が湧いた | 売上管理や在庫管理を通じて、数字を扱うことへの興味が高まった。 |
コミュ力を活用したい | 顧客対応で培ったコミュニケーション力を、部署内・部署間・社外対応の際に活かしたい。 |
現場の経験を活かしたい | 現場での運用を熟知しているため、その経験を管理部門として共有し活かしたい。 |
いずれも王道ですが、上記のような理由なら面接官は納得します。
もちろん、これは「なぜ接客業から経理に応募したのか」という志望動機でしかないので、上記に加えて簿記資格の勉強中であるなど、転職の意思を裏付ける根拠を用意しておくと良いです。
なお、接客業から経理へ転職する際は、同業種(例:百貨店販売員→百貨店経理など)への転職なら採用されやすいです。
会計事務所から経理への志望動機の例
会計事務所から経理への転職時の志望動機は、次のパターンがおすすめです。
会計事務所から経理への志望動機(例)
志望動機 | 具体的な内容 |
---|---|
大きな組織で働きたい | 他部門と連携して仕事をすることで、より仕事の守備範囲を広げたい。 |
事業に貢献したい | 月次報告・予算管理などを通じて、組織の事業運営に貢献したい。 |
経理を合理化したい | 単に渡された資料を基に仕訳を起票するだけでなく、業務処理を効率化させ、決算までの一連のプロセスを合理化したい。 |
より知見を広げたい | 税務だけでなく、企業会計・管理会計・投資意思決定など、会計への知見をより広げたい。 |
経理と会計事務所はやや似ていますが、異なる部分も多い職種です。
会計事務所が「税務」に特化した職種であるのに対して、経理は「企業会計」「管理会計」「資金繰り」など、様々な目的に応じて業務を行います。
このような違いに着目して志望動機を考えると、良い志望動機が思い浮かぶはずです。
なお、会計事務所から経理に転職する際のコツについて、詳しくは次の記事内で解説しています。
「なぜこの会社?」と聞かれたときの経理の志望動機【例文】
「なぜこの会社」という視点で、経理の志望動機例を提示します。
- 御社の〇〇(具体的な製品名)は、△△(特定の技術や特徴)により業界をリードしているものと存じます。
- このような革新的な製品開発を支える堅実な財務基盤に、強く興味を持ちました。
- 特に、御社の原価管理システムが業界でも高く評価されていることを知り、非常に興味を持ちました。
- 私の数字への適性と分析力を活かし、さらなる原価削減や効率化に貢献したいと考えています。
- また、御社のグローバル展開に伴う財務課題、特に為替リスク管理やIFRSへの対応にも関心があります。
- 前職での◇◇(関連する経験)を活かし、これらの課題に積極的に取り組みたいと思います。
- さらに、製造業における研究開発費の重要性も理解しています。
- 企業価値向上のため、長期的な財務戦略に貢献したいと考えています。
項目 | 内容 |
---|---|
1.製品への理解 | 「あなたの会社のことを知っています」というアピール。企業研究により綿密なリサーチが必要。 |
2.結論の提示 | 「なぜこの会社?」に対する端的な結論を示す。ここでは「興味を持った」という回答。 |
3.理由・背景 | 興味を持った理由や背景を提示し、結論を裏付ける。ここでは「原価管理体制」という回答。 |
4.どう活かせるか | 上記で提示した結論に対し、自分のスキルをどう活かせるか提示することで、企業にとっての銘っとを明示。 |
5.経理への理解 | 大企業・上場企業であれば「経理への理解」も提示する。 |
6.前職での経験 | もし活用できる前職の経験(英語力や金融に関する知識)があれば提示する。 |
7.事業への理解 | 事業への理解を示す。 |
8.組織への貢献 | 「投資」「研究開発」「製造」など、事業と経理は密接に関連しているため、「投資戦略や財務戦略を支えたい」という論理構成につなげやすい |
「なぜこの会社の経理なのか?」という質問に対しては、わりと答えが多いです。
ただし、その答え探すには企業研究が必須になります。
その会社がどのような事業を展開し、その会社の経理がどのような役割を担っているのかは、転職エージェントに確認すれば一発で分かります。
- 製品・サービスに理解を示し、「好きだ」「興味がある」などの熱意を伝える
- 事業に理解を示し、経理として「財務戦略に貢献したい」と伝える
- 外資系企業なら、語学力をアピールする
それでも経理への志望動機がない場合の5つの視点
どうしても経理への志望動機が浮かばない場合、次の視点で考えてみると答えが浮かぶかもしれません。
ヒント | 解説 |
---|---|
自己分析を行う | 自分の「好き」「得意」「スキル」「人に褒められた経験」「嫌だった経験」など、過去~現在までの自分がどのような人間なのか、細かく分析してみる。その結果浮かび上がったものと「経理の仕事」の共通点を見出せれば、それが志望動機になる。 |
経理の必要性を考えてみる | 組織にとって、なぜ経理部が必要なのか?これを調べて深く考えることで、経理の魅力に気付く可能性がある。 |
その後のキャリアを考える | 目先のキャリアではなく、自分がその後の人生でどのようなキャリアを積みたいのか考えてみる。すると、その未来を達成するためになぜ経理が必要なのかヒントが浮かぶ可能性がある。 |
会社への志望動機を考える | 「経理」に着目すると志望動機が浮かびづらい人も多い。そこで、なぜこの会社なのか?という視点で考えることで、別の角度からの志望動機が見つかる可能性がある。 |
開き直ってみる | どうしても志望動機が思い浮かばなければ「特にないがこの会社で働きたい!」等、熱意のアピールに振り切ってみる。ただし嘘を付くのは絶対にNG。自分の気持ちを素直に伝えることが大切。 |
経理への志望動機って、難しいんですよね。
その気持ちは私も良く分かります。うまく答えられる人の方が少ないですから。
しかし、だからこそ上手い志望動機が伝えられると、面接官の好感度を大きく上げることができるのです。
「自己分析」は自分一人で進めても中々進まないでしょう。
転職エージェントを利用し、担当者と雑談をしながら客観的に分析してもらうのが効率的です。
転職で「経理に興味を持った理由」を聞かれた際の上手い返し方
未経験者が「経理に興味を持った理由」を問われた場合、以下のような回答であれば、面接官を納得させることができます。
経理に興味をもった理由 | 解説 |
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簿記が好き・得意 | 簿記が好きな人は経理に向いているので、「好き」という理由は王道としてアリ。ただし「好き」だけでは仕事への意欲を疑われるケースがあるため、「得意」も含めたエピソードを添えること。 |
経営意思決定への貢献 | 経理で作成した社内資料は、経営者による投資意思決定に用いられるため、「経営層を支えたい」という理由で経理に興味を持つ人は多い。ただし、「なぜ経営企画ではなく経理なの?」という質問がくる可能性があるため、「簿記が好き」など他の理由とセットで答えるべき。 |
身内に経理マンがいる | 「身内に経理がいるから興味をもった」というのもよくある自然な理由。ただし、その身内の具体的にどのような話に興味をもったのかはエピソードとして用意しておくこと。 |
私自身も10年以上この業界にいますが、上記の回答ならまず納得します。
ありきたりの内容ですが、その程度で問題ありません。
そもそも「経理に興味を持った理由」を聞く意図は、その回答からわかる熱意・論理性・コミュニケーション能力を図るためだからです。
そのため、いくつも理由を挙げる必要はなく、1つの理由を細かく掘り下げて説明できるように準備しておくことが大切です。
経理事務未経験でパートに応募する際の志望動機【例文】
経理事務未経験でパートに応募する際の志望動機(例文)は、以下のとおりです。
- これまで主婦として家計管理を行う中で、数字を扱うことの重要性と面白さを実感してきました。特に、家計簿をつけることで支出の傾向を分析し、効率的な家計運営ができた経験から、より専門的に数字を扱う経理の仕事に興味を持ちました。
- 私は細かい作業を正確にこなすことが得意で、日々の家事や以前のパート勤務でも、ミスの少なさを評価していただきました。この正確性への注力は、経理事務に不可欠だと考えています。
- また、パソコンスキルの向上にも積極的に取り組んでおり、Excelの基本操作はもちろん、関数を使った計算なども独学で学んでいます。この学習意欲を活かし、経理ソフトの操作なども迅速に習得したいと考えています。
- 経理の知識については、現在、独学で簿記の勉強を始めており、基本的な仕訳の考え方を理解しつつあります。パート勤務をしながら、将来的には簿記検定の取得も目指したいと思っています。
- 未経験ではありますが、学ぶ意欲と正確な作業への自信を持って、精一杯努力する所存です。
- 家庭との両立を図りながら、着実に成長し、貴社の経理部門に貢献していきたいと考えています。
項目 | 志望動機の内容説明 |
---|---|
1.経理に興味をもった理由 | 家計管理が面白い&得意→より専門的な「経理」という仕事に興味をもった、という論法が自然。 |
2.正確な作業が得意 | 細かく正確な作業が得意であることをアピール。ここは絶対にアピールすべき部分。 |
3.ITへの学習意欲 | 会計ソフトを使えるようになるための学習意欲をアピール。なおExcelを使えるかどうかも示すこと。 |
4.簿記の学習意欲 | 既に簿記資格を有していることが望ましいが、そうでない場合は学習中である旨を示す。 |
5.熱意をアピール | 「未経験だが頑張る」という謙虚さ&熱意をアピール。 |
6.家庭との両立 | 家庭との両立が可能かも確認されるので、余裕があればそれも明示。この部分は必須ではないため、省略しても良い。 |
最も重要なのは、「正確な作業がでること」をアピールすることです。
経理は未経験者に難しい仕事ですが、パート職員には難易度の高い作業を求めません。
しかし、代わりに単純作業でもミスなく正確にこなせる力を求めます。
これは必須です。
そのため、この部分だけは絶対にアピールして下さい。(もちろん嘘はダメですが)
経理未経験者の志望動機に関するよくある疑問・回答
経理未経験者の志望動機に関するよくある疑問・回答をまとめました。
新卒で経理に応募する際の志望理由は何が良いですか?
新卒未経験で経理に応募する際には、以下の要素を志望動機に含めると良いでしょう。
- 数字への興味・適性
- 数字の面から、組織経営に役立ちたい
- 財務数値に関する分析力を活かしたい
- 処理の正確さを活かしたい
- コミュニケーション能力を活かし、チーム・組織の潤滑油になりたい
- 簿記が好きである 等
挙げればキリがありませんが、新卒で経理に応募する際はとにかく「ポテンシャル」が見られます。
理路整然と対話ができるか、という点が最も重要です。
このため、面接対策・自己分析・企業分析が大切になります。
「どのような志望動機か」よりも、その動機がどのような角度から突っ込まれても問題ないほどに考え抜かれているか、という深さが重要です。
未経験で経理に興味を持った理由をどのように伝えるべきですか?
未経験で経理に興味をもった理由としては、次の3つの伝え方がおすすめです。
- 簿記が好き・得意
- 経営者の意思決定に貢献できる
- 身内に経理がいる
どれも面接官が納得のできる理由です。
上記のうちいずれか1つ自分に合ったものを使い、掘り下げて回答できるよう準備しておけば十分です。
経理が必要な理由は何ですか?
組織にとって経理が必要な理由は、以下のとおりです。
- コスト管理のため
- 経営者による投資意思決定のため
- 投資家への財務報告のため
- 確定申告のため 等
経理が作成した資料は、組織運営に必ず必要になるほか、外部報告のためにも必要です。
経理に強い!おすすめの転職エージェント
ヒュープロ (Hupro) | MS-Japan | レックス アドバイザーズ | ジャスネット キャリア | 人材ドラフト | |
---|---|---|---|---|---|
求人数 | 約2,000件 | 約2,500件 | 約1,000件 | 約1,000件 | 約500件 |
対象年代 | 20代~50代 | 20代~50代 | 20代~30代 | 20代~30代 | 20代~50代 |
対応エリア | 東京都内 | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 |
設立 | 2015年 | 1990年 | 2002年 | 1996年 | 3400万円 |
得意領域 | 経理 会計事務所 | 経理 内部監査 経営企画 | 公認会計士 税理士 | 士業 | 会計事務所 |
特徴 | 東京の経理に強い | 全国の経理に強い | 士業に強い | 補完的 | 補完的 |
総合評価 | (10/10) | (9/10) | (7/10) | (7/10) | (6/10) |
評判口コミ | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
上記のとおり、経理への転職なら「ヒュープロ」と「MS-Japan」の2択です。
転職エージェントは、各社特徴が異なります。
ぜひ上記比較表をご参考に、自分に合った転職エージェントを使ってください。
1988年生まれ(36歳)
公認会計士・税理士
2012年 日商簿記1級 合格
2013年 公認会計士試験(論文式) 合格
2014年 EY新日本監査法人 入社
2021年 ニューラルグループ株式会社 入社
2024年 ARMS会計株式会社 代表取締役
前職では上場会社の経理部長として勤務し、現在は経理・財務支援サービス会社を経営しています。