公認会計士浪人の末路ってどんな感じ?多すぎてヤバい?【意外な解決策を提案します】

公認会計士浪人の末路全パターンと、その解決策を解説。

公認会計士受験生の方や、これから公認会計士を目指すという方にとって、「公認会計士浪人」のリスクの大きさは気になるでしょう。

私もそうでした。
大学を卒業しても公認会計士受験生として無職で勉強していたので、恐怖との戦いでした。

公認会計士浪人の末路全パターンは、以下のとおりです。

正直、どれもあまり考えたくないでしょう。

しかし、これらのリスクをしっかりと認識し、対策することでリスクを引き下げることができます。

勿論リスクをゼロにすることはできませんが、公認会計士になることで得られるメリットは非常に大きいですから。

この記事で分かること


この記事を書いた人

1986年生まれ(38歳)
公認会計士税理士

2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表


目次

公認会計士浪人の末路を全パターン紹介

公認会計士浪人をした後の末路は、大きく次の6パターンあります。

それぞれ解説します。

貯金が底をつき、やむなく就職

金銭的な理由で撤退を余儀なくされる方もいます。

私自身も、受験終盤は銀行口座の残高が3万円を切り、青ざめたのを覚えています。

貯金がなければ生活ができませんから、背に腹は代えられず、受験から撤退せざるを得なくなります。

もちろん、皆さんある程度貯金を貯めてから勉強をスタートしますが、想定以上に受験期間が長引いたことで金銭的負担が大きくなり、撤退を余儀なくされるケースがあります。

難易度の高さに受験を断念し、やむなく就職

公認会計士試験は難易度が高く、何度か受験することでそのキツさを痛感し、受験を断念するケースがあります。

私が今まで見てきた中で、一番多いケースです。
一緒に勉強していた受験仲間が、気付くと授業に来なくなっているんですよね。

このケースで撤退する人は、受験スタートから1~2年以内に撤退している印象があります。

2年以上勉強していると、難易度の高さ・ゴールが把握できるため、難しすぎて諦めて撤退するようなことはないようです。(撤退する場合は、おそらくモチベーションや努力量の問題)

こうした失敗は、「受験時の覚悟」「適性の確認」である程度回避できます。

自頭の良い方や、今まで難関校への受験で成功した経験のある方はあまり意識する必要がないかもしれませんが、勉強での成功体験がない方は、まず強い覚悟・目的意識を持つべきです。

また、受験前に公認会計士試験への適性の確認をしておくこともオススメです。

具体的には、簿記2級・簿記1級試験にまずは挑戦してみて、難なくクリアできれば適性アリと判断できます。(私もそうしました。)

強い覚悟があり、かつ試験への適性にも問題がなければ、難易度の高さに驚愕して撤退するようなことはなくなります。

無職期間の長さに不安を覚え、やむなく就職

「無職である」ということ自体に、いくつかのデメリットがあります。

無職で勉強すること自体のデメリット
  • 親族の目が気になる
  • 会社員として働いている同級生との差を感じる
  • 社会から孤立している
  • 履歴書の空白期間ができ、就活への不安が強くなる

挙げればキリがありませんが、公認会計士浪人をするということには、精神的なストレスが伴います。

私も大学を卒業してから公認会計士受験をしていましたが、親族との集まりでは肩身の狭い思い(勝手にそう感じているだけかもですが)がありました。

特に受験年数が積み重なってくると、このような不安に押しつぶされ、やむなく一般企業への就活へ移行するようになります。

受験を断念し、税理士試験にシフトチェンジ

公認会計士試験の難易度の高さを痛感し、途中から「税理士試験」への受験にシフトチェンジする方も多いです。

税理士試験も難しい試験ではあるものの、働きながら税理士に合格する方が大半であるため、公認会計士浪人から脱却するルートとしては良い選択肢の1つです。

なお、公認会計士試験と税理士試験には、ある程度親和性があります。

具体的には、次のような科目間の対応関係があります。

公認会計士試験と税理士試験の科目の対応関係

公認会計士税理士
会計学(財務会計論)簿記論
会計学(財務会計論)財務諸表論
租税法(法人税法)法人税法
租税法(消費税法)消費税法
租税法(所得税法)所得税法

税理士試験における「簿記論」「財務諸表論」は、公認会計士試験の財務会計論でほぼ完ぺきに範囲をカバーできています。

一方、税法科目については公認会計士試験よりも税理士試験のほうが細かく、問われる内容の難易度も高い傾向があります。

公認会計士試験に合格したが、監査法人に入社できず

公認会計士浪人を続けた結果、無事、公認会計士試験に合格するケースもあります。(私もその一人)

ただし、公認会計士試験に合格できたからと言って、監査法人に必ず入社できるわけではありません。

公認会計士試験合格者の就職事情は、2012年頃から一気に好転し、売り手市場が続いています。

しかし、最近では(特に大手監査法人が)クライアントを切っており、人手不足が解消されるのではないか?という懸念があります。

実際に就職活動をするのは試験合格後(数年後)であり、将来の就職事情がどうなっているかは誰にも分かりません。

公認会計士浪人を続けた結果、履歴書に空白期間が残った上、監査法人に入社できない(=公認会計士登録できない可能性がある)というのは結構キツいです。

実際、このような現象が2009年~2011年に起きており、合格者の半数以上が監査法人に就職できませんでした。

公認会計士浪人の末路としては、一番悲惨なケースかもしれません。

なお、就職できないリスクへの対応策は、本記事の末尾で紹介しています。

公認会計士試験に合格し、無事監査法人に入社

無事公認会計士試験に合格し、監査法人にも入社できればゴールです。

毎年、公認会計士試験合格者の3割以上が「無職」の受験生であり、公認会計士浪人をする人は多いのです。

ただし、先述のとおり最近では大手監査法人の人手不足が解消されるのでは?との懸念があり、コミュニケーション能力の低い方や、面接対策が十分でない方は、就活で落とされてしまう危険性があります。

そうした意味では、常に「合格できるか」「就職できるか」といったリスクが付きまとうのが、公認会計士浪人の特徴であると言えるでしょう。

公認会計士浪人のリスクと対応策

上述した公認会計士浪人のリスクを一般化し、リスクへの対応策を考えました。

公認会計士浪人のリスク

フェーズリスク
浪人中金銭的な不安が強くなり、勉強への集中力が低下
浪人中学習量が多いため、ダラけてくる
浪人中年齢を重ねるため、合格後の就活に不安を感じる
撤退した時職歴の空白期間が増えるため、一般就活が不利になる

以下、各リスクと対応策を解説します。

金銭的な不安が強くなり、勉強への集中力が低下

リスクへの対応策
  • 2~3年分の生活費を貯めてから勉強を始める
  • 働きながら公認会計士を目指す

受験生活の途中で生活費がなくなり、公認会計士受験を断念するケースがあります。

私も本試験3ヶ月前の時点で預金残高が3万円を切ってしまい、メルカリで洋服を売ったり食費を切り詰めたりして、ギリギリ食いつないでいました。

途中で生活費がなくなると、やりたくもないバイト・小遣い稼ぎに奔走しなければならず、勉強に集中できなくなります。

そのようなリスクを排除するために、まず受験前に2~3年分の生活費を貯めておくと良いでしょう。

資金的な余裕をもって受験勉強を始めることで、不安要素を1つ排除し、勉強に集中することができます。

そしてもう1つは、公認会計士試験と親和性の高い職種で働きながら公認会計士を目指す、という方法です。

全く関連のない仕事(営業や総務など)はオススメしませんが、経理・会計事務所であれば親和性が高く、実務が受験にそのまま役立ちます。

最近では公認会計士試験の社会人合格者の割合も増えていますから、意外とオススメです。

学習量が多いため、ダラけてくる

リスクへの対応策
  • モチベーション維持のスキルを身に付けておく
  • リフレッシュできる方法も考えておく

公認会計士試験は、時間さえかければ誰でも合格できる試験です。

極論ですが、毎日1日10時間、3年間勉強し続ければ誰でも受かると思います。

しかし、そうはいかないのが人間。
やる気が低下することはありますし、机に向かっても集中できない日もあります。

逆に言えば、モチベーションを維持するスキル・リフレッシュの方法を確立しておけば、ダラけてしまう心配もありません。

たとえば私の場合、経験則から「自分が集中できるのは1日9時間まで」と理解していました。

そのため、私はあえて9時間以上は勉強をせず、それ以外の時間は勉強以外のことに時間を使っていました。

モチベーションの管理は、合否を左右すると言っても過言ではないほどに重要です。

自分を理解し、モチベーションの管理さえできるようになれば、勉強がダラけてしまうリスクを排除できます。

年齢を重ねるため、合格後の就活に不安を感じる

リスクへの対応策
  • 監査トレーニーに応募する

公認会計士試験に合格したとしても、必ずしも監査法人に就職できるわけではありません。

当然ながら年齢が高くなるほど面接で落とされるリスクは上がります。

このため、公認会計士浪人を続けていると「合格しても監査法人に入れるのだろうか…」と不安になるケースがあります。

このようなリスクを感じる方は、監査トレーニーに応募してみると良いでしょう。

監査トレーニーとは、監査法人で働きながら公認会計士を目指すことのできる制度をいいます。

予備校代も負担してもらえるケースが多く、その他にもメリットが色々とあります。

職歴の空白期間が増えるため、一般就活が不利になる

リスクへの対応策
  • 働きながら公認会計士を目指す

仕方のないことではありますが、履歴書に空白期間が増えると一般就活では不利になります。

仮に撤退した場合、一般企業の面接で「公認会計士の受験勉強をしていた」と言えば理解を示してくれる会社もありますが、必ずしもそうではありません。証拠がありませんからね。

こうした空白期間へのリスクを感じる方は、働きながら公認会計士を目指すのが良いでしょう。

今は働きながらでも公認会計士に合格できる人が増えており、これなら空白期間を作るリスクもなくなります。

選択肢の1つとして、知っておくと良いでしょう。

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公認会計士を目指す「年齢」について

公認会計士を目指すことに年齢制限はないものの、

  • いつ合格できるのか
  • そもそも合格できるのか
  • 合格しても、その時の年齢で就職できるのか

といった不安要素は、常につきまといます。

いつ合格できるのか・そもそも合格できるのか、は個人次第ですが、「就職できるのか」についてはある程度分かります。

というのも、私自身が大手監査法人で面接官を経験し、中小監査法人では採用アドバイザーをしていたので、各法人の採用基準がおおよそ分かるからです。

そこで、各年齢ごとに就職の可能性をかんたんに紹介します。

20代前半から目指す場合

20代前半から公認会計士を目指すのは、決して遅くありません。

公認会計士試験(論文式)合格者の平均年齢は、毎年25歳~26歳前後ですから、一般的とさえ言えるでしょう。

仮に25歳から受験勉強をスタートし、3年後に合格しても28歳です。

20代後半になると大手監査法人の就活で落とされるケースが増え始めますが、よほど面接で失敗しない限り、どこかしらに引っ掛かるとは思います。

ただし、今から3年後の就活市場がどうなっているかは分かりませんから、絶対に就職できるとは保証できません。

20代後半から目指す場合

20代後半から公認会計士を目指す場合、合格時の年齢が29歳~34歳頃になります。

30歳を超えても職歴なしで大手監査法人に入社できるケースがありますが、難易度は少し上がります。

最近では大手監査法人がクライアントを切り始めており、大手監査法人での人材需要が少しずつ減り始める可能性があるため、この点はリスクとして知っておくべきです。

経理・会計事務所など会計系の職歴がある方は、(30代前半までに合格すれば)いずれかの監査法人には就職できると思います。

30代から目指す場合

30代から公認会計士を目指す場合、合格時の年齢が35歳を超えている可能性があります。

決して年齢として遅いとは言いませんが、会計・税務系での職歴はほぼ必須です。

もちろん、30代後半で全く関係のないキャリアから転身された方も知っていますので、絶対とは言えません。

ちなみに35歳を超えていて職歴なしの方は、人柄に相当な魅力があるか合理的な理由がない限り、大手監査法人への入社はかなり厳しいと感じます。

40代から目指す場合

40代から公認会計士を目指す場合、合格は45歳以上、下手をすると50歳を超える可能性があります。

私は大手監査法人(EY)で多くの会計士を見てきましたが、45歳以上で入社してきた後輩は一人も見たことがありません。

合格後は必然的に中小監査法人、または経理や会計事務所、コンサルティング会社への就職を見据えることになります。

公認会計士浪人は、いつまで続けるべき?

私は、「全力を出し切った」と言えるまで続けるべきだと思います。

逆に言えば、全力を出し切っても合格できなかった時が、公認会計士試験撤退のタイミングとも言えます。

たまに勘違いしている人がいますが、公認会計士試験は決して「運」で合格する試験ではなく、「実力」で合格をもぎ取る試験です。

私は大学時代まではあまり勉強した経験が少なく、偏差値も低かったですが、様々な試行錯誤・自分なりの勉強法の確立したことで合格をもぎ取りました。

合格した年には、「絶対にこれで合格できる」という自信があったのと同時に、「もしこれでも合格できなかったら諦めが付く」と思っていました。

また、「全力を出し切った」という経験は、その後の人生においての自信となり、また(仮に受験から撤退した場合でも)就活でのアピールになります。

やる気なくダラダラと受験を続けるのではなく、ロウソクの炎を燃やしきる気持ちで受験生活を送るべきだと私は思います。

それで公認会計士になれれば、非常に大きなメリットが得られるのですから。

公認会計士になって人生が変わったと思った出来事

ネガティブな話が多くなりましたが、公認会計士になると文字通り人生が変わります。

私自身も、人生逆転のために公認会計士を目指し、実際にそうなったと感じます。

それぞれ、解説します。

周囲からの見る目が変わった

公認会計士になってまず最初に感じたのが、周囲からの見る目の変化です。

私は無職で勉強していたこともあり、それまでの社会的評価はゼロでした。(いや、マイナスかも…)

しかし「公認会計士試験に合格した」と話すと、周囲からの見る目が変わりました。

公認会計士がどんな仕事かはあまり知られていませんが、「なんとなく凄い資格である」ということは知られているようです。

また、親族も私が勉強していることは知っていましたが、合格したことで「本当に本気で勉強していたんだ」と思ったそうです。

それまでの努力が顕在化するため、想像以上に周囲の見る目が変わりました。

ささやかに見えるかもしれませんが、私にとっては、人生が大きく変わり始めた瞬間でした。

年収1,000万を早い段階で達成できた

公認会計士に合格すると、年収1,000万くらいなら誰でも達成します。

公認会計士試験合格後、多くの合格者が大手監査法人(BIG4)に入社しますが、BIG4での年収テーブルは次のとおりです。

職階年収帯
スタッフ400万~700万
シニア600万~900万
マネージャー800万~1,200万
シニアマネージャー1,200万~1,400万
パートナー1,200万~4,000万

職階は3年~4年ごとに1段階上がりますが、マネージャー昇格の時点からハードルが上がるため、マネージャーに挙がるには平均10年~12年ほど要します。

つまり、平均すると10年~12年程度で年収1,000万のラインに到達します。

ただし、これはあくまで大手監査法人内でのキャリアを歩んだ場合です。

私は大手監査法人(EY)で4年半経験を積み、その後、コンサル系の会計事務所に転職しました。

すると転職1年目で年収は900万円まで上がり、その後独立してすぐに年収1,000万を超えました。

社会人になって6年ほどで年収1,000万円のラインに到達できたのは、紛れもなく、公認会計士資格のおかげです。

キャリアの選択肢が非常に多かった

公認会計士のキャリアは、想像以上に幅広いです。

私自身も転職を経験していますが、転職活動の際、選択肢の多さにとても驚きました。

公認会計士のキャリア一覧
  1. 経理
  2. 内部監査
  3. 経営企画
  4. ベンチャーCFO
  5. 大手監査法人 (監査部門)
  6. 大手監査法人 (アドバイザリー)
  7. 中小監査法人
  8. FAS
  9. 戦略コンサル
  10. 会計事務所・税理士法人
  11. 投資銀行
  12. PEファンド
  13. 独立開業

普通、ここまでキャリアチェンジできる職業はありません。

受験生の方は各職種のイメージが湧かないかもしれませんが、それぞれ働き方が大きく異なります。

自分に合った好きな職種を選べるのが、公認会計士の魅力の1つです。

例えば、監査法人での仕事量の多さが嫌になったら残業の少ない経理に転職すれば良いし、監査という仕事にやりがいを感じなければコンサルティング会社に転職すれば良いでしょう。

私の場合、監査法人での仕事が自分に合わないと感じ、コンサル系の会計事務所に転職しました。

選択肢の多さは、「逃げ道」の多さでもあります。もちろん良い意味で。

独立開業した

独立開業したことで、私の人生は更に大きく変わりました。

元々、私は独立開業するつもりがなく、組織に所属するコンサルタントとして働くつもりでした。

しかし、いざ転職してみると組織内の人間関係・しがらみに悩むことが多く、「そもそも会社員が自分には向いていない」ということに気付きました。

通常、そんなことに気付いても会社員として働き続けなければなりません。

しかし、公認会計士資格があれば独立開業が許されます。

私は「会社員が向いていない」ことに気付いたと同時に、「そうか。独立して自分が経営側に回れば良いのか」ということに気付き、行動に移すことができました。

私は独立してから今日の今まで、人間関係のストレスで悩むことがほぼなくなりました。

もし独立していなかったら、今も会社員としてストレスを感じながら生きていたと思います。(もちろん、会社員が向いている人の方が多いですよ。私が不適合だっただけです。)

独立開業するという選択が取れる職業はほとんどなく、文字通り、独立によって私の人生は良い意味で大きく変わりました。

公認会計士受験から撤退した後の選択肢は?

公認会計士浪人の末、公認会計士受験から撤退した場合、次のような選択肢があります。

公認会計士受験から撤退した後の選択肢
  1. 就職する
    • 事業会社の経理
    • 会計事務所・税理士法人
  2. 他の資格受験に切り替える
    • 税理士
    • USCPA
    • 日商簿記1級

就職する場合、経理または会計事務所(税理士法人)がオススメです。

他の資格受験に切り替える場合、「税理士」「USCPA」「日商簿記1級」を目指しますが、働きながらの合格を目指すのが一般的です。(税理士2科目を最短で取得してから就職するのもアリ)

公認会計士撤退後の選択肢について、詳しくは公認会計士受験から撤退した後の選択肢と、就活について解説の記事が参考になります。

公認会計士は「コスパの悪い試験」なのか?

「公認会計士はコスパが悪い」と言われることが、たま~にあります。

結論、全くそんなことはありません。
むしろ、非常にコスパの良い試験です。

2~3年の期間を勉強に費やすことで、その後、一生メリットを得続けることができるからです。

もちろん、公認会計士を目指さなくとも、無難な選択肢はいくらでもあります。

しかし、先述の公認会計士になって人生が変わったと思った出来事で紹介したメリットは、おそらく公認会計士にならなければ得られなかったメリットです。

文字通り、人生を逆転させることができるのが、公認会計士資格の大きな魅力です。

ただし、勉強に時間を費やすのでリスクはあります。

リスクをできる限り排除しながら合格を目指すのが、最も良い戦略です。

公認会計士多すぎ問題について

試験年度合格者数
2015年1,051名
2016年1,108名
2017年1,231名
2018年1,305名
2019年1,337名
2020年1,335名
2021年1,360名
2022年1,456名
2023年1,544名
2024年1,603名
(金融庁|令和6年公認会計士試験合格者調及び過去同データを基に作成)

公認会計士試験の合格者数は、ここ10年間で40%以上増加しました。

これは、2009年~2011年頃までの就職難が大きく改善されたことに伴う反動ですが、これだけ公認会計士が増えてしまうと「多すぎてまた就職難になるのでは?」という不安も出てくるでしょう。

私は監査法人の現場も知っており、さすがに今すぐ人手不足が解消される、とは考えられません。(まだまだ皆残業が多いです)

しかし、人手不足が徐々に解消されていることもまた事実であり、また就職難の時代がやってくる可能性は考えられます。

ハッキリとした答えが出せず申し訳ないですが、「就職できない可能性がある」というリスクがあることだけは、必ず念頭に置いておくべきです。

リスクを知った上で挑戦することで、そのリスクが顕在化した時に焦ることがなくなりますし、事前にリスク回避することもできますから。

公認会計士浪人に関連するよくある疑問・回答

その他、公認会計士浪人に関するよくある疑問・回答をまとめました。


公認会計士試験の挫折率はどのくらい?

挫折率については客観的な公表データがありませんが、私の体感では、60~70%程度の人が挫折し撤退していると感じます。

公認会計士試験の最終合格率(論文までの合格率)は毎年8%程度であり、周りを見ていると、長くとも5年以内に合格している人が多い印象があります。

逆に言えば5年を超えると撤退している印象があり、単純計算で8%×5年=40%が合格、つまり60%が撤退していることになります。

公認会計士に受からない人の特徴は?

公認会計士に受からない人の特徴は、次のとおりです。

公認会計士に受からない人の特徴
  • 常に考えることができない人
  • 試行錯誤ができない人
  • 継続的な勉強がでない人

公認会計士試験は難関資格試験であり、「ただ単に覚えるだけ」の学習では合格できません。

常に試行錯誤を繰り返し、どのような学習法が正しいのか・間違っているのか、常に考えながら勉強法を確立できなければなりません。

また、最も大切なのは「継続的に勉強をする」ということです。

当たり前ですが、勉強をサボっている人は受かりません。

凡人でも公認会計士になれますか?

はい、なれます。

ポジショントークのようになってしまいますが、私自身がそうです。

監査法人時代は多くの公認会計士と一緒に働いていましたが、確かに、「凄い!」と思うような頭の良い方は多かったです。

しかし、私のような凡人でも公認会計士になれますし、独立もできました。

誰にでも分け隔てなくチャンスがあるのが、公認会計士の魅力の1つです。

公認会計士になっても食えないって、本当?

それはまずありません。

監査法人でキャリアを積めば、年収1,000万は普通に超えます。

また、一時的に会計士業界の人手不足が解消された年もありましたが、それでも「会計人」としての評価は高いため、経理・会計事務所からの需要は多くありました。

公認会計士になって食えなくなることは、まず有り得ません。

公認会計士試験って無理ゲーじゃないですか?

私はそうは思いません。

なぜなら、大学生までろくに勉強をしていなかった自分が合格できているからです。

もちろん死ぬ気で勉強しましたが、「無理」ではありません。

むしろ、しっかりと努力した人が報われる試験だと思います。

公認会計士になって、後悔したことはある?

ありません。

強いて言えば、もっと早く勉強をスタートしておくべきだった…という後悔はあります。

私は大学4年から少しずつ勉強をスタートしましたが、1年生から始めていれば時間もお金も余裕があり、もっと早く独立もできていたと思います。

こうした人生の重要な決定・行動は、早いに越したことはありません。


【必見】極限までリスクを排除し、公認会計士を目指す方法

先述のとおり、公認会計士を目指すこと自体にリスクはあります。

そのリスクをまとめると、「金銭面」「就職面」に集約されます。

逆に言えば、金銭・就職のリスクを回避することができれば、リスクを抑えて公認会計士資格を取得できるとも言えます。

このリスクを排除する手法としては、「働きながら公認会計士を目指す」という選択があります。
(※ 学生の方はそこまでやる必要はなく、勉学のみに集中してください)

あまり知られていませんが、近年の公認会計士試験では社会人合格者の割合が多く、合格者の6~7人に1人が働きながら合格しています。

試験年度社会人合格者合格者数全体社会人の割合
2020年196人1,335人14.7%
2021年178人1,360人13.1%
2022年187人1,456人12.8%
2023年217人1,544人14.1%
2024年207人1,603人12.9%
(金融庁|令和6年公認会計士試験合格者調及び過去同データを基に作成)

近年では、監査トレーニーと呼ばれる支援制度を採用する監査法人が増えており、監査法人で働きながら公認会計士を目指すケースをよく目にするようになりました。

私が受験したのはもう10年以上前ですが、昔は今のような状況ではなく、公認会計士になるなら「学生」または「無職」の2択でした。

良い世の中になりましたね。

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