会計士が転職する際の「職務経歴書」「履歴書」の書き方【テンプレ公開】

公認会計士・税理士の藤沼です。

転職活動を慎重に行った結果、10社中9社で書類通過しました。(その後の内定率は100%でした)

私は時間をかけて慎重に転職活動をしていたため、多くの学びもありました。

そこで今回は、私たち会計士の「履歴書」「職務経歴書」の書き方を紹介します。

私が実際に内定を得た時の「履歴書」「職務経歴書」も公開しましたので、ダウンロードし、そのまま使っていただいて大丈夫です。

この記事を書いた人

1986年生まれ(38歳)
公認会計士税理士

2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表


目次

会計士が転職する際の職務経歴書の書き方

会計士が転職する際の職務経歴書の書き方

私たちのキャリアは、やや特殊です。

「監査法人」という組織での職務経歴は、専門性が高いため、他の組織の方(特に人事)から見ると分かりづらいのです。

そのため、職務経歴書記載上は 次のルールに従う必要があります。

会計士の職務経歴書ルールは3つ
  1. 構成はシンプルに
  2. 略歴は分かりやすく
  3. 職務内容は詳細かつ簡潔に

私は、この3つを意識したところ 9割の会社で書類選考を通過できました。

実際に私が使った職務経歴書は、下記リンクからダウンロードできます。(クリックすると、WordファイルのDLが始まります)

では1つ1つ解説します。

① 構成

職務経歴書の構成は、シンプルにして下さい。

具体的には、次の2項目だけで大丈夫です。

職務経歴書に書くべき2項目

  • 略歴
  • 職務内容

あまりに項目が多すぎると、それぞれの繋がりが分かりにくくなります。

場合によっては「文書作成能力が低い」とみなされる可能性があり、構成を増やすのは逆効果です。

② 略歴

「Zの法則」をご存知でしょうか。

人の目線は、Z方向に進むと言われています。(下図参照)

Zの法則

これは マーケティングの基本であり、職務経歴書においても同様です。

略歴は、職務経歴書の「最上段」に記述する項目です。

つまり、人が1番初めに目にするのが  あなたの略歴なのです。

複雑なキャリアを、そのまま複雑に書いてしまったのでは、初見の方は その後の文章を読む気をなくしてしまいます。

必ず、略歴はシンプルに分かりやすく記載して下さい。

私の場合は、次のように記載しました。

私の略歴 記載例

<略歴>

  • 2009年:東海大学工学部建築学科 卒業
  • 2009年~2013年:公認会計士試験の勉強に専念
  • 2013年:公認会計士論文式試験 合格
  • 2014年:EY新日本有限責任監査法人 入社

文章で記載するよりも、このように年度ごとに箇条書きで記載した方が、絶対に読みやすいです。

また「受験勉強の期間」を入れる点もポイントです。

これを書かなければ、「空白期間に何をしていたのか?」と疑問を抱かれます。

そして 具体的な職務内容(どんな仕事をしたのか)は、「職務内容」の方に記載します。

こんなの、履歴書とほぼ同じじゃないか!

というツッコミもありそうですが、実はそれで問題無いのです。

冒頭に申し上げた通り、「略歴」はヒトが一番初めに目にする部分です。

ココを読みやすくすることで、次の文章を読ませることが一番の目的になりますので、読みやすさが最も大切です。

ちなみに、このテクニックはコピーライティング業界でも 頻繁に用いられます。

③ 職務内容

ここで、自分の経験をアピールをします。

ポイントは「詳細さ」と「簡潔さ」の両立です。

また、記載する時は「ダイナミックさ」も意識すべきです。

「ちょっと意味が分からない… 」と思われるかもしれませんが、私の記載例をもとに解説します。

※ 下記にコピペしていますが、スマホだと見づらいと思うので、適宜、下記からダウンロードしてご確認ください。

私の職務内容 記載例

<職務内容>

2014年2月 ~2018年6月  EY新日本有限責任監査法人
事業内容:会計監査
資本金:1,000百万円以上  従業員数:6,000名以上

2014年2月 ~2017年6月
■会計監査(第1事業部)

  1.  財務諸表及び内部統制監査(金商法・会社法):計14社
    * 製造業:2社
    * IT産業:1社
    * 不動産業:2社
    * 外食産業:2社
    * アパレル業:3社
    * 医薬品メーカー:2社
    * スーパー・小売業:2社
    いずれも監査チームのスタッフとして従事。
    主に担当した勘定科目は、次のとおり。>現預金、借入金(金利スワップ等のデリバティブを含む)
    >有価証券(税効果含む)
    >純資産(自己株式の信託など)
    >固定資産(減損会計を含む)
    >売上高(アパレル業)
    >連結仕訳
    >子会社化及び吸収合併に関する仕訳検討
    >連結キャッシュフロー計算書
    >包括利益計算書
    >その他、多数の科目を担当
  2. 財務諸表監査(上場準備)
    * 電力会社:1社
    スタッフとして従事。
    売上高を主に担当し、再生可能エネルギーに係るビジネススキームの会計的検討に従事。

2017年7月 ~2018年6月
■会計監査(第3事業部)

  1. 財務諸表及び内部統制監査(金商法)
    * 外食産業:1社
    主査として現場マネージメント業務に従事。
    チームメンバーはパートナーを含め10名。
    部下の監査調書のレビュー、チームMTG、M&Aの検討など、マネージメント業務を中心として職務遂行にあたった。
  2. 財務諸表及び内部統制監査(会社法)
    * アパレル業:1社
    主査として現場マネージメント業務に従事。
    チームメンバーはパートナーを含め5名。
    部下の監査調書のレビュー、チームMTG、クライアント役員とのMTGなどのマネージメント業務を中心として職務遂行にあたった。
  3. 不正調査
    * アパレルメーカー:1社
    マネジメントポジションで従事。
    会計監査の視点から不正調査を行い、類似取引の検討、類似事業所の検討、再発防止策の提案、防止策の運用状況の評価、財務諸表全体に及ぼす金額の検討、不正発生拠点への実店舗調査などを行った。
    オペレーション改善に対するニーズも高かったことから、業務コンサルティングに近いサービスを提供。

ダーッと、それらしい言葉を並べています。 しかし、監査法人出身者の方なら みなさん経験されるような一般的なキャリアです。

略歴のような「分かりやすさ」はあまり意識する必要がありません。(見やすさ・読みやすさは大切ですが)

そもそも、私たちの経験は  一般の方には分かりづらい専門的なものです。

むしろ、会計士を採用したい企業というのは「その道のプロ」を求めているのですから、経験も専門的で当然であると考えているでしょう。

私も 自分の事務所で採用するのなら、専門用語を多用される方の方が採用しやすいです。

つまり  ここで意識するのは、「プロっぽさ」です。

会計士は、なんとなく「アピール」を苦手とする方が多いように思います。

物は書きようです。 不実を記載するのは絶対にダメですが、事実をプロらしく見せる必要はあります。(年収・キャリアを上げたいなら)

特に、年次の若い方(経験年数3~4年の方)は、特筆できる経験がない…という方も多いかもしれません。

しかし、実は そんなこと無いはずです。

3~4年もBIG4にいれば、普通の人ができない経験を数多くしているはずです。

経験を「細分化」するだけでも、数多くの経験を伝えることができます。

ぜひ、上記を参考にアレンジしてみて下さい。

なお 「簡潔さ」を意識するには「削っても良い文字は削る」のが手っ取り早いです。

簡潔さの例

× 経験を積みました。
〇 経験しました。

× して参りました。
〇 しました。

職務経歴書は、あくまで「経歴」を記載するものです。

「てにをは」よりも、簡潔さを意識すべきです。

論文ではありませんから、文章としての正しさはそこまで重要ではありません。

それよりも、読み手の気持ちになり、スムーズに(時間をかけずに)読めるような略歴を目指しましょう。

会計士の職務経歴書で突っ込まれやすいポイント

会計士の職務経歴書で突っ込まれやすいポイント

会計士の職務経歴書で突っ込まれるポイントは、主に次の3点です。

  • 監査法人内の「事業部」について
  • 受験勉強期間について
  • マネジメント経験について

「なぜ事業部が変わったのか?」という点が とてもよく質問されます。

トップが変わったことによる組織再編成(事業部の再編成)などは  監査法人あるあるですが、一般企業の方はあまり知らないようです。

また、「受験期間」についてもよく質問されます。

この点は、求職者の地頭のよさを確認する趣旨で質問されるケースが多いです。

勉強期間について嘘をつくことは出来ませんが、なぜ長期間勉強したのかという点についてロジカルに回答できると、(受験期間が長かったとしても)地頭は悪くないと判断されます。

そして  マネジメント経験についても、非常によく突っ込まれます。

いずれは  課長職・リーダー職にさせたい場合に、その素養があるかを確認するためです。

主査経験がある場合は その旨を記載することで、書類で落とされるリスクを軽減できます。

会計士の職務経歴書は、企業に応じて作り変えるのがベター

会計士の職務経歴書は、企業に応じて作り変えるのがベター

少し面倒かもしれませんが、もし第一志望から内定を得たいのであれば、その企業に適した職務経歴書を作りましょう。

企業によっては、「多様な経験」を求めたり「特化した経験」を求めたり、ニーズが様々だからです。

※ 公開している私の職務経歴書は、「多様な経験」をアピールした職務経歴書です。

たとえば 医薬品メーカーの経理等であれば、原価計算の経験は厚めに書き、職務経歴書を作り変えるべきでしょう。

また、経営者・面接官の好みなどもありますから、定性的な情報は転職エージェントから入手し、職経歴書の記載を少し変えると良いでしょう。

会計士の職務経歴書を添削してくれる転職エージェント

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設立1973年2015年2002年1990年2000年
資本金21億210万円2億2740万円6000万円5億8600万円3400万円
対象者公認会計士限定会計・税務会計系全般管理部門全般会計事務所
得意領域公認会計士・経理   
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職務経歴書を添削してくれるサービスもあります。

たとえば  会計士の転職エージェントとして最大手のマイナビ会計士では、求人に応募する都度、職務経歴書の添削をしてくれます。

各企業の経営者・面接官の好みも知っているため、内定を得やすい職務経歴書の作成が可能です。

転職の際はエージェントを使い、内定率を上げることをおすすめします。

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