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投資銀行へ転職した会計士の働き方とキャリア

投資銀行へ転職した会計士の働き方とキャリア

公認会計士・税理士の藤沼です。

会計士の転職先として、投資銀行を選ばれる方は希少です。

そのため、ネットを探しても中々「投資銀行へ転職した会計士」の情報が出てきません。 

そこで今回は、監査法人 → 投資銀行に転職した会計士にインタビューを行い、私の知見も含めて情報を提供します。

私自身も FASへの転職経験がありますので、他のコンサルとの違いなども解説します。

この記事で分かること


  • 投資銀行は、会計士の転職先の中で最もハードと言っても過言ではない。
  • ビジネス会話レベルの英語力が必須
  • 年収水準は極めて高く、賞与は業績連動
  • 国内系投資銀行なら会計士は各ハウスに複数名いる
  • 狭き門であるため、公認会計士であっても面接対策は必須
  • 公認会計士に強い転職エージェントを使うべき
この記事の執筆者
藤沼 寛夫

公認会計士・税理士

藤沼 寛夫›

藤沼会計事務所 所長
アカウントエージェント株式会社 代表取締役

2013年に公認会計士論文式試験に合格し、2014年にEY新日本有限責任監査法人に入所。上場会社・学校法人・上場準備会社の会計監査業務に従事し、2018年に東京共同会計事務所に転職。広くFASに関与し、2019年に藤沼会計事務所を独立開業。翌2020年にはアカウントエージェント株式会社を設立し、会計税務コンサルティング及び会計税務に関する転職支援サービスを提供している。

情報提供者
花山

公認会計士試験合格者

花山
  • 大手監査法人:M&Aコンサルに従事
  • 外資系投資銀行:クロスボーダーM&Aコンサルに従事
  • PEファンド:ディールソーシング・検討・エグゼキューションに従事

花山さんは、X(旧Twitter)でも有名な金融マンです。


目次

投資銀行に転職した会計士の仕事内容

会計士が投資銀行・IBD(外資系投資銀行部門)へ転職した場合、主に次の業務を任されます。

投資銀行での仕事内容
  • 財務DD
  • バリュエーション
  • 財務分析
  • 財務モデリング
  • その他、MTG出席、議事録の作成など

いわゆるFAS業務です。

一般的なジュニアバンカーの仕事内容と、さほど変わりません。

また、ブティック系FAS や 監査法人アドバイザリー部門 での仕事内容とも、あまり変わりません。

※ もちろん、業務範囲の広狭という点では違いがあります。

投資銀行とFASの違い

先述のとおり、投資銀行とFASでは、主な仕事内容に違いはありません。

しかし、外資系投資銀行 や 大手日系投資銀行であれば、大規模なディールが中心になります。

そのため、ブティック系FASや監査法人のアドバイザリー部門が扱えないような、大規模プロジェクトを手掛けるケースが増えます。

特に、(あまり大声で言うべきではありませんが)ブティック系FASに比べ、投資銀行はFAの品質が圧倒的に高いです。

また、投資銀行では「資金調達も含めた買収スキーム」を提案できる点も、FASとは違う点の1つでしょう。

通常のFASよりも大規模なプロジェクトを扱い、通常のFASよりも関与できるサービスラインが増えることから、コンサル業界での「投資銀行」というキャリアは  転職市場において高く評価されます。

投資銀行とPEファンドの違い

投資銀行とPEファンドは、同じ金融業界という括りからよく比較されるようです。

もちろん似ている部分もありますが、違いも多くあります。

ここでは代表的なものを紹介します。

投資銀行とPEファンドの違い

そもそもベクトルが違う

投資銀行での仕事は、クライアントワークです。

つまり、顧客からの相談(売りたい・買いたい)を受け、そのニーズにマッチする提案を行います。

一方、PEファンドはそもそも投資する側ですから、例えば投資案件を探すために投資銀行を使う立場にあります。(PEファンドへの出資者がクライアントになる)

そのため、投資銀行はPEファンドに比べて利害関係者が多く、全ての利害関係者のために資料を作成することが求められます。

この点は、投資銀行が激務である理由の1つでもあるでしょう。

監査経験が活きるポイント

監査法人での経験は、たとえば次の点で役立ちます。

監査経験が活かせるポイント
  • 有報・アニュアルレポートを素早く読むことができ、財務分析に役立つ
  • 財務DD
  • バリュエーション

有報やアニュアルレポートを瞬時に読めるスキルは、私たち会計士の大きな強みです。

財務DDは監査とほぼ同様(水準は異なりますが)の作業ですから、この点でも監査経験が活きます。

バリュエーション(企業価値評価)は、監査法人で経験するケースは少ないものの、公認会計士試験での勉強内容(経営学)がそのまま役立ちます。

また、投資銀行ではセルサイドのM&Aにも携わるケースが多いため、ここでも会計士としての強みを活かすことができます。

仕事に「やりがい」を感じるポイント

投資銀行では、次のような時にやりがいを感じるケースが多いようです。

やりがいを感じるポイント
  • 複雑な財務モデル・スキームを作成し、クライアントに上手く説明できた時
  • ボーナスが良かった時

こちらも、私がFASでM&Aアドバイザリーをしていた時とよく似ています。

ただし投資銀行は(FAS以上に)激務であることが多く、「やりがい」を感じるほど余裕がないかもしれません。

バイタリティが求められることは確実です。

投資銀行に転職した会計士の待遇

ここでは、投資銀行での「職階」「年収」 をそれぞれ確認します。

職階

戦略コンサル・証券会社などの前職がない限り、公認会計士であっても アナリスト(最も低い職階)からスタートするケースが多いです。

投資銀行での一般的な職階は、次のとおりです。

投資銀行での一般的な職階
  1. アナリスト
  2. アソシエイト
  3. ヴァイス・プレジデント
  4. ディレクター
  5. マネージング・ディレクター

ハウス(ファーム)にもよりますが、2~4年で昇格していきます。

年収・ボーナス

これもハウスによりますが、ベース給与はおおよそ次のような水準になります。

※ 日系 or 外資 により ベースが異なるほか、大手では更にベースが上がります。

投資銀行のベース(年俸)

  • アナリスト:700万
  • アソシエイト:1,000万
  • ヴァイス・プレジデント:1,500万
  • ディレクター:2,000万
  • マネージング・ディレクター:2,500万

※ あくまで目安です。

また、これに加えてボーナスが加算されます。

ボーナスは業績にやや連動し、「ベース × 0%~100%」が支払われます。

そのため、20代で年収2,000万というケースもよく目にします。

投資銀行での労働環境

投資銀行内での労働環境について、見てみましょう。

残業時間

投資銀行は、会計士の転職先として1~2位を争う忙しさの転職先です。

もちろん、こちらもハウスにより異なりますが、業界では平均して80~130時間/月ほど残業が発生します。

プロジェクト単位のワークですから、繁忙期は徹夜も発生します。

休みの日であっても、モバイルを常にチェックできる必要があり、ワークライフバランスは無いと言っても良いでしょう。

監査法人よりもストレス度は格段に高く、ストレス耐性の無い方には、投資銀行はオススメできません。

求められる英語力

TOEICで言えば、900点以上が基本です。

ただし、帰国子女やネイティブの方が多くいますので、面接時に「TOEICのスコア」で測られるという事はさほどありません。

実際の業務においては、

  • 海外オフィスの同僚とメール・電話でコミュニケーションできるレベル
  • 英語で会社概要を作成できるライティングのレベル

が求められます。

また、大手証券会社よりも少数精鋭の日系投資銀行の方が、高い英語力が求められる傾向にあります。

働く人のバックボーン

新卒・ポテンシャル採用の若手は、東大・京大や一橋、慶應早稲田の上位学部(経済・政治経済)、海外留学経験者が多く、自然と高学歴な方が多くなります。

また、MBA持ちの方は、Harvard、Wharton、Chicago Booth、Cornell、LSEなどの欧米上位校が目立ちます。

転職組の方は、大手監査法人アドバイザリー、財務省等の中央官庁、総合商社、同業他社の出身者が多くを占める印象があります。

当然ながら、IBD(外資系投資銀行部門)であれば、海外在住・留学経験のある方が多いです。

また、年代としては30歳前後の方が最も多く、組織の平均年齢は若くなる傾向にあります。

会計士はどの程度いるか

国内系投資銀行であれば、各ハウスに複数名の会計士が在籍しています。

しかし、IBD(外資系投資銀行部門)になると、会計士は各ハウスに1名いるかどうか、といった印象です。

投資銀行に転職した会計士のその後の転職先

投資銀行に転職すると、専門性は「会計」から「ファイナンス」に変遷します。

そのため、監査法人や税理士法人など、会計税務に戻るケースは少ないでしょう。(戻れないこともありませんが、意味のないキャリアになる)

会計士が投資銀行から転職する場合、次のような転職先がメジャーです。

投資銀行からの転職先
  • 待遇のより良い同業他社
  • 日系FAS、監査法人アドバイザリーでのM&A
  • PEファンド
  • ベンチャー企業のCFO
  • 事業会社の経営企画
  • 起業

投資銀行では、

  • バリュエーション・財務モデリングスキル
  • 短時間でアウトプットする思考力
  • 売上を上げるマインド(貪欲さ)
  • 英語力

など、ビジネスマンとしてのマインドセットが、高い水準で得られます。

そのため、これらを活用した転職先へステップアップする方が多いです。

また、非常に優秀な上司・同僚との繋がりができるため、「一緒に起業する」といったキャリアも選択肢に挙がります。

会計士の各転職先については、以下の記事内でまとめて紹介しています。

会計士が投資銀行に転職した理由

会計士が転職先として「投資銀行」を選ぶ理由として多いのは、次の2パターンです。

  • 年収を大きく上げるため
  • 活躍のフィールドを広げるため

監査法人などの一般的なキャリアでは、年収を1,000万の大台に乗せるには、少なくとも10年程度必要になります。

また、監査経験のみでは転職市場での評価が低く、フィールドを広げる必要があります。

この2点を満たすことのできるのが、投資銀行です。

また、公認会計士試験で学習したファイナンスの知見を活用できることから、「戦略コンサル」等よりも早期に活躍できるように感じます。

日系・外資系のどちらを選ぶか

日系・外資系、と大きく分けるのであれば、それぞれの違いは次のとおりです。

  • 日系投資銀行:案件数が比較的多く、短期間で経験値を上げられる
  • 外資投資銀行:クロスボーダー案件が多く、英語力が鍛えられる

正直、業務内容にそこまで大きな違いはありません。

しかし、キャリアとしての見栄えは外資系の方が良く、転職市場でも高く評価されます。(もちろん、組織規模にもよりますが)

転職を考え始めるタイミング

投資銀行は、会計士の転職先の中でも かなり就職難易度の高い転職先です。

そのため、早期に情報を収集しておき、良いと感じた求人には積極的に応募する必要があります。

空いた時間で転職エージェントから積極的に情報を入手し続け、募集ポジションの情報収集を行うべきです。

例えば、情報提供者の花山さんの例では、監査法人入所後6ヶ月程度で転職を考え始め、実際には転職までに3年かかっています。

MBAを取得してから転職する…という方も少なからずいますが、取得には相応の年数がかかります。

監査経験のみで転職できるケースもありますから、最短距離を行くのであれば、どんどん求人に応募すべきでしょう。

会計士が投資銀行へ転職するための面接対策

会計士が投資銀行に応募した際の、面接等のポイントを紹介します。

会計士であっても内定率は低い

投資銀行業界は慢性的に人手不足であるものの、(会計士であっても)内定率は低いです。

転職者に求められるのは「経験」であり、少数精鋭のチームでは特に、経験者が優先されやすいからです。

そのため 監査経験のみの場合、内定率は10%にも満たないケースが多くあります。

(あくまで参考値ですが)10社程度に応募することで、1社から内定を得られるイメージです。

投資銀行からの人材流出は多く、ハウスによっては採用ニーズがまだまだあります。

しかし、外資系の採用では「人員を増やす」というよりも「抜けた穴を埋める」ために採用するケースが多く、他のFASでキャリアを積み上げてから転職される方が多いです。

面接でのアピールポイント

投資銀行への転職活動では、面接官に次のポイントを認めてもらう必要があります。

  • バリュエーションの知識
  • 業務に対する理解
  • 体力・忍耐力・元気
  • チームワーク力

業界知識への理解度は当然として、意外と「元気」というのが重要です。

というのも、(どんなに地頭が良かったとしても)元気がなく「一緒に働きたくない」と思われてしまうと、面接で落とされるケースが多いからです。

また先述のとおり、投資銀行には会計士がさほど在籍していません。

そのため、財務DDやバリュエーションの細かな論点に即答できるよう、会計士としての強みもアピールできると優位性が確保できます。

なお、面接は英語で行うケースがほとんどですので、上記を英語でアピールする必要があります。

【比較表】投資銀行に転職したい会計士におすすめの転職エージェント

スクロールできます
マイナビ転職会計士レックスアドバイザーズツインプロCPASSキャリアMS-Japan
マイナビ転職会計士レックスアドバイザーズツインプロCPASSキャリアMS-Japan
総合評価 ※1
4.51 / 5.00

4.20 / 5.00

4.18 / 5.00

3.91 / 5.00

3.81 / 5.00
求人数 ※24,000 件~1,400 件~非公開非公開1,000 件~
得意領域公認会計士公認会計士/税理士経理/コンサル/金融公認会計士/USCPA管理部門全般
強み公認会計士に特化利用者満足度が高い面接対策に定評あり––
サービス開始2013年2004年2024年2021年1995年
利用対象者20代~40代20代~50代20代~40代20代~50代30代~40代
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会計士が転職する場合には、マイナビ転職会計士1択です。

なぜなら、唯一会計士専門の大手エージェントであり、会計士向けの求人数がNo.1だからです。

私自身、20社以上の転職エージェントを使いましたが、最も利用価値の高いエージェントであると感じました。

先述しましたが、投資銀行の内定率はとても低く、早めに動くことが成功のポイントです。

どうぞ、早めに動き始めることをオススメします。

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