公認会計士の藤沼です。
会計士受験生から人気の「監査トレーニー」ですが、なかなか受からないという人もいるようです。
それもそのはず。監査トレーニーは会計士受験生にとってメリットが大きいのですから。
そこで今回は、監査トレーニーに受からない場合の対策法を紹介します。
私は大手監査法人で面接官を経験し、中小監査法人では監査トレーニー採用の顧問をしていました。
採用に関する生の情報を持っていますので、少し情報をシェアしようと思います。
監査トレーニーに受からない場合の対策法3つ


監査トレーニーに受からない場合の対策法を、3つ示します。
それぞれ解説します。
中小監査法人の求人をすべて入手し応募する
BIG4(大手監査法人)の監査トレーニーは非常に人気です。
そりゃそうです。業界最大手ですからネームバリューがあります。
大手監査法人の採用倍率は非常に高く、体感では3倍~5倍程度であると感じます。
一方、中小監査法人での監査トレーニーの採用倍率はかなり低く、体感としては1倍~3倍です。
監査トレーニー制度は2016年頃からEY新日本監査法人を中心にスタートしており、現在では中小監査法人でも監査トレーニーを採用するケースがかなり増えています。
また、中小だから待遇が悪いのでは?と思う方もいるようですが、むしろ逆のケースも多いです。
大手よりも給与水準が高く、支援が手厚いケースもあります。
なんなら勤務時間数が少なく、その分勉強に時間を費やすことができる中小監査法人もあります。
大手監査法人の監査トレーニーに受からないからと言って悲観する必要はなく、中小監査法人にも必ず応募すべきです。
ただし「どの中小監査法人が良いか」は調べても分からないはずです。
なぜなら、中小監査法人は全国に250社以上あるものの、情報発信がほとんどないからです。
必ず、監査トレーニーに強い転職エージェントを使って効率的に監査トレーニーの求人を集めて下さい。
十分な面接対策を行う
面接対策をしたかどうかが合否を分けると言っても過言ではありません。
逆に言えば、面接対策を十分に行えば高確率で内定は出ます。
十分な面接対策とは、次のような対策をいいます。
- 監査法人ごとに事前質問リストを入手し、Q&Aを作成する
- 作成したQ&Aを全て暗記する
- 即座に回答できるように練習する
転職エージェント経由で監査トレーニーの求人に応募すると、事前質問リストを入手できることが多いです。
なぜなら、過去にその監査法人に応募した人から「何を聞かれたか」を収集し、質問事項を蓄積しているからです。
事前に質問が分かっていて対策ができていれば、面接時に即座に回答できます。
完璧な回答ができれば、監査トレーニーの内定は出ます。(もちろんマナー等も見られます)
これらは事前の準備で対策できることであり、コミュニケーション能力の問題ではありません。
一般的な質問で口ごもってしまうと、「この人は準備すらしないで面接に来たんだな…」と思われます。これは大きな減点要素です。
準備は本当に大切です。
転職エージェントをフル活用し、必ず十分な面接対策をしてください。(くどいようですが一番重要です!!)
会計事務所で働きながら公認会計士を目指す
これは代替案ですが、会計事務所で働きながら公認会計士を目指すという選択肢もアリです。
あまり知られていませんが、会計事務所で働きながら公認会計士を目指す人の合格率(=合格者数 ÷ 願書提出者数)は、「学生」の次に高いのです。


会計事務所では、「法人税法」「所得税法」「消費税法」「簿記」の知識・実務スキルが身に付くため、公認会計士受験との親和性はかなり高いです。(だからこそ合格率も高い)
もちろん、監査トレーニーではないため監査法人への就職はできませんが、このご時世、結局受かれば監査法人には就職できます。税務経験があればなおさらです。
なお、働きながら公認会計士を目指す選択肢について、詳しくは次の記事でも解説しています。
監査トレーニーに受からない人の特徴4つ


次のいずれかに当てはまる場合、受からない可能性が高いです。
それぞれ解説します。
謙虚さがない
謙虚さがない人は、(よほど優秀な人でない限り)落とされる可能性が高いです。
監査トレーニーは、いわば監査法人からの投資対象です。
将来公認会計士になるための支援を受ける立場にあり、また入社後は新人社員としてチームをサポートする役割があります。
そんな人が面接で横柄な態度をとれば、採用されないのは火を見るよりも明らかでしょう。
特に、社会人としてのマナーがない人は、知らず知らずのうちに横柄な態度をとっているケースがあります。
社会人経験のない人は、転職エージェントなどの第三者に面接を見てもらう必要があります。
年齢が高すぎる
年齢が高すぎると、そもそも書類選考で落とされるケースが多いです。
40代以降では採用されるケースがほとんどありません。
ダメ元で応募するのはアリですが、監査トレーニー以外の選択肢を模索するこをオススメします。
逆にいえば、30代までならチャンスはあります。
面接対策をしていない
私は多くの監査トレーニー志望の方を見てきましたが、一番不足しているのは「面接対策」であると強く感じています。
というのも、単純な質問をしても即答できない人が多いからです。
「なぜ公認会計士を目指しているのですか?」「どのような学習プランを計画していますか?」といった、ごく当たり前の質問でさえ上手く回答でいきない人が多いです。
先述のとおりQ&Aを入手して面接対策を完璧にしている人がいる中で、単純な質問にも回答できないのは印象がとても悪いです。
また、問答の仕方にもポイントがあり、結論から話すことを意識すべきです。
採用面接で求職者の人たちと話をしていると、「結局何が言いたいの?」と思う事があります。
これも大きなマイナス要素です。
確かに、聞かれたことに丁寧に答えようとするあまり、喋りながら考えて結論を探したくなる気持ちも分かります。
しかし、聞いている方としてはまず結論が聞きたいわけで、長々と話されると話の方向が分からずイライラすることがあります。
だからこそ事前のQ&Aが重要であり、事前に質問を想定し考えておく必要があるのです。
準備が万全であれば、聞かれた質問に結論を即答し、理由をその後に話すことができますから。
コミュニケーション能力が極端に低い
コミュニケーション能力は重要ですが、一朝一夕で身に付くものではありません。
ただし、面接におけるコミュニケーションだけは例外で、面接対策をしておけば円滑なコミュニケーションは可能です。
事前に、監査トレーニーに強い転職エージェントから入手したQ&Aリストを確認し、それぞれ一言で回答できる模範解答を作り、すべて暗記して下さい。
なお、Q&Aリストの使い回しは避けましょう。なぜなら監査法人によって聞かれる質問は異なるからです。
ちなみに、私は27歳で公認会計士試験に合格しましたが、無職・職歴なしで大手監査法人4社すべてから内定を貰いました。
やり方はシンプルで、監査法人4社のQ&Aリストを1社50~60個分(=計200)をすべて暗記して面接に臨んだだけです。
おかげで全て想定通りの質問がきて、模範解答を即答できたので内定が出ました。
監査トレーニーに落ちた後、もう一度応募できるのか?


監査トレーニーに落ちた場合、残念ながらその監査法人にもう一度応募することはできません。
正確には、応募しても落とされるだけです。
これは監査トレーニーに限らず公認会計士の場合も同様ですが、通常一度落とされたら(少なくとも)3年は応募できません。
採用官の立場に立って考えれば分かりますが、一度落とした人を採用する積極的な理由がないからです。
採用官も会社員ですから、上司・理事長に説明を求められます。「なぜ?」と。
仮に一度落ちた監査トレーニーを採用したとして、もしその監査トレーニーがすぐ辞めたり問題を起こすようなことがあった場合、採用官は責任を追及されることになります。
このようなリスクを負う必要がないため、一度落ちた人がもう一度同じ監査法人に応募しても採用されることはないのです。
大人しく、他の監査法人を探すのが得策です。
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監査トレーニーに受からない場合によくある疑問
その他、監査トレーニーに受からない場合のよくある疑問をまとめました。
監査トレーニーはUSCPAの受験生でも受かりますか?
はい、受かるケースがあります。
監査法人の中には、日本の公認会計士受験生以外にもUSCPA受験生を募集している法人があります。
監査トレーニーの給料はいくらですか?
監査トレーニーの給料は月20万円~25万円です。
賞与は4ヶ月分支給されるケースが多く、この場合、年収は320万円~400万円です。
公認会計士と東大のどちらが難しいですか?
公認会計士と東大は、ほぼ同程度の難易度と言われています。
ただし、東大であっても学部・学科によって難易度は異なります。
例えば東大理三と公認会計士を比べると東大理三の方が難しいと言われ、東大理一と公認会計士を比べると公認会計士の方が難しいと言われます。
公認会計士になるのに大学は関係ない?
はい。公認会計士になるのに大学は関係ないです。
もちろん、大学の学部・学科によっては公認会計士試験の内容と似た授業を履修できるケースはありますが、大学の授業で公認会計士試験に合格することは不可能です。
監査トレーニーは高卒でも受かりますか?
はい。受かります。
実際に、私は高卒で監査トレーニーに受かった方を何人も見ています。
※ 理論上は中卒でも受かると思いますが、私は中卒で監査トレーニーになった方を見たことがありません。
公認会計士の平均学歴は?
大卒者が多く、公認会計士試験合格者の90%以上は大卒以上の学歴です。
会計士トレーニー制度とは?
会計士トレーニー制度とは、監査トレーニー制度のことをいい、監査法人で働きながら会計士を目指せる制度をいいます。
監査法人で給与を得て働きながら、予備校代・受験費用のサポートを受け、実務経験を積むことができるため会計士受験生にとっては大きなメリットがあります。
監査法人は新卒・資格なしでも採用されますか?
はい。監査トレーニーに限りませんが、新卒・資格なしでも採用されるケースがあります。
ただし、ポテンシャル採用の色が濃いため、誰でも採用されるわけではありません。
資格なしで監査法人に就職する方法など、詳しくは次の記事で紹介しています。
新卒で監査トレーニーに採用されることはありますか?
はい。新卒で監査トレーニーを採用している監査法人は多いです。
新卒者はフレッシュさを評価されやすいため、面接では素直さ・謙虚さを非常によく見られます。
ポテンシャルもかなり評価されるため、理路整然とした回答が必要です。
監査トレーニーの募集時期はいつですか?
多くの監査法人では、年間を通して通期で監査トレーニーを募集しています。
なお、監査トレーニーの求人数が最も多くなるのは論文式試験の合格発表後(11月中旬~12月初旬にかけて)です。
これは、積極的に短答合格者を採用したいという監査法人側の意図の表れでしょう。
ただし、この時期を待たずしても監査トレーニー求人はあるため、むしろ枠が埋まらないうちに応募すべきです。(人気の法人ほどすぐに枠が埋まります。
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監査トレーニーに強い!転職エージェント
監査トレーニーに応募するなら、次のエージェントを強くオススメします。
監査トレーニーの求人数では、MS-Japanが最も多くオススメです。
ただし、一部MS-Japanでも取り扱っていない求人はあるので、より安全を期する方はヒュープロも利用したほうが良いです。(この2社で十分です)
先述のとおり、監査トレーニーに受かるためには転職エージェントの利用が必須です。
転職エージェントを利用することで多くの求人が入手でき、事前にQ&Aを入手できるため面接対策を完璧にすることができます。
BIG4を数社受けて落ちたからと言って諦めず、全力を出し切るべきです。
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