2010年 日商簿記検定1級 取得
2013年 公認会計士試験(論文式) 合格
2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅会計事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント㈱ 設立
経理支援サービス会社を経営しています。
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経理の転職の失敗とは
経理の転職において、失敗しない転職活動をするためには、「転職の失敗」とはどのようなことかを知る必要があります。
ここでは、「経理の転職の失敗」を理解するため、「転職の失敗の考え方」「失敗は人それぞれであること」について解説します。
転職の「失敗」とはどのようなことか?
「転職の失敗」とは、何を指すのでしょうか。転職エージェント時代に見てきた失敗事例の中で多かったのは、以下の2点です。
- 希望する応募先企業の内定を得られなかったこと
- 転職後、入社した会社が思っていたような会社でなかったこと
このように「転職の失敗」には、①転職活動に失敗して、希望の会社に転職できなかったこと、②転職はしたものの、入社後のミスマッチにより転職後に後悔することの2つの意味合いがあります。
「失敗」は人それぞれ
「転職に失敗してしまった」ときの「失敗」の意味合いや原因は人それぞれです。転職時に希望する転職先に入社できなかったことを転職の失敗と捉える人もいれば、転職先企業でのミスマッチを転職の失敗と捉える人もいます。
経理の転職失敗事例
ここでは、経理の転職に関する様々な失敗事例をご紹介していきます。
業務内容よりも待遇を優先した失敗事例
業務内容よりも待遇を優先して転職に失敗したAさんの事例を紹介します。
転職の概要・転職の目的 |
スポーツ用品メーカーで経理職だった20代のAさんは、給与アップを図るため化学メーカーの財務職に転職した。 |
転職までのプロセス |
一般転職サイトに登録をして、面接が決まった1社目の会社で内定をもらうことができた。 |
転職が失敗だったと感じる点 |
転職してすぐに「この転職は失敗だった」と思い知らされる。なんと、転職先企業が求めていた人材は「財務職」であり、「経理職」ではなかったからだ。 |
転職失敗の原因 |
l 転職条件として待遇を優先するあまり、事前リサーチにより転職先企業が求めている経験やスキルを把握しなかったため、入社後の業務内容に関するミスマッチが発生したこと l 一般転職サイトと経理専門の転職サイトや転職エージェントの違いを理解しておらず、経理の転職に精通した経理専門の転職エージェントからアドバイスや相談を受けなかったことで、ミスマッチを招いたこと |
転職先企業と自身との相性を考えなかった結果の失敗事例
転職先企業と自身との相性を考えなかった結果、転職に失敗したBさんの事例を紹介します。
転職の概要・転職の目的 |
食品メーカーで経理職だった30代のBさんは、スキルアップを図るためITベンチャー企業の経理職に転職した。 |
転職までのプロセス |
ハローワークの紹介で、経理部門のマネージャー候補として転職先企業を紹介され、人柄やスキル・経験を評価され転職できた。 |
転職が失敗だったと感じる点 |
前職では会社から与えられた課題の解決を図るというスタイルで仕事をこなしていたが、転職先はベンチャー企業であったため、自身で仕事を作り、取り組むスタイルを求められていた。
これまでの仕事の進め方と転職先企業から求められている仕事の進め方のミスマッチが原因で、いつしか担当業務がない状態が続き、転職が失敗だったと感じるようになった。 |
転職失敗の原因 |
l 転職後のミスマッチのリスクについて、経理専門の転職エージェントであれば、「転職先候補企業はベンチャーなので、仕事を自身で作って取り組むスタイルだが相性は合っているか」など的確なアドバイスをしてくれたはずだが、専門の転職エージェントの活用はしなかったこと
l 転職先企業に関して事前のリサーチが不足していたことから、仕事の進め方に関して自身の適性や相性が合わないというミスマッチが発生してしまったこと |
転職面接対策の準備不足による失敗事例
面接対策の準備不足によって転職に失敗した、Cさんの事例を紹介します。
転職の概要・転職の目的 |
不動産会社で経理職だった20代のCさんは、上司との人間関係が原因で転職を決意したが、5社の採用面接を受けたものの内定をもらえず転職には至らなかった。 |
転職までのプロセス |
ハローワークや一般転職サイトに登録し、面接が決まった5社を順に受けたが、1社も内定を得られず、転職を諦めてしまった。現在、長期休職中である。 |
転職が失敗だったと感じる点 |
面接対策の準備をまったくしていなかったために、面接で転職理由を聞かれた際も、上司と人間関係の折り合いがつかないことをネガティブに伝えてしまった。
また、転職先企業の研究や業界の研究もしなかったため、志望動機や入社してからの転職先企業への貢献の仕方も具体的に語れなかった。 |
転職失敗の原因 |
l 経理の転職に関して精通した経理専門の転職エージェントであれば、転職の準備に関する重要性や、ネガティブな転職理由をポジティブな転職理由に変えて回答することなど的確なアドバイスをもらえたはずなのに、自己流で転職活動を行ってしまったこと
l キャリアの棚卸・自身の客観的分析により、面接で自身の強みや会社への貢献の仕方をアピールするための模擬解答の作成やシミュレーションをして面接に慣れておくための対策を含めた転職先企業から内定をもらうための事前準備ができていなかったこと |
キャリアビジョンを考えなかったことによる失敗事例
将来のキャリアビジョンをしっかりと考えなかったことで転職に失敗した、Dさんの事例を紹介します。
転職の概要・転職の目的 |
印刷会社で経理職だった30代のDさんは、業界の先行きに不安を感じ専門商社の経理職に転職した。 |
転職までのプロセス |
仕事関係でお世話になっている人の紹介で、転職先企業から内定をもらうことができた。 |
転職が失敗だったと感じる点 |
日頃から将来のキャリアビジョンに関して深く考えておらず、漠然と「いつか経営管理に携われる仕事ができたらうれしい」と思う程度だった。
転職先企業は経理職に関わる人数も多く、縦割りの細分化された分業体制で、一度担当を任されるとずっと同じ業務内容を続けなければならない社風であった。 「以前の職場は様々な種類の仕事を任され、実務を通してキャリアアップが図れていたこと」「紹介された企業への転職であったためリサーチを怠っていたこと」「キャリアビジョンを考えて決断すべきだったこと」を後悔している。 |
転職失敗の原因 |
l 前職の業界の先行き不安から別の業界への転職を優先するあまり、転職先企業の事前リサーチをしなかったため、将来のキャリアビジョンが達成されないリスクを考えなかったこと
l 経理専門の転職エージェントを活用していれば、「将来のキャリアビジョンのことは考えているか」などの的確なアドバイスを得られたであろうに、紹介ということだけで転職してしまったこと |
経理未経験者のキャリアチェンジの失敗事例
経理未経験者が経理職へキャリアチェンジを目指した結果、転職に失敗したEさんの事例を紹介します。
転職の概要・転職の目的 |
医療機器メーカーで営業事務職だった20代のEさんは、キャリアチェンジにより介護施設運営会社の経理職への転職を狙っていたが、経理職での採用はかなわず、営業事務職として転職した。 |
転職までのプロセス |
一般転職サイトに登録し、経理未経験者の採用枠がある2社の面接を社受けたが、内定をもらえなかった。その後、やっとのことで3社目の介護施設運営会社から、経理職ではなく営業事務職として内定をもらい転職を決断した。 |
転職が失敗だったと感じる点 |
経理未経験者には独自の転職活動があることをわかっておらず、事前準備もできなかったことが経理職へキャリアチェンジを果たせなかった原因でだと感じる。
また、「経理に必要な資格の勉強すらしていなかったこと」「経理の知識やスキルがまったくなかったこと」も失敗の原因だろうと思う。 |
転職失敗の原因 |
l 経理経験者とは異なる「経理未経験者の独自の転職活動」があることをを理解していなかったこと(経理未経験者の転職活動とは、実務経験が重視される経理職で、実務経験に代わる転職の武器を持つこと:「経理職に必要な資格」「経理職の志望動機の具体的エピソードで熱意のアピール」「経理職以外の職種で培ったスキルでの貢献」)
l 経理専門の転職エージェントであれば、経理未経験者の転職活動の方法を的確にアドバイスして転職活動支援が期待できたにもかかわらず活用できなかったこと |
経理の転職失敗の原因とは
ここでは、経理の転職について失敗の原因を探ります。
転職で失敗したことランキング
株式会社ビズヒッツが2020年に20代・30代・40代の男女転職経験者を対象に実施したアンケート調査によれば、「転職活動で失敗したことランキング」は以下のとおりです。
失敗した内容 | 20代 | 30代 | 40代 |
---|---|---|---|
転職先のリサーチ不足 | 1位 | 2位 | 1位 |
他の会社との比較検討不足 | 2位 | 1位 | 1位 |
前職より労働環境悪化 | 3位 | - | - |
給与が下がった | 4位 | - | 5位 |
転職先を決めてから退職すればよかった | 5位 | - | - |
20代(若い頃)に転職すればよかった | 3位 | 4位 | |
面接対策・自己分析が不十分 | 4位 | 3位 | |
資格取得・スキルアップの努力不足 | 5位 | 2位 |
20代・30代・40代でそれぞれ失敗したことのランキング上位の順位が異なっています。しかし、どの年代でも共通してランキング上位なのは、「転職先のリサーチ不足」「他の会社との比較検討不足」です。
また、株式会社ビズヒッツによる入社後のミスマッチに関するアンケート(2021年実施、入社後1か月以内に転職経験のある男女383名対象)の結果は以下のとおりです。
調査結果からわかるのは、入社後のミスマッチで圧倒的に多い原因が、「人間関係への不満」だということです。転職先企業の「人間関係」については、4位の「社風」と合わせて、転職活動の時点ではリサーチしづらい部分なので、入社後のミスマッチが多くなる原因なのかもしれません。
転職失敗の原因として考えられること
経理の転職の失敗事例やアンケート調査の結果を見ると、以下のような項目が経理の転職失敗の原因として考えられます。
- 転職先のリサーチ不足
- 面接対策が不十分
- 自己分析が不十分
- 資格取得やスキルアップの努力不足
- 年齢のハンディキャップ
- キャリアビジョンの欠如
- 転職サイトや転職エージェントの活用不足
経理の転職で失敗しないための対策法とは
ここでは、経理の転職で失敗しないための対策法をいくつかご紹介します。
やるべきことを怠らない
経理の転職で失敗しないためのもっとも重要な対策法は、「やるべきことを怠らない」ということです。なぜなら、経理の転職で失敗しないためには、転職で成功している人がやっていること(=転職で成功するためにやるべきこと)を行うことが重要だからです。経理の転職でやるべきこととしては、以下のような内容が挙げられます。
- 自身の客観的な分析
これらすべて、転職面接で「採用すべき必要な人材」であることを採用担当者にアピールするための事前準備の内容です。
たとえば、自身のキャリアビジョンの考察なら、転職先企業で経理マンとして貢献しながら、「ジェネラリスト」「スペシャリスト」どちらの経理職としてのキャリアプランを描いているのかを探求して面接でアピールできるよう、模範解答を作成しておくことが大切です。
なお、それぞれの具体的な方策については「面接記事」「志望動機記事」を参照してください。
その他の失敗しない対策法
その他、失敗しない転職対策としては、以下のようなことが挙げられます。
給与など待遇面ばかりにこだわっていると、将来のキャリアビジョンその他の重要なことを考えられないことがあります。転職する目的を明確にして、転職条件には優先順位をつけ、外してはいけないことをリストアップしておきましょう。
面接1社目の会社で転職先を決めてしまうなど、焦って転職先企業を決断しないことも大切です。転職の失敗談では、「もっと他社と比較すべきだった」という意見も多いからです。そのためには、事前に経理専門の転職エージェントと転職目的に合った転職先候補企業を絞り込むことも重要です。
実務経験が重視される経理職において、経理未経験者は、実務経験に代わる転職の武器を持つことが重要です。たとえば、「経理職に必要な資格(資格取得していなくても勉強だけでも大切)」「経理職の志望動機の具体的エピソードで熱意のアピールのための模範解答」「経理職以外の職種で培ったスキルでの貢献の仕方」の事前準備が武器となります。
経理に強い!おすすめの転職エージェント
ヒュープロ (Hupro) | MS-Japan | レックス アドバイザーズ | ジャスネット キャリア | 人材ドラフト | |
---|---|---|---|---|---|
求人数 | 約2,000件 | 約2,500件 | 約1,000件 | 約1,000件 | 約500件 |
対象年代 | 20代~50代 | 20代~50代 | 20代~30代 | 20代~30代 | 20代~50代 |
対応エリア | 東京都内 | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 |
設立 | 2015年 | 1990年 | 2002年 | 1996年 | 3400万円 |
得意領域 | 経理 会計事務所 | 経理 内部監査 経営企画 | 公認会計士 税理士 | 士業 | 会計事務所 |
特徴 | 東京の経理に強い | 全国の経理に強い | 士業に強い | 補完的 | 補完的 |
総合評価 | (10/10) | (9/10) | (7/10) | (7/10) | (6/10) |
評判口コミ | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る | 評判を見る |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
経理への転職なら、ヒュープロ・MS-Japanの2社がオススメです。
といった形で使い分けると良いでしょう。
ぜひ上記比較表をご参考に、ご自身に合った転職エージェントを利用してください。
1988年生まれ(36歳)
公認会計士・税理士
2012年 日商簿記1級 合格
2013年 公認会計士試験(論文式) 合格
2014年 EY新日本監査法人 入社
2021年 ニューラルグループ株式会社 入社
2024年 ARMS会計株式会社 代表取締役
前職では上場会社の経理部長として勤務し、現在は経理・財務支援サービス会社を経営しています。
外部サイト:経理事務がしんどい7つの理由!向き不向きを徹底解説
外部サイト:未経験から経理になる方法|経理屋さん