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簿記1級があっても就職できない人の特徴4選【面接官の視点で解説】

公認会計士・税理士の藤沼です。

【無料】会計・税務の転職相談室で多くの求職者の方からご相談を受けていますが、「簿記1級をとったのに就職できない」というご相談を受けることがあります。

詳しく状況を聞いてみると、簿記1級のアピールの仕方を間違えている方が多いことに気付きました。

そこで本記事では、簿記1級をとっても就職できない人の特徴と、就活を有利に進める方法を解説します。

筆者の面接官としての視点も交えて解説しましたので、この業界のリアルを感じ取っていただければ幸いです。

この記事の執筆者
藤沼 寛夫

公認会計士・税理士

藤沼 寛夫›

藤沼会計事務所 所長
アカウントエージェント株式会社 代表取締役

2013年に公認会計士論文式試験に合格し、2014年にEY新日本有限責任監査法人に入所。上場会社・学校法人・上場準備会社の会計監査業務に従事し、2018年に東京共同会計事務所に転職。広くFASに関与し、2019年に藤沼会計事務所を独立開業。翌2020年にはアカウントエージェント株式会社を設立し、会計税務コンサルティング及び会計税務に関する転職支援サービスを提供している。

目次

簿記1級があっても就職できない人の特徴4選

簿記1級があっても就職できない人の特徴は、次の通りです。

以下、それぞれ解説します。

応募先に対する理解が浅い|リサーチが不十分な人は採用したくない

私は経理や会計事務所への転職支援をしていますが、ご相談される方々の大半が、企業研究をせずに転職活動をされています。

簿記1級を持っていたとしても、それだけで即採用されるわけではありません。面接では、「なぜこの業界?」「なぜうちの会社?」という視点での質問を必ずされます。

最低限、以下の情報は応募前に調べておきましょう。

応募前に調べておくべき情報
  • 応募先の一般的な情報(サービス内容・強み・魅力など)
  • 応募先の決算情報(事業会社の場合)
  • 応募先が属する業界全般の情報(市場規模・トレンドなど)

更に言えば、応募先が事業会社の場合、その会社が提供している商品・サービスを実際に使ってみることをオススメします。

実際に商品・サービスを利用することで、自らがその企業の魅力を実感でき、それがアピールに繋がります。

また、そこまでやる応募者は少ないため、それ自体が面接時の高評価に繋がります。

コミュニケーション能力が低い|組織内外での対話能力は重要

会計・税務の世界では、意外と「コミュニケーション能力」が求められます。

実務では、たとえば次のようなシチュエーションが日常的に発生します。

コミュニケーションが求められるシチュエーション(一例)
  • 顧問先に、決算書の中身をかみ砕いて説明する(会計事務所)
  • 資料が期日までに届かない顧問先に、催促や内容のヒアリングをする(会計事務所)
  • 現場の担当者に、経費精算の不備を指摘して修正してもらう(経理)
  • 監査法人・税理士・銀行からの資料依頼や質問に対応する(経理)
  • 予算と実績の差異や資金繰りの見通しを、経営陣に報告する(経理)
  • 担当者間で、進捗や引っかかっている論点を共有する(共通)

そのため、面接では受け答え・所作を見られ、コミュニケーション能力が低いと判断されると落とされるケースが多いです。

筆者の事務所にも毎年多くの方が応募されてきますが、面接時の受け答えに難があると、「きちんと指示通りに仕事をしてもらえるだろうか…」と不安を感じるものです。

むしろ「対話が苦手だから簿記1級資格に逃げたのでは?」と捉えられる恐れさえあります。

会計事務所は人手不足が深刻なため、選考時点でのコミュニケーション能力の評価比重は相対的に低めです。

会計税務系の実務経験がない|年齢が上がるほど前職の経歴を問われる

会計・税務の世界では、「実務経験」が最も高く評価されます。

決して極端な例ではなく、「簿記1級 × 未経験者」と「簿記3級 × 経験者」の2名が面接に来た場合、後者の方が採用される可能性は高いです。
実際、私の会計事務所においても後者を高く評価します。

また、この実務経験の有無による採用ハードルの高さは、年齢によっても異なります。

職種求められる実務経験の度合い
経理30代後半は実務経験がほぼ必須で求められる
会計事務所30代までは実務経験なしでも就職しやすい

会計事務所は人手不足が深刻であり、(経理職に比べると)年齢が問われない傾向にあります。

なお、会計業界での実務経験がなかったとしても、以下のようなスキルがあると評価されやすいです。

実務経験とは別に評価されやすいスキル
  • 英語力
  • ITスキル

外資系クライアントの多い会計事務所や、外国法人との取引が多い会社の経理などでは、英語力を求められます。

また、最近ではAIを経理業務に組み込む動きがあり、ITスキルも高く評価される傾向にあります。

その他、未経験で簿記1級を使って転職した事例は、以下の記事において年代別に紹介しています。

直接応募したり求人サイトを使って応募している|デメリットが多い

転職活動の仕方を間違えている方が意外と多く、特に「直接応募している方」や「求人サイトを使って応募している方」は、就職活動に苦戦する傾向にあります。

同じ経歴・同じ職務経歴書でも、どのルートから応募するかで結果が変わります。

直接応募・求人サイト経由での応募のデメリット
  • 書類選考の基準が厳しくなる
  • 経歴以外の情報が伝わらない
  • 出会える求人が一部に限られる
  • 応募先の内情が分からない
  • 日程調整や条件交渉を自分で行う

直接応募や求人サイト経由での応募者の中には、「募集条件を満たしていないのに応募してくる人」も混ざっているため、採用側は書類選考の基準を厳しめに設定します。

また、転職エージェント経由なら推薦文(その求職者の人柄や強みなど)を明記して応募してくれますが、直接応募・求人サイト経由での応募には、こうした推薦文が添えられません。

書類に書かれた経歴だけで判断されるため、実務経験がない方ほど不利になります。

そのため、転職活動では余程の理由がない限り「転職エージェント」を使うべきです。

簿記1級を使って就職活動を有利にする方法4選

簿記1級を使って就職活動を有利にする方法は、次の通りです。

以下、それぞれ解説します。

志望動機を作りこむ|簿記1級を取得した理由も組み合わせる

今すぐできる最も効果的な方法は、志望動機を作りこむことです。

経歴や年齢は動かせませんが、「志望動機」ならいくらでも作りこむことができます。(嘘を書けという意味ではありません)

志望動機を作りこむメリット
  • 熱意を伝えることで、経歴・年齢面での不利をカバーできる
  • 簿記1級を取得した理由も交えることで、行動の一貫性をアピールできる
  • 志望動機を作る過程で企業研究が進み、応募先とのミスマッチに自分で気づける
  • 志望動機を作りこんでくる応募者が少ないため、それだけで他の候補者と差がつく

会計・税務の業界では、実務経験や資格の有無などの形式面も評価されますが、評価するのは「人」です。

「この人を採用したい」と思わせることが大切であり、本質的には、相手の感情を動かすことがゴールです。

それをアピールできるのが志望動機であり、これを作りこまない人は、アピールを放棄していると捉えられる危険性さえあります。

志望動機の作り方が分からない方は、以下の記事内で例文と共に紹介していますのでご参考ください。

また、「実際に志望動機をチェックしてほしい」「一緒に志望動機を考えてほしい」という方は、私が無料でご対応します。いつでもお気軽にご相談ください。(参考:【無料】会計・税務の転職相談室)

面接の練習をしておく|想定問答も入手して模範解答を作っておく

志望動機が作りこめても、それだけで就職活動をパーフェクトにすることはできません。

なぜなら、面接では「志望動機」以外にも様々な角度から質問されるからです。

その際の受け答えの態度・所作を万全にするために、面接対策を実施しておくことをオススメします。

転職エージェントに登録し、実際に応募する段階になると、担当者による「面接対策」を実施してもらうことができます。

また、転職エージェントに登録することで、応募前に「その企業の面接で過去に聞かれた質問リスト」を貰うことができます。

これが非常に強力で、筆者が転職活動をした際もこの質問リストに非常に助けられました。

事前に質問されることを知り、模範解答を作っておくことができるため、面接が苦手な方・コミュニケーションが苦手な方には重宝します。

やるか・やらないかで大きな差がつきますので、簿記1級資格だけに頼るのではなく、こうしたサービスもフル活用すべきです。

実務経験がない場合はハードルの低いところからスタートしてみる

簿記1級資格を有していたとしても、「実務経験がない方」は「実務経験がある方」に比べると不利です。

転職活動において「実務未経験」が足を引っ張る場合、まずはハードルの低い企業・職種を選び、そこで実務経験を積んだ後にステップアップするという手段もあります。

実際、当初は経理志望だったものの、一旦会計事務所に就職し、そこで3年の実務経験を経て経理にジョブチェンジした、という方もいます。

会計事務所での経験を「経理としての実務経験として認めるか」は企業によって異なりますが、これは応募前に知ることが可能です。

会計・税務の世界は実務経験こそがものを言う業界ですので、まずは実務経験を積んでみる、というのが手っ取り早い解決策だったりします。

会計・税務に特化した転職エージェントを使う【必須】

転職エージェントの利用は必須です。内定の合否に影響を与えるため、必ず利用しましょう。

また、転職エージェントは「会計・税務に特化したエージェント」を利用すべきです。

会計・税務に特化した転職エージェントを使うべき理由
  • 求人数が膨大であり、選択肢が多い
  • 会計・税務業界の情報が蓄積されやすく、業界全体の話も聞ける
  • 会計・税務業界の面接情報が多く蓄積されるため、面接時の質問リストの入手が容易
  • その他、広く会計・税務業界での転職相談ができる

dodaやリクルートなどの、いわゆる「総合型エージェント」の利用はオススメしません。

筆者も転職活動をした際に利用しましたが、業界に対する知見が乏しく、残念な気持ちになった経験があります。

面接官である筆者が思う簿記1級の価値

筆者は会計事務所の所長として、数多くの求職者の方と面接をしてきました。

実際、応募されてきた方の中には「日商簿記1級」を保有されている方もいました。

あくまで私の場合、簿記1級を持っていたからといってそれほど高く評価はしません。

それよりも取得の背景や、目標設定とその達成の過程、そして未来に何を求めているのかなど、ストーリーで評価します。

そのストーリーの中に、上手く「簿記1級」がハマっていれば高く評価します。

たまに「簿記1級を取れば就活で無双できる」と思っている方がいますが、簿記1級にそこまでの価値はありません。
新卒就活であれば、コミュニケーション能力やガクチカを重視されますし、簿記1級は必要条件ではあっても十分条件にはなりません。

簿記1級は、公認会計士や税理士などの士業資格とは異なり、独占業務がありません。

そのため、働くために簿記1級という資格を取得する必然性はどこにもないのです。極端に言えば、必要のない資格です。

そんな資格をなぜ取ったのか?そこに面接官は興味を寄せます。

あなたは、なぜ簿記1級を取るのでしょうか?
これを考えることは、将来の就職活動だけでなく、簿記1級の学習をする際のモチベーションの根源にもなるはずです。
ぜひ今、しっかりと考えることをオススメします。

【比較表】簿記保有者に強い!おすすめの転職エージェント

簿記保有者に強い転職エージェント5社を、以下にまとめました。

スクロールできます
レックスアドバイザーズヒュープロMS-Japan人材ドラフトジャスネットキャリア
レックスアドバイザーズヒュープロMS-Japan人材ドラフトジャスネットキャリア
総合評価 ※1
4.50 / 5.00

4.39 / 5.00

4.21 / 5.00

3.62 / 5.00

3.92 / 5.00
求人数 ※24,000 件~6,400 件~4,000 件~2,100 件~2,000 件~
得意領域会計事務所/税理士会計事務所/経理管理部門会計系士業系全般
強み利用者満足度が高い求人数No.1業界の老舗––
サービス開始2004年2016年1995年2001年1998年
利用対象者20~50代20~50代30~40代20~50代20~50代
対象エリア全国全国関東/関西/東海全国全国
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会計・税務の領域で転職する場合、求人数の多いヒュープロ・利用者満足度の高いレックスアドバイザーズの2社がおすすめです。

上記比較表をご参考に、ぜひご自身に合った転職エージェントを使ってください。

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