公認会計士の藤沼です。
会計事務所を開業してしばらくの間、監査法人で非常勤職員として働いていました。
今回は、監査法人での非常勤の「実務経験」について解説します。
公認会計士の非常勤、小さなデメリット vs 大きすぎるメリットで解説したとおり、非常勤はかなり稼げますから、実務経験について少し詳しく解説したいと思います。
この記事で分かること
- 「実務経験なし」でも採用する監査法人はあるし、求人もある
- ただし、監査経験がない人は契約条件が悪い
- 「3年以上」の経験を求める監査法人が多い
- 非常勤での時給単価は、最大2万円/時
- 非常勤求人を探すなら、転職エージェントを使うのが最も効果的
2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表
実務経験がなくとも、監査法人での非常勤は可能です。
結論から言えば、実務経験なしでも監査法人での非常勤は可能です。
極端な話、論文式試験合格後に非常勤職員として働くことができます。
在学中合格者が卒業までの間に監査法人での学生非常勤として働くケースはよくありますが、実は既卒でも非常勤採用はされます。
有名な例で言えば、2010年に公認会計士論文式試験に合格したプロバスケットボール選手の岡田優介さんは、プロチームに所属しながら合格後すぐにEY新日本監査法人で非常勤職員として採用されました。
このように、全くの未経験であっても非常勤採用はされます。
ただし!実務経験年数が少ないと採用倍率は上がるため、転職エージェント等との綿密な面接対策が必須になります。
実務経験年数は3年あれば内定は出やすい。
監査法人の非常勤として働く場合、3年の実務経験があれば多くの法人から内定が出ます。
理由は次のとおりです。
- 監査全体の流れを大きく理解していると想定されるため
- 少なくともすぐには辞めないと想定されるため
3年程度の実務経験があれば主査経験者も多いため、サクッとした説明でも背景などを理解し、趣旨どおりに業務を進めることができますからです。
もちろん実務経験1年~2年でも優秀な方はいますから、あくまでも目安です。
特に最近は非常勤として働く会計士がとても増え、監査法人側の需要も増えてきたことから、あまり経験年数が重視されなくなってきています。
なお、非常勤を募集する監査法人の探し方は、次の記事で詳細解説しました。
実務経験が1~2年でも、非常勤は可能?
必ずしも、3年間の実務経験が必要というわけではありません。
現在、特に中小の監査法人では人手が不足しています。
理由は凡そご存じのとおり、大手監査法人で採算性の悪いクライアントの契約解除が進み、監査難民となった企業が中小監査法人に流れているためです。
そのため、近年では実務経験年数が1~2年の方であっても、採用されるケースが増えています。
育成に時間がかかりますが、背に腹は代えられない…という感じでしょうか。
ただし、経験が浅い方の場合には「時給単価」もやや低くなる傾向にあります。
公認会計士登録は必要か?
実務経験が少ない場合、そもそも公認会計士登録していないという方(準会員の方)も多いでしょう。
実際は、「公認会計士登録しているかどうか」はそこまで大きな問題ではありません。
というのも、チームとしては手を動かせる従業員が欲しいのであり、登録の有無は関係ないからです。
主査としての採用なら「公認会計士登録」はほぼ必要ですが、非常勤職員が主査を任されることは少なく、一人の作業者としてアサインされます。
登録の有無よりも、やはり実務経験の年数のほうが重要視されます。
その他、監査法人で優遇される実務経験
主査としての経験のほかに、次のような経験は優遇される傾向にあります。
- 公的(パブリック)機関の監査経験
- IFRS対応経験
- 英語力
特に中小監査法人の場合ですが、公的なクライアント(学校法人・医療法人など)比率が高いです。
そのため、公的機関の監査経験は重宝されるケースが多いです。
またIFRS対応経験や英語に強い方も、経験・スキルの1つとして優遇される傾向にありました。
これは当然ながら、このようなスキル・経験のある公認会計士が少なく、希少価値が高いからです。
実務経験が長ければ時給も高くなる?
私の場合は、監査の実務経験約4年半で独立し、監査法人の非常勤職員として働いていました。
その時給は7,000円です。
大手監査法人出身ですので、シニア1年目(主査経験は2年ほど)でした。
時給7,000円はかなり高い方だと思っていましたが、後述の方法で探してみると更に時給単価の高い求人がヒットします。
一方で、実務経験が長ければ長いほど時給単価が上がるわけではなく、10年以上になると時給単価が上限に達するようです。(凡そ、時給20,000円が上限)
先述のとおり非常勤職員としての仕事はスタッフワークが多く、そのような役割を期待されます。
現場を回したり中間管理職的な立ち回りは求められないため、その分給料もそこまで上がらないのです。
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監査法人の非常勤の効率的な探し方は、次の3種類あります。
- 監査法人のHPを見て自力で探す
- 知人会計士から紹介を受ける
- 転職エージェントを使う(おすすめ)
転職エージェントを活用するのが最も効果的でオススメです。
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