会計事務所で役立つ!おすすめの資格「厳選4選」【税理士所長が暴露】

公認会計士・税理士の藤沼です。
会計事務所への就職・転職のために、「資格を取りたい」と考える方は多いでしょう。
就職に役立たない資格を取ってしまっては、就活を有利に進めることができないほか、「時間のムダ」になることさえ考えられます。
そこで今回は、会計事務所の採用側の視点から、会計事務所への就職におすすめの資格を紹介します。
会計事務所に強い!おすすめの資格
| 資格 | 理由 |
|---|---|
| 1位:日商簿記2級 | たったの3~6ヶ月で取得できるにも拘わらず、内定率・年収がかなり上がる |
| 2位:日商簿記3級 | 1~3ヶ月で取得でき、会計事務所への応募も可能になる |
| 3位:税理士科目合格 | 取得難易度は高いが、年収が大きく上がり、応募できる会計事務所の数もかなり増える |
| 4位:MOS | 取得難易度がとても低い。ただしコレがあるからといって採用されるわけではない |
- 会計事務所業界が未経験の方
- 会計事務所への就職を考えている方
会計事務所に強い!おすすめ資格ランキング【4選】
会計事務所への就職・転職に役立つ、おすすめの資格は次の4種です。
会計事務所に強い!おすすめ資格ランキング
| 資格 | コストパフォーマンス |
|---|---|
| 1位:日商簿記2級 | |
| 2位:日商簿記3級 | |
| 3位:税理士科目(1~2科目)合格 | |
| 4位:MOS |
※ 各資格名をタップすると、該当の見出しにジャンプします。
私自身、過去に上記4種すべてに合格していますので、「時間効率」の観点からも解説します。
なお、「公認会計士資格」及び「税理士資格」については、未経験の方が会計事務所へ就職するために取得を目指す資格ではないため、ここでは取り上げません。(どちらかの資格があれば、ほとんどの会計事務所で採用されます。)
【1位】日商簿記2級|コスパ最高!求人が多く年収平均40万円UP

会計事務所に就職・転職するなら、簿記2級が最もコストパフォーマンスに優れています。
理由は3つあります。
- 求人数が多い(採用ニーズが高い)
- 3ヶ月~6ヶ月程度で取得できる
- 簿記3級と比較し、平均年収が約40万円高い
第一に、簿記2級取得者向けの求人が多いです。
下記の表は、会計事務所専門の大手エージェントの「求人票」を抽出し、集計した表です。
簿記2級取得者向けの求人数(未経験者OK)
| 簿記2級 | 求人全体 | |
|---|---|---|
| 東京都 | 241件(45%) | 533件 |
| 東京都以外 | 350件(49%) | 708件 |
| (合計) | 591件(48%) | 1,241件 |
「未経験者OK」の求人のうち、約半数の会計事務所が応募条件に「簿記2級」を含めていることが分かりました。
後述しますが、「資格不問」の求人に対しても応募できるため、求人全体の60~70%程度の需要があることが分かります。
また、簿記2級を取ると「年収が上がる」というメリットもあります。
簿記2級・3級の会計事務所の年収比較(未経験者OK)
| 簿記2級 | 簿記3級 | |
|---|---|---|
| 東京都 | 450万円 | 405万円 |
| 東京都以外 | 448万円 | 411万円 |
| (全体) | 449万円 | 409万円 |
上記のとおり、簿記2級取得者向けの求人は、簿記3級取得者向けの求人に比べ、平均約40万円ほど年収が高くなります。
単純に求人が多いだけでなく、年収水準が高いことからも、「簿記2級取得者」へのニーズの高さが伺えます。
たった3ヶ月~半年程度勉強するだけで年収が40万円上がるのですから、自己投資という意味でも、簿記2級はコストパフォーマンスの高い資格であると断言できます。
なお、会計事務所の年収に関しては、会計事務所の年収は583万円ですの記事で詳細リサーチの結果を公開しています。
【2位】日商簿記3級|3ヶ月以内に取得できて募集もやや増える

日商簿記2級ほどではありませんが、日商簿記3級も(会計事務所への就職において)コスパに優れた資格です。
理由は2つあります。
- 応募できる求人が少し増える
- 1ヶ月~3ヶ月程度で取得できる
実際に転職サイトの求人票を見ていると、応募条件に「簿記3級」と記載している会計事務所が散見されます。
実際の簿記3級に対するニーズ(求人数・割合)は、下記のとおりです。
簿記3級取得者向けの求人数(未経験者OK)
| 簿記3級 | 求人全体 | |
|---|---|---|
| 東京都 | 64件(12%) | 533件 |
| 東京都以外 | 120件(17%) | 708件 |
| (合計) | 184件(15%) | 1,241件 |
「未経験者OK」の求人のうち、約15%の会計事務所が応募条件に「簿記3級」を含めていることが分かりました。
簿記2級取得者に比べて求人数は減るものの、少なくとも、応募できる会計事務所は増えるでしょう。
簿記3級を取得しておくことで、会計税務に関する最低限の知識の証明ができるほか、会計税務業界へ志望意欲の証明にもなるため、内定率も当然上がります。
簿記3級試験はかなり難易度の低い試験であり、合格率は大体40%~50%程度です。(参考:日本商工会議所「3級受験者データ」)
そのため、私たち採用者側としては「うちに応募するなら、普通は簿記3級くらい取っているよね?」という感覚があります。
勉強期間も1~3ヶ月程度で取得できてしまうため、簿記3級も(会計事務所への就職という観点で)コストパフォーマンスの優れた資格であると言えます。
【3位】税理士科目(1~2科目)合格|1科目で年収50万UPのケースも

税理士科目(1~2科目)合格を、応募条件とする会計事務所も多くあります。
具体的な求人数は、次のとおりです。
税理士科目合格者向けの求人数(未経験者OK)
| 税理士科目合格 | 求人全体 | |
|---|---|---|
| 東京都 | 229件(43%) | 533件 |
| 東京都以外 | 374件(53%) | 708件 |
| (合計) | 603件(49%) | 1,241件 |
簿記2級と同程度の需要があり、また平均年収も簿記2級に比べて30万円ほど上がります。
しかし、税理士試験は非常に難易度が高く、1科目の合格に1年以上費やす方も多いでしょう。(試験は年に一度なので、一度落ちるともう一年掛かります)
あくまで本ランキングは「コストパフォーマンス」のランキングですので、時間効率を踏まえると、簿記2級・簿記3級ほどコスパは良くないと感じます。
ただし、会計事務所に入所した後の評価はかなり高く、税理士科目があると年収が(1科目につき)50万円上がる会計事務所もあります。
また、会計事務所への就職を考える方の中には、将来税理士になることを目標にされている方も多いでしょう。
そんな方は、まず下記の科目の中から学習を始めることをオススメします。
- 消費税法
- 法人税法
- 所得税法
- 簿記論
- 財務諸表論
上記科目は、会計事務所への就職・転職において、評価されやすい科目です。(通常の税務でまず触れる分野なので)
上から順番に評価が高く、「消費税」は会計事務所において最も重宝される傾向にあります。
逆に、たとえば「相続税」はリスク・難易度が高く、ベテラン税理士や所長税理士が担当するため、就活において評価されにくい傾向にあります。
税理士を目指しながら戦略的に就活を進めるのであれば、上記5科目のいずれかの学習からスタートすることをオススメします。
なお、働きながら税理士を目指す方向けに、無理なく働きながら税理士に合格できる「職場」の選び方という記事が非常に参考になるはずです。
【4位】MOS|Excelスキルの証明になる!簿記資格との併用が必要

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、主にExcel・Wordなど、マイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明できる資格です。(参照:MOS公式「MOSとは」)
会計事務所での仕事では、ほぼ確実にExcel(エクセル)を用います。
そのため、エクセルを使いこなせる証明として、MOSもある程度の評価を得ることができます。
ただし、MOSを取得しているから直ちに採用、とはなりません。
MOSはあくまで予備としてアピールするための資格であり、簿記資格があることが前提です。
近年は自宅にPCがない方や、PCを利用したことがない方も増えているため、PCスキルの有無を事前に確認したいという会計事務所が増えています。
合格率は80%程度(非公表)とかなり高く、合格に必要な勉強時間も非常に短いため、簿記を既にお持ちであれば取得を検討するのもアリでしょう。
ただし(くどいですが)MOSの取得は必須ではありません。
会計事務所への就職にあまり役立たない資格一覧
逆に、会計事務所への就活・転職時、あまり役立たない資格は次のとおりです。
会計事務所への就活・転職であまり役立たない資格
| 資格 | あまり役立たない理由 |
|---|---|
| 日商簿記1級 | 難易度が高いわりに評価されない 税務の知識があまり身に付かない |
| ビジネス会計検定 | マイナーなため採用で評価しづらい 簿記資格の方が評価される |
| 建設業経理士 | 実務経験がなければ評価されない 単体では簿記資格の方が評価される |
| ファイナンシャルプランナー | 税務の知識があまり身に付かない 金融系の知識はあまり評価されない |
| 社会保険労務士 | 税務の知識があまり身に付かない 難易度が高いわりに評価されない |
| 中小企業診断士 | 経営コンサルはほぼ必要とされない 難易度が高いわりに評価されない |
| USCPA | 税務の知識があまり身に付かない 難易度が高いわりに評価されない |
上記の中でも、「簿記1級」を取ろうとされる方が比較的多いように感じます。
しかし、簿記1級で学習する科目となる「工業簿記」「原価計算」は、会計事務所ではほぼ使わない知識であり、完全にオーバースペックになります。
簿記1級は「経理」への転職ならオススメの資格ですが、会計事務所向きではありません。(断言)
取ったとしても応募できる求人はさほど多くなく、会計事務所側のニーズは低いのです。
ただし、簿記1級は税理士試験の受験資格(受験するための要件)の1つであるため、税理士を目指すために取るのであれば全く問題ありません。
あくまで本記事は、「直近で会計事務所に就職するための資格」のご紹介です。
資格なしでも会計事務所に就職できる?
結論から言えば、会計事務所へは「資格なし」でも就職・転職可能です。
ただし、未経験者向けの求人はやや少ないです。
資格不問の求人数(未経験者OK)
| 資格不問求人 | 求人全体 | |
|---|---|---|
| 東京都 | 77件(14%) | 533件 |
| 東京都以外 | 104件(15%) | 708件 |
| (合計) | 181件(15%) | 1,241件 |
「未経験者OK」の求人のうち、約15%が「資格不問」の求人であることが分かりました。
一見すると「簿記3級取得者」向けの求人数と同等に見えますが、簿記3級取得者の場合はこの「資格不問」の求人にも応募することができますから、簿記3級取得者の半分の求人しかないと捉えるのが正しいでしょう。
しかし、今すぐ会社を辞めたい方や、すぐに会計事務所で働き始めたい方も多いはず。
そんな方は、資格取得よりも就職を優先すべきです。
なぜなら、会計事務所業界では「資格の有無」よりも「実務経験」の方が遥かに重視されるからです。
これも単なる私の感想ではなく、求人数として表れています。
下記のデータは、「実務経験あり」かつ「資格なし」の方に対する会計事務所の求人数です。
資格不問の求人数(実務経験あり)
| 資格不問求人 | |
|---|---|
| 東京都 | 488件 |
| 東京都以外 | 643件 |
| (合計) | 1,131件 |
「簿記2級・未経験者」の方向けの求人数に比べ、求人は2倍になっています。
つまり、ある程度実務経験を積んだほうが、その後のキャリアで選択肢が広がることを意味しています。
もちろん、簿記資格を取得することで更に応募できる求人が増えますから、まずは資格なしで会計事務所に就職・転職し、働きながら簿記資格・税理士科目を取得する、というプランがオススメです。
なお、会計事務所の求人数はヒュープロが全エージェント中最も多いため、ヒュープロの利用をオススメします。
会計事務所で役立つおすすめの資格に関するよくある質問
その他、会計事務所で役立つ資格に関するよくある疑問をまとめました。
なぜ「会計事務所はやめたほうがいい」と言われるのですか?
「会計事務所はやめたほうがいい」と言われる主な理由は、次の5つです。
- 所長・上司との人間関係に悩みやすい
- 組織が小さく雰囲気が悪いと逃げ場がない
- クライアントからのプレッシャーが大きい
- 繁忙期は残業が増えて体力的にきつい
- 給料が上がりにくい
どれも会計事務所ごとの差が大きいため、入所前に職場の雰囲気と残業時間を確かめてから応募しましょう。
税務系の資格で「税理士」以外のおすすめは何ですか?
税理士以外でおすすめなのは、税理士試験の科目合格です。
なぜなら、科目合格は1科目から履歴書に書けて、会計事務所では実務に直結する知識として評価されるからです。
- 消費税法
- 法人税法
- 所得税法
特に上記の3科目は通常の税務でまず触れる分野なので、これから学習を始めるならこの中から選びましょう。
【比較表】会計事務所に強い!おすすめの転職エージェント
| レックスアドバイザーズ | ヒュープロ | MS-Japan | 人材ドラフト | マイナビ転職税理士 | |
|---|---|---|---|---|---|
![]() | ![]() | ||||
| 総合評価 ※1 | 4.50 / 5.00 | 4.39 / 5.00 | 4.11 / 5.00 | 3.92 / 5.00 | 3.87 / 5.00 |
| 求人数 ※2 | 2,000 件~ | 3,000 件~ | 1,800 件~ | 1,800 件~ | 1,200 件~ |
| 得意領域 | 会計事務所/税理士 | 会計事務所/税理士 | 管理部門 | 会計系 | 税理士 |
| 強み | 利用者満足度が高い | 求人数No.1 | 業界の老舗 | – | – |
| サービス開始 | 2004年 | 2016年 | 1995年 | 2001年 | 2015年 |
| 利用対象者 | 20~50代 | 20~50代 | 30~40代 | 20~50代 | 20~40代 |
| 対象エリア | 全国 | 全国 | 関東/関西/東海 | 全国 | 関東/関西/東海 |
| 料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
| 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ |
| 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP |
- 総合評価の算出方法:コンテンツ制作ポリシー「転職エージェントの評価基準」に基づき算出しています。
- 求人数の集計対象:各社の会計事務所の求人数のみを集計しています。 (2026年10月1日時点)
登録すると、すぐに担当コンサルタントから面談の「日程調整」に関する電話がきます。この時点で自分の希望を遠慮せずに伝えることで、自分に合う求人をいち早くGETできます。
以上、まとめると会計事務所への就職・転職においては、簿記2級が最もコストパフォーマンスに優れていると言えます。
なお、未経験者の方が会計事務所に就職する場合、「資格の取得」以外にも重要なことが3つあります。
- 「税理士補助」を選ぶ
- 「既に未経験者が働いている」会計事務所を選ぶ
- 必ず「転職エージェント」を使う
いずれも必須レベルの重要度です。




