公認会計士の学生非常勤は時給3,500円!ただしデメリットに注意【大学生は必見】
公認会計士の藤沼です。
大学在学中に公認会計士試験に合格すると、監査法人で「学生非常勤」として働くことができます。
現在の学生非常勤は、時給3,500円前後とかなりの高単価です。
収入面以外にもメリットは多くありますが、一方でデメリットもあります。
本記事では、そんな公認会計士の学生非常勤について解説します。
公認会計士の学生非常勤の時給は3,500円が標準
現在の、監査法人での学生非常勤の時給単価は、3,500円が標準です。(BIG4在職者からのヒアリングにより確認済み)
一般的な学生バイトの時給が1,000~1,500円程度ですから、かなり美味しいですね。
もちろん監査法人によって単価は前後しますが、この単価を標準として覚えておきましょう。
なお、この時給単価は正社員であるスタッフ~シニアの時間給と同水準です。(年収を勤務時間数で除すと大体このくらいになる)
監査法人での学生非常勤の月収は15日勤務なら月37万円前後
監査法人での学生非常勤の場合、正社員と同じように毎日勤務できるわけではなく、人手の足りない日にアサインされやすいです。
また、学校の授業やゼミを優先させる必要があることから、基本的にあまり残業をさせないチームが多いです。
このため、学校がない時期は大体月10日~15日程度、残業なしで働くケースが一般的です。
月収 = 時給3,500円 × 7時間勤務 × 15日 = 367,500円
というわけで、学生非常勤の月の給料は37万円前後になるケースが多いです。
ちなみに、筆者が所属していたEYでは「1ヶ月あたり105時間まで」という勤務時間制限がありました。
手取りの給料はざっくり30万円前後
月の手取りは、額面の8割前後に落ち着きます。
上記の条件下であれば、手取り給料は30万円前後になります。
ちなみに繁忙期はかなり稼げる
監査法人の繁忙期は4~5月です。
この4~5月は人手が不足するため、学生であっても勤務日数が増え、残業も増えます。
繁忙期の月収 = 時給3,500円 × 10時間勤務 × 20日 = 700,000円
学生で月70万も稼げるのはかなり美味しいですね。(法人によって勤務時間数の制限が緩和されるため、ここまで多く稼ぐことが可能になります。)
希望すればもっと働けるチームもありますし、実際90万円近く稼いだ方もいます。もちろん、その分疲れますが。
ただし、4~5月に学生非常勤をするということは、入所時点(2月時点)で大学3年生以下である必要があります。
あくまで早期に合格した優秀な大学生の特権、ということでしょう。
公認会計士の学生非常勤として働いた際のスケジュール
学生非常勤の勤務は、週3日前後が多いです。希望によってはもっと出勤できたりしますが、アサインできるチームがない場合には日数が減ったりします。
正社員と同じ時刻に出勤・退勤します。(BIG4の場合は9時半~17時半が多いが、クライアントの勤務時間にも左右されます)
実際の1週間は、次のようなスケジュールです。
| 曜日 | スケジュール(例) |
|---|---|
| (月) | 大学 |
| (火) | 仕事(往査:クライアント先で証憑突合) |
| (水) | 大学 |
| (木) | 仕事(事務所勤務:確認状の発送・内部統制の運用評価) |
| (金) | 仕事(リモート:監査調書の整理) |
| (土) | 休日(たまにeラーニングの補習所講義を受講) |
| (日) | 休日(たまにeラーニングの補習所講義を受講) |
出社(クライアント先、事務所)・リモートの割合も、チームによって異なります。
上記はあくまで例示であり、勤務する曜日も毎週異なります。
学生非常勤に任されるのは証憑突合や確認状の管理などその日のうちに完結する作業が中心のため、監査チームの予定に空きが出た日へ、その都度呼ばれる形になるからです。
そのため、勤務可能日の出し方には少しコツがあります。
- 実際に働きたい日数より多めに提出しておく
- 可能な限り曜日を揃える(チーム側が計画に組み込みやすい)
- 大学の試験期間は、先に外しておく
- コアとなりそうなチームに「入ってほしそうな日程」を聞いておく
特に重要なのが、「コアチームには事前に日程の要望を聞いておく」ということです。
自分がコアメンバーになるチームでは、新人を早期に育成するため、まとめてアサインを入れる傾向にあります。
チームにとっても自分自身にとってもプラスになるため、今後関与する可能性の高いチーム(関与したいチーム)には、積極的にコミュニケーションを取ることをオススメします。
監査法人で学生非常勤として働くためのステップ
では、どのような流れで「学生非常勤」として働けるのでしょうか。
大まかな流れは、以下のとおりです。
- 公認会計士論文式試験に合格する
- その後の就職活動(11月中旬~12月初旬)で監査法人から内定を貰う
- 内定後 ~ 大学卒業まで学生非常勤として働く
たとえば2026年8月の論文式試験を受験し、11月20日の合格発表で合格したとします。
この場合、12月に内定をもらい翌年2027年の2月1日に入社、となるケースが一般的です。
この時点で大学4年生だった場合は、2月~3月の2ヶ月間、学生非常勤として働くことになります。
また、この時点で3年生だった場合は、3年生の2月~4年生の3月までの14ヶ月間、学生非常勤として働くことができます。
大学生が監査法人で非常勤として働くメリット
学生非常勤として監査法人で働くメリットは、以下のとおりです。
- 普通のアルバイトよりも稼げる
- 学生のうちに社会人としての経験を積める
- 公認会計士登録に必要な「実務経験」が積める
- 期末監査(4月~5月)までの間に、業務の流れを知ることができる
最も大きなメリットは、監査チームでの業務の流れを知れることです。
4月からの期末監査(=繁忙期)になると、チームの会計士たちは大忙しです。
この時期に「会計ソフトの使い方を1から教えてください」と言っても、人によっては嫌な顔をする人もいるでしょう。
一方、学生非常勤として2月から働くことができれば、期末監査までの間に仕事の仕方をある程度理解し、準備しておくことができます。
なお、大学生が在学中合格した場合のバイトの選択肢として、例えばCPAのチューターとして働くなどの選択肢もあります。(時給単価は3,000円前後が相場)
しかし、監査は経験こそが全てと言っても過言ではありません。
学生だからこそ聞けることもありますし、その後の会計士としての成長速度を速めるためにも、私は学生非常勤を強くオススメします。
大学生が監査法人で非常勤として働くデメリット
学生非常勤として監査法人で働く場合のデメリットは、次のとおりです。
- 遊ぶ時間が減る
- 長い人生において貴重な「学生生活」の時間が減る
社会人になると、遊べる時間がほとんどなくなります。
また、これからの長い人生において「学生生活」はとても貴重な時期です。
交友関係を作る、部活動に打ち込む、地元でのバイトを頑張るなど、実は「公認会計士としての人生とは別の経験」こそが貴重になります。
そして、学生時代にどのような遊びをしたか、どんな仲間を作ったか等の経験は、意外と仕事でのコミュニケーションにも役立ちます。
短期的な視点で見れば学生非常勤は魅力的ですが、長期的な視点で見ると実は思いっきり学生生活を楽しんだ方が良いかもしれません。
これは完全に、個人の好みの問題です。
大学生が監査法人で非常勤として働く場合の留意点
大学生が監査法人で学生非常勤として働く場合、以下の点に留意が必要です。
- 毎日アサインされるわけではない
- マナーには要注意
内定後、非常勤としてのアサイン可能な日程を監査法人に提出することになりますが、すべての日にアサインされるわけではありません。
チーム毎に予算がありますから、必要以上に人を配属することができないからです。
また、最も注意すべきは「社会人としてのマナー」です。
会社員としての経験がないことから、知らず知らずのうちにクライアントに迷惑をかけているケースがあります。
優秀な頭脳を持ち合わせていることは確かですが、社会人としては半人前です。
後々自分の首を絞めることになりますので、マナーには十分注意しましょう。
公認会計士の学生非常勤に関するよくある質問
公認会計士の学生非常勤に関するよくある質問を、以下にまとめました。
公認会計士の学生非常勤は実務経験に含まれますか?
はい。学生非常勤としての勤務実態は、公認会計士登録時の「実務経験」に含まれます。
ただし、正社員よりも勤務時間数・勤務日数が少ないため、適当と認められる期間に修正して実務経験年数が計算されます。(参考:公認会計士の資格取得に関するQ&A(Q2)|金融庁)
公認会計士の学生非常勤はいつから働けますか?
公認会計士試験合格後、学生非常勤として働く場合は入社日(2月1日が一般的)から大学卒業まで(通常3月末まで)働くことができます。
ただし、監査法人によっては内定日(通常12月初旬)直後から勤務できるケースもあります。
監査法人での学生非常勤は掛け持ちできますか?
いいえ、学生非常勤の掛け持ちは不可です。
これは学生非常勤が「卒業後もその監査法人で正社員として働くこと」を条件としている為であり、契約上も明記されているケースがほとんどです。
【必見】極限までリスクを抑えながら公認会計士を目指す方法
会計士を目指すことには、以下のリスクがあります。
- 試験に受かっても監査法人に就職できない可能性がある
- 予備校代が高く、落ちたらまた1年分課金しなければならない
- 無職専念になると、職歴に空白期間ができてしまう
- 実務が分からずに勉強をするため、特に「監査論」の学習がなかなか進まない
しかし、このリスクを全て払拭し、最小限のリスクで会計士を目指せる手法があります。
それが、「監査トレーニー」という制度を利用する方法です。
受験生を採用した監査法人では、予備校代の補助を支給するケースが多く、当然勤務時間に見合った給与も支給されます。
合格後は就活をせずそのまま監査法人で働き続けることができるため、就職不安も心配ありません。
雇用形態は「フルタイム」のケースもあれば、「アルバイト雇用」として日数を減らせるケースもあり、法人によって制度が異なります。
監査トレーニーについて、詳しくは次の記事で詳細に解説しています。


