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経営企画に転職した会計士に聞く「仕事内容」と「その後のキャリア」

経営企画に転職した会計士に聞く「仕事内容」と「その後のキャリア」

公認会計士・税理士の藤沼です。

私たち会計士の転職先は全13種ありますが、その中に「経営企画」という選択肢があります。

決してメジャーなキャリアではないものの、市場価値は高く、「経営」に関する知見が得られる希少な転職先です。

そこで今回は、実際に経営企画に転職された会計士へのインタビューをもとに、働き方やその後のキャリアについて解説します。

この記事の執筆者
藤沼 寛夫

公認会計士・税理士

藤沼 寛夫›

藤沼会計事務所 所長
アカウントエージェント株式会社 代表取締役

2013年に公認会計士論文式試験に合格し、2014年にEY新日本有限責任監査法人に入所。上場会社・学校法人・上場準備会社の会計監査業務に従事し、2018年に東京共同会計事務所に転職。広くFASに関与し、2019年に藤沼会計事務所を独立開業。翌2020年にはアカウントエージェント株式会社を設立し、会計税務コンサルティング及び会計税務に関する転職支援サービスを提供している。

情報インタビュイー
M.Sさん

公認会計士

M.Sさん
  • 年齢:37歳
  • 2009年2月:EY新日本監査法人 入社
  • 2015年4月:一部上場企業(経営企画部) 入社
  • 2020年4月:IT系ベンチャーCFO 就任

目次

経営企画に転職した会計士の仕事内容

一般に、経営企画には次の3種のコア業務が存在します。

3種のコア業務
  1. 経営戦略の策定・実行
  2. 経営管理
  3. 特命事項対応

もちろん、実際に求められる仕事内容は会社によって異なりますが、最低限、上記の3領域に分けて業務を遂行することになります。

全体像をイメージするため、それぞれ簡単に解説します。

① 経営戦略の策定・実行

経営企画の基本は、PDCAサイクルです。(これは、どんな企業でも変わりません)

「経営戦略の策定・実行」の段階では、Plan + Do を進めます。

具体的には、次のとおりです。

  1. 現状分析
  2. 経営目標・事業計画の策定
  3. 具体的実行案の策定・実行

現状分析では、「自社の経営状況」「自社の属する市場」「競合他社の状況」「政治経済の動向」を把握し、まず経営層に情報を共有します。

つぎに現状分析を踏まえ、自社の目指すべき目標を「短期」「中期」「長期」の別に策定し、その達成に向けた事業計画を立案します。

そして、その事業計画達成に必要な具体案を策定し、実行をリードします。

② 経営管理

「経営管理」では、PDCAサイクルのうち Check + Action を進めます。

  1. 予実分析
  2. フォローアップ

まず策定した事業計画と実績を対比し、原因を分析します。

タイミングは四半期ごとの実施が多く、月次での分析は経理部から吸い上げる、というケースが一般的です。

次に、分析した結果を反映します。

具体策が誤っていれば具体策を修正し、事業計画が誤っていれば事業計画を修正します。

また、更に高層(市場環境の変化など)に影響があった場合には、早期に経営層に対して情報を共有します。

③ 特命事項対応

以上が、経営企画部での定常的な業務です。

しかし経営企画部では、非定常業務として例えば次の仕事が求められます。

  • 業務提携やM&A : 他社との提携やM&A等、機密性が高い事項をリード
  • 新規事項への対応 : 明確な担当部署が存在しない新しい経営課題に対応

「M&A」と聞くとFASなどの会計・税務領域をイメージされる方も多いと思いますが、M&Aのスタートは経営企画です。

つまり、経営戦略として投資先を探したり、コンサルティング会社からの提案を受けるなど、初期のフェーズからM&Aをリードするのが経営企画部での仕事になります。

※ その後、実際に買収を検討するフェーズに入ると、DDやバリュエーション等の点で経理部が関与することになります。

また、新たな経営課題が浮かび上がった際にも、まず経営企画部に話がくるケースが一般的です。

新規事項が「ビジネスでどのように活用できるか」という観点が最優先されるため、明確な部署が存在しないような(ある種、何でも屋さんのような)業務も受けることになるのです。

経営企画で活かせる会計士の強み

以上が、一般的な経営企画での仕事内容です。

なお、あえて「公認会計士」を経営企画に採用する企業では、特に次の役割を求める傾向があります。

会計士に求められやすい役割
  1. 事業計画の作成
  2. M&Aのリード
  3. IRの作成

それぞれ解説します。

① 事業計画の作成

事業計画の作成には、財務会計・管理会計・税務・ファイナンスのスキルが多く求められます。

特に、相互に連動する財務三表の作成は、私たち会計士の主戦場であると感じます。

連動する財務三表の作成は、「財務モデリング」とも呼ばれ、想像以上に大変な作業です。(私もFASで触れていましたが、慣れるまでが本当に大変でした)

事業計画が精密であればあるほど、その後の予実分析の精度も上がりますから、この点で会計士には大きく期待を寄せられるでしょう。

② M&Aのリード

M&Aが頻繁に行われるような事業会社では、M&Aのリード要員としても会計士を採用するケースがあります。

もちろん 経理部にもM&Aの知見は蓄積されていますが、M&A先の選定やM&A後のPMIなどは、経理部の手から離れます。

M&Aの会計実務だけでなく、M&Aのスケジュール全体を見渡してリードできるか、という点で会計士に期待が寄せられます。

③ IRの作成

会社によって異なりますが、IRの作成を経営企画部の業務とするケースがあります。

IRは投資家のために作成する情報であり、投資家目線での情報が必要となることから、会計士の知見を活かすことができます。

また、これに付随して総会の設定やスケジューリング等も任されることがあり、同様に監査法人での経験が活かされます。

経営企画部の繁忙期・閑散期

先述のとおり、経営企画部の基本は 短期間でのPDCAサイクルを回し続けることです。

当然ながら、経営企画はビジネスの核を担うため、年間を通じて平均的に忙しくなる傾向にあります。

ここでは繁忙期・閑散期の働き方について、それぞれ簡単に解説します。

① 繁忙期

年度決算月までの3ヶ月(3月決算であれば、1月~3月)は、特に忙しくなります。

なぜならこの期間は、1年間の予実分析・翌年度の事業計画策定が同時並行されるからです。

更に、3~5年に1度のペースで策定される「中期経営計画」の終了年度に該当する場合は、翌年度からの新たな中期経営計画策定に向けて一層業務量が増加します。

また、M&Aのような非定常業務が発生した場合、取締役会による意思決定までの1ヶ月間は準備のため業務量が増加します。

② 閑散期

お盆・年末年始は全社的に業務がスローダウンしますから、経営企画部での業務量も比較的落ち着く傾向です。

とは言え、経理部のようにほぼ残業ゼロという事はなく、閑散期であっても多少の残業は発生します。

会計士が経営企画に転職するメリット

私たち会計士が経営企画に転職するメリットは、大きく3つあります。

会計士が経営企画に転職するメリット
  1. 業界での経営手法が理解できる
  2. キャリアの選択肢が大きく広がる
  3. 年収が上がり続ける

それぞれ解説します。

① 業界での経営手法が理解できる

経営企画は経営層との距離がとても近く、間接的に自社の意思決定に関与できます。

そのため  自社の経営を担う達成感が得られ、企業経営に必要な知見を蓄積できる点で大きなやりがいを感じます。

経理などではビジネスの仕組みを知ることはできても、戦略の立て方、戦略の転換の仕方などは知ることができません。

そのほか、マーケティング手法やブランド戦略など、同業界の経営を理解することができます。

このような知見は、例えば同業他社への転職の際に高く評価され、また起業する際等にも大きく役立つでしょう。

② キャリアの選択肢が大きく広がる

意外と思われるかもしれませんが、経営企画は会計士としてのキャリアを大きく広げます。

経理やFASに比べれば  転職先の求人数は少ないものの、希少価値が高く(相対的な)需要が大きいため、経営寄りの選択肢が増えます。

なお、経営企画を卒業した後の転職先については、後述しています。

③ 年収が上がり続ける

経営企画ではルーティン化された業務が少ないため、基本的に少数精鋭です。

そのため 他の管理系職種に比べて待遇が良く、転職時の年収も高めです。(平均で800万以上)

また、その後の転職先はさらに年収の高い業界が多いため、生涯を通じて年収を上げ続けることができます。

同じ管理系職種であっても、「経理部」とは大きく異なるポイントです。

会計士が経営企画に転職するデメリット

一方で、会計士が経営企画に転職することによるデメリット(懸念事項)は、次のとおりです。

会計士が経営企画に転職するデメリット
  1. 守備範囲が広い
  2. 人間関係でのストレス
  3. ロールモデルが少ない

それぞれ解説します。

① 守備範囲が広い

経営企画での業務は、「事業計画の策定」「予実分析」など、会計士としての知見を直接活かせる仕事だけではありません。

関係者間の調整や総務的なプロジェクトなど、会計士のバックボーンには関係がなく、かつ潰しが効くかどうか分からない業務にも携わります。

そのため、「専門家として1つのスキルを磨き上げたい」という志向の方には、向かないかもしれません。

企業経営では  時には泥臭い仕事も必要となるため、この点は予め理解しておく必要があります。

② 人間関係でのストレス

経営企画は、各部署と経営層とのハブ(橋渡し)のような存在でもあり、必要に応じて社外の関係者(投資家ら)との交渉も発生します。

そのため、相対する関係者が非常に多くなり、人間関係でのストレスが増えることになります。

対人コミュニケーションに苦手意識を持たれている方には、経営企画はあまりオススメできないかもしれません。

逆に、コミュニケーションを得意とする方にとっては、強みを活かすことのできるポジションです。

③ ロールモデルが少ない

希少価値とのトレードオフですが、経営企画を選ぶ会計士自体が少ないため、ロールモデルとなる会計士が身近にいません。

そのため、自分がどのようなキャリアを描くのか、自分自身で考える要素が増えます。

ただしこの点は、転職エージェントが多くの成功事例を蓄積しているため、過去事例を紹介してもらうことで解決します。

無料なので、使わない手はありません。

会計士が経営企画に転職した後のキャリア

会計士が経営企画に転職した後のキャリアについて、①組織内でのキャリア、②卒業後のキャリアをそれぞれ見てみましょう。

① 組織内でのキャリア

組織内でのキャリアアップとしては、自社のCOO・CFOポジションへの昇格があります。

ただし、これは組織の方針や体質に大きく左右されますので、(もし目指す場合には)必ず転職前に確認してください。

最低限、確認すべき点は2つあります。

  • 経営陣全員の経歴
  • 経営企画部メンバーのランク

経営陣の経歴を確認することで、生え抜きが有利なのか、外部からの転職組が有利なのかが(ある程度)分かるでしょう。

また、企画部メンバーのランク(職階・待遇)を知っておくことで、自分が何番目のポジションになりそうか予め想定することができます。

初めからCFOを狙っている方は、これらの事前準備が必須でしょう。

企業のHPを見たうえで、転職エージェントに詳細をヒアリングすることをオススメします。

② 卒業後のキャリア

会計士の転職先としてはメジャーではない「経営企画」ですが、転職市場での期待値は高く、会計士のキャリアの幅を広げることができます。

会計士が経営企画を卒業した後の転職先
  • 戦略コンサル
  • ベンチャーCFO
  • 上場経理(部長ポジション)
  • PEファンド
  • 同業他社の経営企画部

経営企画というキャリアを経験することで、「経営」寄りの選択肢が大きく広がります。

私たち会計士は、一般に「会計 × FAS」又は「会計 × 税務」といったキャリアを選ぶ方が多いですが、ありふれたキャリアになりがちです。

一方 「会計+経営」というキャリアを選ぶ会計士は少ないため、会計士としての希少価値を高めることができるのがポイントです。

特に、PEファンド・戦略コンサルは転職難易度が高いのですが、経営企画部でのキャリアがあると難易度がグッと下がります。

会計士が経営企画に転職する際の注意点

実際に経営企画へ応募する前に、最低限やるべきことは次のとおりです。

応募前にやるべきこと
  • 事前に業務内容を詳細に把握しておく
  • 企業の経営方針・業界に対して興味があるか考える

経営企画に応募する際には、しっかりと「業務内容」を把握することが大切です。

なぜなら、求められる役割が企業によって多種多様だからです。

たとえば「IR業務をメインに担当させたい」「M&Aリードをメインに担当させたい」など、一部の業務に絞って募集をする企業もあります。

企業が求めるポジションを理解せずに転職してしまうと、想定していたキャリアを踏むことができないため、注意して下さい。

また、企業の経営方針やその企業の属する業界に対して、自分自身が興味を持てるかどうかという視点も重要です。

経営では、少なからず「自分の興味」「好きかどうか」という要素が、仕事への意欲に関わってきます。

実際に働いてみなければ分からない部分も多いですが、色々な方とコンタクトを取り、事前に情報収集することが大切です。

【比較表】経営企画に転職したい公認会計士におすすめの転職エージェント

最後に、経営企画向けの転職エージェントを紹介します。

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マイナビ転職会計士レックスアドバイザーズツインプロCPASSキャリアMS-Japan
マイナビ転職会計士レックスアドバイザーズツインプロCPASSキャリアMS-Japan
総合評価 ※1
4.51 / 5.00

4.20 / 5.00

4.18 / 5.00

3.91 / 5.00

3.81 / 5.00
求人数 ※24,000 件~1,400 件~非公開非公開1,000 件~
得意領域公認会計士公認会計士/税理士経理/コンサル/金融公認会計士/USCPA管理部門全般
強み公認会計士に特化利用者満足度が高い面接対策に定評あり––
サービス開始2013年2004年2024年2021年1995年
利用対象者20代~40代20代~50代20代~40代20代~50代30代~40代
対象エリア全国全国 首都圏全国関東/関西/東海
料金無料無料無料無料無料
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会計士なら、マイナビ転職会計士1択です。

なぜなら、唯一の会計士専門エージェントであり、「経営企画」の求人数もNo.1だからです。

先述のとおり、経営企画への転職の際には、事前の下調べが大切になります。

経営企画はロールモデルが少ないため、時間をかけ、多くの情報を集めましょう。

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