ブラックな税理士事務所の特徴・見分け方12選【所長税理士が解説】
公認会計士・税理士の藤沼です。
残念なことですが、ブラックな税理士事務所は実在します。
実際、筆者自身も過去に働いていた会計事務所でパワハラを受けた経験があります。
アカウントエージェント株式会社の独自調査によれば、ブラックな税理士事務所には以下のような特徴があることが分かりました。
- 残業時間が極端に多い
- みなし残業の時間が多い
- 土日研修・休日出勤がある
- 放置される
- 所属税理士が1人しかいない
- 所長がワンマン
- 職員構成が極端に偏っている
- ノルマがある
- 給与水準が極端に低い
- 残業代が出ない・給与が未払い
- 事務所の雰囲気が悪い
- どんどん人が辞めていく
上記のうち1つでも該当したからといって、ブラックであるとは断言できません。
しかし、複数の項目が該当した場合、ブラックな税理士事務所である可能性が高まります。
本記事では、筆者自身の体験談も含めて「ブラックな税理士事務所の特徴と見分け方」を解説します。
ブラックな税理士事務所の特徴・見分け方【12選】
ブラックな税理士事務所の特徴・見分け方は、以下の通りです。
それぞれの特徴の見分け方について、以下詳しく解説します。
残業時間が極端に多い|繁忙期以外の残業時間も確認する

基本的に、税理士事務所は全体として残業時間が多くなる傾向にあります。
- 確定申告の期限が法律で決まっており、納期を動かしにくい
- 顧客から資料が届くのが遅れることがあり、直前対応になりやすい
個人事業主の確定申告であれば1月~3月が忙しくなり、法人の確定申告であれば決算日後2ヶ月間(3月決算法人が多いため、この場合は4月~5月)が忙しくなります。
そのため、この時期は残業時間が増加しやすい構造になっています。
しかし、残業時間が極端に多く、それが毎年続いているような税理士事務所はブラック事務所のサインです。
特に、組織規模の小さな税理士事務所は人事労務の専任担当者が存在しないため、所長が自ら勤怠管理・人事評価を行うケースも少なくありません。
そのため、所長自身が長時間労働に問題意識を持たない限り、残業の多さが改善されない傾向にありますし、正直なところ36協定を無視している税理士事務所も存在します。
とても許し難いことですが、これが現実です。
入所前に「残業の極端に多いブラックな税理士事務所」を見分ける方法は、以下の3つです。
- 応募する前に、転職エージェント経由で聞く
- 面接の際に、直接代表社員に聞く
- 面接を夜に設定し、面接後にオフィスを見学させてもらう
結論、事前に転職エージェントに聞くのが一番効率的です。これなら面接を受けずとも確認できますし、聞きづらいことを自分に代わって聞いてくれます。
また、自分の目で確かめたい方は面接時間を夜8時頃に設定し、面接後に事務所内を少し見学させてもらうのもオススメです。
もし夜9時になっても事務所内で職員が多く働いていたら、ブラックの可能性があります。
- 応募前に転職エージェントに聞く、または面接時に直接聞くのが手っ取り早い。
- 面接時間を閑散期の夜に設定し、職員の就労状況を確認するのもアリ。
みなし残業の時間が多い|固定残業代の超過分が支払われるか確認する

みなし残業制(固定残業制)とは、実際の残業時間にかかわらず、あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含めて支払う制度をいいます。
たとえば、残業時間がゼロの月があったとしても、一定金額のみなし残業代が支払われます(逆に、一定の残業時間を超過した分は追加で残業代として支払われます)。
弊社の調査結果によれば、みなし残業制を導入している税理士事務所では「平均で24時間分のみなし残業時間」を設定しています。(※ 調査方法:ハローワークインターネットサービスに求人票を掲載している会計事務所のうち、フルタイムかつ「みなし残業時間」を設定している会計事務所の求人全82件のみなし残業時間の平均値を算出。)
本来、みなし残業制は「残業代を固定することで人件費の支出を予測しやすくする」ために導入されます。
しかし、組織としては職員の残業時間がゼロであっても給与を支払わなければならないため、経営上は常にみなし残業時間までフルに働いてくれた方が良いのです。
このような構造から、常にみなし残業時間までフルに残業をさせる誘因がはたらき、結果として長時間労働が常態化するケースがあります。
職員のワークライフバランスに理解のある事務所ならそうはなりませんが、利益追求型の事務所ではこの傾向が強く表れやすく、ブラック化しやすいのです。
従業員側の意識も注意が必要です。
「みなし残業代が支給されるから、残業してもいいか…」と考えるようになり、残業への抵抗感が薄れやすいからです。
なお、残業代の支給有無・金額については、必ず面接前に確認してください。
というのも、民間の職業紹介事業者(転職エージェント)を利用した人の「求人条件と採用条件が違った」という不満で、最も多いのが「賃金に関すること(固定残業代を含む)」だからです。

「人事部」を設けていない税理士事務所は多く、求人票に誤りが記載されるケースも多くあります。
雇用契約の詳細については、求人票を見るだけでなく、必ずその税理士事務所に確認しましょう。
「給料に関する質問はご法度ではないか」と考える方もいると思いますが、最も確認すべき重要事項です。直接確認が難しければ、転職エージェントを経由して確認しましょう。
- みなし残業時間が40時間を超える税理士事務所には注意が必要。
- 求人票にみなし残業制の記載がなくとも念のため直接確認すること。
土日研修・休日出勤がある|強制参加なのか代休・手当があるか確認する

強制参加の研修会を土日に頻繁に実施している税理士事務所は、ブラックな可能性が高いです。
本来、仕事は出勤日である平日の間に終わらせるべきです。それができず従業員のプライベートな時間である土日にも強制で出勤させることは、所長税理士の管理能力が低いと言わざるを得ません。
真っ当な税理士事務所では、平日の定時内または定時後に研修を実施します。
もちろん、時間外で研修会を実施した場合は残業代が出なければ労働基準法違反です。
「会社は、従業員に対し、業務上必要な知識、技能を高め、資質の向上を図るため、必要な教育訓練を行う。」、「従業員は、会社から教育訓練を受講するよう指示された場合は、特段の事由がない限り指示された教育訓練を受講しなければならない。」と規定されていることをも併せ鑑みれば、原告が「勉強会」に参加する時間は、被告の指揮命令下に置かれている時間、すなわち労働基準法上の労働時間に該当すると解するのが相当である。
引用:前原鎔断事件|大阪地裁令和2年3月3日判決
また、法定休日(週1日の休日)に研修へ出勤させた場合は、35%以上の割増賃金が必要です。あとから代休を与えても、この割増分を支払う義務はなくなりません。
こうしたブラックな会計事務所を避けるためには、面接で直接確認する、または事前に転職エージェント経由で確認すべきです。
土日の研修が強制参加か、休日手当・代休があるかを面接で確認する。
放置される|未経験者はOJTやレビュー体制があるか必ず確認する

組織全体として、または直属の先輩が「あまり部下に教えない」という税理士事務所もあります。
このような組織は非常に働きづらく、何といっても税務スタッフとしての成長がストップしてしまいます。
特に、未経験者の方は注意が必要です。
税理士事務所では、(初めのうちは)OJTがなければ絶対に成長できません。
誰に教わるかによって自分の成長スピードが変わる、と言っても過言ではありません。
それほどまでに、教えてくれる先輩の存在は重要です。
放置するような税理士事務所かを見極めるには、例えば「年齢の近い先輩スタッフが在籍しているか」「自分と同じようなバックボーンのスタッフが在籍しているか」を確認すると良いでしょう。
自分と比較的年齢の近い先輩(自分よりも5歳~10歳程度年上)が在籍していれば、比較的教えてもらいやすいと感じます。
逆に先輩職員の年齢が自分と10歳以上離れていると、その先輩職員も初心を忘れてしまっており、うまく教えられないケースがあります。
会計事務所で入所後に任される仕事内容は、以下の記事で詳しく解説しています。
- 年齢の近い先輩スタッフがいるか確認することで、指導環境をある程度イメージできる。
- 具体的にどんな人が直属の先輩になるのかも確認しておく。
所属税理士が1人しかいない|チェック体制や試験勉強への理解を確認する

税理士が所長1人しかいない税理士事務所の場合、ブラックである可能性があります。
理由は2つあります。
- 税理士受験生の職員が勉強できない環境の可能性がある
- 税理士受験生の職員が合格した後、辞めてしまっている可能性がある
1つ目は、税理士受験生にとって良い環境ではない可能性です。
あくまで例の一つですが、あまりに仕事量が多いため受験勉強をする時間がなく、いつまでも税理士になれないケースがあります。
2つ目は、過去に税理士受験生が合格したものの、そのまま辞めてしまった可能性です。
これもあくまで一例ですが、「税理士になるまでは悪い労働環境に我慢し続け、合格したから辞めてしまった」という可能性があります。
上記はあくまで可能性の話ですが、税理士が1人しかいない事務所は避けるのが無難です。
もちろん、開業したばかりの税理士事務所はそもそも職員数が少ないため、一概には言えません。
やや重要度は下がりますが、少しでも失敗を避けたい方は税理士の人数も確認しておくと良いでしょう。
税理士を目指さずに税理士補助として働く選択肢については、以下の記事で詳しく解説しています。
税理士が1人しかいない場合、受験生にとって良い環境ではない可能性がある。
所長がワンマン|面接時の態度や職員の定着率を確認する

税理士事務所あるあるですが、所長が振り回すタイプ・ワンマンの税理士事務所は、ブラックな傾向にあります。
税理士事務所は所長のパワーが強くなりやすく、振り回されてしまう職員は多いです。
具体的な弊害としては、例えば次のようなケースがあります。
- 所長の言うことがコロコロ変わる
- 感情論だけで話すため常に機嫌を伺わなければならない
- 職場で大声で怒鳴られる
- 結果、自分が仕事で間違った判断をしてしまう
所長の性格が自分の仕事のパフォーマンスに悪影響を与え、仕事量が増えたり、精神的ストレスを抱える可能性があります。
このようなブラックな税理士事務所の見分け方としては、「面接時に所長の言動の一貫性を確かめる」という方法がオススメです。
確かめる内容はなんでも構いませんが、たとえば求人票に書いてある内容をそのまま聞き、求人票とは違うことを話していたり、回答が曖昧であった場合には要注意です。
内定後は所長のもとで働くことになりますから、所長の人柄はしっかりと見極めましょう。
面接時に「言動に一貫性があるか」を確認する。
職員構成が極端に偏っている|特定の層が定着しない理由を確認する

職種によって標準的な男女比率は異なりますが、税理士事務所業界では、半々(または女性が若干多め)が標準値であると感じます。
というのも、「税理士」は男性の割合が高いものの、「パート職員」は女性の方が多いからです。
(参考)税理士の男女比率
| 男性 | 女性 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 税理士全体 | 27,249 (84%) | 5,160 (16%) | 32,409 (100%) |
私の事務所でも、定期的に求職者の方から求人応募がきますが、肌感覚として男女半々くらいで応募されてくる印象があります。
一方、税理士事務所の中には極端に男性が多い、極端に女性が多いという税理士事務所もあります。
このような男女比率が極端な税理士事務所は、人によってブラックであると感じるケースがあります。
特に、異性の職員の比率が高い税理士事務所には、注意が必要です。
というのも、その税理士事務所が異性にとって働きやすく、自分にとっては働きにくい環境である可能性があるからです。
- 男性が極端に多い:体育会系色が強い可能性アリ
- 女性が極端に多い:男性職員が定着しにくい理由がある可能性アリ
私の肌感覚として、7:3くらいまでであれば許容できますが、8:2くらいになると強い違和感があります。
もちろん、男女比率が極端=ブラックとはなりませんので、あくまで傾向の話です。
男女比率が極端な税理士事務所に応募する際は、その理由を直接聞いておくと良いでしょう。
- 男女比率半々(ただし税理士は除く)が標準値。
- 男女比率が極端な場合には、その理由を直接聞くと良い。
ノルマがある|無理な営業・紹介ノルマがないか確認する

無資格者に対して営業ノルマを課す税理士事務所は、間違いなくブラックです。
ノルマの例としては、保険の営業、顧問先の獲得などが挙げられます。
営業は主に月次巡回監査など(外回り・リモート)の際に行われますが、そもそも無資格者には税・金融に関する知識が足りないため、営業行為は難しいでしょう。
そのため、無資格者に対して営業ノルマを課すような税理士事務所は危険です。(そもそも、営業は所長の仕事です。)
最近ではノルマを課すような税理士事務所はあまり見かけませんが、面接時に直接聞く、または転職エージェントから聞き出すと良いでしょう。
- あまりノルマを課す税理士事務所はないが、面接時に直接聞く、または転職エージェント経由で聞き出せば盤石。
給与水準が極端に低い|搾取されないために年収相場を確認する

給与水準が極端に低い税理士事務所も、ブラックと言えるでしょう。(もちろん、給与水準が低い理由は様々だと思いますが)
新聞の折り込みチラシや、「求人ボックス」などのいわゆる求人サイトに掲載している税理士事務所は、全体的に給与水準が低い傾向にあります。
これは、求人サイトと転職エージェントの求人票に記載されている「年収」を比較すれば明らかです。
まず、求人サイトとして代表的な求人ボックスが集計した「税理士事務所の年収データ」を見てみましょう。
「求人ボックス」に掲載されている求人の年収

税理士事務所での正社員の平均年収は526万円と算出されています。
次に、税理士事務所専門の大手エージェントヒュープロの求人を抽出・集計した結果を掲載します。
「ヒュープロ」に掲載されている求人の年収
| 下限平均 | 上限平均 | 平均年収 | 求人件数 | |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 444万円 | 740万円 | 592万円 | 2,320件 |
| 東京以外 | 383万円 | 647万円 | 515万円 | 3,147件 |
| 全体 | 409万円 | 686万円 | 547万円 | 5,467件 |
全国平均は547万円と、先述の求人サイトと比較すると約21万円もの差が生じています。
裏側の話ですが、「求人サイト」は費用が安く済むため、利用している税理士事務所も多いです。
しかし、裏を返せばそれは税理士事務所の売上が少ないことを意味しており、それが給与水準の低さにも繋がります。
一方、「転職エージェント」は費用負担が大きい代わりに採用もスムーズであることから、資金の潤沢なホワイトな税理士事務所が利用する傾向にあります。
このように、薄給・年収水準の低い税理士事務所を選ばないためには、転職エージェント経由で求人を探すことが重要です。
なお、税理士事務所での平均年収について、さらに詳しいデータは会計事務所の年収は583万円です【資格別リサーチ結果】で紹介しています。
「求人サイト」ではなく「転職エージェント」に掲載している税理士事務所を選ぶ。
残業代が出ない・給与が未払い|労働条件と勤怠管理の方法を確認する

もはや労働基準法違反ですが、残業代・給与を支払わない税理士事務所も存在するようです。
業界全体では、令和7年に全国の労働基準監督署が取り扱った賃金不払事案が22,605件にのぼります。対象労働者は173,016人、金額は約128.6億円です(厚生労働省|賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和7年))。
私は直接目にしたことがありませんが、同僚の税理士が実際にそのような税理士事務所で働いていました。
当然、残業代・給与を支払わないような税理士事務所は間違いなく違法であり、ブラックです。
もし今そんな税理士事務所に所属しているのであれば、絶対に辞めるべきです。
他に良い条件の税理士事務所が絶対にあります。
正しく残業代・給与を支払っている税理士事務所を探すのであれば、転職エージェントに登録している税理士事務所の中から選びましょう。
というのも、転職エージェントを利用するには多額の費用がかかるため、経費を支払う能力があると考えられるからです。
従業員給与未払いの背景には、そもそも売上が伸びていない、赤字経営である、といった背景があります。
売上が伸びているのであれば、転職エージェントに報酬を支払う金銭的余裕があり、従業員に対する給与も支払うことができるはずです。
転職エージェントが保有する求人の中から選べば、極端にブラックな税理士事務所は回避できる。
事務所の雰囲気が悪い|面接・見学・転職エージェントで内情を確認する

「会計事務所はやめたほうがいい」と言われる5つの理由【やばい事務所の特徴も紹介】の記事でも書きましたが、多くの税務スタッフが、「雰囲気の悪さ」といった環境的な要因により会計事務所を辞めています。
そのため、雰囲気の悪い税理士事務所=ブラックであると言えるでしょう。
お局様がいたり、所長がコミュニケーションに積極的でなかったり、雰囲気を悪くする要因は様々です。
事務所内の雰囲気を確認する方法としては、次の2つの方法があります。
- 企業口コミサイトを見る
- 転職エージェントから内情を聞き出す
企業口コミサイトとは、企業を辞めた人・在籍者から投稿される口コミを集めたサイトをいいます。
有名なサイトとしては、OpenWorkや転職会議があります。
実際に働いていた人による生の口コミが記載されているため、「事務所の雰囲気」という定性的な情報を、そのまま目にすることができるでしょう。
ただし、口コミサイトに登録されているのは規模の大きな事務所に限られており、会計事務所は職員数が少なく身バレのリスクがあるため、そもそも口コミが投稿されるケースは限定的です。
そのため、転職エージェントから聞き出す方が内情を聞き出せる可能性は高いです。
(もちろん、全てを鵜呑みにするのは危険ですが)
- 口コミサイト・転職エージェントを利用し、予め内情を聞き出しておくことをオススメします。
- ただし、聞いた話を鵜呑みにせず、面接や見学で自分の目でも確かめる。
どんどん人が辞めていく|応募前に離職率や求人の掲載頻度を確認する

どんどん人が辞めていくようなブラック事務所も存在します。
当然、働きやすい組織なら人は辞めません。逆に、働きづらい要因のある組織では、どんどん人が辞めていきます。
つまり、良い事務所なら人は辞めないということです。
私は(非常勤も含め)計3社の会計事務所・監査法人を経験しました。
そのうち1社は驚くほどホワイトな組織であり、離職率は年2%以下でした。
労働環境がきつかったり、雰囲気が悪かったり、ブラックと言われる要因は様々ですが、良い組織なら人は辞めないはずです。
言い換えれば、離職率の高い会計事務所=ブラックであるということです。
しかし、会計事務所の「離職率」は求人票にはまず掲載されません。
そのため、面接時に直接聞く、または転職エージェントの担当者に聞いてもらう必要があります。
なお、離職率を聞いた時にごまかされた、または回答がなかった場合も、ブラックである可能性が高いです。
離職率は、小さい組織ほどかんたんに算出できます。
これを回答できないというのは、強い違和感があります。
会計事務所は人の入れ替わりが比較的多いですが、極端に離職率の高い会計事務所は危険です。
- 離職率の高い会計事務所=ブラックと思って良い
- 離職率は転職エージェント経由で聞くと、かんたんに聞き出せる
ホワイトな税理士事務所の探し方・見分け方【4選】
ホワイトな税理士事務所の探し方・見分け方は、以下の4つです。
「ホワイト」の定義は人によって異なりますが、ここでは「ワークライフバランスが取りやすい」と定義します。
以下、それぞれ簡単に解説します。
離職率が10%以下の税理士事務所|一番重要!「働きやすさ」が客観的に分かる!
ホワイトな税理士事務所を探す際は、離職率が10%以下の事務所を選びましょう。
10%の根拠は、厚生労働省および一般社団法人会計事務所連携協議会の調査結果から分かります。
税理士事務所の離職率平均
| 調査主体 | 離職率 |
|---|---|
| 厚生労働省 | 10.0%※1 |
| 一般社団法人会計事務所連携協議会 | 12.7%※2 |
- 出典:令和7年 雇用動向調査結果の概況「2 産業別の入職と離職」
対象:学術研究,専門・技術サービス業の一般労働者(公認会計士事務所・税理士事務所のほか、その他の業種も含まれる) - 出典:大規模会計事務所の実態調査レポート2025「5-7.離職率」
対象:大規模会計事務所
n数 :17社
なお、離職率の中央値は11.1%
上記のように、税理士事務所の平均的な離職率は概ね10~13%程度であると言えます。
この水準を下回っていれば、少なくとも人が辞めにくい税理士事務所であると言え、働きやすい税理士事務所であると考えられます。
「離職率」はホワイトな事務所を客観的に評価する指標ですので、必ず確認しましょう。
有給消化率が65%以上の税理士事務所|「実際に使われているか」まで確認をする
「有給消化率」も、ホワイトな会計事務所を見分ける際の指標です。
というのも、年間休日日数が多かったり、付与される有給休暇日数が多かったとしても、実際に消化できる雰囲気があるとは限らないからです。
目安としては、有給取得率が65%以上の税理士事務所を選ぶと良いでしょう。
この水準も、厚労省・一般社団法人会計事務所連携協議会の調査結果から来ています。
税理士事務所の有給休暇取得率平均
| 調査主体 | 有給休暇取得率 |
|---|---|
| 厚生労働省 | 66.8%※1 |
| 一般社団法人会計事務所連携協議会 | 64.3%※2 |
- 出典:令和7(2025)年就労条件総合調査
対象:学術研究,専門・技術サービス業(公認会計士事務所・税理士事務所のほか、その他の業種も含まれる)
なお、常用労働者30人以上の企業が対象 - 出典:大規模会計事務所の実態調査レポート2025「4-6.有給休暇取得率」
対象:大規模会計事務所
n数 :17社
ただし、税理士事務所には繁忙期・閑散期があります。
繁忙期に有給休暇を取得するのは基本的に避け、どうしても繁忙期に休暇を入れる必要がある場合には、事前に(できれば半年以上前までに)所長や上長に相談しておく必要があります。
有給休暇の取得のしやすさについては「実績率」を必ず聞くこと。
税理士試験の受験サポート・支援をしている税理士事務所|職員に寄り添った環境選び
税理士試験の受験サポート・支援をしている税理士事務所は、ホワイトである可能性が少し高まります。
これは、職員に寄り添った環境である可能性があり、また定時後の残業も少ない傾向にあるからです。
ただし、これはあくまで可能性・傾向の話です。
税理士受験のサポート・支援について、本当に運用されているか?を確かめるためには、以下の項目を確認してください。
- 税理士受験生が何名在籍しているか
- 受験生職員の合格実績
- 合格した職員がその後も事務所で勤務し続けているか
- 具体的にどのようなサポートが受けられるか
上記4項目は、いずれも非常に重要です。
税理士試験を受験するか否かに関わらず、ホワイトな税理士事務所を選ぶ際の指針としてご活用ください。
働きながら税理士試験に合格できる税理士事務所の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
残業時間を減らすための明確な方針・施策を公開している税理士事務所
残業時間の少ない税理士事務所はホワイトであると言えますが、その確認方法には注意が必要です。
- 年間平均だけでなく、月ごとの平均残業時間を確認する
- 最も多く残業している人の残業時間を確認する
- 残業を減らすための明確な方針・施策を確認する
特に、3番目の「明確な方針・施策の確認」は重要です。なぜなら、残業時間が少ないのは単に職員が優秀なだけの可能性があるからです。
きちんと事務所の方針として残業時間を減らす方針・施策が存在すれば、「入所したら自分だけ激務だった…」なんてことにはなりにくいはずです。
また、この方針・施策を公式サイトなどで公開していると更に良いです。内部向けだけでなく外部にも方針を打ち出しているのであれば、より残業時間の少なさが担保されるためです。
ブラックな税理士事務所に関するよくある質問
ブラックな税理士事務所に関するよくある疑問・回答を、以下にまとめました。
- 税理士事務所はブラックしかないのですか?
-
いいえ、ホワイトな税理士事務所も多くあります。
私は多くの開業税理士と関わる機会がありますが、人として尊敬できる所長を多く知っています。(もちろん、その逆もまた…。)
税理士事務所にはアタリ・ハズレがありますので、「ここだ!」と思える税理士事務所を見つけるまで、根気よく転職活動を行うことが大切です。
- 税理士事務所のブラックリストはもらえますか?
-
私はこの業界に10年以上身を置いているため、「あそこは危険」といった話を耳にすることがあります。
しかし、それをリスト化して配布することはありません。
※ 公の場でそうした情報を流布することは、名誉毀損に該当する可能性があります。一方、「ここは大丈夫か?」といった個別のご質問には回答することができます。
気になる求人などがある方は、私の公式LINEへご連絡いただければ、個別にお答えします。
- 未経験で税理士事務所に転職するのはきついですか?
-
はい、最初の1年ほどはきついと感じやすいです。税法や会計ソフトの使い方など覚えることが多いうえ、入所してすぐに確定申告や決算の繁忙期を迎えることもあるからです。
ただし、OJTやレビューの体制が整った税理士事務所を選べば、未経験でも着実に仕事を覚えられます。入所前に「誰が指導してくれるのか」を確認しておきましょう。
未経験から税理士事務所に転職するときのコツは、以下の記事で詳しく解説しています。
- どんな人が会計事務所に向いていますか?
-
コツコツと正確に作業を進められる人や、税金・会計の勉強を続けられる人が会計事務所に向いています。数字の入力やチェックが仕事の中心で、税制改正のたびに新しい知識も必要になるからです。
また、顧問先の社長と話す機会が多いため、人と話すことが苦にならない人も向いています。
【比較表】ブラックな税理士事務所を回避!おすすめの転職エージェント
ホワイトな税理士事務所を探す際は、以下の転職エージェントの中から選んで利用することをオススメします。
| レックスアドバイザーズ | ヒュープロ | MS-Japan | 人材ドラフト | マイナビ転職税理士 | |
|---|---|---|---|---|---|
![]() | ![]() | ||||
| 総合評価 ※1 | 4.50 / 5.00 | 4.39 / 5.00 | 4.11 / 5.00 | 3.92 / 5.00 | 3.87 / 5.00 |
| 求人数 ※2 | 2,000 件~ | 3,000 件~ | 1,800 件~ | 1,800 件~ | 1,200 件~ |
| 得意領域 | 会計事務所/税理士 | 会計事務所/税理士 | 管理部門 | 会計系 | 税理士 |
| 強み | 利用者満足度が高い | 求人数No.1 | 業界の老舗 | – | – |
| サービス開始 | 2004年 | 2016年 | 1995年 | 2001年 | 2015年 |
| 利用対象者 | 20~50代 | 20~50代 | 30~40代 | 20~50代 | 20~40代 |
| 対象エリア | 全国 | 全国 | 関東/関西/東海 | 全国 | 関東/関西/東海 |
| 料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
| 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ |
| 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP |
- 総合評価の算出方法:コンテンツ制作ポリシー「転職エージェントの評価基準」に基づき算出しています。
- 求人数の集計対象:各社の会計事務所の求人数のみを集計しています。 (2026年10月1日時点)
ホワイトな求人を探す際には、多くの求人の中から選ぶことが大切です。
ぜひ上記の比較表をご参考に、ご自身に合った転職エージェントをご利用ください。
会計事務所に強い転職エージェントをもっと比べたい方は、以下の記事をご覧ください。








