公認会計士が転職で最強なのは「自由」+「高収入」が同時に手に入るからです

【転職して分かった】なぜ、公認会計士は転職で最強と言われているのか?

公認会計士・税理士の藤沼です。

転職してみて分かりましたが、会計士資格は文字どおり最強だと感じました。

しかし、ファーストキャリアでBIG4を選び、今も監査法人内で働かれている方にはピンとこないはず…。

そこで今回は、なぜ会計士が転職で最強と言われるのか、その理由を5つ解説します。

私自身はEY新日本監査法人を4年5ヶ月で退職しましたが、もう少し早く辞めても良かったな…と感じています。

この記事で分かること


  • 会計士のキャリアは監査法人以外に12種もあり、選択肢が豊富
  • 独立するのも超簡単
  • WLBを優先するも可、年収を優先するも可。とにかく「やりたい事」が実現できる
  • 実は、会計士試験合格前に監査法人で働く方法がある
この記事を書いた人

1986年生まれ(38歳)
公認会計士税理士

2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表


目次

会計士は転職先の選択肢(種類)が非常に多い

会計士が転職で最強といわれる理由の1つ目は、「転職後の年収の高さ」です。

会計士は専門職でありながら、その後のキャリアが非常に幅広い、という特徴があります。

下記は、公認会計士向けの求人票約4,000件を抽出し、主要な職種ごとに区分した表です。

会計士の転職先全種

転職先の種類求人数の割合
経理36.4%
税理士法人17.5%
国内系FAS14.7%
経営企画7.2%
監査法人(アシュアランス)5.1%
会計事務所4.9%
監査法人(アドバイザリー)4.2%
ベンチャーCFO2.5%
内部監査2.4%
PEファンド1.9%
投資銀行1.8%
戦略コンサル1.0%
その他0.5%
100%
(データソース:マイナビ会計士求人検索システム)

職種によって求人数にバラつきはあるものの、これら13種の選択肢があるのは、私たち会計士にとって大きな魅力です。

たとえば、会計士に近い難関資格として「税理士」がありますが、税理士の転職先はそのほとんどが「税理士法人」「会計事務所」「FAS」「経理(税務部)」に絞られます。

監査法人内で働いていると、なぜか「監査しか道がない」と思いこんでしまう会計士も多いのですが、そんなことはありません。

むしろ、会計士のキャリアの中で「会計監査」は全体の5%程度なのです。

「選べる選択肢が多い」というのは、「会計士が転職で最強である」と言われる所以の1つでしょう。

なお、会計士の転職先について、詳しくは次の記事で解説しています。

会計士は転職すると年収が上がる【データ分析】

会計士が転職で最強といわれる理由の2つ目が、「転職後の年収の高さ」です。

下記のデータは、公認会計士向けの求人票約4,000件を抽出し、職種ごとに転職時の平均年収、および中央値を示した表です。

会計士が転職した時の年収(職種別)

転職先の種類平均値中央値
ベンチャーCFO956万円1,000万円
監査法人(アドバイザリー)909万円1,000万円
内部監査890万円775万円
経営企画801万円797万円
監査法人(アシュアランス)774万円750万円
経理773万円780万円
国内系FAS771万円750万円
税理士法人718万円725万円
会計事務所672万円625万円
PEファンドN/AN/A
投資銀行N/AN/A
戦略コンサルN/AN/A
(データソース:マイナビ会計士求人検索システム)

※ 戦略コンサル・投資銀行・PEファンドは求人数が少ないためN/Aとしていますが、年収1,000万以上の求人が大半でした。

傾向として、監査法人(アシュアランス)から転職したときの年収は、ほとんどのケースで据え置き、または上昇します。

これは、監査法人での経験が希少であり、他業種から高く評価される為です。

一方、税務分野は税理士の主戦場であることから、税理士法人・会計事務所では(転職時は)一時的に年収が下がる傾向にあります。

ただし、上記はあくまで「転職時」の年収です。

ご存知のとおり、BIG4を始めとする監査法人では「昇給率」が非常に低いため、その後の昇給を考慮すると「転職した方が年収は上がる」と言っても過言ではないでしょう。

これは会計事務所・税理士法人(中小)でも同様であり、たとえば会計事務所に転職した私の同僚会計士は、転職後3年で年収が1,000万を超えました。

また私自身も、EYを4年で辞めたときの年収は720万でしたが、FASに転職した年の年収は900万まで上がりました。

「転職すると年収が下がるのでは」と懸念する会計士は多いですが、実は、転職した方が年収は上がりやすいのです。

なお、会計士が転職した後の年収について、詳しくは次の記事で解説しています。

会計士は働き方を選べる【ワークライフバランス】

会計士が転職で最強といわれる理由の3つ目は、「働き方を選べる」という強みです。

監査法人で激務に追われ、「働き方を変えたい」と考えるようになった会計士も多いでしょう。

特に、結婚や出産などのライフイベントを機に、残業の少ない会社に転職したいと考える方が多いようです。

そんな時にも、会計士には選択肢が豊富にあります。

たとえば、約4,000件の会計士向け求人のうち、「月平均残業時間:20時間以内」の求人数は、計383件見つかりました。(データソース:マイナビ会計士求人検索)

全体の約10%と割合は少ないものの、数自体は豊富と言えるはずです。

バリバリ働くことだけが私たち会計士の働き方ではないと思います。

なお、ワークライフバランスを取り戻せる転職先については、次の記事で解説しています。

会計士は30代までなら転職市場は超売手

会計士が転職で最強といわれる理由の3つ目は、「転職市場でのニーズが豊富」という点です。

ご存知のとおり、現状BIG4への就職は簡単です。

しかし、その後の転職活動はもっと簡単です。

私自身も30代前半で転職を経験しましたが、書類通過率は90%、内定率は100%でした。

私はEYでの監査経験しかなく、英語力はほぼゼロ(TOEIC350点)、突出したスキルもありませんでしたが、そんな私でも市場ニーズはかなり強いと感じました。

30代後半からはマネジメント経験も求められるようですが、大半の方は主査経験があるはずですから、ボトルネックにはならないでしょう。

よほど専門性の高い職種でない限り、ほぼ希望した企業に入社できるはずです。

【最強】非常勤職員という選択肢もある

会計士が転職で最強といわれる理由の5つ目が、「非常勤」という選択肢です。

転職以外に非常勤(アルバイト)という選択肢も残されているのが、公認会計士資格の強みでしょう。

たとえば私は、独立後に中小監査法人で非常勤職員として 年間60日ほど 働いていました。

年間60日働いただけで年俸300万、日給5万円ほどでした。(残業もかなり少ない)

単純計算、200日働けば年収1,000万です。

しかもアルバイトですから、責任も課されません。

「会社員としての生活に疲れた」という方は、一度、非常勤職員として働いてみるものアリかもしれません。

会計士資格があれば、多少経歴に空白期間ができたとしても、どうにでもなります。(開業していた、自己研鑽していた等、いくらでも言い訳が作れる)

これも私たち会計士ならではの選択肢であり、「会計士が転職で最強」といわれる所以の1つと言えるでしょう。

【必見】極限までリスクを抑えながら、会計士を目指す手法

会計士を目指すことには、以下のリスクがあります。

会計士を目指すことのリスク
  1. 試験に受かっても監査法人に就職できない可能性がある
  2. 予備校代が高く、落ちたらまた1年分課金しなければならない
  3. 無職専念になると、職歴に空白期間ができてしまう
  4. 実務が分からずに勉強をするため、特に「監査論」の学習がなかなか進まない

しかし、このリスクを全て払拭し、最小限のリスクで会計士を目指せる手法があります。

それが「監査トレーニー」という制度を利用することです。

監査トレーニー制度とは、監査法人が会計士受験生を採用し、予備校代などの補助を出しながら、監査法人で実務経験を積みながら会計士を目指せる制度をいいます。

合格後はその監査法人でそのまま働くことができますから、将来の就職不安も全て払しょくされ、安心して会計士受験ができます。

もちろん、予備校代の補助とは別に、かなり良い額の給料も支給されます。

監査トレーニーは「短答合格者」を採用する監査法人もあれば、「短答合格前」からでも採用している監査法人もあります。

雇用形態は「フルタイム」のケースもあれば、「アルバイト雇用」として日数を減らせるケースもあります。

非常にお得な制度ですが、意外と知られていない制度なので、「この記事を見て初めて知った」という方もいるかもしれませんね。

監査トレーニーについて、詳しくは次の記事内で全て詳細に解説しています。

目次