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短答合格者の採用ページまとめ+就活攻略法を公開します【監査法人元面接官が解説】

公認会計士の藤沼です。

論文合格前に監査法人へ入所できる「短答合格者採用」ですが、要項の公開やスケジュールが各社異なるため、採用ページを探している方も多いでしょう。

そこで本記事では、各監査法人の短答合格者採用ページを紹介します。

また、筆者はEYでは面接官を経験し、中小監査法人では採用アドバイザーとして短答合格者採用の制度づくりと選考に携わっていました。この経験から、短答合格者の方向けに役に立つ情報も紹介します。

記事後半では内定獲得のコツも掲載していますので、ぜひ最後まで読んでください。

この記事の執筆者
藤沼 寛夫

公認会計士・税理士

藤沼 寛夫›

藤沼会計事務所 所長
アカウントエージェント株式会社 代表取締役

2013年に公認会計士論文式試験に合格し、2014年にEY新日本有限責任監査法人に入所。上場会社・学校法人・上場準備会社の会計監査業務に従事し、2018年に東京共同会計事務所に転職。広くFASに関与し、2019年に藤沼会計事務所を独立開業。翌2020年にはアカウントエージェント株式会社を設立し、会計税務コンサルティング及び会計税務に関する転職支援サービスを提供している。

目次

BIG4の短答合格者採用ページ

BIG4(大手監査法人)の「短答合格者採用」ページをまとめました。

BIG4の短答合格者採用サマリー

スクロールできます
監査法人対象募集時期雇用形態状況
EY新日本有限責任監査法人受験生(短答合格は不問)通年正社員募集中
有限責任監査法人トーマツ短答合格者・免除者論文発表直後に説明会、12月中旬に選考有期契約職員発表直後に要項公開(2025年度は発表当日)
有限責任あずさ監査法人―――採用枠なし
PwC Japan有限責任監査法人新卒の学生(短答式に合格していない方)新卒採用の日程新卒採用中途の採用はない。短答合格者は対象外
各法人の採用ページを基に当社作成

上記のとおり、BIG4で通年募集しているのはEY1社のみであり、他3社は時期限定or募集なしという状況です。

それぞれ、採用ページとともに解説します。

EY新日本有限責任監査法人の短答合格者採用ページ

EY新日本有限責任監査法人

EY新日本有限責任監査法人 – 中途採用(経験者採用)サイト

EY新日本有限責任監査法人での「短答合格者採用」は、いわゆる監査トレーニー職の採用です。

EY新日本有限責任監査法人の採用要項

募集時期通年(中途採用サイトに常時掲載)
採用地域本部・東京事務所
応募資格4年制大学卒業以上、日商簿記2級程度の会計知識
雇用形態正社員
業務内容会計士の指導の下での監査業務全般。入社時研修(マナー・監査論・財務諸表監査と内部統制監査の実務)の後、OJTで先輩会計士のサポートに入る。1人ずつカウンセラーが付く
選考フロー書類選考→面接(複数回実施予定)
勤務時間9:30~17:30。合格までは原則残業なし
給与現行の求人票に記載なし
試験休暇あり(論文式試験前に最大2ヶ月。一部は有給休暇として消化可)
補助金制度あり(予備校学費の6割補助+試験合格時の祝い金)
合格後大規模クライアントの監査補助者として主査を補助。中小規模クライアントでは主査として現場を統括

(2026年10月1日現在のデータ)

上記リンクの中途採用サイトに飛んでいただき、画面上部「Job search」を選択、「監査事業部」の項目に監査トレーニー欄がありますので、そちらで詳細を確認することができます。

EYは簿記2級程度の知識があれば応募できてしまう為、採用倍率は非常に高いです。

筆者がEYに勤務していた際も、監査トレーニーの採用倍率は10倍以上であったと聞いています。

無資格者に比べれば短答合格者の方が採用可能性は高いと考えられますが、EYは通年採用をしているため、ライバルの数は最多であると考えられます。

公式ページには「学費補助と祝い金で実質ゼロ円で会計士試験に挑める」と明記されており、金銭面の条件はBIG4で最も手厚い部類です。

有限責任監査法人トーマツの短答合格者採用ページ

有限責任監査法人トーマツ

有限責任監査法人トーマツ – 採用サイト

有限責任監査法人トーマツでは、「ジュニアスタッフ」という名称で短答合格者採用を行っています。

採用サイトは、現在2026年度の定期採用(論文合格者向け)に切り替わっており、ジュニアスタッフの要項は論文式試験の合格発表の直後に公開されます。(以下は前年度の掲載データ)

有限責任監査法人トーマツの採用要項(2025年度ジュニアスタッフ採用)

対象者令和8年度公認会計士試験 短答式試験の免除資格のある方(論文式の科目合格の有無は不問)※キャリア採用との併願は不可
採用地域全国30か所の事務所
雇用形態有期契約職員(フルタイム)。試用期間6ヶ月
雇用期間既卒は2026年2月1日、学生(2026年3月卒業見込み)は2026年3月1日から、令和9年度第II回短答式試験の合格発表月末まで。翌年の論文式受験資格を得た場合は論文式の合格発表月末まで延長
合格後の扱い雇用期間中に論文式試験に合格した場合は無期雇用契約を締結
業務内容監査業務およびその他付随業務
選考フロー説明会(参加必須)→エントリーシート・論文式試験の成績通知書・模試結果の提出→適性検査→書類選考→面接(1回)
日程説明会:2025年11月25日(予約は11月21日13時〜24日16時)/選考会:2025年12月11日
勤務時間9:30~17:30(休憩1時間)
年収当法人規程による(説明会で説明。求人票には非公開)
試験休暇受験有給休暇あり(論文式試験の初日から遡って試験終了日まで約3ヶ月)
研修通常のスタッフと同期間の新人研修
出典:有限責任監査法人トーマツ 定期採用サイト「2025年度 ジュニアスタッフ採用について」

2025年度は11月21日の発表当日13時に説明会の予約が始まり、24日16時に締め切られました。

こちらは論文合格発表直後にある「ジュニアスタッフ採用説明会」に参加することが必須であり、その後12月中旬に行われる採用選考会にて応募することができます。

エントリーシートのほか、論文式試験の成績通知書と模試の結果を提出し、適性検査も受けます。

説明会の予約期間は3〜5日しかないため、11月に入ったら採用サイトとマイページをこまめに確認してください。

有限責任あずさ監査法人の短答合格者採用ページ

有限責任あずさ監査法人

通年採用(中途採用)募集職種一覧|あずさ監査法人

有限責任あずさ監査法人では、で短答合格者の採用を行っていません。現行の通年採用ページにも、受験生向けの募集職種はありません。

なお、過去の応募要件は以下の通りです。

あずさ監査法人の短答合格者向け応募要件(過去)
  • 何事にも前向きに取り組む方
  • 論理的な思考力、理解力がある方
  • 対人コミュニケーション能力がある方

かなり手広い募集でしたので、再開すれば応募は殺到するでしょう。

エージェントに登録しておくことで、募集再開をタイムリーに知ることができます。

PwC Japan有限責任監査法人の短答合格者採用ページ

PwC Japan有限責任監査法人

公認会計士キャリアチャレンジ採用|PwC Japan有限責任監査法人

PwC Japan有限責任監査法人では、以前は大阪事務所で「監査補助業務スタッフ(IA)採用」として短答合格者を採用していましたが、現在の中途採用ページに短答合格者向けの募集はありません。

代わりに、新卒(在学中の学生)向けの「公認会計士キャリアチャレンジ採用」で受験生を採用していますが、応募要件は「短答式試験に合格していない方」で、短答合格者は対象外です。

PwC Japan有限責任監査法人の公認会計士キャリアチャレンジ採用

応募要件入社までに大学または大学院を卒業予定の方で、公認会計士試験の短答式試験に合格していない方。正社員としての就業経験がない方が対象
合格前の位置づけ論文式試験合格まではトレーニーとして原則学習(試験勉強)に専念。就業時間内の学習が仕事
給与合格前:月給245,000円(トレーニー期間中は昇給・賞与の対象外。専門学校の費用は法人が負担)/合格後:月給420,300円、業績賞与年1回、昇給年1回
勤務地合格前:希望する専門学校に通学/合格後:東京、名古屋、大阪
労働時間7時間/日(フレックスタイム制、リモートワークあり)。トレーニー期間は時間外勤務・出張が発生しない想定
休暇年次有給休暇(年20日)、試験休暇ほか
選考個人面接のほか、グループディスカッションや1dayインターンシップなど集団で実施するプロセスあり(オンラインと対面)
合格までの期間入社後2年半。期間内に短答式に合格した人は一定の条件下で働きながら論文式合格を目指せる。短答式に合格していない場合はグループ内での就業継続や他のキャリアを個別に相談
出典:募集要項|公認会計士キャリアチャレンジ採用(PwC Japan有限責任監査法人)およびFAQ

こちらは大学在学中に応募して卒業後に入所する枠であり、正社員としての就業経験がある方は対象外です。合格までの期間は入社後2年半と決められており、その間に短答式に合格すれば、一定の条件で働きながら論文式合格を目指せます。

中途の短答合格者採用は時期によって復活する可能性がありますので、エージェントに登録しておき、タイムリーに求人状況を入手できる仕組みを作っておきましょう。

準大手監査法人の短答合格者採用ページ

準大手監査法人は、BIG4に比べて短答合格者の採用に積極的です。

準大手監査法人の短答合格者採用サマリー

スクロールできます
監査法人対象募集時期雇用形態状況
太陽有限責任監査法人短答式合格者通年正職員・契約職員通年窓口あり
三優監査法人短答式合格者定期採用契約職員(1年・更新あり)要項公開中
仰星監査法人–––要項非公開
東陽監査法人短答式合格者随時(エージェント経由のみ)正社員(アシスタント職)常設枠なし
各法人の採用ページ・公式X・求人票を基に当社作成

上記のとおり、準大手4法人のうち太陽・三優は短答合格者向けの要項を公開しており、東陽はエージェント求人で断続的に受け入れています。

それぞれ、採用ページとともに解説します。

太陽有限責任監査法人の短答合格者採用ページ

太陽有限責任監査法人

太陽有限責任監査法人 – 中途採用 募集要項

太陽有限責任監査法人では、中途採用の応募条件に「短答式試験合格者」を含めており、通年で応募できます。

太陽有限責任監査法人の採用要項

採用地域東京事務所ほか全国10エリア
応募資格公認会計士(論文式及び短答式試験合格者を含む)
日程中途採用は通年で受付
雇用形態正職員、契約職員(非常勤)
業務内容会計監査(補助)
リモートワークあり
勤務時間9:30~17:30
試験休暇非公開
補助金制度非公開
出典:太陽有限責任監査法人 採用サイト

同法人の過去の短答合格者採用では、Web説明会への参加が書類選考の必須要件で、募集要項や選考フローの詳細は説明会で案内されました。

雇用形態は中途採用の要項では正職員と契約職員(非常勤)ですが、過去の東京事務所の短答合格者採用は原則、正職員での採用と案内されていました。

三優監査法人の短答合格者採用ページ

三優監査法人

三優監査法人 – 定期採用 募集要項(監査アシスタント)

三優監査法人では、「監査アシスタント(契約職員)」という名称で短答合格者を採用しています。

名称はアシスタントですが、応募資格は公認会計士試験(短答式)合格者で、中身は短答合格者採用です。

三優監査法人の採用要項(監査アシスタント)

採用地域東京事務所・札幌事務所
応募資格公認会計士試験(短答式)合格者 ※入所時に監査アシスタント向け研修を1週間程度実施
雇用形態契約職員(契約期間1年。業務量・勤務実績により更新の可能性あり)
合格後の扱い正職員登用制度あり。論文式合格時の入所を歓迎するが、正職員としての就職を前提としたものではないと明記
業務内容監査現場での補助業務(資料と数値の照合、確認状の発送・回収、サンプリング、調書作成補助など)
勤務時間9:30~17:30(実働7時間)。原則、残業・出張なし
休日完全週休2日(土日)・祝日・年末年始。論文式試験の学習状況により応相談
月給270,700円
待遇各種社会保険完備、通勤費支給
応募方法ホームページにて順次公開
出典:三優監査法人 新卒・キャリア採用情報「定期採用 募集要項」

この要項は、定期採用(論文合格者向け)の募集要項ページの下部に掲載されています。

応募方法は「ホームページにて順次公開」となっているため、論文合格発表の前後に募集要項ページを確認、またはエージェントに登録しておき募集情報を確認しましょう。

仰星監査法人の短答合格者採用ページ

仰星監査法人

仰星監査法人 – 採用情報・イベント情報(東京事務所)

仰星監査法人は、東京事務所で短答合格者を非常勤職員として採用してきました。ただし、では短答合格者向けの要項は公開されていません。

2024年1月入所分の要項は2024年秋まで東京事務所ページに掲載されていましたが、その後の募集はありません。参考として当時の内容を掲載しておきます。

(参考)仰星監査法人の短答合格者向け要項(2024年1月入所分)

採用地域東京事務所
応募資格公認会計士試験 短答式試験(第Ⅰ回及び第Ⅱ回)合格者
雇用形態非常勤職員(有期雇用契約)。採用予定人数は若干名
勤務日数応相談(論文式試験前は原則勤務なし)
勤務時間9:30~17:30(休憩60分)。時間外勤務はあるが、論文式試験前は原則、時間外勤務・出張なし
業務内容監査補助業務など
報酬当法人給与規程に準ずる(過去実績は時給1,800円)。賞与なし。時間外勤務手当・通勤手当あり
補助金制度公認会計士試験受験のための専門学校費用を法人負担(上限あり)、受験費用の補助あり
合格後論文式試験に全科目合格した場合は合格発表日付で契約を解除し、常勤職員として契約を締結できる
出典:仰星監査法人 採用情報 東京事務所ページに2024年に掲載されていた「短答式試験(第Ⅰ回及び第Ⅱ回)合格者向け」募集要項

年によって実施の有無が変わり、要項も常時公開ではないため、エージェントに登録しておきタイムリーに情報を得られるようにしておきましょう。

東陽監査法人の短答合格者採用ページ

東陽監査法人

東陽監査法人 – 定期採用 募集要項

東陽監査法人では、公式サイト上では短答合格者向けの採用を行っていません。

一方でエージェント経由では、短答式合格者向けの求人を継続的に出しています。

東陽の短答合格者枠を狙うなら、公式サイトを待つのではなく、エージェントに求人の有無を確認するのが確実です。

その他の中小監査法人での短答合格者採用について(約300社)

BIG4と中小監査法人の監査トレーニー比較

ここまでBIG4・準大手監査法人の計8法人の短答合格者採用について紹介しましたが、その他に中小監査法人は約300社存在します。

監査トレーニー求人一覧を見ると分かりますが、中小監査法人においても短答合格者採用を行っている法人は多く、またこれも極一部に過ぎません。

中小監査法人においては知名度が低いため、そもそも公式サイト上で短答合格者の募集をしていないケースが多く、エージェントを利用した非公開募集がメインです。

このため、BIG4や準大手監査法人に比べ、中小監査法人は採用倍率が低く穴場であると考えられます。

筆者が採用顧問をしていた中小監査法人では、小規模に募集した年は倍率1〜1.5倍、大々的にPRした年でも3倍程度でした。

中小監査法人の場合、組織内の風土・内情が分かりにくい部分もあるため敬遠されやすいですが、実は働きやすい法人が多く存在します。

筆者自身も大手監査法人・中小監査法人のそれぞれで働きましたが、中小監査法人での働き方は素晴らしく、受験生にとっても良い環境が揃っていました。

中小監査法人の短答合格者採用に応募するメリット
  • 求人数が多いため、BIG4に比べて条件を選べる
  • BIG4よりも応募者が少ないため、内定可能性が高い
  • BIG4よりも残業が少ないため、勉強に集中できる

論文合格後の在籍を任意(=他法人に移っても良い)とする法人もありますので、入り口として中小監査法人を選ぶのも1つの選択肢ですし、複数のキャリアを経験できる良いきっかけとも言えます。

短答合格者採用に応募する5つのメリット

短答合格者採用に応募するメリットは、次のとおりです。

以下、それぞれ解説します。

様々な学習支援・補助が受けられる|費用負担がだいぶ軽くなる

短答合格者採用で受けられる支援・補助

短答合格者採用であれば、通常は「論文式試験前の試験休暇」が付与されます。現行の主流は論文式試験前の1〜2ヶ月です。

また、監査法人によっては「残業なし」「予備校代の一部・全額負担」「学習相談」などの支援・補助も受けられます。

単に働きながら公認会計士を目指すだけでなく、より受験・合格しやすい環境で働くことができるのもメリットの1つと言えるでしょう。

短答合格者採用で受けられる金銭的な恩恵

基本給月20万〜30万円台前半が相場(給与を公開している求人12件の中央値は24.8万円)
賞与年2回・計2〜4ヶ月分の法人が多い。トレーニー期間は賞与なしの法人もある。
残業代合格までは原則残業なしのため、上乗せは見込めない。
予備校代の補助50〜100万円の学費を6割~全額補助する法人がある一方、補助なしの法人もある。
監査法人の採用ページ・求人サイトの公開求人16件を当社で独自に集計

補助の有無と上限額は法人差が大きいため、応募前に募集要項で必ず確認してください。

実務で得た知識がそのまま受験勉強に活きる|業務と学習に親和性がある

短答合格者採用を使って監査法人で働くと実務の内容が受験勉強に活かせる

監査法人での業務内容は、ご存じのとおり「会計監査」です。

業務の全てが会計監査に繋がるため、特に「会計学」「監査論」の学習に大きく役立ちます。

科目勉強に活かせる具体的な内容(例)
会計学日々仕訳を見て会計処理の妥当性を確認するため、個別論点対策ができる。会計監査六法を開き、細かな金商法上の取り扱いについて知る機会もある。また、決算を通じて簿記一巡の流れが分かるため、総合問題対策にもなる。
監査論監査計画で定めた重要性の基準値や監査範囲に沿って手続を進めるため、実務上の勘所を知ることができ、特に論文ではスムーズな記述が可能になる。また、実際に監査手続きを実施するため、実務をイメージしやすくスムーズな論述回答ができるようになる。

短答合格者の方であればご存じのとおり、監査論は実務家としての感覚が問われることから、実務経験のない受験生には掴みどころのない科目です。筆者も、受験生時代は最後までよく分からない科目でした。

しかし、監査業務に従事すると、監査論での「答え」が分かるようになります。

実際に監査基準報告書(監基報)に触れ、ルールに従って監査業務に従事するため、嫌でも監査の感覚が身に付くのです。

また、担当する勘定科目の会計処理についても、監査調書を作成する過程で深く検討を要することもあるため、財務会計論の学習にも活きます。

監査法人での実務経験は、受験生にとって大きなアドバンテージになるはずです。

就活は一般企業に比べると楽|新卒よりも難易度は低い

短答合格者採用の就活は比較的楽

監査法人業界の就職活動は、一般企業(新卒採用)の就活に比べると非常に楽です。

自己分析などを厳格に行う必要がありませんし、業界研究もさほど必要ありません。(そもそも短答合格者にとっては情報が少ないため、業界研究にも限界があります)

もちろん、面接対策を万全にすることで内定率を高めることができますから、エージェント等を使って事前に「Q&A」を入手しておくことをオススメします。

大手監査法人の短答合格者採用は倍率が高いため、対策は必須です。

論文式試験合格後もそのまま就職できる|就活の不安が払拭できる

短答合格者採用の枠に入れれば論文合格後もそのまま監査法人に就職できる

短答合格者採用では、論文式試験合格後もそのままその監査法人に就職できるケースが多いです。

そのため、論文合格後の就職活動に不安を抱いている方にとっては、不安要素を払拭できるメリットになります。

なお、公認会計士登録に必要な業務補助等(実務経験)は試験合格の前後を問わないため、短答合格者として在籍した期間も要件に含まれ得ます。

無職専念の孤立から抜け出せる|収入と所属があるだけで続けやすい

論文に落ちてもう1年専念すると、社会と断絶された受験生活がまた1年間続きます。

貯金残高はどんどん減り、就活への不安もあり、この環境を相談できる人も限られているため孤独を感じる方もいるでしょう。

一方、短答合格者採用なら毎月の給与と所属先があり、同じ試験を受ける同期や合格したばかりの先輩も周りにいます。出勤と退勤で生活リズムが固定されるため、勉強も「仕事の前後」に型ができます。

こうしたセルフコントロールの一環として短答合格者採用を選択する人もいます。

資金的な余裕がある方は無職専念が良いと思いますが、資金面での不安や孤独を感じる方には、短答合格者採用で働く意義があります。

短答合格者採用に応募する3つのデメリット

短答合格者採用に応募することによるデメリットは、次のとおりです。

以下、それぞれ解説します。

学習時間を十分に確保できない可能性がある|激務な法人もある

短答合格者採用には「学習時間の確保が不足しやすい」というデメリットがある

週5日フルタイムで働きながら論文合格を目指す場合、十分な学習時間を確保できなくなる可能性があります。

論文式試験は短答式ほど難易度が高くないとはいえ、ある程度の学習時間は必要になります。

また、監査法人に入ってしまうと「受かった気」になってしまい、勉強の手が緩んでしまう方もいます。

ただし、短答合格者を採用する監査法人の中には、非常勤職員として採用するケースがあります。このようなケースでは、勤務日数を週3日などに抑えることができるため、受験勉強にかける時間を多く確保することが可能です。

そのため、もし学習時間に不安のある方は、勤務日数を相談できる監査法人を選ぶことをオススメします。

学習時間を確保するためのポイント
  • 契約社員・バイトでの契約が可能な監査法人なら、勤務日数を減らすことが可能
  • BIG4はフルタイムで働くケースが多く、中小監査法人は契約社員・バイトが可能なケースが多い

合格後もその監査法人で働かなければならない可能性がある

短答合格者採用は合格後もその監査法人で働かなければならない可能性がある

短答合格者採用では、働きながら論文式に合格した後、その監査法人で一定期間勤務することを約する(学費補助の返還条件などで実質的に縛る)ケースがあります。

このような場合、短答合格者採用として入社した監査法人で一定期間内に退職すると補助額の返還を求められる場合があり、転職しにくくなります。

ただし、これは初めから就職したくない監査法人に応募をしなければ良い話であり、未然に防ぐことのできるデメリットでしょう。

また、監査法人によってはそのような縛りを設けていない法人もあります。筆者が採用顧問をしていた中小監査法人がそうでした。

論文式不合格になると在籍を続けられないことがある|有期契約だと翌年の保証はない

短答合格者採用は不合格だと更新されないことがある

短答合格者採用は、「翌年の論文式試験まで」といった有期契約で採用する法人が多いです。

合格すれば正規スタッフや無期雇用に切り替わりますが、不合格だった場合にどうなるかは法人の設計次第です。

不合格になった翌年の扱い(BIG4・準大手の場合)

監査法人雇用形態不合格になった翌年
EY新日本正社員契約満了はなく雇用は続く。試験休暇などの受験支援がいつまで続くかは面接で要確認。
トーマツ有期契約職員翌年の論文式の受験資格があれば論文の合格発表月末まで延長。短答の免除が切れると契約終了。
太陽正職員・契約職員不合格時の扱いは要項に記載なし。説明会で確認。
三優契約職員(1年)更新は業務量と勤務実績で判断。試験結果で自動的に終了する設計ではない。
各法人の募集要項を基に当社作成

監査法人によって契約期間の取り決めは異なりますので、応募前・面接時に確認をしましょう。

短答合格者採用での内定獲得の4つのコツ

筆者が面接官・採用顧問として実際に見ていた点から、短答合格者採用で内定率を高めるコツを紹介します。

以下、それぞれ解説します。

論文式試験後の9月の法人イベントに参加しておく

短答合格者採用の準備として9月から情報収集しておく

例年9月は受験生向けの就活イベント・説明会が目白押しですが、こちらには短答合格者採用を目的としている方も参加することをオススメします。

9月の説明会に参加すべき理由
  • 短答合格者採用の話を聞けるケースがある
  • 短答合格者採用での面接対策にもなる

論文合格が微妙なラインの方の場合、9月の説明会参加を回避される方もいますが、これは勿体ないです。

せっかくの情報収集の機会ですので、積極的に参加しましょう。

4法人協定の2026年度スケジュールでは、BIG4の法人イベント期間は9月4日〜9月10日であり、その後は合格発表(11月20日)まで接触禁止期間です。

複数の監査法人に応募しておく|短答合格者採用は倍率が高い

複数の監査法人に同時応募しておくと短答合格者採用での内定可能性が上がる

できれば複数の監査法人に応募しましょう。

理由は2つあります。

複数の監査法人に応募すべき理由
  • 短答合格者採用は倍率が高いため、1社だけでは落ちる可能性が高い
  • 本命のための練習になる

短答合格者採用は人気が高く、採用倍率が高いです。特にBIG4は最も人気であり、応募が殺到します。

そのため、保険として本命以外にも複数の監査法人に応募しておくべきです。

また、就活・面接が初めてという方も多いはずですから、複数の監査法人での面接を経験しておくことで、本命のための練習になります。

論文式合格のための学習プランを明確にしておく|面接でのアピール

監査法人が短答合格者に求めている回答

短答合格者を採用することには、監査法人側にとって少なからずリスクが生じます。

というのも、論文式試験に受かる見込みのない受験生を採用してしまった場合、教育コスト・採用コスト・人件費が嵩んでしまうのです。

そのため、監査法人の面接官は必ず「論文合格の見込み」を聞きます。

この論文合格の見込みをいかに明確にするかが合否を左右します。

具体的には、1日何時間学習し、どの科目にどの程度力を入れるのか、苦手科目はどのように克服していくのか、などが挙げられます。

面接では短答式の成績や模試の順位を聞かれ、法人によっては成績表の提出を求められます。この客観的な結果を受け止め、いかにゴールまで綿密な計画を立てられるかが重要です。

学習プランがしっかりしているほど、面接官側も納得感が得られ、採用しやすくなります。

もちろん、皆さんそれぞれの学習計画を持っていると思いますが、事前にそれを伝える練習はしておくべきです。

学習プランをアピールする際のヒント
  • 時系列ごとに「模試の順位」を明確に宣言し、ゴールを達成するための短期目標を設定していることをアピールする
  • 合格までの総勉強時間・科目ごとの勉強時間を設定し、逆算して1日の勉強時間を割り出すことで、計画力の高さをアピールする
  • モチベーションを維持するための施策を明確にし、アピールする

面接対策を万全に行う(重要)|ほとんどの受験生が対策をしない…

短答合格者採用者が監査法人で求められる能力

一番重要なのが、事前に面接対策を万全に行っておくことです。

面接では「短答の成績」「論文合格の見込み」も確認されますが、最も見られるのは「面接時の受け答えの姿勢」です。

というのも、監査法人での業務ではコミュニケーション能力・論理的思考力が求められるからです。「論文合格後に監査人として真っ当に仕事ができるか」を見られるのです。

法人によっては簡単な筆記試験や適性検査を課すこともありますが、合否を分けるのは面接です。

面接対策を万全に行っておくことで、(少なくとも面接の場では)コミュニケーション能力・論理的思考力をアピールすることができます。

具体的には、面接対策を行うことで次のような効果が得られます。

面接対策による効果の具体例
  • 質問に対して結論から回答できる(=論理的思考力)
  • 様々な角度の質問に対して回答できる(=コミュニケーション能力)
  • 面接対策をしてきたことのアピール(=努力できる姿勢)
  • 本番でも緊張しない(=素の人間性もアピールできる)

面接対策には、エージェントを利用すると良いでしょう。

エージェントに登録をすると、監査法人の「短答合格者採用」の非公開求人が貰えるだけでなく、面接対策・書類対策を行ってくれます。

特に、エージェントでは「過去の監査法人での面接で何が質問されたのか」等の質問リストを蓄積しているため、これをフル活用するのが非常にオススメです。

なお、短答合格者採用にオススメのエージェントは後述します。

「短答合格者採用」と「監査トレーニー」は何が違うの?

監査トレーニーとは、監査法人内で働きながら各種補助(試験休暇や予備校代の補助など)を受けることのできる制度をいいます。

監査法人にとっては、優秀な若手人材を早い段階で獲得できるメリットがあります。

この「監査トレーニー」と「短答合格者採用」は似たような制度ですが、以下のような違いがあります。

短答合格者採用・監査トレーニーの違い
  • 短答合格者採用:短答合格者のみが対象
  • 監査トレーニー:短答合格者・不合格者いずれも対象

上記のように、監査トレーニーは短答合格者採用を包含する概念です。

しかし、実態として両者はほぼ同様の意味合いで用いられており、監査法人によっては「短答合格者採用」という名称であったり、「監査トレーニー」「ジュニアスタッフ」という名称であったりバラバラです。三優監査法人のように「監査アシスタント」の名称で短答合格者を採用している法人もあります。

監査トレーニー制度について、詳しくは以下の記事で解説しています。

短答合格者採用に関するよくある疑問

会計・税務の転職相談室に寄せられる、短答合格者採用に関する疑問をまとめました。

短答式の科目免除でも短答合格者採用は受けられますか?

はい、短答合格者として応募できます。

「公認会計士短答式のみ」の就職活動での価値はどのくらいありますか?

公認会計士試験の短答式だけの価値は、業種によって異なります。

監査法人での「短答合格者採用」であれば、当然価値は高く評価されます。

一方、経理・会計事務所においても多少評価されるかもしれませんが、「論文合格を目指しながら働く」という点が採用側がネックと感じる可能性があるでしょう。

もちろん、採用時に多少の会計知識があることの証明にはなりますが、論文合格者ではないため、簿記1級程度の評価しかもらえないケースが大半であると感じます。

地方事務所でも短答合格者採用はありますか?

はい、あります。

太陽は全国10エリアに応募窓口があり、中小監査法人でも大阪・京都・札幌・福岡・熊本などの拠点で短答合格者を採用しています。

BIG4の短答合格者採用は東京事務所が中心のため、地方で働きたい方は中小監査法人を軸に探してください。

監査トレーニーに落ちた場合の対応策は、以下の記事で解説しています。

【比較表】短答合格者採用に強い!おすすめのエージェント3社

「公認会計士短答合格者採用」の求人を扱っているエージェントは、以下の3社です。

スクロールできます
JACリクルートメントレックスアドバイザーズMS-Japan
JACリクルートメントレックスアドバイザーズMS-Japan
求人数 ※1多やや多めやや多め
得意領域ハイクラス全般監査法人/公認会計士管理部門全般
強み求人数が非常に多い利用者の満足度が高い管理部門全般に強い
対象年齢20代~50代20代~50代30代~40代
対象エリア全国全国関東/関西/東海
運営開始 ※21997年2004年1997年
利用料金無料無料無料
評判・口コミ評判・口コミ >評判・口コミ >評判・口コミ >
公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

短答合格者採用に応募するなら、間違いなくエージェントを利用すべきです。

なぜなら、BIG4以外の中小監査法人が非公開で募集している短答合格者採用に応募することができ、かつ面接対策・書類対策ができるからです。

上手なエージェントの使い方

登録すると、すぐに担当コンサルタントから面談の「日程調整」に関する電話がきます。この時点で自分の希望を遠慮せずに伝えることで、自分に合う求人をいち早くGETできます。

リクルートやdoda等の総合系エージェントでは、短答合格者採用の求人がほとんど見つかりません。専門性が高すぎるため、取り扱うことのできる担当者がいないのでしょう。

以上、短答合格者採用に関する求人紹介と、内定獲得のコツをご紹介しました。

短答合格者採用は倍率が非常に高いため、必ず面接対策を行い、準備万端で臨みましょう。

この記事の監修者
西田 光岐

公認会計士

西田 光岐›

株式会社さとき 代表取締役

2022年公認会計士試験合格。2023年有限責任あずさ監査法人に入所し、上場企業の会計監査やIPO監査、財務デューデリジェンスに従事。2026年GIP株式会社に入社し、企業価値評価を含むM&Aアドバイザリー業務を担当し、その後2026年に株式会社さときを設立。会計監査とM&Aの実務経験を活かし、中小企業の経営基盤づくりから事業承継まで支援している。

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